飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

11月6日(火)

 出張2日目は、とんだ厄日だった。恥ずかしい失敗が続く。そして、出張から帰れば、もう11月…。新刊の原稿がどんどんやばくなってくる。果たして、この冬に新刊は出せるのだろうか?(かなり弱気になってきた。汗)

 10月31日、原作「犬夜叉」だが、かごめを襲った霧骨は、四魂のかけらを奪うという目的を忘れて、かごめを自分のものにすることに走ってたらしい。うーむ、蛇骨も蛇骨だが、こいつもこいつだな。犬夜叉はいらないけれど、その代わりかごめが欲しかったのね。(笑) 顔のせいでモテないから、毒で動けなくさせて女をものにしようというわけだ。卑劣なやり方だが、どこかやはり1本抜けている。最大の目的だけに絞れば、うまくいってたろうに…。

 しかし、そのかごめの危機を救ったのが殺生丸というのも面白い。いろいろと登場人物が絡み合ってくる。殺生丸は助けたつもりはないだろうが、それじゃそのままかごめたちも殺すかといえば、そんなことはないだろう。その気になれば、これまでだって殺せていたのだ。それよりも今の殺生丸は奈落を引き裂いてやることで頭がいっぱいに違いあるまい。

 そして、いずれ犬夜叉かかごめのために殺生丸が天生牙を使うことがあるんじゃないかと思う。それには、奈落に犬夜叉かかごめが1度殺されないとならないわけだが、役者が揃ってくるとそういう展開が近づいてるような気もしてくる。しかし、まだ琥珀の問題もあるし、そう簡単にストーリーは完結できまい。もっとも、これから先は何が起こってもおかしくないから、ちょっと目が離せないが…。

 さて、この日は出張2日目。まずは、前日にできなかった姫路城の見学だ。観光気分で気楽に臨んだのだが、城内は坂道や階段が結構急で、かなりいい運動になった。後日の筋肉痛が思いやられる。

 それはともかくとして、さすがに観光スポットだし、世界遺産にも選ばれた国宝だから、修学旅行生の姿も目立つ。中学生が多いだろうか…。見学しているうちに、中学生の団体と入り混じるかたちになってしまった。そして、それが悲劇のはじまりであった。

 今書いたように、城内の階段は非常に傾斜が急だ。私は太っていてお尻が重いから、あおられて後ろに転落するのが怖くて、ちょっと前傾しながら階段を昇っていた。もともと建物の面積はそんなに広くないから、必然的に急傾斜になるのだろうが、攻められたときに上から突き落とすのにも都合がいい。そういうことも考えてのことなのかなと、しばしまじめに見学していたのだが、階段の途中でふと前を見るとチラチラと白いものが見える。私の前を行く女子中学生のスカートの中から…。(おいおい。笑)

 近頃の傾向で、女子中高生の制服のスカートは短くなってきている。が、駅の階段くらいの傾斜では、かがみこんで意識的にのぞかなければ、そうは見えるものではない。だから、駅の階段などでスカートの後ろを押さえてガードしてるのを見ると、「そんなにしなくても見えやしねえよ。」といつも思うのだが、これだけ傾斜がきついと普通の態勢でも見えてしまう。しかも、普段、駅などでは注意してしっかりガードしてるのに、修学旅行になると見学に夢中でほとんど無防備になってしまっているのだ。

 私だって一人前にスケベ心はあるから、見えるのは別に悪い気はしない。私にしてみれば不可抗力で見えてしまっているのであって、決して田代まさししているわけではないのだ。しかし、周囲の人がそう思ってくれるかどうかはわからない。私の後からも女子中学生が昇ってきているのだ。その娘らも見学に夢中で気づかなければいいが、私の視点から前の女生徒のスカートの中が見えてることは、その娘たちからもわかるはずなのである。

 引率の教師ならまだともかく、知らないオヤジである私が「見えてるから注意しなさい。」などと言ったら、やぶへびだろう。だから、後の娘らが前の娘たちに注意してくれるなら、それはそれで助かるのだが、いずれにしても私は、「このスケベオヤジ、のぞいてやがったな。」とにらまれかねない。この場合、見られた方にしてみれば、偶然とかいうのはあまり関係ないだろう。そこを冷静に考えてくれればいいのだが、転落が怖くて、ちょっと前傾していたから、疑われる要素もある。見たのは事実だが、のぞいてはいないのに…。(どこが違うんだって? 笑)

 とにかく、「らんま」第1話のあかねちゃん状態に(しかも集団で)なられたらかなわないので、ここはまず気づかれる前に疑われる要素となる前傾をやめようと思った。ただ、それでも見えることには変わりないので、頭だけは下げて視線を落とし、見てないぞという姿勢をアピールしながら上体を起こした。と、その瞬間ですある。ゴ〜ン! 激しい衝撃が頭に走る。前を見ずに上体を起こしたので、階段の途中の梁に見事に頭をぶつけてしまったのだ。(痛)

 昔の日本の建築物は梁が低い。不意打ちだったこともあって、かなり痛かったのだが、ここで頭をぶつけたのがわかると、のぞきを疑われまいとして上体を起こしたのに、逆にのぞきに気をとられて頭をぶつけたように見られてしまいかねない。何とも皮肉で割に合わない結末である。(汗) というわけで必死にこらえ、タンコブのできた頭には手をやらず、城の外に出るまでやせ我慢し、痛い頭をさすりながら次の目的地へと移動した。これを読んだ女子中高生のみなさん、修学旅行でお城に行くときは注意しようね。でないと、後から来る男性がケガするから…。(笑)

 さて、博物館員の出張業務は他の博物館の見学である。展示方法や接客対応の工夫などを見て、参考にするのが目的だ。そういう意味では、お城だって博物館の1つである。そして、宝塚といえば手塚治虫記念館がある。ここも立派な博物館だ。多分、ミュージアムショップが充実しているだろう。決して、個人の趣味で訪れることにしたわけではない。…と言いたいところだが、半分はそういう気持ちがあったのも否定できない。その罰があたったのだろうか、宝塚で第2、第3の悲劇が待っていた。

 まずは宝塚駅近くで昼食をとったのだが、これが高い割にまずかった。そして目的の手塚治虫記念館を目指したのだが、どうも様子がおかしい。平日とはいえ、人通りが少なく閑散としている。何かいやな予感がしてきた。見ると、隣接している宝塚ファミリーランドはお休みのようだ。もしかして…。(汗、汗、汗) その予感は的中してしまった。手塚治虫記念館は水曜日が休館日だったのだ。(がちょ〜ん! 汗)

 何というマヌケな話だろう! 休館日に出張を計画するなんて…。もっとも、この失敗には裏があった。当初の計画では水、木の予定だったのだ。だから、当初調べたときには休館日でないことを確認していたのである。ところが、予定が変わって火、水になったとき、再確認するのを怠ってしまったのだ。どっちにしてもドジには違いないが、博物館というのは月曜日休館のところがほとんどなのである。手塚治虫記念館の場合は、隣接する宝塚ファミリーランドなどとの兼ね合いもあって水曜日なのだろう。思わぬ落とし穴だった…。

 そんなことはもはやどうでもいいが、これで見学予定がつぶれてしまった。他の博物館に切り替えようにも、手元に資料はないし、探してるうちに時間がきてしまう。これは、さっさと帰って新刊の原稿を書けという神の啓示に違いないと悟り(こらこら。笑)、ちょっと早いが帰宅の途についた。池袋に寄って「犬夜叉」のDVDを買って帰ったが…。(何ちゅういい加減な出張だ! でも、こんなことは初めてなんだよ…。汗)

 11月1日、新刊の原稿に取りかかる。まずは残っていた第7話のレビューを一気に書き上げた。続いて第8話のネタ探しだが、アニメで信長につけられた甘利という姓にスポットをあててみることにした。何で甘利なのか、自分としてもちょっと疑問だったし、武田信玄の家臣に本当に甘利氏というのがいるのかどうか、調べてみる価値はあると思った。うーむ、結構いい内容になるかもしれないな。ちょっと自分でも期待が膨らんできた。

 2日、甘利氏について調べる前に、まず第7話の各原稿の作成をした。画像を取り込み、レビュー、BGMリスト、オープニングあらすじリストと一通りレイアウトして完成させた。この日はそれで精一杯だった。このペースであと1ヶ月半足らずでは、当初予定の第26話までの収録はどう考えても無理だ。半分の13話までがいいところだろう。いい加減、決断しなければならない時が来たようだ。13話という短いスパンで本を作るのは本意ではない。しかし、また落としては意味がない。とにかく、出さないと…。

 それに、第26話まで収録すると150ページを超える計算になってしまう。フルカラー表紙でこのページ数だと、かなり高い本にならざるをえない。利益は求めないとはいえ、大赤字では次の本を出すのに影響が出てしまう。最近は若いファンが多いから、1000円とか言ったら買ってくれないだろう。そういう若いファンが評論や資料集を求めるかという疑問もあるが、作るからには、できるだけ多くの人に読んでもらいたい。そのためにも、手頃な価格にしなければ…。

 半分にしても約80ページ…。いいところではないかと思う。ただ、それによって、すでに出来上がっている原稿の一部を変えなければならないという面倒な作業も出てくる。これから第26話まで原稿を作るのに比べたら、ずっと楽ではあるが…。(本の完成度という面からすると、つらいなー。汗)

 3日、甘利氏について調べてみた。と、確かに甘利という家臣はいる。が、甘利信長が実在するかどうかまではわからなかった。信玄よりもずっと前の時代の武田の傍系に信長という名は確かにあるのだが、それとは関係なかろう。さらに家紋についても調べてみたのだが、「犬夜叉」の信長が着ている羽織の紋は「陰武田菱」という紋だ。しかし、甘利家の家紋は花菱らしい。うーむ、ちょっと行き詰まったな。そこまで一致させててくれたら大したものだというネタになったのだが…。(汗)

 その花菱も甘利家特有のものというわけではなく、武田軍において功のあった家臣に対して、花菱など武田家ゆかりの家紋を与えていたらしいのだ。そして、どういうわけか、私の家の家紋も花菱である。が、先祖が武田の家臣だったという話は聞いたことがない。というより、祖父の前がすでにもうわからないのだ。もっとも、出張2日目には、信長並みのうつけぶりを発揮してしまったが…。(笑)

 逆に「陰武田菱」の家紋を持つ家についても調べてみたのだが、私の調べた範囲ではわからなかった。家紋がある以上、存在するはずなのだが、あまり有名な家臣(または親族)ではないのかもしれない。それはそれで書けば、どこかから新たな情報が入るかもしれないし、わかれば後の号で追記すればいい。とりあえず、まじめに調べてみた結果を載せてみるとしよう。

 4日、出勤だ。仕事の合間を縫って、視聴率と主題歌のオリコンランキングのグラフを作成する。表計算ソフトでY軸を降順にできるバージョンが自宅にはないので、とりあえずPageMakerファイルに貼り付けるところまでは職場のソフトを使わせてもらうしかなかったのだ。(買えばいいだろうって? まあ、確かにそうなんだけどね…。汗)

 それを持ち帰り、TV視聴率推移と主題歌オリコンランキング推移の原稿を作成した。とりあえず、今度の号で収録するのは「CHANGE THE WORLD」と「My will」だけだが、すでに「深い森」、「Dearest」、「I am」のグラフも作ってある。毎日地道に調べるのは、結構大変だった。普通の人はあまり調べないだろう。だから、意味があると思うのだが…。こういうものをどれくらいの人が欲しがってくれるかな?

 5日、代休なので朝から原稿だ。第8話のレビュー原文を書いたのだが、妙に好調でスイスイ書けてしまった。あまり好調すぎて、レイアウトしてみると大幅にオーバーしていた。(汗) 今度は削って詰めるのにひと苦労である。書けたら書けたで、結局時間がかかってしまう。問題だなぁ…。(汗) もっとも、このあともこのノリなら、第13話までは楽に間に合うと思うが…。

 さて、アニメ「犬夜叉」だが、記憶を失った琥珀が珊瑚たちの前に現れる話だ。しばし、琥珀との水入らずの時を過ごす珊瑚…。結構いい雰囲気が出ていた。神楽がやってきて、お堂から離れた琥珀とそれを追う珊瑚とかごめの展開は、原作とはちょっと変えてあったが、恐らく原作のままでは展開が早すぎるので、少し間を持たせているのだろう。これはこれでいいと思う。

 原作では琥珀がかごめを守って妖怪たちを蹴散らして逃げていたが、アニメではかごめが破魔の矢で妖怪を倒している。この辺の変更はどうなのだろう? 原作の方が最後まで琥珀が奈落に操られていないように見えると思うのだが、昔のままのちょっと臆病な琥珀ということで、あまり自ら闘わないという設定にしたのだろうか。それなら納得がいく。原作の方では、「命にかえてもお守りします。」なんて気丈なことを言って、あまり昔のままという感じがしないし、その点はアニメのほうが琥珀らしいようにも思える。

 またこの回は、作画のこととか、相変わらず大神いずみのしゃべり方に違和感あるとか、いつもの不満はあるけれども、比較的ストーリーに集中して観られた回だった。あまり不満を挙げつらう気にならないということは、出来が結構いいと言っていいのだろう。よくないときは、次々と言いたいことが出てくるから…。(笑)

 6日、そろそろやりかけになっている表紙CGの方も仕上げなければならない。行きつけの印刷所の冬コミの締切を調べると、カラー表紙は11月末日までだ。まずはこれに間に合わないと話にならない。犬夜叉の髪の天使の輪に入ったところで止まっていたのを、また少しずつ地道に進めていくことにした。もちろん、文章原稿も忘れずに進めなければ…。こちらの締切は12月13日、表紙入稿から2週間足らずだ。もうその2週間は校正などの仕上げ段階でないとまずい。

 そうは言っても、多分、実際には最終日に駆け込みになるんだろうな。まだ、ちゃんとしたページ割りを考えていないが、左右ページの調整やブレイクの意味で漫画も少し入れたいし、それが最後まで残りそうだ。そうなると、12月の8日と9日に劇団☆新感線の芝居のチケットをとってしまったのは失敗だったかもしれない。それが命取りにならなければいいのだが…。(って、わかっててとったくせに…。汗)

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