飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1998年>

8月11日(火)

 ようやく山を越えた飛鳥だが、蓄積された疲労はなかなか抜けてくれない。土日の休養でいくらか肉体的には回復したが、逆に精神的大打撃に見舞われてしまう。このショックから立ち直れるか、飛鳥杏華…?(汗)

 5日、「犬夜叉」は予告どおりかごめの活躍となった。かごめの弓は少しずつ当たるようになってきたが、破魔の気まで発せられるようになっていたとは…。

 確かに桔梗の生まれ変わりであり、その魂の大部分を引き継いでいるのだから、潜在能力は持っていたのだろう。しかし、これといった覚醒のきっかけも見えないまま、いつのまにかそこまできていたという感じだ。あったとすれば、犬夜叉を地獄に引きずり込もうとした桔梗の所業を阻止したあのときだろうか…。

 もっとも、かごめの矢も桃果人を倒す力はなく、へそに仕込んだ四魂のかけらをはじき出しただけだ。決してスーパーな存在になってないところがいいところかもしれない。かごめの矢が必殺技にでもなってしまうと、既存のアニメと同じになってしまうし…。まあ、その方が安直に子供の人気は得られるのかもしれないが…。(汗)

 桃果人の意識がかごめに向いたスキに体当たりをくらわして、桃果人もろとも窓から崖下に落下する犬夜叉…。この窓の存在は前回に出てきたわけだが、ここを発見した際のかごめと犬夜叉のやりとりが、しっかりと今回の伏線になっているのは、いつもながらさすがだと思う。

 これで次回はコミケ後の19日だ。単純に考えれば落下中に日が上って、妖力が戻るというのが可能性として高いわけだが、果たしてどのような決着を見るのだろうか?

 さて、この日はグチャグチャになった部屋の整理を少しした。といっても、とてもやりきれる状態ではない。トーンだけは袋にまとめ、トーンの切れ端やネームを貼った両面テープのカスなどをごみ箱に入れるが、すぐにいっぱいになってしまう。こんなとき、クリック1つで「ごみ箱を空にする」を実行できると楽なのだが…。(苦笑)

 そこまででもう疲れがドッと出てしまった。やはりたまっている…。とにかく、コミケ当日までは体力回復が第一だ。ということで、23時過ぎには床についた。(あっという間に寝てたな…。汗)

 6日、仕事帰りに営団地下鉄の車内で「小学館 コミックジャングル展」の中吊りポスターを発見した。そういえば、この日から新宿タカシマヤ10Fで開かれていたのだ。情報としては、時計坂通信社などから入ってきていたのだが、修羅場状態だったので、あまり詳しい日時などは記憶してなかったのだ。

 そのとき見た中吊りは横2倍サイズで、いろいろな作家の作品から引用された絵が並べられているものだった。高橋先生の絵はというと、中央やや左下に「うる星やつら」最終話の最終ページ1コマ目のラムが引用されていた。しかし、確かに印象に残りやすい絵ではあるが、その絵を一目見て「あそこの絵だ!」と一発でわかってしまうというのも何だかなぁ…。(汗)

 さて、一旦はまっすぐ帰ろうとしたのだが、思い直して行きつけの書店をのぞいた。いつも少し早めに売っているからもしやと思ったのだが、案の定「犬夜叉」第7巻がもう売られていた。当然、買って帰る…。

 しかし、この店は文庫版の方の仕入れはあまり力が入っていない。「めぞん」のときも1ヶ月以上遅れることがあったから期待はしてなかったが、やはり「うる星」の文庫版はまだ入っていなかった。(もっとも、正規発売日2日前だが…。笑)

 7日、まだ疲れは抜けない。これは、土日ゆっくり寝坊しないと無理だろうと思った。購入以来、放ったらかしだったコミケカタログのまんがレポートをようやく読み始める。そうやってとにかく、リラックスしながら早く寝ることに専念するだけだ。ここの更新もいろいろ準備したいところではあるが…。

 8日、久々の朝寝坊…。といっても、9時半には起きてしまったが、前夜の就寝が早かったので結構寝た。大分楽になる…。もう1日寝坊できれば、ほとんどノーマルに戻るだろう。楽になったからって無理しなければの話だが…。(笑)

 ところが、言ってるそばから何を思ったのか絵コンテを切り始める。もう冬コミに向けて始動…? まあ、そう言えなくもないのだが、別にいつでもいいものを無性に描きたくなってしまったのだ。

 本来、一刻会内部のごく1部のスタッフに向けたマニュアルで、むしろ文章で書いた方がいいものなのだが、妙に漫画にしたくなってしまった。しかも、ギャグだらけ…。自分で考えてて面白くなってしまったので、オフセットで刷って一般売りさえしたくなってしまった。許してもらえるかどうかわからないが…。(汗)

 9日、連日の寝坊で慢性的な睡魔もほとんど解消された。肉体的にはまだやや背中に疲れがたまっているが、そろそろ始動してもよさそうだ。ということで、たまっていた予定を一気にこなすべく外出した。(これだから、また疲れちゃったりして…。汗)

 まずは、かねてから予定していたデジタルカメラを購入。これで、いままで画像に取り込めなかった大きなコレクションの画像が簡単に作れる。ここのコンテンツも増えるというわけだ。コミケ前に予定したのは、コミケでコスプレを撮りたいから…。(笑) もっとも、るーみっくキャラ以外はほとんど興味ないのだが…。

 続いて「小学館 コミックジャングル展」に…。最大の目的はやはり高橋先生の原画(原稿)などを見ることと記念グッズ類の購入だ。すでに行った人からの報告で、サイン入りテレカ、ラムのバッヂ、ラムの絵がラベルに入ったワイン(赤、白)、複製原画(展示全作家各1枚)、ラムと撮れるプリクラがあるのは知っていた。プリクラはともかくとして、あとは当然全部GETする予定だった。

 高橋先生に限らず、プロの生原稿を見るというのは絵描きとして非常に勉強になる。細かいペンタッチやホワイトの使い方などは、生原稿でないとわからない。お目当ての作家の原稿でなくても、絵描きならぜひ見学すべきだと思う。刺激になり、自分もがんばらねばという気持ちになってくる。

 高橋先生の原稿は、いわゆる四大長期連載作品のものだけだったが、それすらいままで生で見られる機会がほとんどなかったのだから貴重だ。カラー原稿は、「うる星」のものは紙だったが、「らんま」以降はイラストボードを使用している。これは、少年サンデーの誌面で見たときも、薄い色の部分にイラストボードの表面特有の凹凸が見えたので予想どおりではあった。昨年見た「スリム観音」のイラストもそうだったし…。

 それと、印象に残ったのが高橋留美子オリジナル原稿用紙だ。「うる星」中期以前の原稿は無地の紙が使われているが、今回の展示では、「めぞん」末期の原稿あたりから使用が認められる。

 この用紙、市販の漫画原稿用紙と同じく薄い青で内枠と断ち切り枠が印刷されているが、市販のもののように1mmまたは5mm単位の目盛りはついていない。断ち切り枠の外(下)に「高橋留美子」と大きく名前が入っていて、左側の内枠と断ち切り枠内の間に「のど9mm」と「のど15mm」の目安指定が入っているのが大きな特徴だ。

 「のど」というのは、出版用語で本の綴じ目の側を言う。右ページなら左側、左ページなら右側が「のど」になる。「のど15mm」というのは、内枠から断ち切り枠までの長さ全体を示しており、ここまでしか印刷に出ないという位置の目安だ。「のど9mm」は断ち切り枠から内枠に向かって9mmの位置で、本を普通に開いたとき、隠れて見にくくなってしまう部分までの長さを示している。この位置よりのど側にあまり大事なものを描かない方がいいという目安になるわけだ。実に実用的に考えられている。

 その指定が左側にしかないということは、展示されていたオリジナル原稿用紙は右ページ用ということになる。ならば、左ページ用もあるのかなと想像してみたのだが、そういうわけでもないようだ。展示の最後に「犬夜叉」の扉絵(左ページ)があったのだが、これは用紙を天地逆さまに使用していた。逆さまにしても枠の位置は上下左右同じなので支障はない。こうすれば、のど指定は右側にくるというわけだ。

 展示の数そのものは、他の作家に比べても決して満足のいくものではないが、こういうことがわかるだけでもファンとしてはうれしいものだ。この手の展示会がもっと開かれることを熱望したい。もちろん東京だけでなく、各地で開かれるのが望ましい。なかなか、実現は難しいのかもしれないが…。

 さて、展示を見終えていよいよ記念グッズの購入に向かう。と、ところが、なんたる悲劇っ! サイン入りテレカは、開催4日目というのにすでに売り切れ…。精神的大打撃だ。こんなことなら、体調不良をおしても前日の早い時間に行くべきだった。(誰か余分に買った人がいたら売ってくれないかな? しくしくしく…。)

 見込みが甘すぎると文句の1つも言いたいところだが、言ってみたところでモノが手に入るわけでもないので、残る複製原画とバッヂ2種とワイン(赤、白)を買って帰った。複製原画は、展示された各作家1枚ずつのセットでバラ売りはない。そこがちょっとつらいところだが、ホワイト修正や本来印刷されない原稿用紙の青いラインなども忠実に複製されているところが、マニアックな人間にはうれしいところだ。

 帰宅すると、やることがいっぱいだ。戦利品のチェック、デジタルカメラの試用など、結局それで夜が遅くなってしまった。これでは疲れが抜けるどころではないな。(汗)

 10日、帰宅するともうここの更新作業にかかりきりとなる。まず、同人サークル「飛鳥鳳凰堂」のページの手直しだ。既刊同人誌の紹介に「REAL LOVE」Vol.3を加え、新刊予定に次回の計画を載せた。次にデジタルカメラでJR京葉線のマリンのポスター3種を撮影してマリンの小部屋に追加する作業をする。さらに、「るーみっくイベント・情報館」を新設してコミックマーケット54と呪泉郷端展示即売会2の情報を載せる…。

 短い時間でよくこれだけやったものだと思う。肉体的な疲れやテレカを買いのがした精神的ショックの割には、結構元気になってきているのかもしれない。燃え尽きる寸前の一瞬の揺らぎだったりして…。(笑)

 11日、帰宅後、更新作業の残りをやって一段落。13日には本が出来上がってくるが、それまでなんとなく手持ちぶさただ。ほんとは、ポップの作成やコミケ次回申し込みのためのサークルカットの準備などしなくてはいけないのだが、気が落ち着かなくて手につかない。

 実は、コミケに向けてちょっと鬼畜な構想も1つある。今回落とした3ページをコピーして、コミックマーケット54、先着30名様限定特別付録にしようという企画だ。それには、描きかけのかすみおねーさんのイラストを仕上げないといけないのだが、さて、どうしたもんかな…?(笑) 気が向いたらやってみよっと!

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