飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

9月11日(火)

 いよいよ劇団☆新感線の芝居見物モードに突入! そして、悩んだあげくにケーブルTVの契約に踏み切る。昔から変わっていないな…。目先の楽しみのために衝動買いや衝動契約をしてしまったりする。まあ、金はかかるが、その後も使えることは使えるだろう。まったくの無駄にはなるまい…。(そう言って、正当化する。笑)

 5日、原作「犬夜叉」だが、鬼の首の話が終わった。最後の闘いはそれほどのものでもなかったが、大事なのはその気になればこれまでも暴れることができた鬼の首が、なぜ今になって暴れたかという理由の方である。それを伝えるためにこのシリーズは用意されたと言ってもいいのだろう。奈落の消滅…。それを裏付けるような理由であった。

 もちろん、消滅と言ってしまうのは正しくなくて、実際には別ものになっているか、邪気が完全に遮断された空間にいるかだろう。だが、奈落の邪気が消えたことで、これまで奈落を恐れておとなしくしていた妖怪どもが暴れ出した。それはそれで犬夜叉たちにとって厄介なことだ。目的以外のところで手をわずらわされることが多くなる。

 一方、白霊山に向かった桔梗はどうなっているのだろう? そっちの方が興味深いのだが、次回からそちらに場面が移るのだろうか? 個人的にはそれを期待したいが、奈落の邪気の消滅が及ぼした影響をさらに描く可能性もある。奈落という巨悪が存在していたからこそ、鎮まっていたという何とも皮肉な図式が実際に成立していたわけだ…。こうなると、奈落を本当に消滅させてしまうのは正しいことなのだろうかという疑問も出てきてしまう。結構、深いところに踏み込んできたな…。

 さて、この日は1日残っていた夏休みを充てて夕方からの芝居見物に備えた。3月の「野獣郎見参」は、金欠だったし、るみけっと2直前ということで自粛して1回しか観にいかなかったのだが、今回はとりあえずこの日と7日のチケットを入手している。新感線の場合、日ごとに変えるギャグもあるので、複数回観ることには意義がある。そういうことに関係なく、単純にまた観たいという気持ちになるけどね。(笑)

 少し早めに出発して、青山劇場近くの吉牛で腹ごしらえをする。それでも時間が余ってしまったが、開場とともにまずは劇団や役者宛に贈られた生花のチェックを行う。予想どおり、高橋留美子先生から劇団宛に贈られた生花があった。今回はビッグコミック編集部との連名である。なぜ、少年サンデー編集部でなく、ビッグコミック編集部なのだろう? そちらにやはり劇団のファンがいるのかな?

 そしていよいよ「大江戸ロケット」の開演である。まずはいきなり、エイリアンと忍者のような連中の立ち回り。いつもながら、奇抜な設定だ。役者もいきなり客席から登場して、舞台へと駆け上がる。特に今回、目を引いたのはオープニング曲でのスクリーン映像とのマッチングだ。舞台の後ろにスクリーンを配して映像を映すなら他にいくらでもあったろうが、舞台の前に舞台全体が隠れてしまうほどの巨大スクリーンを下ろしてしまうという演出には驚いた。

 スクリーンに隠れても、ピンスポットのあたった役者はスクリーンの向こう側にちゃんと見える。スクリーンの映像とスクリーンの向こうでフライング(宙吊り)しながら歌う山崎裕太と奥菜恵のシンクロが見事だ。スクリーンの映像もまた笑わせる。いきなりドクロの旗が出てきたと思ったら、キャプテンハーロック(アニメでなく、コスプレした役者)の登場だ。そこから引いて「銀河鉄道999(劇場版)」仕様のアルカディア号が主砲をぶっぱなしたり、かなりSF的だったりする。(笑)

 そして、いしだ壱成の事件も早速ネタに取り込んでしまった。花火を愛して、愛し過ぎて、末端価格2g2万円のねずみ花火に手を出して…なんて古田新太が言うと、それはおれじゃないと山崎裕太が切り返す。当然、ウケてしまう。(何ともたくましい劇団だな。笑) そういえば、5年半前にも上演中に異臭騒ぎがあったらしい。ただ見してたのがバレた女性が、スプレーだか何かを振りまいて逃げたとかいう話だったが、そういうことを乗り越えてきた劇団だしな…。

 さらに、通常はテンポの早いセリフ回しが特徴の劇団なのだが、その中で逆にスローなしゃべりを展開する藤村俊二とのミスマッチがまた絶妙だった。ちょっと藤村俊二の声が小さいのが気になったが、百歳を越える長屋のご隠居という設定だから、それはそれでそれらしいのかもしれない。全体的にまだ充分に芝居が練れてない部分があるようにも思われたが、急な代役にもかかわらず、全然違和感のない上々の出来だったと思う。

 カーテンコールも3回続いた。2回目、3回目は山崎裕太と奥菜恵の2人だけだったが、山崎裕太がかなり悪ノリしてしまってる感じで、奥菜恵がいい加減にしなさいよという感じで、半分あきれてたような雰囲気だった。まあ、短期間のハードな稽古を経て初日の舞台を無事つとめ上げ、2回も3回もカーテンコールをもらったのだから、まだ弱冠20歳の若者がついはしゃいでしまうのも無理のないところだろう。私としても微笑ましく感じたが、本当はまだそんなにはしゃいじゃいけないんだろう。役者の道は、もっと険しいに違いない…。

 芝居が22時近くまでかかったので、帰宅が遅くなり、この日はもう風呂に入って寝るだけだった。この芝居もあと1回では物足りないな。オークションでチケット調達して計4、5回は観にいくことになるだろう。いままでと違って立ち回りが少ないから、鮮やかな殺陣が好みのファンにとっては、ちょっと物足りなかったかもしれないが…。

 6日、朝のニュース番組で、前日の舞台終了後の山崎裕太のインタビューが放送されていた。カーテンコールのときの悪ノリの勢いのままに、結構でかいこと言ってたように見えたけど、あまり増長しない方がいいんじゃないかな…。(汗) それはそうと、ちょっと悩みの種ができてしまった。新感線モードに突入したことで、ケーブルTVと契約するかどうかという問題である。(どこがつなかってるんだよ? 意味わかんねーよ! 笑)

 実は少し前に劇団☆新感線のファンサイトで、9月24日から28日までの5日間、BS2で劇団☆新幹線の特集があることを知ったのだ。その中には、ビデオ発売されていないものも含まれている。特に、昨年の秋、5回観にいっても飽きなかった「劇団☆新幹線20th Anniversary豊年漫作チャンピオン祭り・秋味R 古田新太之丞東海道五十三次地獄旅〜踊れ!いんど屋敷」という芝居は、何としても録画して何度も観たい。しかし、私の家はまだBSが観られないのである。(汗)

 通常なら、アンテナとチューナーを買ってきてということになるわけだが、私の家の周囲は電波障害地域なので、設置しても無駄になってしまう可能性があるのだ。となると、ケーブルTVと契約してBSを観られるようにするしかない。しかし、そのためだけに契約するのは…とこれまでは消極的だったのだが、昨日の芝居を観てスイッチが入ってしまったために、抑えきれなくなってしまったのである。(ようやく話がつながった。笑)

 うーむ、昔から変わってないな、この性格は…。「恋のサバイバル・バースデー」という「うる星やつら」のパソゲーをプレイしたいがためにパソコンを新調してしまったり、「うる星やつら STAY WITH YOU」をプレイしたいがためにPCエンジンを買ってしまったあの頃と…。さすがにメガCDとかプレステまでは買わなかったけれど、逆にプレステは買っておけばよかったと後悔してたりして…。だって、今は金欠で買えないもん…。(涙)

 そんなわけで、とうとう地元のケーブルTV局と契約することになった。コースは2つあって安い方と高い方がある。当然、高い方がCS放送など観られるチャンネルが多い。さらにオプション契約すれば、チャンネルを増やすこともできる。BS2を観るだけなら安い方でいいのだが、ここでちょっと考えた。高い方にすれば、キッズステーションが観られるな…。(ものすごい誘惑だぁああああっ…。笑) 結局、その誘惑に負けてしまった…。(ダメじゃん! 爆)

 7日、「大江戸ロケット」2度目の観劇だ。やはり、細かいところが変わっていたりする。ちょっと藤村俊二にセリフの間違いが目立った。カーテンコールも1回だけであっさり引いてしまった。が、まるっきり悪かったわけではない。初日のカーテンコールは、やはりご祝儀的意味も入っていたのだと思う。やはりまだ充分に練れてないという感は残った。これは是非とも千秋楽かその付近の公演を観てみたい。早速、オークションでチケットの調達に走ることにした。

 前回の幕間はCDを買ったりしていたのであまり余裕はなかったのだが、この日は周囲の声に耳を傾ける余裕があった。大阪公演も観たという人たちからは、いしだ壱成よりも山崎裕太の方がいいという声が多かった。私は大阪公演を観てないので何とも言えないのだが、CDに収録されているいしだ壱成よりも舞台の山崎裕太の方が、少なくとも歌はいいと思う。余談だが、新感線の芝居で犬夜叉を演じた佐藤アツヒロ(断髪前)が来ていた。

 8日、日中はまたウォーキングに出かけたかったのだが、台風の接近で急に雨が降ったり止んだりで、出るに出られなかった。結局、部屋で「大江戸ロケット」のCDを聴いたりしながら、ゴロゴロと過ごしてしまった。こういうときこそ新刊に着手すればいいのだが、やはり2回も舞台を観てしまうと、余韻からなかなか抜けられない。

 ただ、一方でむくむくと創作意欲は湧いてきた。新感線のノリを逆に「犬夜叉」の作品世界に取り込んだらなんて月並なことを考えていたら、次々とネタが出てくる。ちょっと長編になってしまうが、いずれは描いてみたいな…。問題は、オリジナルキャラを何人も作らなければならないことだが…。(それがいちばん大変なんだよね。高橋先生のキャラ作りが天才的なだけに、見劣りしちゃうから…。汗)

 9日、新感線モードに入ってはいるが、ようやく新刊の表紙CGを描く気が起こってきた。犬夜叉の着物(赤系色)の境界線部分のムラを修正し、影つけを終えるところまで進んだ。このまま続いてくれればいいのだが、果たして何日持つかな…? まだ、本格的には意欲が戻ってない感じだし…。(汗)

 この日も台風の影響から外出を控えた。まあ、健康診断は終わったから、そうガンガン歩く必要はないのだが、健康のためには続けないと意味がない。ただ、この台風ではどうしようもないな…。前の11号といい、進みが遅過ぎる。私の新刊制作よりは速いけど…。(汗)

 10日、台風、台風、台風だ…。翌日の出勤時くらいにいちばん激しくなりそうな気配…。うーん、何でそんな時間帯に来るんだよ!?(って、台風に当たってもしかたないが…。汗) そんなわけで、休日まる3日間、外出できずに過ごすことになってしまった。不健康だけど、しかたない…。前日に続いて新刊の表紙CGを進め、鉄砕牙の部分のペイントを完了した。結構、鞘の部分などうまく表現できたと思うのだが、多分、表紙ではこの部分は切れて見えないだろうな…。(汗)

 アニメ「犬夜叉」は、悟心鬼の話である。前回の予告編を観たときにも驚いたのだが、犬夜叉の変化まで一気に1話の中に詰め込んでしまうとは、ちょっと進行が早過ぎるような気がする。もっとも、放送を観たかぎりでは、それほど違和感はなかった。それだけ短くすることは可能だったということだ。が、それを長くかけて高橋先生が描いたのは、やはり犬夜叉の変化という重要な転機につながる話だったからであろう。

 やはり、子供たちの両親の生首は出せなかったな。まあ、それはさすがに当然だと思う。逆に生首を食い残してる方が妙だという気もするし…。ただ、生首の方が酷さは直接的に感じるなというのはある。着物の切れ端では、やはりそこまでは伝わってこない。人間の心を持つ犬夜叉が、それを見て許せないと悟心鬼に向かっていった姿と、妖怪の血が目覚めて変化し、殺すことを楽しんでいた姿とのコントラストは、原作の方がずっと鮮明に出ていると思う。

 アニメでは、その辺をさらりと通過させてしまった感じだ。鉄砕牙を折られた犬夜叉が、目覚めた妖怪の血で変化してしまった。そこの部分に重点が置かれている。それは正しいと思うのだが、人間の心を持っていたときの心理と変化したときの心理の明らかな違いを悟心鬼を通して語らせる原作の手法は、個人的には面白かったと思っている。アニメではその辺がはっきりしないまま通り過ぎてしまった感じだった。確かに、それでも支障はないが…。

 11日、思いっきり台風直撃だ。しかも、いちばん風雨が激しいとき(台風が東京23区上空にあるとき)に銀行まで行かなければならなくなった。もちろん、徒歩で行くほどバカではない。タクシーを使ったが、タクシーを降りてから銀行までと帰りにタクシーに乗り込むまでは風雨の中だ。ものすごい降りである。上から降ってるというより、前後左右から吹き出してるというような吹きつけ方で、まるで洗車機の中にいるような感じだった。(汗)

 その台風が過ぎてしまうと、ウソのように風雨がおさまってしまい、帰りは傘がいらなくなってしまった。あんな時間帯に銀行に行ったのがアホらしくなってしまう。仕事の流れだから、しかたがないとはいえ…。

 帰宅後だが、この日は新刊の表紙CGは一休みした。休むと気持ちが切れてしまうんじゃないかという心配はあったけれど、この日は何だか気持ちが盛り上がらなかったのだ。代わりに返事が遅れていたメールを書いて送信した。帰宅後、TVをつけなかったので、まさか海の向こうで大変なことが起きていようとは、知る由もなかった。(汗)

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