なめらかな水の面に
淡い花びらの舟を
浮かべるように


あなたのこころを
波立たせることなく


ただふわりと
小さな微笑を誘う


そんなさりげない
言葉を綴りたかった


気にとめなくて
いいのです


邪魔にならないなら
このままそっと
漂うに任せて下されば


花びらの舟は
ひとつ
またひとつと
わたしの手から離れ


あえかなる
風に乗って


頼りない
迷い子のように
流れて行くから


もしも
いつの日か


あなたのこころの
見えない岸辺に
辿り着けたなら


淡い舟たちは
そっと
寄り集まって


透き通るような
一輪の花と咲くでしょう


その時は
どうか


少しだけ
みつめて下さい


水の中に
ほろりと儚く
揺れるだけの


そんな花もあるのだと


答えなど
求めはしない
切ないだけの


そんな想いもあるのだと


(フラクタル画 HAL-KODAさん)