花びら



 そっと触れようとしたとたん


 はらり と
 手のひらに落ちてきた花びら


 あなたは
 少し哀しそうな目をして
 小さく ごめん と


 いいえ
 あなたのせいじゃない


 せいいっぱい咲いた花は
 最期にやさしいぬくもりに触れて


 ふっ とほほえんで
 落ちて行ったの
 

 きれいだね


 そんなこころのつぶやきが
 聞こえたから


 きっと
 あなたの手のひらで
 眠りたかったのね


(イラスト  まさこさん)