飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

10月16日(火)

 イベント「豪華犬乱」のための色紙描きと新刊の原稿、どちらも思うように進まない。芝居といい、ケーブルTVといい、誘惑と浮気心が集中力を極端に低下させる。体力的にも精神的にも随分と衰えてきてるんだろう。だんだん将来の夢よりも目先の幸せを選ぶようになってきてしまったような…。(汗)

 10日、全国的に高橋留美子先生の44歳お誕生日である。少し前までなら祝日だったから、一刻会などでも記念の集会を開いたりして遊んだものだったが、最近はそういうこともなくなってしまった。最近では、あくまで作品やキャラのファンであって、作家のファンというわけではないという人も多くなっているのだろう。高橋先生の誕生日を知らないファンの比率は、現在ではどのくらいに達しているのだろう? ちょっと興味深い…。

 原作「犬夜叉」だが、いよいよ蛇骨と対面した犬夜叉たち…。蛇骨の犬夜叉に対する評価は、「かわいい」だった。どうやら、気に入ったらしい。かわいいなら、殺さずに飼いならせばいいのにと思ってしまうが、どうもそういう発想はなく、あくまで殺す気らしい。その蛇骨の技は、普通の刀では到底届きそうにない遠くの者まで斬ることができるというものだった。これを見た瞬間、私は思わず「鬼楽因果丸(きらくいんがまる)だ!」と口走ってしまった。

 劇団☆新感線の芝居「髑髏城の七人」を観たことのある人ならば、少なからず今回の蛇骨を見て鬼楽因果丸を思い出したのではないだろうか? 「犬夜叉」で裏陶を演じた右近健一が「髑髏城の七人」の中で演じていた髑髏党の剣士で、変態オカマ丸などとも呼ばれていた。その必殺技はかまいたち…。刀の届かない遠くの敵を斬ることができる。この芝居が、BS2で放送されたのが9月24日。それ以前からビデオも発売されている。七人隊という人数といい、しっかりネタにしている感じだ。このシリーズを芝居にするなら、蛇骨役は右近健一以外にありえまい。(笑)

 もっとも、鬼楽因果丸のかまいたちは、刀の先から肉眼では見えにくいピアノ線(のようなもの)を伸ばし、ムチのようにして遠くの敵を斬るというインチキに近いものだったが、蛇骨の場合は恐らくそんなものではないだろう。七人というのも、「髑髏城の七人」では髑髏党を倒しに行った寄せ集めの七人の戦士たちのことだったか、こちらの方は犬夜叉たちに倒される(であろう)悪党たちの方である。さすがにそこまで一緒にしてはこない。展開も当然違ってくるはずだ。

 雰囲気的に蛇骨はもう少し先まで残りそうだ。こういう妖しくてちょっと憎めない奴は、あっさり消したらもったいない。できれば、このシリーズのあとまで残って欲しいけど、無理かな…。(汗) もっとも、憎めないのもいまのうちだけかもしれないが…。

 さて、この日はどうも集中力がイマイチで何もしないまま終わってしまった。色紙の絵柄もほぼ決まったわけだし、下描きに入れば余裕をもってイベントに臨めるのだが、エネルギーの充填が不足しているようだ。このエネルギーは、怠けることによって蓄積され、追い込まれることによって爆発的に燃焼するらしい。まったく困ったエネルギーだな。(汗)

 11日、新刊の表紙CGについは少しずつ進めてきていたが、本分の方がほとんど進んでいない。相変わらず本編のレビューが思うように書けないのだ。1話2ページという長さもあるのだが、問題は内容である。思うに任せて書くとどうしても愚痴が多くなる。もちろん、いい部分もあるのだが、いい部分はいいとしか書きようがない。どのようにいいのか、ある程度は解説できるが、あまり長い文章にはなりにくいのだ。それに比べ、不満なことはいくらでも書けてしまう。何とも不思議なものだ。(汗)

 ならば不満だけ書いていればいいかといえば、それは正当な評価ではないし、何よりそんなものを読んでも楽しくはなかろう。同じような不満を持っている人にとっては、そう感じてるのは自分だけじゃないんだということがわかって、共感できる部分もあるかもしれないが、あくまで気休めにしかならない。意見が合ったといっても、不満な点で共感を覚えてもむなしいだけだ。獅子咆哮弾の撃ち合いのように不幸な気持ちが積み重なっていくだけだろう。あまり建設的ではない。

 それだけではない。作画など細かいところにこだわらず、単純に楽しんでいる人たちを傷つけることになってしまう。これがいちばんまずいことだ。もちろん、一般的に見てよくないと言える部分をどうよくないのかを解説しながら指摘するのは悪いことではないと思う。だが、不満ばかりを並べたてて、「よくない」、「悪い」を連発すれば、自分のストレス解消にはなっても、他人を傷つける危険性があることをしっかりと認識しておかなければいけない。

 同人誌は、あくまで自己表現や自己思想を著したものなのだから、何を書こうが自由だ。他人が傷つこうが、それが自分にとって事実である以上、とやかく言われる筋合いはないと考える人もいると思う。そういう人は、我が道を進めばいい。でも、私はそこまで傲慢にはなりきれない。軟弱と言われれば確かにそうかもしれないが、ある程度冷静に不満点を指摘しながらも、非情にはなりきれない部分がある。そういう意味では、私も半妖だな。(笑) その辺のバランス調整が遅筆の大きな原因の1つになっているわけだ。まあ、遅れてる原因は、それだけではないのだが…。(ごにょごにょ…。汗)

 12日、遅れてる、進まない、大変だと繰り返していても始まらないので、新刊の本編レビュー第6話目の執筆にかかる。が、ネタとして書くいいポイントがイマイチ浮かび上がってこない。殺生丸登場シリーズの2話目だが、初登場の第5話と戦闘シーンの出来がよかった第7話に挟まれて印象的に損をしているような感じだ。これを書きたいというネタがあれば、気分的にも乗っていけるのだが、すべての回がそうとはかぎらない。そこをいかに切り抜けるかが難しい。

 結局、書き始めはしたものの、半ページ足らずしか書けなかった。あとはもう何度も繰り返し見直して、細かい部分でネタを見つけていくしかない。ということで、第6話を何度も見たのだが、この日はいいネタが見つからないままで終わってしまった。(汗)

 13日、前日の続きを進めるが、なかなか文章の量が増えていかない。書いてはまた消して書きなおし…。完全に思考力が低下しているな。(汗) こんなこでは、冬もまた新刊を落としてしまう。今度落とすようなら、もう本格的にあきらめるか、いっそのことアニメ放送がすべて終わってから出した方がいいのではないかという話になってくる。中途半端に時期を逸すると、かえって印象が悪い。終わったあとで総まとめの方が、逆に説得力が出てくるのだ。

 もっとも、戦略的には確かにそういうことも言えるのだが、ここまでやってきておきなから、放送終了後まで延期してしまうのは、いかにも逃げの姿勢だ。それじゃ、あきらめるのかということになるのだが、今からあきらめる話をするのは消極的すぎる。とりあえず、冬コミの結果を待ってからだ。それまでにVol.1が出せるかどうか…? 最大限、出せるようにがんばってみてからにしよう。(と、ここにはかっこよく書いておこう。笑)

 とりあえず、この日は何とか1ページちょっとくらいの分量まで書けた。ここの山を越えると、結構書けるネタのある回が続くし、ある意味で正念場なのだろう。表紙CGの方も先が見えたところで安心してやりかけになってしまっているし、他の資料ページもデータのままページを起こしていない。気分しだいで切り替えて、どれか1つでも進めていければいいのだが…。

 14日、出勤だ。また監査が近づいているので、帳簿や伝票のチェックや修正が忙しい。普段から気をつけてはいるのだが、ちょっとした印の漏れとか、記入漏れなどが出てくる。その印の主が、すでに異動や退職してしまった上司だったりすると大変なことになる。書類を送って押印してもらい、送り返してもらったりしなければならない。何となくアホらしいような気がしてくる。いい加減なやり方をしないための引き締めとして監査があるのは当然だが、そういうことに費やす時間がもったいないような…。

 帰宅後、新刊の第6話レビューの原文をようやく書き上げた。仕事で疲れていたこともあって、画像の取り込みは翌日に回してさっさと寝ようと思っていたのだが、ついF1グランプリ(鈴鹿)を観てしまった。しかも、午前2時からメジャーリーグの地区代表決定戦の放送があるというので、結局そのまま起きていることになった。明け方から昼近くまで寝ればいいと計算してのことだったのだが、失敗だった…。(汗)

 15日、メジャーリーグ(ア・リーグ)の地区代表決定戦の放送は午前2時からの予定だったが、雨で試合開始が遅れていてなかなか始まらない。日本の場合なら、長くても1時間待って降りやまなければさっさと順延になってしまうのだが、メジャーの場合はあくまで試合をするという姿勢で何時間でも待つ。いつ始まるかわからないから、寝てしまうわけにもいかず、ずっと待っているハメになってしまった。

 その間、流れているラリーの映像をただながめていてもしかたがないので、他のCS局を探してみた。と、たまたま「ダーティー・ペア」のTVシリーズが第5話から第8話まで連続放送されていたので、結局これを全部観てしまった。「ダーティー・ペア」は、かつてリアルタイムで放送されていたときに前半を観ていたのだが、それほどハマっていたというわけでもないので、すっかり内容を忘れていたから、かえって新鮮だった。覚えていたのは、主題歌とユリ役が島津冴子さんだということくらいだった。(笑)

 が、EDを観ると土器手司氏など、見たことのあるような名前が並んでいる。制作も日本サンライズなので、現在「犬夜叉」にかかわっているスタッフの名前もある。かつて観ていた当時はるーみっくアニメとは縁がなかったので、そんなことは全然知らなかった。るーみっくファンになってからも、アニメのスタッフについてはさほど注意を払ってなかったから、今さらのように感慨にふけったりしてしまった。(笑)

 結局、メジャーの地区代表決定戦は4時半過ぎから始まり、そのつもりはなかったのに徹夜になってしまった。日中は徹夜明け独特のボーっとした浮遊感の中で「犬夜叉」第6話の画像を取り込み、レビュー原稿のレイアウトとBGMリストとオープニングあらすじリストの作成をした。

 アニメ「犬夜叉」は、獣郎丸と影郎丸の話だ。何だかんだ言いながら、初めて犬夜叉と鋼牙が協力して奈落の分身と闘う話だから、(原作でもまだ出てきてはいないが)今後も協力する可能性があることを考えると重要な話だと思う。出来としては、非常にコンパクトにまとまっていたが、コンパクトすぎてあまり手こずったという印象が残らなかった。そのため、ののしり合いながらも犬夜叉と鋼牙が協力していたというのが見えにくくなってしまっている。

 あまり長く引っ張るのもどうかと思うが、協力しないと倒すのが難しい相手だったことがもっとわかるようにした方がいい。これだと、だんだん奈落の分身が弱くなってきているように見えてしまう。そこはやはり逆で、どんどん強くなってきているから、今後は犬夜叉と鋼牙の協力が重要なポイントとなるかもしれないぞと思わせなければまずかろう。確かに神楽や神無と違って、このシリーズだけで消えてしまうキャラではあるのだが、1話で倒されてしまうのはなぁ…。ただでさえ、進行が原作に追いつきそうなんだから、うまく伸ばせばいいのにと思うのだが…。

 16日、第6話分ができたので、続いて第7話分のレビュー原文にとりかかった。第7話はアクションシーンの出来がよかったから、書くネタが充分あると思ったのだが、やはりいい部分の褒め言葉というのは長続きしない。一通り書いてみたが、1ページ足らずにしかならない。思惑がはずれてちょっとピンチだ。せっかく山を越えたと思ったのに…。(汗)

 そんなわけで、ようやく新刊発行に向けて具体的に動きだしたのだが、やはり遅過ぎる…。このペースで冬コミに間に合わせるにはどうしたらいいか? 豪華犬乱が終わったら真剣に考えないとなるまい。その前に色紙描きもちゃんとやらないと…。うーむ、やらなきゃならないことが目白押しだな。気まぐれモノローグもずっと遅れてるし…。(汗)

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