飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2002年>

3月26日(火)

 Pioとの打合せの結果、小展示ホールの壁面が布貼りであることが判明した。これは一大事! 画鋲の使用ももちろん禁止だ。となると、展示パネルをこちらで用意して持ち込むしかない。もうすでにやると発表してしまった展示をやめるわけにもいかない。もちろん、いちばんやりたがっている私の気持ちがおさまるはずがない…。が、どうする、飛鳥?(汗)

 20日、原作「犬夜叉」だが、受けた傷によって動きが鈍った犬夜叉は苦戦する。しかし、そんな状態でも組み合えば力は互角…。ところがここで、白心上人の仏具・独鈷が蛮骨の味方をする。鉄砕牙めがけて飛んできて、鉄砕牙の変化を解いてしまった。白心上人が奈落の味方をしているのではというかごめの抱いた疑惑はさらに深まる…。

 圧倒的に不利になった犬夜叉だが、ここでかごめが破魔の矢を蛮骨の右腕に命中させる。と、その腕は骨に…。もともと骨から蘇った体だから、破魔の矢の霊力でもとの姿に戻されたということなのだろう。そうなると蛮骨が不利と考えたのだろうか、独鈷が蛮骨を逃がした。といっても、独鈷自体が意志を持ってるわけがないので、奈落あたりが独鈷を操ってそうしたのだろう。

 ここで感じたのは、奈落がかなり蛮骨を大事に(慎重に)使っているということだ。より有利な場所で闘わせ、少しでも不利と思える状況になるとすぐに撤退させてしまう。これまでの奈落は、手駒は使い捨てという感じだったが、よほどこの蛮骨に時間を稼いでもらいたいらしい。それだけ今の奈落自身が闘えないやばい状態で、頼れる手駒がもう蛮骨くらいしかいないということだろうか。私の推測は、今のところそんな感じだが、どうなのだろう…?

 さて、この日は代休で午後から代表とともにPioとの打合せだ。昨年に続いて2度目なので、だいたい勝手はわかっている。スムーズに話は進んだが、最後に1つ懸念材料だった壁面の材質について質問した。本来、壁面への直接貼り紙等は一切禁止なのだが、跡の残らないテープを調達してこっそりやってしまおうという計画だった。だから、ここでそんな質問をするのは半ば計画をバラす愚行になるのだが、もしものことを考えると背に腹は換えられなかった。

 その結果、下見のときの予想に反して、壁面はすべて布貼りであることがわかった。計画も察知され、壁面への直接貼り紙(避難路等の表示は除く)はしないようあらためて釘を刺されたが、バレるのを恐れて聞かずに強行していたら、当日、大変なことになっていた。その場で展示パネルをつり下げるワイヤーと金具は貸してもらえるという話を聞いたので、そういう方向に切り替えるしかあるまい。問題は展示パネルにかかる費用とそれを運搬する方法と費用だ。

 かなりピンチに立たされたが、ここはもう行動して前向きに乗り切るしかない。幸い蒲田にはユザワヤがあるので、打合せ後に早速展示パネル(あるいはその代用になるもの)を物色しに行った。本格的なボードは高いだろう。やはり安くて運搬も比較的楽にできるものが必要だ。と、ちょうどいいものがあった。スチレンボードである。スチロール製なので非常に軽いから10枚くらいになっても、ヒモをかけて取っ手をつければ片手で充分に運べる。展示品も紙やセルだし、貼り付けてから運ぶのも可能だろう。

 その方がかえって好都合だ。当日のリスクを考えると、少しでも当日作業を減らした状態で持ち込みたい。借用品は無理としても、それ以外の展示品はすべて貼り付けて持ち込めば、かなり楽になるはずだ。こいつはケガの功名だな…。唯一心配なのは強度だ。スチロール製なので、人が強くぶつかると割れてしまう。駅の柱や階段などに角をぶつけるとへこんでしまうだろう。運搬に注意が必要だが、10枚重ねなら何とかなるかな…。光が一気に差し込んできた。

 21日、壁面展示の計画を練り直す。これまでは壁面への直接貼り付けを想定して寸法などを計算していたが、パネルに貼り付ける場合、壁面よりはやや枚数を減らさないとならなくなる。事前に貼り込んで持ち込むとなれば、2枚のパネルにまたがるようなレイアウトはできないし、余裕を見て万全を期さなければ…。

 小展示ホールの柱と柱の間の壁面は、図面上5mとなっている。これを2面(10m)使って展示する。使用するパネルの大きさは、背景付きセル画の縦幅を考えると90cm×60cmのものが必要だ。これを横長にして5枚(4.50m)ずつ並べられる。さらに展示品を追加するなら、その半分のものを1枚ずつ縦長にして並べれば4.95mずつでギリギリ収まる計算だ。

 それぞれのパネルに貼れる枚数は、標準サイズのセル画等ならば、大きい方のパネルには横3枚、縦2枚(計6枚)貼れる。背景付きセル画なら、大きい方に横2枚、縦2枚(計4枚)だろう。小さい方のパネルには、どちらのサイズにしても縦に2枚しか貼れない。そうなると、小さいパネルには、なるべく背景付きの大きいものを貼った方が得だ。結構いろいろ頭を使うな、これは…。(汗)

 22日、展示品の取り込みを終え、画像の加工をする。この日も帰宅後からではここまでが精一杯だった。あと休みの日が何日あるか、そろそろ計算して作業進行の目安をつけておかなければなるまい。パネルへの貼り付けは、あまり早くやってしまうと当日までにはがれてしまう危険性があるから、その直前の休日がいい。それより前に面倒なカットフィルムのディスプレイをしておかなければなるまい。

 いちばん時間を食う作業はその2つだが、その他にも細かいものがたくさんある。パネルを実際に購入するのは、そうなると月末くらいだろう。末日は出勤だから、その前の土曜日になる。本当に計算した枚数と組み合わせでいいのか、それまでにきっちり決めておかなければいけないな…。借用品の打合せもいよいよ佳境に入っていく。

 23日、出勤だ。休み時間にプレゼント抽選会用の抽選券と壁面展示用のキャプションを作成してプリントアウトした。帰宅後、キャプションを画像に取り込んで壁面展示用に保存した。抽選券は準備集会で代表に渡して、カタログにあらかじめ挟んでおいてもらおうかと思ったのだが、よく考えたら準備集会のある31日は出勤なので私は参加できない。これはかなり痛い。

 抽選券のことはともかくとしても、展示品やプレゼント品など、かなりの荷物になってきてしまったので、運送に援助を依頼したかった。車を出してくれとまでは言わないが、せめて荷物持ちが欲しい。展示がパネル使用になった時点で公式HPのスタッフ掲示板に救援を乞うメッセージを書いておいたのだが、いまだに反応がない…。やはり準備集会で直接訴えないと、効果がないかなと思っていただけに参加できないのは…。

 その他にもいくつか懸念材料がある。BGMの音源は誰が用意するのだろう? 昨年までの担当がやめたので、当然別の人選をしなければならない。当日CDをかける人間なら誰でもいいが、リクエストに応えられるだけの音源を用意するとなると誰もができる話ではない。また、上映スペースで上映するビデオの用意も同様だ。こちらは大した作業でもないが、これが全部私の所へきてしまうとなると…。結局、困ると私のところに回ってくる可能性大だなんだよなぁ…。(汗)

 まあ、なるべくなら他のスタッフに振ってもらうよう準備集会前にスタッフMLで釘を刺しておこうと思うが、最悪の場合は考えて準備はしておくとしよう。ここまできたら不満をもらしてる暇もない。行動でつぶしていくしかないから…。ということで、CDを引っ張り出し、ビデオもある程度候補を決めておいた。ほとんど開き直りだな。(笑)

 24日、パソコン上で壁面展示のシミュレーションをしてみる。パネルごとに分けてレイアウトし、見栄えを確認する。並べてみると結構壮観だ。展示品の質という面ではまだまだ上を見ればきりがないが、そんなに悪いというレベルでもないだろう。結構、コツコツと見栄えするものを集めてきた。見ているうちに、だんだん自分でもわくわくしてきた。きれいにディスプレイできれば、結構いい展示になるはずだ。

 そして、水面下で進めてきた借用品候補の画像が来た。おまけということで話になかったものも含まれていた。が、これが実に捨て難いものだった。「らんま1/2」第4話のラストと、途中に出てきたなびきが九能に売ったあかねちゃんの写真5枚の原画である。かなり劣化が進んでいるが、私の方で展示を予定している「らんま」の原画がOVA版のコピーなので、TV版初期の生原画は何とも捨て難かった。

 しかし、それを入れるとなると、どれを外してどう並べ替えるかというやりくりが大変になってくる。サイズも標準ではなく、横に長いということなので、背景付きセル画並みの横幅と考えておく必要があるだろう。とりあえず、最終決定は保留ということにして、しばらく待ってもらうことにする。ここへきて、贅沢な悩みにぶつかるとは…。(実際、困ったな…。汗)

 25日、前日に送られてきた借用品候補の画像を組み込んで作成してweb上にアップしておいた暫定版の壁面展示シミュレーションを借用品提供者と代表に見てもらうようにメールを送った。まだ正式決定ではなく、最終的に何を持ってきてもらうかは4月に入ってから回答することも伝えた。あの捨て難い2枚の原画は今回の暫定版では加えていない。何とか最終的には加えたいが…。

 一方、ほとんど決まっていた机上展示の方に展示品が増えた。「らんま」の色指定表が数話分入手できることになった。机上の方もおおまかなレイアウトを決めてあったから、これを間に入れるのはちょっと大変だが、フィルム展示にかかるスペースを何とかコンパクトにまとめれば送り合わせできるだろう。うーむ、どんどんエスカレートしていくな…。(笑)

 26日、壁面展示用キャプションの修正と机上展示用キャプションの作成をする。一旦、壁面展示用は作成したのだが、一部修正した方がいい部分があるし、記述に自信のない部分もある。私自身が中学のサークル活動でアニメ制作をしていたのは、もう25年以上も前のことで、その頃はまだハンドトレスだった。だから、トレスマシンによるトレスの知識はゼロに等しい。一応、コピー器のようなイメージで黒い線だけが転写されるのは知っているが、ハンドトレスの知識から当然セルの表面に転写されるものと思い込んでいた。

 しかし、急に自信がなくなってネットを検索して調べてみたら、トレスマシンによるトレスはセルの裏面に転写されるされることがわかった。それゆえ、その上から塗られたアニメカラーの色によって浸食され、トレス線が劣化するのだということも…。うーむ、私の知識はあまりにも古過ぎるみたいだ。何しろ、倒産前の虫プロで指導を受けた先輩からの直伝だからな…。一度全部勉強し直さないとダメだな。(汗) 

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