工藤夕貴主演「ヘヴンズ・バーニング」
ハリウッドで活躍中の女優、工藤夕貴(29)が人気俳優のラッセル・クロウ(36)と共演しながらも、その出来のひどさでお蔵入りの危機にあった豪州映画「ヘヴンズ・バーニング」(97年制作)が9月中旬に東京・渋谷のシネアミューズでレイトショー公開される。
鮮度が大事といわれる映画界で完成して3年もの間、放りっぱなしの作品が公開されるのは珍しい。当初はビデオ化のプランもあったが、いつのまにか立ち消え。しかし、主役の2人が同作品完成後にハリウッドで成功を収めたこともあって、劇場公開の話が浮上したという。公開に当たり配給会社のアミューズは「史上最低」という珍PR作戦を打ち出した。工藤側も了解済で「幻の珍作」が公開に至ったわけだ。
同映画は意に染まない結婚をしたヒロインが新婚旅行先の豪州で、花婿から逃げ出し、偶然居合わせた銀行で強盗犯の一人と逃避行を繰り広げるというもの。クロウも出来のひどさに自国でのキャンペーンにも不参加。工藤も同じような感想をもらしたそうだが、この映画での演技が「シャイン」のスコット・ヒックス監督の目に留まり、「ヒマラヤ杉に降る雪」でイーサン・ホークの相手役を射止めることになった。「失敗は成功のもと」を地で行く珍作がどこまでヒットするか、注目だ。
工藤はロスで次回作リサーチ
工藤は「ヒマラヤ杉に降る雪」でアカデミー賞の前哨戦の一つであるゴールデン・サテライト賞主演女優賞にノミネートされた。目下、ロサンゼルスで次回作をリサーチ中。一方のクロウも「インサイダー」で本年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、最新作「グラディエーター」(上映中)は公開3日間で興収3480万ドルをあげる大ヒットとなっている。