《スマイルツリーさんへ》
 大唐西域壁画の1枚に寄せて

                                      

群  青



群青の空にかかる月
まろやかなその色


淡く降り注ぐ恵みを浴びて
顔を上げれば


月もひとり


わたしもひとり


大地の底から
しんと澄みきる静寂


けれど


これは
なんと豊かな孤独なのだろう


いつしか気がつけば
たたずむのはわたしだけではない


かの人の残した深い思いが
幻のように
ほんのりと影を現す


それは祈り


屈することなく
胸にかかげ続けた夢


どこまでも広がる
群青の世界は
今 果てしないやすらぎに満ちる


苦しみの末に
辿り着いたこの地にこそ宿る
永久(とこしえ)の希望


差しのばした腕に
あたたかな月光をいだき


ただ無心に
感謝を捧げよう


わたしを導きし
かの人の魂に