飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

2月23日(火)

 友菱SS100の振るい落とし作業が終わり、212ページまで絞り込みが完了した。そして、21日の編集会議ではさらに厳しい絞り込みが…。惜しいことこの上ないが、本としていいものを作るためにはやむをえない。これからもまだ、全体のバランスを考えて落とす原稿が出てくるだろう。つらいところだが…。

 17日、「犬夜叉」だが、鉄砕牙を奈落のもとへ運んだ珊瑚は、それを渡す際に隠し武器で奈落を襲った。しかし、残念ながら猿の毛皮と髪の一部を切り裂くにとどまり、逆に奈落に操られた弟・琥珀の手によって殺されかける。そこへ、駆けつけた犬夜叉たち…。展開としてはかなり急なものを見せているのだが、内心盛り上がってこない。なぜだろう? まだ、こんな時期にあまり盛り上がってもらっては困るという想いが、心にブレーキをかけているのかもしれない。

 奈落は、珊瑚に鉄砕牙を奪わせるとともに、犬夜叉たちをおびき出し、罠に誘い込んだ。前のシリーズで弥勒の風穴を広げ、当分使えない状態にした。次に珊瑚を使って鉄砕牙を犬夜叉から奪い、犬夜叉を丸腰にした。そして、その珊瑚を琥珀によって瀕死の状態にまでした。奈落に噛みついた雲母は、毒と瘴気のかたまりである奈落の体に毒され、これも瀕死の状態に陥ってしまった。実に周到に事を進め、犬夜叉たちをおびき寄せたことからして、この機に一気に犬夜叉たちを皆殺しにしようというのだろう。

 前回のシリーズで夢心和尚が奈落を早く倒せと言ったのが、ここになって気にかかってくる。いままで、決して自らは手を下さなかった奈落の方から仕掛けてきたからには、これで奈落との闘いに決着がついてしまうのだろうか? しかし、まだそんなに早く決着をつけて欲しくない。ここでは、奈落を倒してしまう必要はない…。危機を逃れられればそれでいいのだ。頼むから、まだ奈落を倒さないでくれ…。悪役を応援したくなるとは困ったファンだが、そう考えるのは私だけではなかろう。(笑)

 奈落の体は毒と瘴気のかたまりで、雲母に肩のあたりを噛みちぎられても、まるでダメージを受けていない。もともと、数多の妖怪の集合体で、変化によって姿を変える奈落だ。実体は無いに等しいのかもしれない。とすると、単純な打撃や斬撃では倒せまい。毒や瘴気に対して、それを清める力が必要になってくる。そうなれば、桔梗の霊力を引き継ぐかごめの覚醒が必要となってくるという考え方もできよう。しかし、ここでの覚醒はどうだろうか? これも、まだ先であって欲しいという欲張りな気持ちが働いてしまう。(笑)

 いずれにしても、周到に準備を整えて罠に誘い込んだ奈落だ。その思惑が外れるとしたら、予想外のできごとが起こらねばなるまい。今の奈落にとって予想外のことといえば、かごめの覚醒の他に、操っていたはずの琥珀が犬夜叉たちの味方になること、さらに戦力外と思われた七宝の活躍などが考えられる。ここでは、珊瑚が抱きついたことによって、若干、正気を取り戻しかけたかに見える琥珀の動向が気になるところだ。果たして、どのように推移するのか…? 展開を見守るとしよう。

 さてこの日は、結局、前夜できなかった「君がいるだけで」の解説文書きをし、1日遅れで高橋留美子漫画作品一覧に正式追加した。前夜は、気まぐれモノローグの原文を書き終えるとともに猛烈な睡魔に襲われてしまって、更新を続ける気力が続かなかったのだ。何だかんだいって疲れているらしい。でも、友菱SS100の原稿候補決定までもう一息なので、かんばろうとこの日は元気を奮い起こした。

 ところが立て続けに2件、電話がかかってきて、ともに長電話してしまったため、ほとんど何もできなくなってしまった。(汗) まあ、電話の方は電話でそこそこ大事な用事だったのでしかたないのだが、残り日数が少ないだけにちょっと痛かった…。うーむ、せめて別々の日にかかってきてくれれば…。もっとも、別々にかかってきたら、まる2日つぶれていたかもしれないが…。(汗)

 18日、この日はしっかり友菱SS100の原稿振るい落とし作業に専念した。が、どうも最初に選んだ候補の号数に偏りがあるのが気になって、見落としがないか再確認してみた。結果、候補が逆に増えてしまった…。(おいおい。汗) でも、本当に何でこんなにいいのを落としたんだろうと思えるものもあった。文章原稿は気力が低下してると読解力にも影響が出て、取りこぼす確率が絵原稿に比べて高いのかもしれない。まあ、これはこれでよかったのだろうと思う。

 19日、この日も前日と同じ結果になってしまった。うーむ、振るい落とすはずが、逆に拾い上げている。まあ、結局は21日に最終的な振るい落としがあるのだから、それまでは候補にしておいてもいいだろう。しかし、あんまり候補を増やしてしまうと決定に時間がかかってしまう。当日は何とか17時までに編集会議を終え、国立のリバプールというライブハウスで開かれる友人のバンドのライブに駆けつけたいという思惑があるのだ。17日の電話のうちの1件は、その待ち合わせなどについての話だった。

 私がバンドをやっていることは、自己紹介のページの写真や過去の気まぐれモノローグでわかると思うが、自分自身はライブハウスでは演奏したことはない。○○公会堂とか○○会館とかいったところのホールでは演奏したことがあるのだが、ライブハウスにはそれとは違った独特の魅力がある。ある意味で憧れのステージでもある。同人活動を始める前は、ライブハウス通いをしていた私だ…。久々のライブ鑑賞、しかも友人が出て、それがアニソンバンドとなると誘惑がデカすぎる。(笑) うーむ、友菱SS100とどっちが大事なんだ?(汗)

 20日、午後にはほぼ予定していた原稿振るい落とし作業が終わり、翌日に備えて候補と予備候補の一覧をプリントアウトするまでに至った。これで、あとはバッグに詰め込んで出かけるだけである。まずは一安心…。と、気が抜けたら一気に疲労と睡魔が襲ってきた。うーむ、やはりそーとー疲れていたらしい。自分では集中していたから、あまり感じなかったが…。

 というわけで、16時から18時まで睡眠をとった。夕食後、さて何をするかと考えると、急に手持ち無沙汰になってしまったことに気づく…。まあ、先のことを考えれば、やるべきことはたくさんあるのだが、一仕事終えたところだからリラックスしたかった。私は、パソコンにゲームの類は入れていない。デフォルトでついてるものだけだ。時間つぶしにはそれでも充分だが、本格的に遊ぼうと思うと物足りない。夢中になってしまうようなものを入れたら、原稿が進まなくなって困るから自粛しているのだが、こういうときばかりは退屈で困ってしまう。

 それじゃ、久々にネットサーフィン(この言葉も古いが…。汗)するかということで、検索サイトで「高橋留美子」で検索し、まだ行ったことないところがないか探した。久々なので、いくらかは増えているだろう。検索エンジンも「フレッシュアイ」を初めて使ってみた。あまり多くは引っかからなかったが、それでも100以上はある。結構、行ってないところも多かったが、大体が自分の漫画本所有リストだったりする。(汗) でも、中には感想が添えてあるものもあったりして、おもしろいものもある。

 「犬夜叉」については、やはり賛否両論だ。おもしろがってる人もいるが、全然期待はずれという声もある。確かに、かつてのギャグ連発型の作品とは違うから、それを求めていた人にとっては大いに物足りないだろう。極端な結果が出るのも、ある意味、当然だと思う…。世の中、完全なる客観的評価というのは難しい。多少なりとも、個人の好みが影響してしまう。要は、自分が楽しめるかどうかで、楽しめなければ他のものを求めるというのが自然な姿だと思う。

 さて、そうして検索結果を片っ端から当たっていると、とある古本屋のサイトに行き当たった。たまたま引っかかったのは「めぞん一刻」の単行本の在庫情報だったのだが、ついでに他のジャンルも見てみようと思い、同人誌のコーナーをのぞいてみた。るーみっく系の古いものでもないかとチェックしてみたのだが、かなりの件数があり、途中で嫌気がさしてスクロールバーで一気に最後まで送ってしまった。そこから、今度はちょっと戻ってみる。その操作自体はまったくの気まぐれで、偶然の行動でしかなかったのだが、ふと「高橋留美子」という文字がスクロール中に目に止まった。

 るーみっく系同人誌に行き当たったかと、再びスクロールバーを戻してみると、何とも怪しげな記述が目に飛び込んできた。誌名は「桃源郷 変態乙女ちっく倶楽部」、発行は1983年8月で58頁。高橋留美子等、日本女子大出身漫画家によるオリジナル。高橋留美子折り込みポスターつき…。な、何だこの本は!? 「びびっと」など、このHPの漫画作品一覧に載せている同人誌の存在は当然知っているが、このような本の存在は聞いたことがない。いや、どこかで聞いたような気もするのだが、恐らくデ・ジャ・ヴであろう。

 値段は1万2千円とべらぼうなプレミアだ。「びびっと」を5万円で売っていた店もあるから、それに比べればまだ常識的だが、まんだらけでの「びびっと」の販売価格ず5千円から1万円であることを考えるとかなり高い。しかし、知名度が低いとすれば、うなずけない値段ではない。タイトルの中の「桃源郷 変態乙女ちっく倶楽部」というの言葉の組合せも、何となく高橋先生が絡んでいるように見えてくる…。どうするか? 少なくとも、ポスターはついているらしい。日本女子大出身の漫画家と書いてあるのだから、同姓同名の同人作家(実際に、るーみっく系にいたのだが)ではないと思う。

 だが、1万2千円ではずしたら痛い。いつもなら、「迷ったら買い」を実践するのだが、モノが拝めないだけにためらわれる。(汗) トップページのアクセスカウンタを見ると、幸いなことにまだ2000も行っていない。あまり知られていないサイトのようだ。ならば翌日、一刻会会長の古屋氏に会うから、ちょっと確認してみてからにしようと思った。古屋氏あたりなら、知ってるかもしれないと…。

 21日、友菱SS100の編集会議が日野で行われた。ちょっと集まりが遅く、1時間近く遅れてのスタートとなったが、たまたま東京に出てきていた逸見五美さんや時計坂通信社代表幹事の大田氏が参加してくれるなど、いつもの編集メンバーとは違った視点での取捨選択作業を行うことができた。スタートが遅れた分、予定していたすべての絞り込みはできなかったが、17時までに170ページまでに絞り込みが進んだ。大きな成果である。

 そして、解散間際に前夜発見した「桃源郷 変態乙女ちっく倶楽部」のことについて尋ねてみた。幸い大田氏もいるので、正体は容易に判明するかと思ったのだが、2人とも知らないと言う…。この2人が知らないということは、相当に珍しいものなのか? まったく、高橋先生とは関係ないというリスクも捨てきれないが、こうなってくるともう誘惑に勝てそうにない。もし、漫画作品が掲載されていれば、このHPの一覧にぜひ加えたい。そのためにも、私には犠牲となって確かめる義務がある…。などと、アホな使命感にも燃えてしまい、ついに申し込むことを決意した。(笑)

 一方、編集会議解散後は有志を募って国立のライブハウスにライブ鑑賞に向かった。アニソンバンドということで期待していたのだが、私にはちょっと新しすぎて1曲目の「ゴッドマーズ」のOPくらいしかわからなかった。(う〜っ、年を感じてしまふ…。汗) ライブ後はバンドメンバーを交えての打ち上げ宴会に参加したが、あまりにも人数が多過ぎてほとんど話ができないまま終わってしまった。まあ、現役でアニメ関係の仕事をしてる方とはそこそこ話せたのだが…。

 帰宅後は、早速申し込みだ。やはり、まだ売れてはいなかった。もう、ポスターのための1万2千円でもいいと思った。もしかしたら、リストにはあるが、すでに売れてしまっているのを更新していないということもありうる。以前、「劇画村塾2号」でそういうことがあったから、過大な期待はしない。気を楽に持とうと思った…。しかし、それでもやはり興奮は残っているようで、なかなか寝つけなかった。いい年して情けない話だが、人間ってそういうもんなんじゃないだろうか? イベント前夜のわくわく感…。この気持ちだけは、たとえ笑われようと失いたくないものだ。

 22日、帰宅するともう返事のメールが届いていた。この日のうちに発送するとのことだった。早い…。迅速さが売り物とは書いてあったが、この対応はうれしい。しかも、商品を先に送り、モノを確認してから代金を振り込むというシステムだ。個人レベルの同人誌通販だと、なかなかこのリスクは負えないから、送金が先にならざるをえないのだが、これができるということは、結構利用者を安心させる。すでに発送しているとすると、早ければ翌日にも届くかもしれない。過大な期待はせん方がいいが、つい期待に胸がふくらんでしまう。あんまり期待すると、はずれたときのショックが大きいから、期待してないふりをしようとするのだが、どうにも顔に出てしまう。(汗)

 さて、そんなこんなで気がはやるので、それを忘れる意味でも、前日できなかった分の原稿絞り込みを一気に行った。結果として、155ページまで絞り込むことに成功した。これなら、当初計画の200ページ以内も可能性として見えてきた。いよいよ、乗ってきたぞ! 週末には2年ぶりのスキーも控えているし、運気は好調のようだ。あんまり好調すぎて、スキーで大ケガしなければいいのだが…。(汗)

 23日、朝のTVの星占いで、天秤座の運気は最高だった。あたってるかもしれない。以前もそういう日に思わぬお宝が手に入ったことがある。これはひょっとすると、ひょっとするかもしれない。しかも、年上の異性が幸運を運ぶとのこと…。年上の女性って…、高橋先生は年上の女性だな…。何か妙に期待させられてしまう内容だった。

 ところが、午後から体調がおかしい。全身に倦怠感が走り、頭痛がしてきた。あばらのあたりに妙なぞくぞく感というか、違和感を感じ、顔が火照ってきた。まずい…。念のために熱を測ってみると38.0度…。やられてしまった…。インフルエンザだ。(汗) 今年は、周囲の流行をよそに、ずっと順調にきていたのだが、ここへきて発病してしまうとは…。どこが最高の運気じゃいっ!?

 もっとも、これで仕事を休めるし、本が届いたとき、すぐに中味を拝むことができるという利点はあるのだが、この体調と引き換えでは割に合わない。スキーがダメになったら、たまったものではない。(汗)

 というわけで、いつもなら医者嫌いで、めったに医者にかからないのだが、この日は素直に職場の診療所に向かい診断書と薬をもらった。スキーまでには何としても治さねば…。前日でなくてよかった。

 帰宅後は、ここと一刻会のページの一部だけ更新した。他にも少しは更新したかったのだが、無理はできない。これを書いていること自体、無理でないわけではないのだが…。(汗) 本はまだ届いていなかった。本が届き、回復し次第、報告したいと思う。はずれでないことを祈りたいものだ…。

メニューに戻る