臥  龍

      

この眠りは
甘んじてむさぼるには
あまりにも長く
うつろうほどに虚しい


のどかな風景の中に
詩を吟ずる時でさえ
平穏はほろ苦さを伴って
胸の奥に満ちる


ただ
待つことしかないのか


このまま
ひとすじの光を得ることもなく
穏やかな闇に沈むのか


つらつらと流れて行く
果てない夢


焦がれるほどに
両手を差し伸ばし
この身を置くべき
まだ見ぬ場所を恋う


我を呼べ
時を操る聖なる声よ


強くしたたかに
この胸を叩け


我が思いは
風を孕み
光る雲を生じ
高き天を目指すだろう


いずこにかおわす
宿命を背負いし君よ


どうか


我が眠りをさまし
乱世の苦悩を
この身に分け与えたまえ