飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1998年>

8月25日(火)

 コミケが終わって、とりあえずは残務整理の日々…。例年になく買った同人誌を真剣に読む飛鳥…。うまい人に感心しながらも、悔しさが湧いてくる。何かもやもやしたものが残る心に、新たな決意が…。

 19日、「犬夜叉」だが、前回のラストで崖から転落した桃果人と犬夜叉の結末は、冒頭で実にあっさりと提示された。ちょっと拍子抜けの感もあるが、恐らくこのシリーズで描きたかったのは、桃果人との戦闘そのものではなかったということなのだろう。

 命を投げうってまでかごめを救おうとした犬夜叉。非力な人間の姿では、そうでもしなければかごめを守れないという実情…。それに対して、そんなことされても嬉しくないと言うかごめ…。そこから、かごめを守る力が欲しいがゆえに妖怪になりたいと言う犬夜叉へとつながり、四魂の玉の力に対する弥勒の推測が提示される。

 桔梗とのシリーズで、やや話がそれた感があったのを、再び四魂の玉へと注目を集めるために流れを作っているのだ。このあたりは、「らんま」までと違って、ストーリーに連続性を持たせたために使えるようになった技と言えるだろう。1話の途中でシリーズが切り替わるというパターンも、もうすでに何度目かだ。

 その辺のさり気ない技もさすがだが、何と言っても今回の目玉は退治屋さんだ。恐らく、ほとんどの読者にうなずいてもらえるのではないだろうか? いいぞっ!! もうすでにハマっている…。(笑)

 もちろん、キャラとしてよさそうだというのは言うまでもないが、四魂の玉が彼女の里から出たものだという言葉が大きい。この言葉で勘違いしている人もいるのではないかと思うのだが、退治屋さんの里とは桔梗や楓の住んでいた村のこととはかぎらない。私は別の里であると考えている。

 そもそも、四魂の玉はどこから生まれてきたのか定かでない。かごめは体内に宿していたが、桔梗が守っていた四魂の玉も桔梗の体内から出たものなのか、それとも全然別のところで生まれて、様々な経緯の後、桔梗が守るようになったのか、これまでの展開では一切触れられてこなかったのだ。この辺が、四魂の玉の正体にかかわる重要な謎の1つであった。

 それがここへきて、もともと自分の里から出たものだと退治屋さんが語った…。いよいよ、四魂の玉にまつわる秘密の一部が明らかになるときがきたのかもしれない。退治屋さんそのものも非常によいが、この展開には興味をそそられずにはいられない。退治屋さんの正体ともども、先が待ち遠しい。

 さて、この日はとにかく休養…。早く床につくことだけに努めた。したがって、「犬夜叉」のことだけしかない。無理にでも何かしないと、このコーナーを読んでくれてる人には申し訳ないのだが…。(笑)

 20日、この日も早く寝るよう心がけたが、帰宅も早かったので珍しく買った同人誌をじっくり読んだ。いつもなら、一応は全部目を通すが、知り合いやお気に入りのサークルの本以外は、じっくり読むというところまではいかなかった。今回、じっくり読むことにしたのは、明らかに内容で負けてるという感覚を覚えた本があったからで、すべてをじっくり読み直して、自分の本がどのくらいの位置にいるのかを確認したかったのだ。

 みんなそれぞれにいいところがあるし、個人的な好みもあるから一概に勝ち負けを決められるものではない。また、勝ち負けだけにこだわるのも変な話だと思う。でも、描くからには負けたくないという気持ちはあるし、うまい人に感心しながらも、悔しいって気持ちは湧いてくるものだ。

 これが、うまい具合にエネルギーとなってくれればいいのだが、負けたくないという気持ちが強くなりすぎて敵対関係になってしまうと最悪だ。特に、これまで仲良くやってきた相手がそういう対象になってしまうと悲劇としか言いようがない。私の場合は、幸いすぐ近くにライバル視してる人がいないからいいのだが…。

 21日、もうすでに次回の新刊に描き下ろす作品の構想固めに入る。といっても、候補がたくさんあるからどれにしようか選ぶのが大変だ。期間的にみて、長めの作品1つがやっとだろう。初期作品との組み合わせだから、かなり前に構想を立てながら、描く時期を逸してお蔵入りになってしまったものを引っぱり出してみるのもいいかもしれない。

 しかし、再録が多いから、描き下ろしによほどいいものを描かないと売れない可能性も高い。悩むところだ…。金銭的に赤字なのはいいが、売れないのはいやだ。すべての読者がまめに感想をくれるのなら、読んでもらうだけで売らなくてもいいのだが、実際問題、相当な人気作家でもないかぎり、感想をくれる人など数えるほどだ。そうなると、金を出して買う価値があると判断してくれたかどうかで評価を見るしかない。売れないということは、その価値を認めてもらえなかったことになるからいやなのだ。

 もちろん、感想がいくら欲しいと言っても、きつい批判はあまりありがたくない。自分の力不足のせいだとわかっていても、感情のある人間である以上、どうしてもムカっときてしまう。これは、プロだって同じことだろう。プロだって特別な生き物ではないのだ。だから、そういうものを読まないで済むのはいいのだが、何の反応も返ってこないというのは、たまらなく不安だ。

 特に今回は、数そのものは以前より売れたが、内容的に本当にこれでよかったのだろうかという疑問が自分の中にある。1つでもそれに対する反応が欲しい…。悪ければ悪いで方向修正できるし、逆にこの路線が支持されているならば、次回も継続していくべきだろう…。基本的には、自分の気持ちのおもむくままにということなのだろうが…。

 22日、気分転換に軽く外出したが、特にこれといった収穫もなかった。まあ、健康のためには悪くないだろう。普段、不健康な生活してるのだから、たまには外に出るべきだ。が、東京の夏では、かえって健康を害してしまうかもしれないな…。暑いし、空気悪いし…。(汗)

 とりあえず、この土日でコミケの残務整理をしなければならない。「REAL LOVE」Vol.3の参加者への贈呈分発送などだが、この日は御礼状などを作成した。しかし、その間も買った同人誌や自分の本に目をやる。何かもやもやしたものが残っている。

 そこで、久々にるーみっく関係のサイトをのぞいてみる。掲示板にコミケの感想とかないだろうかと探してみたが、これといったものはなかった。コミケに行くとか行ったとかいう報告はあるのだが…。何か余計に欲求不満に陥ってしまった。

 23日、贈呈分の発送準備やそれとは別の手紙の返事などをまとめて書いた。そのかたわら、そろそろかな…という思いが心の中で広がってきた。そろそろ20,000アクセス到達も近いし、それを機会にこのホームページにも掲示板を設置しようかなと…。

 いままでは、あえて掲示板設置を避けてきた。よそと同じことをやって安直にアクセス数を増やすというのもいやだったし、軌道に乗るまではまめに応対しなければならないだろうから、当然負荷が自分にかかる。時間のある身ならどうってことはないのだが、執筆時期に入ってしまうと、まるで応対できない状態になってしまいかねない。それでは、来訪者に対して失礼だろうという気持ちがあったからだ。

 しかし、こうもやもやしたものがたまるのなら、そろそろ設置した方がいいと思うようになった。よそと同じじゃいやだという気持ちも、もはやあるのが当たり前に近くなった今日の状況下では大分薄れてきたし…。もちろん、設置したからといって本の感想がもらえるかどうかはわからないが、肩肘張らずに書いてもらえる場所を作っておけば、何もしないよりは声が聞けるんじゃないだろうかと…。

 そこで、使い勝手のよさそうな無料CGIスクリプトをいくつかダウンロードして、テストを始めてみる。CGIのことはほとんどわからないから、なかなかうまく動かない。とにかく、最初に落としてきたものは使えなかった。(私が無知なせいだろうが…。汗) 他のテストは翌日以降だ。使えるものがあるといいのだが…。(汗)

 24日、せっかく準備した贈呈本や手紙を出し忘れた。朝忘れて、帰りも忘れてしまうという飛鳥の悪い癖が出てしまった。ほんとに困った奴だ…。(汗) 相当な重さなのに、ポストの前にくると、すっかり忘れてしまうのだ。良牙の方向音痴並みの見事さだ。(ちっとも、自慢できないが…。笑)

 帰宅途中に、書店で「散歩の達人」9月号(弘済出版社)を買う。時計坂通信社から、この雑誌に「東京マンガ歩き」という記事があり、時計坂についても触れられているという情報が入ったので、チェックしてみたのだ。

 ほんとに小さくではあるが、高橋先生のコメントが載っていた。それによれば、時計坂は東久留米であるという定説に対して、時計坂はあくまで架空の町だが、少しまじってるとのことだった。確かに、そのとおりだろう。東久留米にはあのような坂はないし、あくまでモデルになった風景が東久留米に多く見られるということだ。

 そういう意味では、後半期はすでに練馬区に引っ越していたから、後半の風景には練馬区のものもまじっていると言えるだろう。関東バスのバス停などは、練馬区の風景である可能性が高いと思う。

 さて、この日は2つめの掲示板用の無料CGIスクリプトを試してみる。今度はうまく動くようだ。いろいろと試してみたが、デザインだけ自分用にいじれば使えそうだ。あとは、たまってきたときに過去のLOGをどうするかだが、保存しておくのも大変だし、少し大きめに上限を設けといて、お任せの自然消去というのが楽でよかろう。

 とにかく、面倒でないのがいちばんだ。その点、このCGIスクリプトは悪くない。ちょっと次ページを見たあとの戻りに問題もあるが、そのくらいは目をつぶるとしよう。これなら、遅くとも9月1日にはオープンできる。いや、翌日にでもできそうだ。問題は、何人来てくれるかだが…(汗)

 25日、この日は間違いなく郵便物を全部投函した。あたりまえのことなのだが、なんとなく達成感…。(こらこら…。笑) そして、帰宅後はここの更新作業だ。

 急げば掲示板設置も間に合うなと思い、オープンしてしまうことにした。こういうものは、いずれ結果がついてくる。そのうちなんとかなるだろう。(笑) 期待した結果は得られないかもしれないが、とにかくこれでもやもやが晴れればしめたものだ。

 しばらくは、応対で忙しくなるかもしれないが…。(笑)

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