GUNDAM SEED DESTROY
遠き栄光

オーブ3



 金色の機体。
 嫌気が差す程に、その機体は光り輝いていた。
 黄金色。人は、その色を見て『王』を想像する。いつの世も、黄金を持つ者は、権力を持つ者と等しい。権力と言う名の、暴力を。
 この機体を黄金に塗った者の意思に、シンは吐き気がした。
 シンは、アカツキという名を知らない。けれど、その名前の由来の暁には、到底想像は及ばなかった。
 その機体はありすぎるほどの存在感を醸し、趣味の悪い威光を放っている。これほどまでに、権力を振りかざし、権力を見せ付ける機体はないと、製作した者の意図を気持ち悪く思う。支配欲とでも言おうか。潔癖なアスハの主張で隠そうとした、正体が丸見えの機体。
 忠誠心を請う、押し付けがましい意思。その意思に膝まつかせようというものが、ありありと現れ、反発したくなるのは、シンだけではあるまい。
「だからって!自分が『王様』とでも言いたいのかよ!『王様』は負けないとでも!」
「何を言ってる!」
 金色は、ビームライフルを避ける。光が乱反射して眩しく、照準が絞りづらいことに舌打ちをした。
 動きも悪くない。技術の総決算といったところか。技術も資金も、贅を尽くした機体なんだろう。オーブ国民の血税を使って。
 心底腹が立った。
「そうやって!いつもいつも、中立だとか戦争反対だとか綺麗事を並べた裏で、戦争の準備をしてるんだな!」
「違う!これは、お父様が…!」
「ウズミ・ナラ・アスハが『俺達の血税を使って』作った、戦争をする機体だ!」
「それもこれも、オーブを守るためだ!」
「それが、なんで国を滅ぼすと分からない!」
「違う!国を滅ぼそうとする者と戦うために作られたんだ!おまえこそ、今、オーブを滅ぼそうとしてる!」
「俺達の目的がそう見えたんなら、為政者失格ってだけだ!」
 オーブには、ロード・ジブリールがいる。全ての元凶、ロゴスの首領が。次々と暗躍する彼を討たねば、この争いは終わらない。
 ミネルバの、ザフトの目的は、オーブ殲滅ではない。オーブに対するロード・ジブリールの身柄の提供と、拘束だ。
 そんなことも分からないのか。
 目の前の争いだけに目を奪われた、かつてのオーブの長に、心から幻滅する。だから、この国はいつも戦火に巻き込まれるのだ。無駄に。…そう、無駄に!
「それに、そんなんで国が守れたなら、とっくに守れてるだろ!」
「!」
「だから!アスハは嫌いなんだ!!」
 金色の機体が、一瞬怯んだ。その隙を、シンが見逃すはずもなく。ビームサーベルを薙ぐ。それで、終わるはずだった。
 が。
「カガリ!ここは任せて、君は国防本部へ!」
「アスラン!」
 シンのビームサーベルの攻撃をシールドで防いだのは、インフィニットジャスティス。その赤い機体は、見慣れたジャスティスという機体に良く似ていた。
 その『正義』という名に、心底嫌悪を覚える。
「そっちが『正義』なら、こっちは『悪』だとでも言いたいのかよ」
 以前、シンがレイにぽつりと漏らした愚痴だ。
 別に、世界がシンを『悪』だと罵りたいのなら、それでも良かった。だからといって、シンの決意は変わらない。戦争をなくす。大事な人を、二度と失くさない。大事なものを、守る!
「シン?…守る?」
 ステラの声が、なぜか耳に蘇った。
 プラントで、自らの身体と戦っているはずのステラ。自分の身体よりも、シンのことを気に懸けていたステラ。優しくも温かい気持ちに、
「うん。守るよ」
シンは無意識に呟いていた。


 国防本部は、静まり返っていた。
 近づいてくる黄金の機体に、当てる気の感じられない威嚇のような射撃が続いていたが、それが突然ぷつりと止むと、誘い入れるように国防本部のドックのひとつが入口を開けた。
 カガリは知ることもないが、国防本部の司令官、オーブの長であるユウナが、
「もういいよ。どうせおまえら、当てる気ないんだろ?直接話した方が早い。司令室に近い入口を開けろ」
と命令したからだった。
 その通り、廊下に配置されたオーブ軍人達は、敬礼をするものの、カガリに銃を向ける気配もなく、そのまま司令室へ向かわせた。
 司令室の扉が開き、中央に立っていた姿が振り返る。
「やあ、カガリ。久しぶりだね」
「ユウナ…」
 夫であるはずのユウナに、カガリは硬い表情を向けた。そして、おもむろに宣言する。
「おまえだけを悪いとは言わない。ウナトやおまえや、市長たちと意見を交わし、己の任をまっとうできなかった私も十分に悪い。だが、今のオーブは間違っている!今すぐに、攻撃をやめてくれ!」
 司令室は、シンと静まり返っていた。
 最初は、カガリの言葉に、皆同意をしているものと思っていた。いつも、そうだったから。アスハ家の言葉を、オーブの主張を、オーブ軍人達は誇りと思っていたから。…そのはずだったから。
 だが。
「ああー。ごめんネ、カガリー」
 ユウナが、大仰におどけて笑う。虫唾が走るような笑みだ。カガリを、嘲っているのだ。
 けれど、司令室の雰囲気が、いまだ硬いことが気になった。ふと、トダカ一佐の姿が目に入る。救いを求めた訳ではないが、この状況の説明を請うような視線を向けると、トダカの視線は申し訳なさそうに逸らされた。
 それと同時に、ユウナの瞳から、おどけるような色が消え、冷たいものが浮かんだ。カガリの背筋を、冷たいものが流れる。
 嫌な予感がした。
「何か勘違いしてるみたいだけど、ここでの君の発言権は、ないよ?」
「なっ!」
「『私は、オーブのカガリ・ユラ・アスハだ』とでも言うつもりかな?」
「!」
 見透かされた言葉に、カガリは喉を詰まらせる。
「うーん、今、オーブにとって『カガリ・ユラ・アスハ』は、『裏切り者』ってことになってるからねぇ」
「どうしてそんなことに!」
「だって、カガリ自身が決めたことでしょ?オーブを、オーブの長を、自分から捨てていったんだから」
 ここに、カガリの居場所はない。
 自ずと、そのおどけた口調とは裏腹に、冷えた視線がそう言っていた。
「結果的に、黒海で姿を見せたのがまずかったよね。それまでなら『攫われた姫君』ってことで済んでただろうけど。アレで、自分の意思でアークエンジェルに乗っているって示しちゃったワケだから」
 ユウナは、冷えた瞳のまま、口だけに歪んだ笑みをのせて、続けた。
「それに、今、オーブを攻めているのは、君自身じゃないの?」
「それはっ…、オーブの間違った行動を…」
「正そうとする?ああ。それが正しいことだと、カガリは思ってるワケだね」
 ユウナの口調は、あくまでおどけている。だが、声音にこもる冷たさが、背筋に冷や汗を流れさせた。むしろ、背後に控えている闇が、恐怖を誘ってくるようだ。
 カガリは、ひとつ大きく息を吸うと、自らを叱咤し、背筋を伸ばした。
「おまえは、今のオーブが正しいとでも言うのか?世界の敵をかくまって、戦争を起こしている今のオーブを!オーブは、中立の国なんだぞ!?」
「中立のつもりだけどね。オーブは、連合に与してるわけじゃないし、ザフトに降ったわけでもない」
「オーブは、戦争をしない国だ!それが、オーブの理念だろう!」
 それが、ウズミ・ナラ・アスハが提唱した尊き理念。絶対無二の、オーブの理念だった。
「それで?」
 魂を込めたカガリの言葉を、あっさりと受け止めたユウナに、目の前が真っ暗になる。ユウナには、オーブの理念の尊さが、絶望的に伝わらない。
「理念で国が守れれば、苦労はいらないよね」
 カガリの思っていることを見透かしているのか、その応えは、寸分違わずカガリの思いに応えていた。
「じゃあ、カガリがオーブの国家元首なら、どうするのさ?」
 カガリは、再度、大きく息を吸い込んだ。ここで尻込みしたら負けだ。オーブを救うためにも、ここで負けてはならない、と。
「もちろん、この戦争の元凶をしかるべき組織へ引き渡し、相応の処罰を与えてもらう」
「しかるべき組織、ねぇ…。それで?」
「ザフトには、その旨を伝え、撤退してもらう」
 ぷっ、と。ユウナは吹き出した。途端、カガリの顔が真っ赤に染まる。
「なっ!何がおかしい!」
「カガリが、あまりにも平和な奴だと思ってさ」
「馬鹿にするな!」
「しかるべき組織がどこかっていうのは、あえて聞かないでおくけどさ、そんなんでザフトが納得するとでも思ってるの?」
「きっと分かってくれるはずだ」
「まあ、それもなんとかなるとしよう。それで?それだけで終わり?」
「ああ。これでオーブから、世界から戦争がなくなる」
 あっはっは!
 とうとう、ユウナは腹を抱えて笑い出した。カガリは、ユウナを相手にするのが馬鹿馬鹿しいと思っているのか、憮然な表情でユウナを睨んでいた。
 が、ひとしきり笑った後に、表情から笑みをすっかり消したユウナの返す鋭い視線に、耐えられず目を伏せる。
「オーブが何度も焼かれた原因を、再認識したよ」
「甘い考えであることは理解している。けれど、理想を目指さなければ、壁も越えられない」
「僕が言いたいのは、そういうことじゃなくてね。カガリ、質問なんだけどさ。君は、それでロード・ジブリールが黙っているとでも思っているのかい?」
「黙っているも何も、拘束するのだから、何もできないだろう」
「ジブリールが、なぜロゴスを牛耳ってたと思っているのさ。どんな組織だろうと、ジブリールは手を回して解放されることとなる」
「そんなっ…」
「さて、ここで問題だけど。カガリ。解放されたジブリールは、どうすると思う?」
「…それは…」
「答えはさ。言うことを聞かなかったオーブへ、報復をするのさ」
「でも、オーブは…!」
「オーブの戦力が、たかだか一組織のボスが操る戦力に負けないとでも?ならさ、ロード・ジブリールの所有する戦力を、カガリは知ってるかい?」
「おまえこそ、知っているとでも言うのか!?」
「やだなぁ、カガリ。相手を知らずして、戦争をするつもりかい?ジブリールの所有している兵器を、正確に把握しているから、オーブは彼を守るために戦わなきゃいけないんだよ」
「…どういう意味だ?」
「オーブがジブリールを守るために戦わなかったら、ジブリールに背後から寝首をかかれるってことさ。あっという間に、地球の地図からオーブという国は姿を消すだろうね」
「そん…なっ…!」
 顔面を蒼白にしたカガリが、呆然と呟く。
 先のことも読まず、潜んでいる敵も調べることなく、敵の戦力も分からぬまま、理念のみを押し通そうとする。…それが、アスハの提唱する国。
 そんなもの、叶うはずもない。そんなに理念が大事なら、理念を抱いたまま死ねばいい。けれど、国や国民が心中するとでも思ったか?
 どこまで驕った理念様だ!
 もう、こんな者に、オーブを好きにさせるものか。
 何度目か分からぬ思いを、胸に刻む。
「別に、僕の妻としてオーブに戻るのなら、迎えないこともないけどね。自らフリーダムに乗っていった君が、今更そんなことを言うとは思えないけど」
 キッと睨んだカガリの瞳が、その応え。ユウナは、それさえも満足げに受け止めていた。
「だからさ。君の居場所は、オーブにないんだよ。君が捨てたんだからさ。もちろん、オーブでの発言権もない。僕を睨まないでくれるかな?君が望んで、君が行動した結果なんだから。…満足だろう?」
 嵌められた、と思った。
 だが、本当にそうだろうか?
 確かに、自分の意思でフリーダムに、アークエンジェルに乗った。ユウナとの婚礼も、自分の意思で決めた。
 本当にオーブを守る気でいたのならば、そのままオーブに残れば良かっただけのこと。
 けれど、カガリはそれをしなかった。
 自分の意思で決めたはずの、ユウナとの婚礼が嫌だった。そのままオーブに残ることが嫌だった。アークエンジェルで、自分の居場所があったと、そう思ってしまった。
 それは、オーブの長として、オーブを、オーブ国民を見捨てた事実だった。
 ユウナとの婚礼とオーブという国と、自らの欲望を天秤にかけ、私はオーブを見捨てたのだ。
 そう気づいた時、カガリは顔面を蒼白にした。血の気が失せ、地面がぐらぐら揺れているような感覚。
 なぜ、今まで気づかなかったのか。いつも、オーブは自分の国だと思っていた。それは、自分の出身地であるとかいう問題ではなく。オーブの長としての自惚れとも言うべきものか。オーブは、自分の『モノ』であるという意識。それは、アークエンジェルに乗っていても変わらなかった。
 オーブの心がカガリから離れていくのも知らずに。長であるカガリがオーブを見捨てたという事実に、オーブが傷ついているとも知らずに。それを踏みにじって、自らはオーブを守っていると、そう自負していたのだ。
 なんという驕り。
「でも、私は…っ」
「往生際が悪いな。君は邪魔だって言っているのが分からない?」
 ユウナの表情から、笑みが消えていた。
「君の行動は、今のオーブには邪魔なものだ。足手まといにしかならない。君の行動は、オーブを滅ぼす。何度、オーブを焼けばいいと思っているんだ?オーブの国民が、それを望んでいるとでも?オーブの国民が、君を支持している者しかいないとでも?…そう思っているのかい?」
 カガリの脳裏に、シンの敵を見るような表情が思い浮かんだ。
 ああ。なぜ今、やっと気づくのだろう。
 オーブ国民が全て、カガリを、アスハ家の意思を支持しているのだと。そんな思い込みに、そんなエゴに。
「そんな…」
「だから、さ」
 肩をがっくり落とし俯いたカガリに、ユウナはそっと、そして残酷に、
「さっさと帰るといいよ、アークエンジェルに」
そう断罪した。


「頃合だな」
 カガリが退出し、戦況も思わしくなくなった頃、ユウナが呟いた。すっくと、司令官の席から立ち上がる。指示を出していたトダカが、その動きに気づいて、顔だけを振り向かせた。
「しばらく任せる」
「了解しました。…どこへ?」
 敗戦の濃厚な戦況を置いて、司令室を出て行くユウナへの当然の疑問に、ユウナはニヤリと笑った。
「大丈夫だって。おまえらを置いて、敵前逃亡しようってワケじゃないよ」
 いつものようにおどけたその言葉に、トダカは生真面目に顔をしかめると、言いにくそうに口を開く。
「そういう意味ではありません。確かに、貴方のオーブへの思いが善良であるものと信用したわけではない。貴方に心酔したわけでもないが、貴方がオーブという国を保とうとしているのは、分かっているつもりです。それに…」
「それに?」
「…それに、私達は、国家元首を守る義務がある」
 ぽかん、と。ユウナは呆気にとられた。
 今の国家元首は間違いなくユウナで。そのユウナを、トダカは守ると宣言したのだ。
 彼のことだ。命を懸けても、ユウナを守ろうとするに違いない。言いづらそうではあったが、生真面目にユウナを真正面から見る表情が、それを如実に表していた。
 ユウナを、人として嫌っていたとしても。ユウナが、オーブという国を愛しているわけではないと知っていても。ユウナが手に入れたオーブという国を、ユウナは決して見捨てないということを。トダカは、知っていたのだ。
 その事実に気づいて、ぷっと、ユウナが吹き出す。トダカの顔が赤面することはなかったが、小さく身じろぎしたのを、ユウナは見逃していない。
「言うようになったじゃないか」
「上司が予断を許さない方なので」
「それでいい。僕に心酔するなんて、気持ち悪い。僕の寝首をかくくらい、虎視眈々と僕の失態を狙ってる方が、僕に合っているからね」
 くすくすと、楽しそうにユウナは笑う。
「けど、そう簡単に、僕は失態を犯さないけど」
「知っています」
 その応えに、ユウナは満足したようだった。
 そして、トダカに問われた答えを、改めて口にする。どこへ行くのか、という問いの答えを。
「それなりの建前は済んだ。あとは、元凶に退出願うだけだってことさ」

 国防本部の応接室には、ソファにふんぞり返っている男が居た。紅茶の器を片手に、外での戦争など、どこ吹く風、というふうに。
 ロード・ジブリール。
 かのロゴスの首領だった。この男がオーブへと身を寄せたために、オーブは攻撃を受けるはめになったのだ。
「ロード・ジブリールはオーブにいない」
との、ユウナの宣言は、嘘だとばれることなどもちろん分かっていた。しかし、ロゴスという巨大な力を持つ組織に逆らうには、オーブという国は小さ過ぎたのだ。
 だが、ロード・ジブリールをしばらく匿い、守るためにザフトからの攻撃を防いだ。敗色が濃厚とはいえ、ここまで抵抗すれば、大義名分は果たしたと言えよう。
「いかがするおつもりですか?」
 ジブリールの真ん前に座り、膝に肘をついて手を組み、ユウナは声をかける。
「どういう意味だ?」
「いつまで、ここへ居るのですか?」
 はっ!とジブリールは笑った。
「おまえ達が死ぬまで、だな。死ぬ気で私を守れ」
 嘲笑であることなど、今更指摘されずとも知っているユウナはそれでも、冷静な表情を崩さないまま応える。
「そうですか。オーブは今、敗色濃厚、という立場ですがね」
「私が渡したモビルスーツはどうした」
「そんなもの、とっくに海に沈んでいます」
「なんだと!?30機もいたんだぞ!?」
「ええ、全て海の藻屑と化しましたが」
 「それがなにか?」と、身を乗り出してきたジブリールに、しれっとユウナは応える。
「言っておきますが、無能が指令を下した訳ではありませんよ。オーブ軍の最高責任者が指揮を執っています」
 それは、暗にトダカ一佐のことを示していた。
「なっ!どんな馬鹿だ!そいつは!」
「馬鹿ではありません。先刻も言ったでしょう?オーブ軍の最善を尽くしても、敵わぬ相手なのですよ。お持ちになった機体に自信があるのならば、それだけ相手は強いのでしょう。…納得いただけないのであれば」
 激昂し、立ち上がったジブリールに、ユウナは至って冷静なまま。
「貴方が指揮を執りますか?」
「できるわけなかろう!」
「そうですね。貴方はここに『いない』はずの方ですから。じゃあ、どうしますか?」
 ユウナの瞳が薄められる。怒りに戦慄いているジブリールを、ゆっくりと見上げた。
「ここで、オーブと心中しますか?」


 1機のシャトルが、オーブを離れていく。追撃する機体があるが、威嚇射撃で近づけさせぬよう指示してある。
 …そこまでが、役割だった。
 そしてユウナは、オーブ国家元首として、再度声明を出した。
「ロード・ジブリールは、このオーブにいません」
 ただ、それだけを。
 オーブの戦場に居た者達は、オーブを離れ宇宙に上がるシャトルを目にしている。その声明が嘘であると、追求することはできなかった。
 そして、あっけなくオーブでの戦闘は幕を下ろしたのである。


to be continued



多分、
このオーブの方向性について、いろいろと思われる方も多いでしょうが、
これが私の思う、オーブでした。


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