飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2002年>

7月23日(火)

 名古屋で開かれた犬夜叉オンリー即売会「犬夜叉パラダイス」に一刻会の売り子として参加。そのイベントスタイルを見て、あらためてるみけっとの今後に対する自分の気持ちを確認する。展示用のセル画も手に入りはじめ、次回のサイドイベントの準備も少しずつできていく…。とりあえず、夏コミまではリフレッシュといい刺激を求めて、リラックスしていこう。冬までリラックスしないといいけど…。(笑)

 17日、まんだらけのオークションで入札した「犬夜叉」のセル画が、3枚とも落札できた。いちばん安い珊瑚のセル画は開始価格で落札できたが、犬夜叉とかごめは上限額までいってしまった。まあ、しかたないかと思ったのだが、実はこの頃はまんだらけのオークションのしくみをよく理解してなかったので、ちょっと損をしていたのかもしれない。Yahooオークションのシステムに慣れすぎていたせいで…。

 Yahooオークションには自動入札というしくみがあって、自分の上限額を入れておけば、常にライバルの入札価格+入札単位(最低上積金額)という必要最小限の金額で落札できるようになっている。一方、まんだらけのオークションでは希望価格と上限額があり、ライバルがいないか希望価格がライバルの上限額を上回っていたときのみ希望価格で落札できるが、ライバルの上限額がこちらの希望価格を上回っていれば、常に上限額で落札してしまうのである。

 今回の例で言うと、珊瑚のセル画はライバルがいなかったらしく、希望価格(開始価格と同額に設定)で落札できた。が、犬夜叉とかごめのセル画は、ともにライバルの上限額がこちらの希望価格(開始価格よりちょっと上)より高かったらしく、結局上限額で落札してしまったのだ。したがって、Yahooオークションの感覚で上限額を絶対安全な高値に設定してしまうと、ほとんどその額で落札してしまうのである。これは落とし穴だった。結構鬼畜なシステムだな…。(汗)

 その辺を理解して入札すればいいのだが、この頃はそのことに気づいてなかったので、安全高値を入札してしまっていた。もっとも、この回はYahooオークションの相場よりは安くしていたからそんなに損はしていないのだが、そのあとのオークションではかなり損した感じになってしまった。しかし、しくみがわかっても、結果発表まで状況のわからないクローズドオークションだから、さじ加減が難しい。結局、絶対取りたければ安全高値を入札するしかないのだが…。(汗)

 18日、帰りにまんだらけに寄って落札したセル画を受け取ろうと思ったのだが、突発の仕事で帰宅が遅くなってしまったので、断念した。まんだらけのオークションでは通販か店頭渡しかを選べるが、通販だと送料が1050円もかかるし、振込手数料もかかる。電車賃の方がずっと安いから店頭渡しを選んだのだが、落札後3日のうちに受け取りにいかねばならない。もちろん、連絡すれば延長は可能なようだが、そういうことはさっさと済ましてしまいたい性分なので、すぐに受け取りたかったのだが…。

 翌日もやはり仕事で、まんだらけの閉店までに間に合いそうもない。20日は名古屋へ出発する日だが、行きがけに受け取ってくるしかあるまい。名古屋へは即売会参加で行くので、あまり余計な荷物は増やしたくなかったのだが…。プレゼントに出すわけでもないし…。(プレゼントするには、ちと高すぎるよ…。汗)

 19日、遅めに帰宅してから名古屋行きの準備だ。即売会に参加するので、一応そちら関係のグッズも詰め込む。あとは、前夜の飲み会のさかなにちょっとした資料を…。これはあまり表に出せない代物なので、何なのかは内緒だ。まあ、もともとの出所がやばいルートの代物なのでね。名目上はこの世にもう存在しないはずのものだから…。そういう怪しげなものが見たい人は、私とお友達になろう。特に、女性歓迎!(だからって、女装してくるのはちょっと勘弁してくれ。笑)

 20日、飲み会の集合時間前にチェックインを済ませる計算で逆算し、家を出た。まずは、まんだらけ中野店のセル画館で落札したセル画を受け取る。それだけにしておけばよかったものの、店頭のショーケースの中にあった「犬夜叉」のセル画も2枚買ってしまった。別にこのときの懐具合としてはどうということもなかったのだが、こういうのが後々響いてくることになる…。

 15時頃の新幹線で東京を発ち、名古屋に17時過ぎに到着。伏見のホテルにチェックインを済ませ、着替えや即売会グッズなどの荷物を置いて、名古屋駅の集合場所に戻る。男ばかり4人とちょっと淋しい集まり具合だったが、夏コミに参加する同人なら新刊作りで修羅場の時期だし、しかたのないところだろう。ホントはこんなところにいちゃいけないんだろうけどな…。(汗)

 でもまあ、せっかく来たのだから楽しまなければ…。ということで、内輪の話で盛り上がったり、即売会のスタイルについて話をしたり、買ったセル画や怪しげなブツを見てもらったり…。こうやって遠出したときに、出先で会える友達がいるっていうのはいいもんだ。最近はネット交流に押されてすたれ気味の会員制サークルだが、やはり会員制サークルの果たしてくれた役割というのは大きいなと実感する。やっぱり何度も会って、一緒に寝泊まりした間柄というのは、ちょっと親しさの度合いが違う。

 ネット交流もオフ会参加を重ねていけば、会員制サークルに負けないものが築けるだろう。そのオフ会のきっかけを提供する意味でも、イベントの果たす役割は大きいし…。とまあ、何だかんだ言って、みんなぐるぐると巡り巡ってつながっているんだな…。(自分でも書いててよくわからくなってきたが…。笑) 要は、同じものが好きな者同士なんだから、一緒に楽しもうよ…って、ことなんだ。年齢も、性別も、国籍も関係なく…。(随分、省略したもんだな…。笑)

 21日、「犬夜叉パラダイス」のサークル入場の時間に合わせてチェックアウトし、予定どおりに会場入りする。ちょっと駅からは地下鉄を乗り継がないといけないところだったが、ビルの最上階で展望台のような作りのため、明るくて見晴らしもよく、非常にすがすがしい会場だった。広さの割に参加サークル数が少ないので、即売会スペースはやや淋しい感じもしたが、その分コスプレスペースがある。そのスペースに自転車が設置されていたのには驚いた。かごめのコスプレ用の小道具というわけだ。なかなかにくい配慮である。

 即売会タイムも終始のんびりムードで、あまり売れ行きにこだわるムードはなかった。夏コミ合わせの同人のほとんどが新刊作成のために修羅場を迎えているこの時期に即売会を開いているのだから、それはある意味当然のことと言えるだろう。コミケ中心の同人の目には「こんな時期に開くなんて、何を考えているんだろう?」というふうに映ったかもしれない。が、これはあくまで地元密着のコミケに行けないサークルや一般参加者のためのイベントだったのだ。この時期であることにも、充分意味があるのである。

 それを聞かされて、まさに目から鱗の落ちる思いだった。イベントにはそういうありかたもあるのだ。何も人をたくさん集めて売れる環境を作るばかりが即売会イベントのあり方ではない。そういうものをめざしたい主催者がそういうイベントを作るのもよし、それよりも参加する楽しみを与えたい主催者がそういうイベントを作るのもまたよし…。これまでくすぶっていた思いが一気に晴れた気がした。

 即売会後のお茶会は有料だったが、時間がたっぷりあって充分楽しめた。ビンゴゲームでもパンフにマスだけ印刷しておいて、指定されたキャラの中から好きなキャラを自由に書き込んでいいかたちにしてあったり、その賞品にギャグをきかせたものがあったりして笑えた。ちなみに私の賞品は、「殺生丸さまのモコモコ(100分の1サイズ)」である。(実際には、もっとずっと小さいと思うが…。笑)

 各テーブルで会話を交わしたり、七宝のコスプレをした子供が蛇骨刀を借りて振り回してるのがかわいらしくて、みんなして注目してしまったり…。それほどショーアップは試みてなかったのだが、自然な流れの中でいい雰囲気が作られていた。お茶会もここまでたっぷり時間がとれるといい。正直、うらやましかった…。

 他の参加者がこの「犬パラ」をどう評価するかはわからない。イベントとしては規模も小さいし、参加者も少ない。本もそんなには売れてないだろう。しかし、私は今年参加したイベントの中でいちばんよかったと思う。くやしいが、るみけっと3よりもよかったと思う。まったく同じことをする気はないが、随分教えられたイベントだった。名古屋まで来た甲斐があった…。結局、ギリギリまでお茶会に参加し、名古屋発のこだまで東京に帰った。

 22日、ちょっと名古屋行きの疲れが出たので、帰宅後は早めに休んだ。だいたい名古屋からの帰りは、確実に座れるように名古屋発のこだまを使うのだが、各駅で通過待ちをしたりして時間がかかり、帰宅が遅くなる。それが、だんだん体力的につらくなってきた。そこで、こんどの大阪からはJR関西の500型のぞみで帰りたいなと考えはじめた。別に、500型だから速いというわけでもないだろうし、乗り心地がいいかどうかわからないが、500型にはまだ乗ったことがなかったから…。(笑)

 23日、「犬パラ」に感銘を受けて、次のるみけっとに向けての意欲もふくらんでくる。とりあえずは、新しいセル画の収集というかたちで…。それって、単なる物欲じゃないのかなと自問自答することもある。私自身、それがゼロだとは思わない。でも、目をつけるときはたいてい「これを手に入れて見せられたら、喜んでもらえるかな…。」という気持ちが働く。少なくともセル画や原画、動画などに関してはそうだ。

 だから偉いだろうとか、胸を張れることだとは思わない。むしろ、アホなことやってるなーと思うことが多い。周囲の友人たちも、私がセル画で何万も使ったとか言うと、きまって「バカ者!」と言う。本格的なセル画コレクターでもないのに、イベントのためにそんな散財をしているのだから余計バカ者と言えるのだろう。でも、他人のバカは楽しめるもんだ…。(こらこら。笑)

 別にショーアップを図らなくてもいい雰囲気は作れる。気ばって展示に金をかけなくても、いいイベントは作れる。「犬パラ」からはそれを学んだが、私は私のやりたいことをやる。なぜかって、それがいちばん私にとって楽しいから…。それで散財しても楽しいから…。バカをやるのは、結構楽しいもんだ…。(笑)

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