《野球好きな わが同志(笑)
            さざなみさんへ》





エース



どよめきが
スポットライトのように集まる


ただひとり


マウンドに立つ
君の頭上に


自信と不安は表裏一体


どちらにも転がることを
君は知っている


手のひらに滲む汗は
熱いのだろうか


それとも
冷たいのだろうか


研ぎ澄まされた集中力


ふっと
息をつめ


一瞬の間の後


静かな君の瞳に
きらり と
挑戦的な野性がきらめく


いい表情だ


君の指先から離れた白球が
吸い込まれるように
キャッチャーミットにおさまる


パン、と小気味いい音
見事!


会心の笑みを かすかに浮かべ
マウンドを降りる君


その肩に
若きエースの自覚


頼もしい


さざなみのように
押し寄せる拍手に


これからも
幾度でも
包まれてほしい