飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2002年>

8月27日(火)

 夏の終わり、京都、大阪に出かけて休日を満喫する。そんな中で一刻会から再び同人誌を出そうという話が持ち上がってくる。多少、立ち上がりに時間がかかるかもしれないが、会員たちの間からそういう声が出てきたのはいいことだ。勉強と同じで、やらなくちゃいけないとなると嫌になるが、自分からやりたいと思ったときはパワーが出せる。どんな結果になっても、基本はその気持ちだ。うまくまとまればいいと思うが…。

 21日、休日の京都、大阪行きに気持ちがすでに飛んでしまって絵コンテに身が入らない。大阪には7月にも行ったし、大阪の連中とは夏コミで会ったばかりなのに、今回は妙にわくわくしてる…。京都はいつも大阪や福岡に行く際に通過するだけで、行くのは高校の修学旅行以来だ。うーむ、もう25年も前なんだな。あの頃はまだ市電(路面電車)が四条河原町あたりを走っていたんだから、随分昔だ…。(汗)

 だからというわけでもないのだろうが、なんとなく童心に返った気分だ。もう、修学旅行のことなんてあまり覚えてはいない。高校時代はあまりいい思い出がないからだろう。結構、イジメられていたからな…。もっとも、イジメといってもみんなで面白がってふざけてる程度のことで、身体に危害を加えられるようなイジメではなかったから、私はまったく意に介さなかったけれども…。

 もう1人クラスでイジメではないが嫌われてる奴がいた。クラスで日曜日に野球大会をしようと話し合ってるときに、そんなことするくらいなら読書会の方がいいと言って顰蹙を買ったことがある男だ。彼と私は仲がよかった。そして、卒業後10年間、誰も開こうとしなかった同窓会を開き、運営したのは奇しくも我々2人を中心としたグループだったのである。(笑)

 そういう高校時代だったから、修学旅行もあまり面白くなかった。無理やり班長をやらされて、綿密な計画を立てるのが苦手なのに自由行動日の計画を立てさせられ、本当に親しい友人と同じ班に入れなかった…。そんなこともあって、修学旅行のやり直しのような気分なのかもしれない…。いや、修学旅行よりさらに自由だし、本当に親しい友達と回れるから余計楽しみだ。(結局は、そこなんだろーけどね。笑)

 22日、ネットで京都の駅ビルについて調べてみる。かなり立派な駅ビルができたことはニュースなどで知っていたが、京都に行く機会もなかったので、まったく無関心だった。駅ビルだけでも結構見どころがあるだろうと思ったし、着いたらまず昼食だろうから、どんな飲食店があるか下調べくらいしておこうと思ったのだ。今回の目的の1つである手塚治虫ワールドもこの駅ビルの中にある。

 しかし、イマイチ自分が求めたほどの詳しい情報が得られなかった。ここへ行きたいという店も残念ながら見つからない。結局は大阪の面々と行き当たりばったりで店を決めるしかないんだろうな…。まあ、それがいちばんだろうけど…。(笑)

 23日、出発準備を整える。といっても、7月のときと同様に荷物は最小限に絞ったから、大して時間はかからなかった。宿は大阪だから、京都観光は行きの荷物をそのまま持って回ることになるわけだし、1泊なら下着の着替えくらいで充分だ。問題は当日、電車に遅れないことくらいで、余計なものはいらない。持ち帰るものも脳味噌とデジカメに詰め込めるし…。

 24日、何とか遅れずに予定どおりの新幹線で東京を出発する。次の問題は寝てしまって乗り越さないことだ。これまでは京都で降りることがなかったから、結構マジで心配だったのだが、京都が近づくと向こうから携帯に連絡が入った。朝寝坊して予定の待ち合わせ時刻に遅れるとのこと…。まあ、ちょっと予想してなかったわけでもないけど、おいおいおい…って感じ。(汗)

 しかし、こちらも京都で下車してから待ち合わせ場所にたどり着くまでに時間がかかった。修学旅行のときとは全然変わっているし、当時は団体行動で、ついていくだけだったから、駅に関する記憶は皆無だったから…。しかし、それ以上に大阪面子は迷っていた。自分たちが指定した場所と反対方向に向かっていたのである。携帯で連絡を取り合い、ようやく私の方が大阪面子のいるところに行き着いた。

 昼食をとり、まずは手塚治虫ワールドを見る。展示、売店、そしてアニメの上映…。記念館と比べると、さらに規模は小さいが、アニメにはちょっとした趣向がこらされている。これから行く人のために内緒にしておくが、何も考えずに最前列で身を乗り出したりしてると、えらい目に遭うかもしれない…。行ったことのある人はおわかりだと思うが…。(笑)

 続いて市内観光だが、駅前でバスの1日乗車券を買って出発する。具体的に行きたい場所があるメンバーの要望から、コースは銀閣寺中心のコースへ…。ちょっと手前でバスを降りて、坂本竜馬の死んだ場所などを散策しながら銀閣寺に向かう。その途中、交番がなんとなく公衆トイレみたいな作りに思えたので、みんなでふざけて交番のことを「トイレ」と呼び、その先にあった公衆トイレを「交番」と呼んで笑いこけた。(おまわりさん、ごめんなさい…。笑)

 ちっとも銀でない銀閣寺だが、渋さがなかなか味わい深い…。若い頃には見た目のハデさにかっこよさを感じたりするが、大人になってくると結構渋いものに味わいを感じるようになってくる。銀閣寺のあとは、鴨川の川べりをぶらぶら歩いた。こういうのもまた風情がある。そして阪急で大阪へ…。7月のリベンジのため(?)に例の串揚げ屋に向かう。

 今回は少し余裕があった。カレーもソフトクリームも食べられたし…。飲み放題にしなかったのも正解だった。食べる方にどうしても夢中になるから、大して飲めないのが実情だし…。二次会はまたカラオケに行き、いつものごとく歌ってから宿に戻った。1日で京都観光は大してできなかったけど、親しい仲間と行けたことが何より楽しかった。まあ、それでいいじゃないかって感じかな。(笑)

 25日、インテックス大阪で開かれたSuper Comic Cityに一刻会の売り子としてサークル参加する。インテックス大阪は初めてだったが、雰囲気としてはコミケと変わらない。新刊があるわけではないから、そんなに売れはしないし、一般で入ってきた仲間も含めてまったりとした雰囲気のまま終わった。即売会終了後、なんばでもう1人と待ち合わせてラーメンを食べる。その場で1つの話が持ち上がった。

 即売会の途中でもチラチラ話には出ていたのだが、こうして即売会に出ていても、やはり新刊がないのでは張り合いがない。まして、コミケでは落選しているサークルも多い中で、新刊を出していないのに当選し続けていることに心苦しささえ感じる。結局、会員たちが個々に本を出すようになって、時間がなかったり、サークルで本を作ることの意義も希薄になってきた中で、「ぺっぱあ」、「そると」が相次いで休刊になったわけだが、ここへきて会員たちが自ら本を作りたいという気持ちになったのなら、復活があってもいいのではないかというわけだ…。

 できれば冬コミに間に合わせたいところだが、これから呼びかけて間に合うだろうか? 単純な日数計算なら充分間に合うが、個々の作家が自分の本を優先して作ることを考えると厳しいものがある。となると、るみけっと4合わせが現実的だろう。また、本は一刻会の本として出すのか、あくまで有志なので別のサークルの本として出すか、あるいは飛鳥鳳凰堂の新刊に相乗りするか…。いくつかの案が出た。その辺はこの場に不在の会長に話してからのことになる。

 これまでの一刻会の本は毎回テーマを設けて、それに対して会員たちが投稿するかたちになっていた。そのために描きにくい面というのもあったように思う。個人的にはテーマを設けず、フリーな本にした方がやりやすいし、いいのではないかと思う。本としてのまとまりや方向性はなくなってしまうが、原稿が出てこないよりはずっといいように思うのだ。まあ、その辺の細かいことはともかくとして、とりあえずいい方向に動きだしたと言っていいのではないだろうか?

 ラーメン屋でその打ち合わせをした後、一行は解散。私は梅田に出て、ちょっとまんだらけなどをのぞいてから桔梗…じゃなくて、帰京した。(笑) 別に選んだわけではなかったのだが、今回も帰りの新幹線は500型ののぞみだった。

 26日、ちょっと疲れ気味…。一応、間は少しあいているけれども、名古屋、大阪、コミケ、京都、大阪と忙しい1ヶ月だったし…。夏コミから冬コミの間は短いから、本を作るならどんどん原稿を描かなければ間に合わなくなる。すでに絵コンテには着手しているが、まだまだ本にするには全然足りない。大阪で出た一刻会有志による本が私の本に相乗りというかたちになるなら、私は楽できるわけだが、今回は「犬夜叉」オンリーで行こうという気持ちがあるから、そこに違う作品の原稿が入ってくるのはちょっと…という気持ちもある。

 基本的には自分の本は自分だけで出すことにして、一刻会の方は出せたら冬コミに、無理ならるみけっと4にということで動いた方がいいだろう。もっとも、私が自分の原稿だけで本にできるか、ちょっと疑問なのだが…。う〜む。(汗)

 27日、夏ももう終わりだ…。「うる星やつら」に出てきたセンチな妖怪ではないが、ちょっと感傷的にもなる。そういえば、あの回の冒頭はフルカラーだった。今手元に資料がないので確認できないが、「うる星やつら」ではあれが初のフルカラーだったろうか? あの回の初出掲載時にはサクラさんのセリフに誤植があった。単行本では「すのものは好きじゃ」となっているところが、「すきものは好きじゃ」になっていたのだ。サクラさんのような大人の女性が「すきものが好き」とか言うと、非常に妖しくていいな…。(笑)

 そんなことを考えながら、ぼんやりと過ごしてしまった。何かちょっと気が抜けた感じ…。そろそろネジを巻きなおさないといけないのだが…。とりあえず、9月になったら考えようか…。(こらこら…。汗)

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