虫の声に誘われ

風の腕(かいな)に導かれ



はらはらとこぼれ咲く

萩の花を訪ね歩けば



月華の精の気まぐれか

ふいに高まる胸騒ぎ

たおやかな薄闇の気配


面影も足音も

何ひとつ確かめなくとも

わたしにはわかる



あの方に・・・逢える