飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2003年>

3月25日(火)

 るみけっと4がいよいよ目前に迫ってくる。人手不足はいつものことだが、今回はいつにもましてひどい状況だ。こんな状況でもイベントを開いてしまうのだから、我々ってもしかしてすごいんだろうか? まあ、経験と度胸はそれなりに持っているけれども…。(それだけでいいのか? 笑)

 2月26日〜3月1日、前半はるみけっと4の配置図作成に悩む。即売会の机の配置はすでに決まっているが、その他のサイドイベントを配置するスペースの確保が難しい。今回は復活を望む声があったので、古同人誌の閲覧スペースを設置する予定だったのだが、どうにも苦しい状況だ。すでにチラシで広報しているCRうる星やつら体験コーナーとセル画の展示ははずぜない。切るとなると、古同人誌とビデオ上映になる…。

 とりあえず、両方とも入れてレイアウトしてみるが、かなり狭苦しく感じる。同人誌の閲覧スペースには机も必要だろうが、あまり並べられる余裕がない。ビデオコーナーは、2つある扉の1つを閉鎖してその前に配置しようかとも考えたが、非常時の避難路をふさぐようなレイアウトはやはりまずい。消防署にもちゃんと届出を出さねばならないのだし…。結果として、涙をのんでこの2つを今回ははずすことにした。

 結局、CRうる星やつらのコーナーにどれだけ人がたまるか予想できないので、どうしても慎重に余裕をみないわけにいかなかったのだ。休憩スペースも展示ホール内に置くのをあきらめ、本部のあるコスプレ広場の壁際にイスを並べて対処することにした。BGMスペースでのリクエスト受付は、できれば従来どおり時間を決めて行いたいと思い、一応原稿には残したが、専任の担当者を置く目途が立たない状態で、実現は難しかった。

 そのかたちで配置図を完成させると、後半はまず「プレゼント抽選会」のページから始め、「るみけと資料室へのお誘い」、「CRうる星やつら体験コーナー」の順に原稿を作成した。最後の方はちょっと息切れして、結局編集会の朝までかかってしまったが、何とか原稿は完成した。

 3月2日、カタログ編集のために豊田へ出向く。一応、前年どおりBGMのリクエスト受付をする方針で作成した原稿だったが、代表の判断でやはり無理ということになり、その場で切り貼りをして原稿から削除した。これにより、BGMはスタートから終了まで流しっぱなしのかたちになることになり、その方針でCDの準備をすることになった。が、これは曲順構成に大きな制約を与えることになったことを意味する。

 なぜかというと、「らんま1/2」の時代までのCDと「犬夜叉」以降のCDとでは曲の音量の差が激しいのだ。技術の進歩によるものなのか、最近のCDの音は非常に大きく、以前のCDの音は小さいのである。したがって、これらを混在させてかけるとなると、曲ごとに音量の調整をしなければならなくなる。そのためには専任の担当者がいなければ無理だ。そうなると、完全に「犬夜叉」以降の曲と以前の曲を分けなければならない。

 できれば公平に分散させたかった。なぜなら、比率としては「犬夜叉」以降の曲の方が圧倒的に少ないからだ。今の客層からいけばいちばん求められる「犬夜叉」の曲が一時に集中して流れたあと、一切流れなくなるというのはあまり得策とは思えない。それ以降の時間帯に来た人は「犬夜叉」の曲を聴けないのだから…。しかし、人手不足という状況の前では折れるしかなかった。もう少し前もって計算できるスタッフの数が増えてくれれば、リクエストも復活できるのだが…。

 編集の方は早く終わり、帰宅も結構早かった。当初残り1週間足らずだった一刻会の新刊の締め切りが20日まで延長されたので、何とかがんばってみようと絵コンテにかかった。といっても、新しいネタはない。古くから温めていたものの中から探してみるが、どれもこれも時間がかかりそうだ。やはり、難しいかな…。メインスタッフと同人作家の掛け持ちは…。(汗)

 3月3日〜15日、絵コンテは進まない。5日にPio側との打ち合わせをした際、入稿は23日との話を聞いたので、最悪、22日に会長の自宅の方に届ければということになるのだが、どうにもまとまらないまま時が過ぎる…。さすがにもう漫画は無理とあきらめざるをえなかった。(汗)

 では、何を描く? 明確な目的もないまま、絵コンテ用のノートにさらさらと絵を描いてみる。やっぱ、これしかないか…。つまり、絵描き同人の原点…、「好きなものの絵を描く」だ。(笑) 手抜きと言われれば、確かに発想的にはそうだろう。でも、絵そのものに愛を込めて描けば、決して手抜きにはなるまい。一刻会の新刊もある意味で再出発だし、原点に戻るっていうのは結構コンセプトとして合っているかもしれない。

 というわけで、とりあえず思いつくままにノートにイラストとその絵を描いた動機のようなコメントを書きとめてみる。4枚ほどできた。1週間で仕上げるとなると、それが限界だろう。描き飛ばせばもっと描けるかもしれないが、愛を込めるとなると…。それに4ページ単位にしてあげた方が落ちたときにもページ繰りが狂わないし…。(こらこら…。笑)

 3月16日、午前中に下描きを手がけ、午後からるみけっと4の準備集会のためにPioへ出向く。この日はサークル関係者も参加していい公式の準備集会だが、結局集まったのは代表と私とスタッフが1人の計3人だ。できあがってきたカタログにプレゼント抽選券をはさみ込み、簡単な確認事項をチェックして終わりである。ホントにイベント2週間前の集会なのだろうかと目を疑うばかりだ。こんな状態でもできてしまうところが、自分たちで言うのもなんだが、我々のすごいところなのだろう。(笑)

 準備集会が早く終わったので、帰宅後は原稿に取りかかる。下描きの続きを進め、この日のうちに下描きを終えた。平日にできる作業はわずかだから、祝日と土曜日の午前中で一気に仕上げて、午後に会長の自宅の方に持参すればという計画になる。スタッフをやりながら原稿を描くというのはやはり厳しいものがある。それでも今回は、何とか描きたい…。会員たちから盛り上がって作ることになった本だから…。

 3月17日〜22日、とにかく原稿である。しかし、本業の方もどんどん忙しくなってきて帰宅時間が日に日に遅くなる。当然、削られるのは睡眠時間だ…。ただ単に作業のために削られるだけではない。今回は少ない枚数ではあるが、かなり気合いを入れて描いているため、アドレナリンの分泌が高まっていて、床に就いてもすぐには眠れないのだ。(汗)

 4枚を並行してペン入れしていき、21日の祝日前にペン入れまで完了した。祝日の日中でベタと修正を終え、その夕方からトーンに入り、午前3時頃に一応原稿は完成した。あとは、本のとりまとめをしている会長の奥さんにメールで知らせて受け渡しの時刻と場所を決めるだけだ。ホント、枚数は少ないがかなり集中して描いたなと思う。最初の2枚は…。あとの2枚は、ちょっと集中力が落ちたけれど、それなりに愛は込めたつもりだ。とりあえず、役目は果たせたって感じだった。

 翌日、なかなか連絡が来ない。原稿を再チェックすると、はがれかけたトーンが折れてしまったところが見つかったので、全面貼り直しをする。午後、ようやく連絡があり、夕方に会長の自宅近くの駅まで向かい、奥さんに原稿を渡す。これでようやく原稿の方はお役御免だ。あとはるみけっと4の準備に専念する。といっても、もう1週間しかないのだが…。(苦笑)

 3月23日、原稿から解放されて、久々に寝坊できる休日だ。が、朝7時半に玄関のチャイムが鳴る。誰かが私に面会らしいが、そんな予定は全然ないので、応対する母の声を聞きながら床から出ずにいた。何かのセールスか? それにしても休日の朝早くから非常識だなと思っていたら、どうも話が違う…。なんと、スタッフの1人がこの日がるみけっと4当日と勘違いして、荷物の運搬のために来てしまったのである。(おいおい、スタッフが間違えてどーする…。汗)

 結局、それで目が覚めてしまったので、しかたなく起き出してるみけっと4の準備作業をする。この日は展示セル画のラッピングだ。が、背景画や重ねセルの位置合わせに苦労する…。買ったときからホッチキスでとめられたり、テープで貼り付けられているものもあるので、それはしかたないが、まだ傷のついていないセルに傷をつけるのはちょっとつらい。別に転売するつもりはないから、金銭的価値を気にするわけではないのだが、資料としてできるだけきれいなまま保管したいという気持ちは強い。

 そこで、ビニールを細く切り、セルのタップ穴に通して揃え、すでにビニールラップした背景の上に位置合わせしながら、裏側でとめるという面倒な作業をした。それをさらにビニールでラップしてスチレンボードに貼り付けるわけだ。背景のないものは、動画用紙をすべて新しいものに替えて、動画は別途保管した。すべては展示の見栄えと資料の保管のだめだが、当日、そんなところまで見て感動してくれる人はいないだろうな。(笑)

 同時進行でBGM用のCDの作成もする。元CDからデータをコピーしてCD−Rに焼くというのは、イベント目的ということを考えると、本来は法的にまずいのかもしれない。しかし、個々の元CDを持参するとなると枚数がばかにならないし、いちいちセットしなければならず、専任の担当者が不可欠になる。その人手が計算できない以上、まとめて収録したCD−Rを作成することについては一定の理解が得られるべきだと個人的には思う。

 そのCDを売ったり、あげたりすると問題だろうが、どうせ会場で使用したあとは私が自宅で聴くのに使うだけだ。問題になるような使い方ではないだろう。元CDを購入して持っている者が自分で使うのだから…。問題があるとすれば、最近のavexのコピーコントロールCDも私のところでは簡単にコピーできてしまうということだが、別に怪しいツールを使っているわけではない。パソコンに入っていたソフトでそのままできてしまうのだからしかたあるまい。(笑)

 3月24日〜3月25日、本業が忙しく、ほとんど準備作業ができない。できるのは、作成したBGM用CDのチェック兼試聴くらいだ。あとは疲れていてやる気が起こらない…。そのCDだが、前にも書いたように音量差の関係で「犬夜叉」以降の曲を1枚にまとめなければならないという制約ができてしまったものの、それ以外は結構納得のいく選曲と並べ方ができたと思う。その辺にはささやかながらこだわりもあった。

 るみけっと1以来、こだわりとして即売会のOPとEDの曲は決まっている。OPは「Born To Be Free」、EDは「Remember My Love」だ。ともに「うる星やつら」の曲だが、別にそのことには特に関係なく、スタートはハデに、ラストはしっとりとというイメージで選んだものだ。特に、ラストは曲のコーダのピアノにかぶせて即売会終了のアナウンスをするときれいかなということで、これは自分がこのイベントの中心に関わるかぎりは変える気はない。

 ただ、OPについては2のときから議論はあって、私も常に迷ってきた。2では、やはり現在は「犬夜叉」の人気が高いのだから、OPは「CHANGE THE WORLD」で行くべきではないかと…。しかし、前年の夏に出した「るみけっとPRESS」でOPとEDは決まっていると公言したのに、いきなり変えてしまったら決まっていると言ったことがウソになってしまう。いずれ変えるにしても、何回かは続けないと…と思ってBGM担当の意見を押し切り、「CHANGE THE WORLD」は2曲目に持ってくることにした。

 3では議論にこそならなかったが、やはり「犬夜叉」の人気を配慮して2曲目に当時の「犬夜叉」のOP「I am」を持ってきた。そして今回だが、「犬夜叉」の曲は1枚のCDにまとまっている。OPを従来どおりにすれば、約1時間は「犬夜叉」の曲がかからない。そこでまず1つの葛藤があった。思い切って「Grip!」で行くべきか…。しかし、そうなると逆に残りは一切「犬夜叉」の曲がかからなくなる。

 結局、従来の即売会でいちばん入場者が多くなる開始から1時間後(2枚目)に「犬夜叉」の曲を持ってくることにした。次は従来の「Born To Be Free」のまま行くか、変えるかという点だが、結構迷った。対立候補になったのは、「ザ・超女」の挿入歌「ブイン・ブイン・ブイン」だ。なぜその曲がと思うかもしれないが、数あるるーみっく関係の主題歌、挿入歌の中で、唯一「るーみっくわーるど」という言葉が歌詞に使われているからである。イントロも結構ハデで、ノリもいい…。

 ただ、問題なのはマイナーだということだ。古くからのファンなら知っているだろうが、最近の若い子たちにわかるかどうか? この曲の作詞が所ジョージだということも、今の若い子はほとんど知らないだろう。そんなわけで、今回はこの曲を2曲目に持っていくことにした。当日、どんなリアクションがあるだろうか? あるいは、全然ないのか? 結構、私の趣味に走った選曲かもしれない。(笑)

 その他についても結構気を遣い、なるべく作品別にばらけさせてバランスをとりながら、曲の性質を意識して並べた。あまりにも性格の違う曲を続けてしまうと、大きな違和感を感じてしまうことがあるからだ。なるべく違和感を感じず、自然な流れで聴けるように綿密に考えて順番を組んだつもりだ。聴いていてそこまでわかって感動してくれる人はまずいないと思うが…。(苦笑)

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