飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2002年>

7月30日(火)

 名古屋に続く遠出は大阪…。出張などでは最近も行っていたが、のんびり観光した経験はない。少し早めに着けば案内してくれるという申し出があったので、ありがたくお言葉に甘えたのだが、梅田の地下街で迷子に…。うーむ、困った困った…。(汗)

 24日、今度の週末は大阪行きだ。るみけっと3の頃から出ていた話で、最初は土曜日の日中にどこかで遊んで、夜に飲み会という話だったのだが、その後は日中の遊びの話が抜けて、飲み会だけになったような感じだった。飲み会だけのためにわざわざ大阪に行くのもなんだし、一時はちょっと消極的になってた時期もあったのだが、日曜日の予定がないなら、行こうとしててなかなか行けなかった宝塚の手塚治虫記念館に今度こそ行こうと思い直して決断した。

 まあ、友達に会えるだけでもいいのだが、それなりにお金もかかることだし、何かついでがないともったいないという気がする。もともと「何をする」、「どこへ行く」という具体的な目的がないと旅行しない人間で、行ってから余った時間をどうしようかと考えるのは苦手だ。迷ってるうちに無駄に時間を使ってしまう。お金と時間をかけて行くからには、それなりの元がとれるような目的を作っておかないと…。でも、綿密な計画を立てるのも、面倒くさがりなので苦手だ。(結構矛盾してる性格だな…。汗)

 とりあえず、この日の段階では名古屋と同様に集合時間前に宿にチェックインを済ませるというスケジュールで乗る新幹線を逆算するつもりだった。ところが、一通のメールによってその計画が変わることになる。こんな書き方をすると、何か大きな展開の前フリのように聞こえるかもしれないが、あんまり深い意味はない。単に予定を変更する理由になっただけだ。(笑)

 25日、メールで何時頃大阪に着くかを問われた。早く着くようなら、大阪を案内してくれると言うのだ。大阪にはこれまで何度か行っているが、前にも書いたように明確な目的のためだけに行っているので、あまり観光的なことはしたことがない。案内してくれるというなら、こちらで綿密な計画を立てる必要もないし、行ってから迷うこともない。これはありがたいと思ったので、お願いすることにした。

 これで出発が早まる。昼過ぎに大阪に着いて、まずは昼食でいい店に連れていってもらって、あとは飲み会までお任せで案内してもらおうともくろんだ。それはいいとして、昼前に東京を発つとなると、第2弾、第3弾で入札していたまんだらけオークションのセル画が落札できた場合、行きがけに受け取るというのは無理になる。帰りに受け取るというのも大変だが、のぞみで帰ってくれば間に合うかな…。そのためにも500型ののぞみにこだわろう。(笑)

 26日、まんだらけオークションで入札していた「犬夜叉」のセル画(鋼牙)と「らんま」の背景つきセル画(ともに乱馬とあかね)2点が落札できた。すべて上限額での落札だった。このときもまだシステムをよく理解してなかったので、それだけ競争が激しかったんだなと納得してしまったのだが、希望価格をすべて開始価格に設定していたので、もしかしたら次点の人とは大差があったかもしれない。大阪へ新幹線往復で一泊旅行に出かけて、飲み会などもすれば5万くらいは出てしまうが、それ以上の出費をセル画にしてしまった。(汗)

 まあ、いずれも結構見栄えするセル画だったので、展示にはぜひ押さえておきたいという気持ちが強かった。「犬夜叉」については、なるべくいろいろなキャラのセル画を集めたいという希望もあったし、これまで見かけた鋼牙のセル画の中ではいちばん見栄えするものだったもんでつい…。その鋼牙の方は、実は前日に落札できてて、これが上限額までいってしまったので、この日の「らんま」2点は半分負けた方がいいかなとも思っていたのだが、こういうときにかぎって勝ってしまう。そういうものなんだよなー。(苦笑)

 27日、12時半過ぎに新大阪に着く新幹線で出発、乗り継いで待ち合わせ場所のJR大阪駅へ。人が多いので、若干手間取ったが無事合流。だが、予想と違った…。大阪の面々はよく休日にミニオフ会を開いていると聞いていたので、連絡を取り合ったのは1対1だったけれど、当然夕方からの飲み会のメンバーが何人かで来るものと思っていた。が、来たのは1人だった…。もっとも、野郎と2人きりではちょっと意気消沈してしまうところだが、女性と2人というのは結構おいしいかもしれない。(男ならたいていそうだろうと思うが…。笑)

 まあいずれにしても、こちらとしてはすべてコースはお任せだ。以前、出張で来たときには、とりあえず同僚や上司と道頓堀に出ればなんとかなるだろうとその界隈をうろうろしたが、前にも書いたように綿密な計画を立てる性格ではないので、店を決めるまでに時間がかかってしまった。グルメマップなど持ち歩くのも似合わないし…。(笑) その点、女性の方がおいしい店の情報には詳しい。ただ、情報は持っていても、実際にその店に行ったことがあるかどうかは別で、今回も「このお店、こんなところにあったんだぁ!」というノリだった。このとき、気づくべきだったのかもしれない。その後に起こる喜劇の可能性に…。(笑)

 昼食のあと、あまり遠くへ行く余裕もないので、とりあえず梅田界隈を歩く。そのうちに、飲み会前に宿へのチェックインを済ましておきたいということになり、宿へと向かった。宿へは梅田の地下街「ホワイティー梅田」のイーストモールにある泉の広場から地上に出ると近い。で、泉の広場をめざしたわけだが、案内に任せてついていくものの、なかなか見つからない。ガイドマップを見ながら、同じところを行ったり来たり回ったり…。すっかり迷子になってしまった。(汗)

 しかたないので、代わりに私がマップを見て移動したら、あっさり泉の広場に着いてしまった。(おいおい…。汗) 迷子になってすっかり疲れたので、地上に出る前に泉の広場近くの喫茶店で一休み…。しかし、泉の広場が工事中で、ドンドン、ガンガンとやたらうるさい。せっかく女性と2人でも、ちっとも色気がない…。まあ、その方が私らしいかもしれないが…。(笑)

 チェックインを済ませたあとも色気のない行動は続く。残り時間が半端なので、その半端な時間をつぶすにはあそこだ。ということで、まんだらけ大阪店へ…。何も大阪まで来てまんだらけを観光することもなかろうにと言われそうだが、いちばん私らしいコースだ。が、ここでも行き着くまでに迷子になってしまう。なんかとってももったいない時間の遣い方をしてしまった感じだが、野郎と2人きりではなかったし、これはこれで面白かったのだからいいとするか…。(随分、単純だな…。笑)

 ここで飲み会メンバーの1人から連絡が入り、まんだらけで合流して3人で行動する。直前にまんだらけオークションで散財しているし、旅費もかかるから、大した買い物はできなかったが…。(買ったことは、買ったんだな…。笑) そして、阪急梅田店の集合場所へ…。みんなと合流して串揚げ屋へと向かう。ここで食い放題、飲み放題だ…。バイキング形式になっていて、好きな串を取ってきては自分たちのテーブルで揚げて食べる。が、取りすぎて食べ残すと、串1本につきいくらかお金をとられるというシステムだ。

 串揚げ屋といっても、カレーやサラダやデザート類もある。そういうことは、最初から教えておいてくれればよかったのに、知らないもんだから、お任せで取ってきてもらった串を片っ端から「揚げろ〜っ!」、「揚げすぎるとまずいから、食え〜っ!」と飛ばしすぎてしまった。そんな状態だったので、せっかく飲み放題にしたのにほとんど飲み物が入らなかった。食文化の都会・大阪では、東京人は田舎者だな…。食べ放題だからって飛ばしすぎると、かえって損をする。もっと楽しみながら食わんとあかんね…。(汗)

 飲み会のあとはカラオケへ…。また同人ネタの新しい替え歌を披露したりした。そして、ひとしきり歌って解散…。翌日、手塚治虫記念館に行く予定を話すと、一緒に行きたいという声もあったので、おおよその待ち合わせ時間と場所を決めて別れた。いろいろあって、かなり疲れて宿に戻ったのだが、安い宿を選んだのが失敗だったのか、冷房がきかない…。ただでさえ暑いと寝られないのに、これは最悪だ。おかげでほとんど寝られなかった…。(こんどは、もう少しいい宿にしよう…。汗)

 28日、前夜打ち合わせた時間に合わせて宿をチェックアウトし、前日入った泉の広場近くの喫茶店で朝食をとる。が、集合時間を1時間遅くするとの連絡があって時間を持て余してしまう。集合場所から戻り、泉の広場の北側にある書店に入り、帰りの新幹線の中で読む漫画を物色しながら時間をつぶした。朝からまんだらけが開いててくれたら、もっと楽に時間がつぶせたろうに…。(時間だけでなく、金も遣ってしまいそうだが…。笑)

 集合したらすぐに昼食だ。それから帰りの新幹線の指定券を先に押さえておくことにした。500型ののぞみは新大阪発はないから、先に空きを調べて押さえておかないと…。このとき、何時台の電車にするかちょっと迷ったのだが、帰りにまんだらけ中野店のセル画館で落札したセル画を受け取る都合があったので、早めの電車を選ばざるをえなかった。これがあとでちょっと危ないことに…。(苦笑)

 さて、ようやく宝塚に向かい、手塚治虫記念館へ…。そんなに大きな建物ではないが、狭いスペースの中でうまく展示している。一定時間ごとにオリジナルアニメを上映していて、上映が近くなると鉄腕アトム(着ぐるみ)が出てきて子供たちを楽しませる。かつて手塚ファンとして活動していた私も、ここのアニメは初めてだった。手塚先生の少年時代をモチーフにしたその作品は、当然先生の死後に作られたものなのだろうが、実に手塚アニメの精神に満ちた作品だった。

 言葉で表現するのは難しいのだが、絵の動きそのものの面白さをふんだんに見せてくれる。もちろん、今のアニメでも絵の動きに凝ることはあるが、比較的直線的でダイナミックなものが多い。それはそれで迫力があっていいのだが、手塚アニメはディズニーの流れを引き継ぐ曲線的で、なめらかで、細やかな動きなのだ。単なるリアルさの追求ではなく、絵の動きで遊ぶという感覚だろうか。例えば、草の葉から落ちた水滴が簡単にはじけてしまうのでなく、ゴムまりのように弾んで、生き物のように転がっていったり…。そう、絵に命を与えるというイメージだ。

 手塚先生にとってのアニメは、単にストーリーを展開させるための道具ではないのだ。絵の動きが、逆に小さなストーリーを生み出すのである。水滴がはじけるまでにしても、すぐにはじけてしまうのでなく、葉から葉へ弾んでころがり、それに驚いた昆虫が腰を抜かしたり、興味をもって追いかけたり、そうした過程のおもしろさを大事にするアニメーターだった。そういった手塚先生のアニメ作りの精神が、非常によく盛り込まれていたのがうれしかった。

 アニメのあとは、展示をひととおり見て単行本のライブラリーで一息だ。手塚ファンとしてもそれなりの活動をしていたから、つい案内係のように説明してしまう。そけほど大きくはないのだが、1つ1つの展示品をじっくり見ながら回るには残念ながら時間がちょっと足りなかった。最後に、ブラックジャックのネクタイを記念に買って館をあとにする。と、ここまではまあまあよかったのだが、ちょっとのんびりと行動しすぎた。すでに指定席を押さえた新幹線に間に合うかどうか微妙になってしまう。

 最初は宝塚駅から通しで乗車券を買ってしまおうと思ったのだが、みどりの窓口に3人ほど並んでいて、その先頭の人が席の空き状況を何本も聞いていて、ちっとも進まない。もういい加減見切りをつけないとやばいと判断し、最低区間のきっぷを買ってホームへ駆け込む。ここで見切っていなかったら、完全にアウトだった。新幹線のホームに上がると、もう電車が入線してきていた。始発ではないから停車時間はわずかだ。結局、帰りの弁当を買う時間がなかった。(もう少し、余裕が欲しかったな…。汗)

 29日、遠出が続いて疲れが少し出てきたが、それ以上に満足感が大きかった。ここしばらく、オークションでの散財が響いてあまり遠出ができなかったわけだが、そのときはそれでしかたがないと思っていた。しかし、こうして久々に遠出してみると、やっぱり人と直接会うのは大切だなと痛感する。メールやチャットで何度話をしても、直接会って遊ぶ1回に及ばない。少なくとも、私にはそう感じられる。もっと彼らと会いたい。会って共に遊びたい…。

 かつては、一刻会会報の編集会がそのような直接交流の場を提供してくれていた。編集会に行けば会える、遊べる…。たった半日でオフセット本(最大時で44ページ)の編集をしなければならないという大変な作業があっても、編集会に行きたいという気持ちが強かった。また、それだけ人も集まった。しかし、今では編集会に行っても会える人は少ない。東京近郊に熱心なるーみっくフレンドがほとんどいなくなってしまったのだ。東京で失われた楽しみを求めるには、名古屋や大阪に行かねばならない。こんどはそっちで散財することになるかも…。(汗)

 30日、気がつけばもう、夏コミまで10日…。今回はスペースもとれなかったし、新刊もコピー本もないから、同人作家としてはあまり目的のあるコミケではない。が、海外在住の同人仲間が久々に帰国することになり、夏コミ2日目の一刻会の歓迎オフ会と3日目のコミケ会場までの案内を頼まれたほか、彼女のリクエストでコミケ最終日の翌日に津田沼のお好み焼き屋「じぱんぐ」でのオフ会を設定することになった。今回はほとんどオフ会ばかりのコミケになりそうだ。(その分、散財が心配かも…。汗)

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