飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1998年>

7月21日(火)

 ペン入れとベタを並行作業で進める飛鳥…。だが、ペースは思ったほど上がらない。やはり、面倒な背景が多い作品を描きすぎたのか? そしてついに、7月28日の入稿断念を決断する! どうなる、「REAL LOVE」Vol.3…?(汗)

 15日、「犬夜叉」だが、箱庭の世界の住人は箱庭の食べ物や水のために考える力を奪われ、無気力状態になってしまっている。そして、いずれ桃果人に食われるのを待つばかりだ…。

 もっとも、食われることを除けば、確かに現実世界のつらさや苦しみとは無縁でいられる世界と言える。現実逃避した人間の行き着く先としては、皮肉なほどにマッチしている。働きもせず、ただ食って飲んでだらーっと暮らしている社会に役立たない非生産的人間たち。そしていつかは食い物にされて終わり…。ほんとに何か皮肉っぽい。(汗)

 しかし、シリーズの冒頭で逃げ出して食われた人間は、これを見て箱庭に入るのを拒絶したか、一旦入って気づき、何らかの方法で脱出した者ということなのだろうか? 桃果人は、「仙人になれば…。」と言っていたが、食われてしまうのでは仙人になれるわけがない。ちょっとつじつまが合わないような気がするが、この先そのあたりがどうつながるのかが見物だ。

 さて、原稿の方は思っていた以上に進まない。結構、力入れて大変なコマを模写したりしたものだから、もろに影響が…。(汗) それでも、手を抜くことができないから、なおさら始末に終えない。

 漫画の予定ページ数は24ページ。そのうち、この日はペン入れが11ページ目の途中、ベタが10ページ目の途中まで完了という状況だ。まだ半分もいかない。当初、計算していたペースより遅くなっているし、かなり苦しい…。この先の3連休、少なくとも20日からはトーン貼りに入らないと間に合わない計算なのだが…。(汗)

 16日、この日は飲み会が入っていたので、ほとんど作業はできなかった。それでも1コマでもと思って、10ページ目のベタを少し進めた。せこいが、そのせこさがあとで効いてくることもある。やれるときにやっておかないと…。

 17日、実質的には翌朝の午前4時までかかっているが、ペン入れが12ページ目、ベタが11ページ目だ。当初は、13ページ目までのベタ完了を目標にしていたのだが、かなりズレできている。この分だと、今後のペースも計算以上にかかるだろう。28日入稿はいよいよ厳しくなってきた。(汗)

 一方、悩んでいた中表紙のデザインはほぼ決まった。なんか、本の内容とは全くイメージの異なる中表紙になりそうだ。珍しく、シリアスだったりして…。(笑) まあ、それもまたよいのではないかということで…。

 18日、ペン入れは16ページ途中、ベタは15ページ途中まで進んだ。作品数にすると、13作品中8作目と9作目にあたる。あと1日で8ページはきつい…。20日まるまるかかって、ようやくというところだろう。こうなると、もはや7月28日の入稿は不可能だ。ついに7月28日の入稿断念を決意する。

 しかし、まだまだ勝負はこれからだ。影の入稿締め切り、8月4日に向かってがんばるのだ。(いやほんと、今年は印刷所の締め切りが遅くで助かった…。笑) もっとも、25%もの割増料金を取られるから、笑ってばかりもいられないのだが…。

 19日、ペン入れは21ページ、ベタは20ページまで完了した。あと2作だ。なんとか、20日の途中からトーンに入れるかもしれない。それでも、28日入稿は無理だ…。疲労もかなりたまってきているし、1週間延ばすことで精神的余裕を得ることも必要だと思う。8月4日はもう決定だ。問題は、それでも間に合うかどうかだが…。(おいおい。汗)

 割増料金だが、金には別に困ってないから払いに困るとかいうことはないし、もちろんこれを売値に含めるつもりはない。遅れたのは自分のミスだ。それに対するペナルティなのだから、これを買い手に負わせたらそれこそ鬼畜だ。

 多分、割増料金なしの単純計算で500円ちょっとになるだろうと思う。売値は赤字覚悟の500円がいいところだろう。これで飯食ってるわけじゃない。もともと金のかかる道楽みたいなもんだと思っているし、評価という意味で売れてくれるのがいちばんうれしい。そのうれしさが私の儲けなのだ。(ちょっと、かっこつけてるな。笑)

 20日、ペン入れは24ページの途中、ベタは23ページ完了というところ止まり…。前日のペースならトーン貼りに入れそうだったのだが、ここで悪い虫が起きてしまった。18日の午後に送られてきた原稿を見ているうちにネタが浮かんできてしまって、どうしても描きたくなってしまったのだ。

 元になったのは、過去2冊にも描いてくれている逸見五美さんの4コマ2編なのだが、これに対するアンサー・パロディといでも言おうか。パロディのパロディが描きたくなってしまったのだ。もともと、飛鳥にはそういうところがあった。他人の作品を読んで、続編やアウトサイドストーリーを勝手に考えたりするのだ。

 これまでは、考えはしたが実行には移してなかった。しかし、今回はどうしても描きたくなってしまったのだ。そこで急遽、絵コンテを切り、下描きを1ページ加えた。この時間がペースダウンの原因だった。これで、私の漫画作品は14作(25ページ)となった。

 そしてさらに、作業を終えて寝る直前に、アンサー・パロディがもう1ネタ浮かんでしまった。こっちは、考えた途端に自分で吹き出してしまった。まあ、1発ネタだから当たりはずれはあると思うが…。ということで、さらに自分の首を絞める道を選んでしまった…。ほんとに、こんなことで間に合うのだろうか?(汗)

 21日、コミケカタログを買うために神保町に出た。出たからにはお宝探しもついつい…。収穫はそれほどなかった。ポスターつきのSFアドベンチャー増刊「ウルフランド」くらいだろうか…。

 今回のコミケカタログは、何にしても分厚い! いよいよ、かつての電話帳に近づいてきた。昨年は2分冊だったのだが、今年は1冊になっている。重いし、開きにくいのが難点だ。問題のるーみっく系サークルは28しかなかった。昨年の夏は50で復活傾向が見えたのだが、今回は遠く及ばなかった…。

 もっとも、昨年はいままで交替で落ちていたサークルがほどんど当選したという感があり、新しいサークルが増えたというわけではなかった。それらのうちのいくつかは、これが最後と言っていたのだから、その分が減ったと考えればいいのかもしれない。

 地方の即売会の話を聞くと、少しずつではあるが、「犬夜叉」を扱うサークルが出てきているようだし、まるっきり悲観的な状況ではないと思う。古くからやってるサークルや「らんま」オンリーだったところが、このジャンルや同人自体を卒業していったと見るべきなのだろうと思う。

 まあ、確かに「犬夜叉」人気は上がってきているようだが、爆発するにはアニメ化でもされないと難しいだろう。私は不器用だから、このジャンルをひたすら極める道を進む。極めるのは、一生かかっても困難だろうけど…。(笑)

 さて、原稿の方はここの更新後だ。何とか翌日からトーンに入りたい。また新しいネタが浮かばないことを祈るばかりだ…。(ここへきて、アイデアが好調になるのも困りもんなんだよな…。苦笑)

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