飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2002年>

6月25日(火)

 サッカーW杯もいよいよ大詰めが近づき、クライマックスに向けて気持ちが盛り上がっていく。そんなとき、予想もしなかった人事異動の内示…。W杯が終われば、コピー本くらい作る気が起きるかと思っていたのだが、それどころの話ではなくなってしまった。仕事の引き継ぎが大変で…。(汗)

 19日、ここまでくるとW杯の試合日程にも空きの日が出てくる。これまで毎日試合があったから、ちょっと淋しい。気が抜けてしまう…。今なら獅子咆哮弾を避けられそうだ。(笑) これでベスト8が出揃ったわけだが、その中でいちばん楽しみな対戦はイングランドとブラジルだ。ブラジルの攻撃力とアルゼンチンを封じたイングランドの守備の対決はおもしろそうだ。イングランドが先制したりすると、その辺が余計楽しみになる。

 別にブラジルが嫌いなわけではない。ただ、ブラジルが強いのはわかりきっているから、いわゆる判官びいきというやつだ。結果的にはどちらが勝ってもいい。高いレベルの戦いが見られればいいのだ。その末に勝ち残ったチームは、当然次の試合も楽しみになる。あえて個人的な興味から希望を言うとすれば、ブラジルとセネガルの個人技対決が見てみたいという気持ちがある。古豪ブラジルに新興勢力のセネガルの個人技がどこまで通用するか、興味深いなと…。ただ世の中、なかなか希望どおりには進まないものだが…。

 20日、サッカーの試合がないと、途端にここに書くことがなくなってしまう。ほとんど別のことをしてないし、ネットでサッカー関係の情報を収集して1日が終わる。そういえば、サッカーにどっぷりつかっているせいで、オークションでの散財もかなり抑えられてるな…。悪いことばかりじゃないんだ。(笑) でも、ちょうどW杯が終わる頃にボーナス出るし、思いっきりその反動が来るかも…。(汗)

 21日、準々決勝の中でいちばん楽しみにしていたブラジル対イングランドが、またしても平日の昼間だ。この前までは日本代表の試合だから理解のあった上司も、外国チーム同士の試合では積極的に「見なさい!」とは言ってくれまい。ネットの速報でがまんするしかなかった。それでもホントはやばいんだけどね。(笑)

 展開としては、私が期待とたとおりイングランドが先制するかたちになった。しかし、前半のうちに同点に追いつかれたのがイングランドには痛かったろう。リードしたまま後半に入れば、ブラジルのあせりを誘えたかもしれない。ベルギー戦でも前半苦戦したブラジル、ウィルモッツのゴールが反則に判定がなければ、結構やばい流れだったように思う。しかし、前半のうちに追いつけたことで、すっかり落ち着いてしまった。

 こうなると、再びイングランドがリードを奪わないと、もうイングランドの勝ちはないように思えた。が、ロナウジーニョのGKのポジションをよく見た抜け目のないフリーキックが、イングランドの守護神・シーマンの頭越しに決まる。大ベテランのちょっとした隙を突いた頭脳的なゴールだった。結局、このままブラジルに押し切られ、イングランドは敗れ去った。試合終了のとき、ポジショニングのミスを悔やむシーマンをベッカムが慰めていたシーンには、ちょっとじ〜んとくるものがあった。

 一方、夜のドイツ対アメリカだが、アメリカのがんばりで接戦となった。初戦のサウジアラビア戦こそ8点をとったドイツだが、その後はあまり点をとれていない。どちらかというと、GKのカーンを中心とした守りの堅いチームだったのかもしれない。ハデなデビューを飾ったFWのクローゼも、ヘディングでしか決められない難点があって、その後はイマイチだ。コンビを組むFWとの相性もあるだろうか? 長身のヤンカーと組んだ方がクローゼは力が発揮できるようだ。

 結果はドイツが1点を守りきって勝ったが、この試合でも誤審と思われるシーンがあった。スローでみると自陣ゴール前でドイツ選手の手にボールが当たっている。確かに故意でなければ取らないシーンもあるのだが、手に当たらなければゴールが決まっていたかもしれないところなので、あそこはPKではなかっただろうか…。ちょっとアメリカにはかわいそうな判定(あるいは見逃し)だった。

 22日、昼間の試合は韓国とスペインの対決だ。またしても韓国が私の好きなチームと対戦してしまうので、気持ちは複雑だ。実績からいけばスペインだろうが、地元の利を背景とした韓国の勢いを考えると結果はわからなかった。ここまでくれば、どちらが勝っても先は楽しみだが、イタリア戦は審判の判定が韓国に有利に働いたという見方ができてしまう部分があったので、韓国が勝つならスッキリした勝ち方をして欲しかった。ところが、イタリア戦以上に怪しい判定に助けられてしまった。(汗)

 スペインのゴールが何度か取り消されたシーンは、公平な目で見てもあまり納得がいかない判定だった。特に延長でのホアキンのセンタリングはどう見てもゴールラインを割る前に蹴られている。ホイッスルが鳴ってプレーを止めたから入ったのであって、そのままなら入らなかったと後に韓国の選手は言っていたが、それはどうだろう? 確かにプレーを止めているが、止めてなくてもどうなったかはわからない。入っていたかもしれない…。どちらにしろ、ギリギリのプレーが見られたはずた。それだけに、この明らかな誤審には怒りを覚えてしまう。

 それらの判定が、ことごとく韓国の勝利に結びついてしまったことも非常に嫌だ。どちらにも不利な判定があったのならまだいいのだが、ここまで一方的になってしまうと、どうしても疑惑を招かずにいられなくなる。韓国が勝ち進むのはアジアサッカーの地位向上を世界に認めさせる意味でいいことなのだが、それが判定のおかげという見られ方をしたら、地位向上につながらなくなる。それを考えたら、当の韓国の人たちこそ、これらの判定に怒るべきではないのかな? この判定を喜んだら、自国の名誉が傷つけられてしまうような気がするのだが…。(汗)

 夜のセネガル対トルコ戦もすばらしい試合だった。最初はブラジルとの個人技対決が見たいという気持ちがあったので、セネガルを応援していたのだが、トルコの速いパス回しのすばらしさに魅了され、最後はトルコの応援に変わっていた。日本戦とはまるで別のチームのような生き生きとしたパス回しだった。トルコってこんなに強かったのかと、熱い気持ちになった。ということは、トルコにこのパス回しをさせなかった日本代表は、結構強かったのかもしれない。

 日本戦では出場停止だった選手もいたし、地元の利を警戒して守備的にきていた部分もあるのだろうが、それにしても差が大きい。セネガル相手にこれだけの試合ができるチームに対して終始押し気味に試合を進められたのだから、日本代表も捨てたものではなかったわけだ。それだけに、逆にあの試合に勝てていたら…という気持ちにもなってしまうが、それはそれ…。そこで勝てなかったのも実力のうちと言わざるをえまい。出てしまった結果をうだうだ言ってもしかたないしね…。

 23日、日曜日だというのにサッカーの試合がない。何だか手持ち無沙汰になってしまう。韓国対ドイツ、ブラジル対トルコという準決勝の勝敗予想にふけるくらいしかない。後者は普通にいけばブラジルだろう。トルコがどこまで健闘できるかだ。予選リーグではブラジルを脅かしたトルコだが、ブラジルの調子がどんどん上がってきている。ただ、トルコもセネガル戦で見せたパフォーマンスが出せれば、かなり健闘できると思う。0−0のまま接戦が続けば、あるいは一発でトルコの勝ちもあるかもしれないが…。

 韓国とドイツははっきり言ってわからない。どっちに転ぶかは、そのときの展開次第だろう。ただ、予想としては韓国が攻め、ドイツがカーンを中心とした堅守でそれを阻みながらカウンターを狙うという図式がなんとなく見えてくる。また、ここ2試合続いていた疑惑の判定に対しては、FIFAが経験豊富な欧州の審判で固めることを決めた。が、欧州というところが逆にドイツ有利に働かないか心配だ。別にどこの審判がやってもいいのだ。要は、どちらか一方に偏った判定がなければ…。もちろん、バランスをとるために反則を見逃したりするのはいけないが…。(笑)

 24日、代休だ。この日もサッカーの試合がないので、家でのんびりしていたのだが、15時頃に上司から電話があり、異動の内示が出たことを伝えられた。7月にはいちばん上が退職するのが決まっているほか、次がそろそろ異動というのは予想していたから、それらの事務をこなすいちばん下の私にまさか異動があるとは思ってもみなかった。こいつは大変だ。予想してなかったから、引継資料の作成が全然できていない。そうなるとこの日の代休はものすごく痛い。残りの平日は4日…。こりゃー、土日も出なきゃ無理だな。(汗)

 25日、仕事は朝から引継資料作りだ。もちろん、通常の業務もあるが、イメージ的には一日中資料作成をしていたという感覚が残る内容だった。大変だとはいっても、やはりサッカーの試合は見たいので、ギリギリまで仕事をして帰宅する。もう、土日のサービス出勤を覚悟したんだから、この日くらいはまあいいだろう。あとになって苦しむかもしれないが…。(汗)

 韓国とドイツの準決勝はある程度予想どおりの展開となった。韓国が攻め、ドイツが守ってカウンター。1点勝負だった…。立ち上がりからドイツのGKカーンも全開だ。イタリア、スペインと破ってきた韓国の勢いもカーンを中心とするドイツの守備の前に再三に渡ってはね返される。そして後半、この試合の命運を左右する大きなプレーが出る。ドイツのバラックによる反則である。

 ゴール前に抜け出しかかった韓国の選手をペナルティーエリアの外ギリギリのところで後ろから倒してイエローカード。汚いといえば、確かに汚い…。が、そうしなければならないほどのピンチであったことも確かだった。バラックはすでに以前の試合でイエローをもらっていて、ここでもらえばたとえ勝っても栄えある決勝戦のピッチに立てなくなることはわかっていたはずだ。それでも止めなければならなかった。審判の見方によっては一発退場もありえたし、まさに捨て身だった…。

 反則に対して見事だったという賛辞は贈りたくないが、勝つための貢献としてはこの上なく大きかったろう。そして試合は、その決勝戦に出られなくなったバラックが決める。ちょっとしたドラマのようだ。負けた韓国にとっては、実に皮肉なドラマになってしまったが、W杯で優勝経験を持つドイツをそこまで捨て身にさせた力は称賛に値する。3位決定戦は地元韓国で行われるし、3位にはなれるのではないかと思う。もうひと踏ん張りがんばって欲しい。私も引継資料、がんばらねば…。(汗)

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