飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1997年>

12月2日(火)

ついに、「FREE AS A BIRD」の入稿を断念。このままでは、一刻会の「そると」と共倒れになってしまうと判断した飛鳥は、苦汁の決断を下した。

11月26日、「犬夜叉」に、弥勒なる妙な若い法師が現れた。一応、妖怪退治はするが、「つるのおんがえし」よろしく、絶対にのぞくなとことわった上、金品をごっそり持ち去って売り飛ばすという奴だ。同じような「つるのおんがえし」の笑い話で、「ツル」と思って助けたのは、実は「サギ(詐欺)」だったというのがあるが、それを思い出してしまった。(笑)この弥勒も、四魂の玉を集めているようだ。

そして、温泉でのお約束の入浴シーン。ここで、かごめが首から下げていた四魂の玉に目をつけた弥勒…。それとともに、かごめにも目をつけたようだ。犬夜叉を殺して、四魂の玉とかごめの両方を手に入れようという腹と見た。

やってること、やろうとしてることはかなり悪どいが、極悪人という雰囲気では描かれていない。この辺が、ひとつのポイントとなるかもしれない。この弥勒がストーリーにどう絡んでくるのか、楽しみだ。

さて、この日は特別休暇の最後の日。病院に行って診察を受ける。なんとか、右足の固定からは解放された。しかし、松葉杖はまだ離せない…。休暇が終わってしまったので、翌日からまた出勤しなければならない。当分は階段が上れないし、混雑する電車の乗り降りは無理なので、タクシー通勤だ。えらい散財だぞ…。(涙)

27日、ついに「FREE AS A BIRD」の入稿を断念することにした。このままでは、一刻会の「そると」12号に寄稿予定の考察も落としかねない。「そると」は、何ページになっても出すと言っているが、やはり原稿不足だ。私が落とすと、さらに厳しい状況になる。

漫画の執筆スピードから考えて、「FREE AS A BIRD」はもうほとんど無理だが、「そると」の考察の方ならまだ間に合う。自分としても、この冬に自分の原稿が1つも出せないという事態は避けたいところだ。というわけで、ついに決断し、他の参加予定者にメールで通知することにした。1度立てた計画を全うできなかったのは、この上なく悔しいのだが…。

28日、「そると」用の考察の執筆をする。あまり進まないが、それでもようやく山場にさしかかってきた。もう一息だ。土日のうちにはなんとか書き上げられるのではないかと確信した。

しかし、検証のために作品を何度も読み返すと、新しい発見があったりして面白い。私の場合、かなり考察は書いてきてるから、もう何度も読み返したはずなのだが、それでも新しい発見がある。特に、「らんま1/2」は考察にはもってこいの作品だ。儀式的意味あいを持つエピソードがそこかしこにある。

逆に言えば、高橋先生は作品の節目節目に儀式的なことを行うのが好きなのかもしれない。それは、「らんま」にかぎったことではなくて、「うる星」や「めぞん」の頃からもあったことだ。「春の墓」なんて、見事なまでに儀式的な話と言えるたろう。そういう部分を見つけて、作品の流れの変化を追うというのも、なかなか面白いのだ。

高橋先生は、ギャグの人という印象を持ってる人もいるかもしれないが、結構、考えて作品を構成している。私は常々、そういうところにもっと気づいて欲しいなと思っている。

29日、一応、考察は書き上がった。推敲作業が残っていたが、夜にはNifty-Serveのリアルタイム会議室に参加して、久しぶりに午前2時までオンラインでの会話を楽しんだ。金さえかからなければ、もっと楽しいのだが…。(笑)

30日、考察の推敲をする。しかし、こいつが意外とかかって、結局、校正に出すのが夜になってしまった。校正が終わって返送されてきたら、こちらで版下作成だが、それはいいとして、できた版下をどうやって編集会場に届けるかだ。

早く作成できれば、郵送すればいいのだが、多分、土曜日までかかってしまうだろう。3日の診察で、松葉杖がとれれば、なんとか時間をかけてでも編集会に行けるが…。いや、それを心配する前に引用カットの選定と取り込みにかからなくてはいけない。版下ができなければお話にならないのだ。(汗)

12月1日、カットの選定はなかなか進まない。帰宅してからの時間では、まとまった作業ができないのだ。それに、校正が上がって、レイアウトを切ってみないと、イメージも湧きにくい。結局、1カットも決められないまま寝ることになった。(汗)

2日、校正が上がってきた。思ったより早かったが、カット選定作業はやはりやってる暇がなかった。翌、3日が職場の忘年会で、私は足の関係で欠席だから、早く帰宅できる。少しでも進めておいて、土曜日には出力までこぎつけたい。

結局この冬は、この考察くらいしか出せなくなってしまった。せっかくブースも取れたのに残念だ。ただ、その代わり、昨年5月発行の「三日月の恋 会いたいときにあなたはいない」の委託を受けることになった。これには、私の漫画、「Another Person, Same Person」が載っている。

この本は今年の夏も委託をOKしていたのだが、名古屋在住の主宰者が重いからと言って持ってこなかったのだ。今度こそ売るという話なので、既刊ではあるが、夏にはなかった本が飛鳥鳳凰堂のブースに並ぶのは確かだ。

それに、もしかしたら「FREE AS A BIRD」入稿断念ごめんなさい本と称してコピー本を出すかもしれない。コピーなら、ギリギリまで描ける。とりあえずは、

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