飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1998年>

1月6日(火)

年が明けて一段落…。ところが、風邪をひいてもう大変…。新年早々、原稿に追われ、年賀状もままならない。毎年のこととはいえ…。(汗)

12月31日、たまりにたまった少年サンデーを整理する。「犬夜叉」の連載開始以来、ずっと部屋の中に積み上げてあったのだが、さすがにそろそろ何とかしなければと思った。収納場所さえあれば、雑誌のまま保管しておきたいのだが、「らんま」以降はさすがにあきらめて切り抜きにしてしまっている。「犬夜叉」もまた同じだ。

「らんま」の途中までは針金で綴じてあったので、ばらすのが大変だったのだが、「らんま」の終盤頃から針金がなくなって大分楽になった。それはいいのだが、やっぱりというか何というか、ついつい読んでなかった作品を読んでしまって、進まない。困ったもんだ…。(汗)

1月1日、どうも風邪をひいてしまったらしい。朝からのどが痛い。コミケ疲れもあるから、無理せずTVを見たり、少年サンデーの整理をのんびりとやりながら過ごす。同人仲間はみんな年末忙しいから、来る年賀状も少ない。そういう自分も、書いてる暇がなかった。なんとか、返事を出そうと絵の下描きを始めるが、うまく描けない。

なんか、コミケをピークとして下り坂に入ってる。絵そのものは悪くないのだが、気のきいたデザインにならないのだ。結局、途中で断念してしまった。いかんなぁ…。(汗)

2日、コミケ前から頼まれていた「他サークル同人誌の紹介」のページ作成をする。前々回のこのコーナーでもチラッと触れたスタジオ・アニメQさんの不朽のロングセラー同人誌「グラフィック うる星やつら」だ。

タイトルから想像できると思うが、15巻までで内容的に未完結のまま発行が停止してしまった「少年サンデーグラフィック うる星やつら」を、ファン自らの手で完結させるべく制作された同人誌である。一部の古書店ではこの同人誌までセットで「揃い」として販売しているところもあるほど、質の高い同人誌だ。(かつて、小学館の関係者が買っていったという話もある。笑)

前々回、このコーナーで触れたあと、正式に依頼があって通信販売のお知らせということで、私のホームページで扱うことにしたのだ。詳しくは同人サークル「飛鳥鳳凰堂」のページにて確認していただければと思う。

3日、一刻会会報への原稿書きに終始する。最近、一刻会では、FCサークルがどうあるべきかについて議論が交わされている。本来の目的を失うべきでないという意見。それを意識するあまり、せっかくの盛り上がりに水をさすのはよくないという意見…。なかなか難しい話だ。

もっとも、まるっきり無関心よりはずっといい。みんなサークルのことについて考えているわけだから…。これが、つぶれたらつぶれたでいいや…となってしまったら終わりだ。つぶしたくないから、考えているわけだし…。

しかし、こういうことを簡潔にまとめて原稿にするのは難しい。書きたいことは山ほどあるから、1ページに収めるのが大変なのだ。結局、たった1ページの文章原稿に午前2時までかかってしまった。それでもまだ不満の残る出来だが、時間がないのでしかたがない。正月早々、原稿に追われてしまうとは…。今年も、こういう1年になりそうだ。(苦笑)

4日、一刻会の会報編集会のため、日野へ出向く。途中、書店をのぞいたら翌日発売予定の少年サンデーがすでに売られていたので、買って電車の中で読んだ。前回の「犬夜叉」で、「墨の臭い」というのが出てきたとき、なんかいやな予感がしていたのだが、妙に性格の暗そうな絵師が出てきてしまった。(汗)

なぜ、いやな予感かというと、「墨」と聞いて「絵」を連想し、そこから、「漫画」、「同人」、「コミケ」、「オタク」といったものが浮かんできたからだ。時期がコミケ直前の時期だっただけに余計にそういった意味を込めた作品が出てくるんじゃないかと…。(「らんま」のときには、それと見られるネタがコミケ時期によく出てきたものだ…。)

この紅達という絵師、なんかオタクっぽい雰囲気を持ってるし、何千騎という「鬼」がバックについているという…。この「鬼」っていうのも、なんか意味深だ。対となる美しい女と見ると口説きまくるスケベ男も出てきているし…。(笑)

「犬夜叉」では、あまり裏の意味を探るようなことはしないよう努めてきたのだが、そうせずにいられないような内容になってきてしまった。もしかして、挑発しているんだろうかなんて、疑心暗鬼に陥ってしまう。(汗)

この鬼に取り憑かれた絵師がどうなるのか? とりあえず、結末をじっくりと見据えたい。あまり洒落にならない終わり方しないでくれるといいのだが…。(汗) 編集会の方は比較的早めに終わり、食事をして21時過ぎには帰宅した。

5日、仕事始めだ。出勤途中、電車の中吊り広告を見ていたら、サンデー毎日(1/18)の広告に気になる見出しを発見した。その見出しとは、「パンダをペットにする練馬区民」…。(笑)

るーみっくファンなら、思わず反応してしまう見出しだ。もっとも、「そんなの10年以上前から有名だろーが!」と言いたくもなってしまうが…。(おいおい。笑) 実際の記事は、「らんま」とは全然関係ない話で、かなりトホホな内容だった。(汗)

さて、帰宅すると、知らない名前の女性から年賀状が届いていた。年末に酔っぱらって、また何かやったんだろーか?(何年か前に、ちょっと前科があるもんで…。汗) でも、年賀状くれるんだから、悪いことはしてないだろうと思いながら文面を読んだら、合点がいった。

コミケのとき、私にスケッチブックを頼んだかごめのコスプレをしていた女の子からだった。スケッチブックの礼を兼ねての年賀状だ。社交辞令もあるだろうが、喜んでもらえたらしい。しかし、ちゃんと礼状をよこすとは、いまどきの女の子にしてはよく礼儀を心得ているなと思う。

やはり、同人活動しているのだろうか? はがきにプリントゴッコで印刷された犬夜叉の絵は、結構なものだった。本名だからわからないだけで、実はどこかの本で見かけているのかもしれない。(本を持ってて知らなかったでは、申し訳ないな…。汗)

6日、いよいよ仕事も本格的に再開だ。帰宅すると、またも知らない名前の人から手紙が届いていた。今度は男だ…。まさか、年末に酔っぱらって男相手に何かしたというようなことは…?(そーゆー前科はないと思うが…。笑)

通販の申し込みかなと思ったら、飛鳥鳳凰堂の本の感想を送ってくれたのだ。こういうかたちで、見ず知らずの人から感想をもらったのは初めてだ。これまで、少なくともNet上でつきあいのある人からメールで感想をもらうということはあったが、コミケで本を買ったまるっきり知らない人からの感想というのはなかった。うれしいの一言に尽きる。

夏には私の漫画が載っている本なら何でもいいと言われ、冬にはスケッチブックを3件も頼まれた。あんなトホホな内容のコピー本が47部も売れるし、こうして感想の手紙ももらえた。少しずつ、飛鳥杏華という同人が、飛鳥鳳凰堂の本が期待されてきているんだな。そんな感触が伝わってきている。ここに至って、暮れからずっと悩んでいたことに踏ん切りがついた。飛鳥鳳凰堂の活動方針の見直しだ…。

いままで飛鳥鳳凰堂では、とにかくるーみっくが好きなら何でもOKということで、募集して届いた原稿を単純に収録するかたちをとってきた。それは、始めたのがちょうど高橋先生の連載の途切れていた時期で、そういう状況の中でも、とにかくるーみっくが好きなんだということで盛り上がっていこうという主旨があったからだ。

それに、同人としてまだまだ駆け出しで、一刻会の中でしか実績のない自分は、他の同人作家に原稿を依頼できるような立場にないと思っていた部分もあった。しかし、そろそろ対等に認めてくれる人たちも出てきて、依頼で本を作れそうな感触も持てるようになってきた。ここまできたら、よりいいものを求めて目標を少し高くしようかなと…。

しかし、執筆者の技量的レベルを問わないという活動方針をはずしてしまうのには抵抗もあった。偉そうにに「没」を発動するのはつらい。だが、より期待される本、求められる本を作っていくためには、避けて通れない部分でもある。それでずっと悩んでいたのだが、期待されるようになってきたからには、その期待に応えていくべきだと思った。

決して天狗になるつもりはない。ただ、やるからには常に向上心を持ってやっていきたいのだ。基本的にこだわるタイプの人間だから、これからは単に自分のところから本を出すことだけで満足するのではなく、本作りにこだわっていきたいのである。そこで、ついに飛鳥鳳凰堂の活動方針を変える決心をした。

ということで、「REAL LOVE」Vol.3は新たな方針のもとで制作されることになる。私自身の作風はそう変化することはないが、その他の作家陣がどういう顔ぶれになるか…? もっとも、依頼を受けてもらえなかったら、また元の方針が復活するかもしれないのだが…。(おいおい。汗)

メニューに戻る