飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1997年>

12月30日(火)

いよいよ押し詰まり、今年ももう終わりだ。ホームページ開設、コミケ初当選、「REAL LOVE」VoL.2の発行、両足肉離れ、「FREE AS A BIRD」入稿断念…。今年もいろいろあった。1998年はどんな年になるだろう?

24日、「犬夜叉」は比較的平穏な進行だった。こういうときは結構、ギャグが冴える。弥勒のいきなりのセクハラ攻撃に、前回とは一転して「やっぱり殺して。」と言うかごめ…。この辺の落差を回を分け、対にして展開するパターンは、最近よく使われているように思う。

さらに、いきなりの「私の子を産んでくだされ。」という発言…。弥勒は実にノリのいいキャラだ。過去のキャラに類型を求めて、諸星あたるを引き合いに出す人もいるようだが、私はちょっと違うと思う。確かに似ている部分もあるが、あたるほど丸だしの女好きに見えない。外面的に妙にあっさりしているように思えるところが、いままでにない雰囲気だと思うのだ。

そして、弥勒の右手にまつわる話…。ここで、犬夜叉と桔梗の仲を裂いた妖怪の正体らしきものが早くも見えてきた。しかし、ちょっと早すぎるような気もする。その件については、もう少し時間をかけて苦労しながら手がかりをつかんで行く方が作品全体に重みが出るような気がするのだが、どうだろう?

さて、この日は帰宅後、漫画のペン入れを進めた。2ページ目をほぼ終わり、3ページ目も1部ペン入れした。漫画の他に加えるネタもだいたいイメージができてきた。問題は、時間が足りるかどうかなのだが、最悪、宿でもできるのでなんとかなるだろう。(本当にA型なのかな?笑)

25日、帰りに久々に神保町の中野書店に寄った。一刻会の冬コミ宿泊会で行うプレゼント交換会用の品を買うためだ。結構、細かい収穫はあった。「うる星」のステッカーやラミカード、文具セット、「らんま」の書店用のぼり、JR東日本バスの響子さんのポスターなどなど…。

特に最後のポスターは、なかなか手に入らない代物で、ものがよければ結構な値段がついただろうが、折ってある上に貼った跡があり、しかも1部破れているので500円だった。ちょっと、トホホな品だが、私自身JR東日本バスのポスターは1枚も所有してなかったので、一応押さえておいた。(国鉄バスの方は3枚のうち2枚所有しているのだが…。)あとでもっといいものが手に入ったら放出しようと思う。(結局、自分のものにしちゃうのね。笑)

帰宅後、漫画の方はペン入れを終え、ベタが1ページ半ということろまで行った。本当はベタを終わらるところまで行きたかったのだが、無理を避けて睡眠をとった。翌日は仕事納めで昼までで終わりだし、余裕がある。…と、このときは思ったのだが…。(汗)

26日、昼過ぎに帰宅して、早速漫画に着手する。しかし、意外と時間がかかり、完成は夜になってしまった。続いて、表紙と裏表紙、それに年賀状代わりの1ページイラストの下描きをと思ったのだが、いい構図が浮かんでこない。

あれこれ考えてみたけれど、イメージがまとまらない。疲労もあるのだろう。寝るのが少々遅くなってもかまわない状況ではあったが、こういう状況で考え込んでいても、時間ばかり食ってダメなことの方が多い。一晩眠れば気分も変わるだろうということで、寝ることにした。

27日、表紙のイメージは固まった。最近の「犬夜叉」でおもしろい存在となっている弥勒を中心に据えてみたのだ。そこにかごめと犬夜叉をからませ、連載の扉絵のような雰囲気であおり文句をつけるというものだ。裏表紙は最初から桔梗で行こうと思っていた。これもすんなりと下描きができた。年賀状代わりのイラストは、やはり来年は寅年だからラムかなと…。(思いっきり安直だな。笑)

これら3枚のイラストは夜までに終わった。続いて、企画として考えていた「るーみっく身の上相談」というコーナー(2ページ)に着手する。これは、1つの相談に対して、るーみっくキャラ何人かが、それぞれの特徴を活かした応答をするというものだ。これの制作中に日付が変わった…。(汗)

28日、るーみっく身の上相談が午前2時頃に上がった。ここで寝るという手もあったが、やれるだけやっておきたいという気持ちが優先した。続いて、「FREE AS A BIRD」に収録予定だった作品について、軽く紹介するページを作る。今回、本当に本を作るつもりで原稿を描いていたのだということをわかってもらいたいからだ。これが、午前3時頃終わる。

一応ページが揃ったところで、表紙のタイトルや裏表紙の奥付を作成して貼り込んだ。できれば、漫画のネーム(セリフ)も出力したかったが、ここはむしろ手書きのほうがいいかなと思い、最初のタイトルに相当する部分のみ貼り込みにした。最後に、B4サイズに貼り合わせる作業をし、床についたのは結局午前4時過ぎだった。

午前9時半に起床し、出発のための荷造りを始める。今回は足のこともあるので、あまり持っていくつもりはなかった。「REAL LOVE」Vol.2を30冊、Vol.1を25冊、それに手元に残っていた「乱馬的過激弾 何処!? -EXTRA MILD-」(第2版)4冊のみ。今回のコピー本は、50部程度(宿で作成)とした。

午後4時に出発。同5時頃に宿に到着し、早速近所のコンビニでコピーをする。宿に戻って、せこせこと製本…。これが午後8時半までかかった。そのあと、一刻会のコミケ宿泊会恒例のプレゼント交換会を経て、委託販売する本を受け取った。荷物がずっしり重くなる。いよいよコミケに突入だ!

29日、午前5時過ぎに宿を出発して東京ビッグサイトへ。今回は完全に人手不足で、一刻会の方は、最近ずっと手伝ってもらってる会員に任せることにした。もっとも、そろそろ代替わりしてもいい頃だ。この機会に、私がいなくても一通りできるようにしておこうとも思った。別に、一刻会をやめるつもりはないのだが…。(笑)

るーみっく系の出足は、予想どおりあまりよくない。近年はずっとこうだ。今回は、またサークル数も減ってしまったので、ちょっと淋しい。しかも、老舗でるーみっくサークルの中では売れ筋のラムコムさんが落ちている(もちろん、委託で販売はしているが)など、時の流れを感じさせるものがあった。とりあえず、この閑散期にるーみっく系を一通り回り、トーンのまとめ買いもした。

午前11時頃から売り子についたが、今回のコミケはいつもとはちょっと違った。スケッチブックにイラストを描いてくれと頼まれたのだ。それも3件…。今回は人手不足だから、つらいものがあったのだが、一刻会の仲間以外から頼まれたのは初めてだったので、ついうれしくなって引き受けてしまった。このため、今回はほとんどの時間をイラスト描きで過ごすことになってしまったのである。(笑)

まあ、あまり自慢めいたことは言いたくないが、スケッチブックを頼まれるということは、同人にとって勲章と言える。それだけ、絵の質を認めてもらえたということだ。こういうことが日常化してくると、感覚も変わってくるのかもしれないが、今は素直にうれしい。だから、応えてあげたくなる。ただ、今後も無制限に受け付けられるかというと、難しいものがある。私だって、買い手としてコミケを楽しみたいという気持ちがあるからだ。やっぱり、3件程度が限界だろう…。

さて、今回のコミケでは、イラスト描きで下を向いてることが多かったので、あまりコスプレを楽しむことはできなかった。が、一応、乱馬とかごめ(いずれも女性)は確認できた。どちらも、私のブースに来てくれた人で、後者は3人目のスケッチブック依頼者だった。そのせいで、時間的に苦しかった3件目のスケッチブックを引き受けてしまったという説もチラホラ…。(笑)

売れ行きの方は、昼頃がいちばんのピークだった。売れ筋サークルの行列の影響で、るーみっく系ブースが並んでいるあたりの通路が異様な混雑状態となった頃、るーみっくのお客さんも多く来ていた。全体的な傾向として、今回あたりから徐々に犬夜叉本が出はじめ、お客さんの方も犬夜叉本を求める人(特に女性)が目につくようになってきた。次第に、人気が盛り上がってきつつあるということだろうか。

今回のコピー本「FREE AS A BIRD 落としてごめんなさい本」は、たった12ページ(B4用紙3枚)のトホホな言い訳本だが、それでも47部も売れてくれた。(それだけ期待されていたんだろうか? 汗) ちなみに、「REAL LOVE」Vol.2は27部、Vol.1は17部売れた。「乱馬的過激弾 何処!? -EXTRA MILD-」は持ち込んだ4部が完売して、在庫0…。「REAL LOVE」Vol.1も在庫はもう25部程度。ありがたい話だ。

コミケ終了後は、宿に戻って一刻会の打ち上げで一杯…。会報の方針について激論が交わされたりした。こうして、あわただしい1日は終わりを告げる。

30日、雨…。こいつは参った。在庫本や買い込んだ本をダンボールに入れてあるのだが、この天候ではカートを引いて帰るわけにはいかない。宿から宅配便で送ろうかと思ったが、幸い自宅まで荷物ともども送ってくれるという会員がいたので、すっかりお言葉に甘えさせていただいた。

そのため、いつもなら麻雀して帰宅は夜になるのだが、今回は昼頃に家に着いた。おかげでここの更新作業も楽になった。これが今年最後の更新となる。1998年も順調に更新を重ねていければと思う。「気まぐれモノローグ」だけじゃいけないが…。(笑)

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