飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

7月31日(火)

 いよいよ本格的にコピー誌の原稿作成が始まった。漫画の下描き、「らんま」の未放送映像の報告文、スイッチが入って一気に動きだした。そんな中、るみけっと3の集まりに参加しようとした飛鳥に思わぬ悲劇が…!?(汗) 

 25日、原作「犬夜叉」だが、やはり毛と口だけの化け物は奈落が切り捨てていった部分だった。七宝の「確かに…いらない感じじゃな。」というセリフが妙に笑える。もっとも、完全なもとの姿ではないらしい。四魂の力でもとの姿を取り戻すと言っているし…。もとの姿になったら、もっといらない感じだったりして…。(おいおい。笑)

 ここで鋼牙と犬夜叉がちょっとてこずったのは、奈落の居場所を言わせるまでは致命傷を与えられないという考えがあったからだろう。鋼牙が手加減していたと言うのも、ただの強がりではない。それは犬夜叉も同じだ。何とか奈落の行方の手がかりをつかみたいから、一撃で倒してしまうわけにはいかなかったわけだ。

 今回の展開ではそれほど注目すべき点はなかったが、奈落が何人も手出しできぬ場所に逃げ込んだという化け物の言葉が次回への興味を誘う。先週、毛が捨てられていたから坊主になってるのではとふざけ半分に書いたのだが、また別の人間に変化した可能性もある。考えてみれば、奈落は変化できるのに、これまで人見蔭刀に変化してからは姿を変えていなかった。そろそろまた変化してもいい頃かもしれない。子供は混乱するかもしれないが…。(汗)

 さて、この日からいよいよコピー誌の原稿執筆が本格的に始まった。まずは、パロディ漫画の絵コンテの続きだ。ようやくネタが固まったので、すらすらと進む。新刊を落としたネタを盛り込んだベタなパロディは、8ページになった。その途中にちょっと突発的に思いついたネタがあったので、もう1作追加した。そちらが2ページだ。残り2週間で10ページ…。ちょっと多いかな?(汗)

 26日、漫画は下描きに入る。今回は桃果人編のベタなパロだ。新刊が落ちたので、落ちるネタを探した結果、桃果人と犬夜叉が断崖から落ちた部分からあとの展開が妙にハマってしまった。アニメでは飛ばされてしまったネタだからどうかなとも思ったのだが、これ以上見事にハマるところはなかったし、2つめのネタの方で飛ばされたことにも触れるから、まあいいだろうと…。

 とりあえず、この日は2ページまで描き終えた。まだ立ち上がりだし、平日だから、いいところだろう。今回は、あまり込み入った背景を描くつもりはないから、調子が出てくれば平日でも3ページくらいは進むだろう。10ページなら、今度の日曜日には下描きが上がる。表紙用のイラストを含めても、日曜日の夜からはペン入れに入れるに違いない。

 土曜日の午後にるみけっと3の集まりがあるので、そこで時間がつぶれるが、まあ何とかなるだろう。コミケ直前は夏休みをぶつけたから、8日から休める。コピーが間に合わずに一般入場という悲劇は、もう二度と繰り返したくない。今年は、猛暑だからなー。(徹夜明けで一般列に並んでたら、死んでしまふ…。汗)

 27日、漫画の下描きはほぼ予定どおり5ページまで終わった。残り半分だ。翌日の午前中に1ページちょっと進めて、帰宅後に8ページまで仕上がれば予定どおりである。何か、ちょっと前まで行き詰まっていたのがうそのようだ。ムラが多い性格なのは、以前から自覚しているが、ちょっとしたきっかけで変わるものだなぁとしみじみ思う。人それぞれにエネルギーの源は違うだろうけど…。

 28日、まず、午前中に漫画の下描きを進める、ちょっと手間取って1ページしか進まなかったが、多分この日のるみけっとの集まりはそんなに遅くまでかからないだろうし、遅くなるようなら、早めに帰らせてもらえばいいことだ。ここまでは、深夜の作業を控えてきたが、1日くらいがんばってもいいだろう。そこまでしなくても調整できると思うけど…。

 るみけっとの集まりは15時からだったが、いつもとは場所が違うので、充分余裕を持って家を出た。行きがけに池袋に出て、「犬夜叉」のDVDを買っていくことにしたのだが、それでも充分に余裕のある出発時刻だった。まさか、集合に遅れて集まりに参加できないなんてことは、考えられないほど余裕を持って出たはずだった。

 まずは、アニメイトで「犬夜叉」のDVDを買った。ここで最初の遅れが発生する。レジが大行列だ…。まあ、アニメイトではありがちなことなので、それは最初から計算に入っていた遅れである。そのために余裕をみたのだ。誤算といえば、ここでコミケカタログを見つけて、ついでに購入していこうとしたことだろう。1階で買ったので、またレジの行列に並ぶことになってしまった。

 それでもまだ、30分近く前に着ける余裕があった。ちょっと時間つぶしが必要なくらいだ。が、その余裕がかえって命取りになってしまった。時間を少しつぶそうとK−BOOKSアニメ館に立ち寄ったのが運の尽きである。2階で値段の割りにいいらんまのセル画を見つけてしまった。いつもなら、セル画にはあまり興味を示さないのだが、この値段なら悪くないと思ってしまったのである。

 それでも普段なら買わない。が、そう思ったところにたまたまタイミングよく店員がそのショーケースを開けにやってきたのである。他の客が指定したセルを取り出すだめだ。そこでつい、ついでだからと思って「らんま」のセル画も出してくれと頼んでしまった。でも、そこまでならまだ引き返せたのだ。よく見た上で、やっぱりいいですと言えば済むことである。ところが、そこで店員に他の客の応対中だからといって、ついでにセル画を出すのを断られたために意地になってしまった。

 まあ、そういう応対もわからないではないが、ついでなのだから出すくらいはしてくれてもいいじゃないか。レジに並ぶのは最後尾でいい。レジのところまで持っていってくれても罰は当たるまい。その方が仕事の効率もいいではないか! 一昔前までのお役所みたいな応対に憤慨したので、そのままばっくれてしまってもよかったのだが、逆にここで引いてたまるかという気になってしまったのである。(まだまだ青いな…。汗) ここで、また若干のロスが発生した。

 しかし、その程度なら大したことはなかったのである。会計待ちも順調に進み、次が自分の番というところで最大の悲劇は起こった。このままなら、最悪の電車の乗り継ぎロスを考慮しても、10分前には着ける計算だった。ところが、直前の客の会計時に女性店員がポイントカードにポイントをためる操作を誤ってしまったのである。その店員は自分で修正するやり方がわからず、隣りでレジを操作していた男性店員に聞くが、その男性店員もやり方がわからない。さらにその隣りの買い取りのレジの店員に聞くが、やはりすぐには答えられない。

 ならば、その間に後の客の応対を進めてくれればいいものを、修正が済まないと次を受け付けられないと言うのだ。確かに、後の客がポイントカードを持っていたら、カードの操作をしなければならない。修正は、その前にしないとまずいだろうというのはわかる。しかし、店員の教育が行き届いてないから、混乱して時間を食うばかりだ。しかも、販売用のレジは1つしかない…。待つしかないのである。(汗)

 結局、15分以上待たされ、完全な遅刻がほぼ決定してしまった。そこまでで済めば、5分程度の遅れでまだ拾ってもらえたかもしれないのだが、タイミング悪く地下鉄に1歩違いで乗り遅れ、6分待たされてしまう。さらに、JRとの乗り継ぎも1足違いですれ違いになり、また数分のロスが出て、結局15分遅れてしまった。さすがにもう、知り合いの姿はどこにもなかった…。(涙)

 さて、どうするか? 間に合わないはずがない時間に出てきたので、集まる予定の喫茶店の名前もちゃんと覚えてこなかった。頭の2文字まではかすかに記憶していたが、その先が出てこない。えーと確か…、パ、パ…、パン……、パンスト太郎! そんな喫茶店、あるわけねーだろ!?(あったら面白いけど…。でも、笑い事ではない。汗)

 必死に探し回ること1時間…。まさか、交番で「パンスト太郎って喫茶店ありますか?」とも聞けず、結局、参加を断念して帰宅する。せっかく、見つかったばかりの「らんま」のフィルムの一部や借りたままになっていた第1回のブロックノートも持参したというのに…。何とも悔しい1日になってしまった。

 そんな平常心を失った状態では、漫画の下描きは続ける気になれない。帰宅後、最初にしたことは、買ってきたコミケカタログのチェックだった。るーみっくサークルがいくつ出ているかだ。アニメの影響で増えているのは確実である。と、そのときV列とW列で見つけただけでも80以上あった。あとでZ列にも若干あることがわかったが、私がコミケ初参加した1992年夏に近い数に達している。

 それは確かに喜ばしいことである。しかし、私は素直に喜べなかった。むしろ、恐怖に震えたのである。こんなに増えた中で新刊を落としてしまった私は、飛鳥鳳凰堂はどうなってしまうのだろう? これだけ増えてしまうと、すべてを買い揃えるのは金銭的にほとんど困難だ。となれば、より厳選されることになる。安っぽいコピー誌なんかより、フルカラー表紙の見栄えのいい本の方が目に止まるのは必定だ。

 最近は、どんどん力のある若い人たちが出てきているし、アニメの影響で他のジャンルで活躍していた力のある人も移ってきていることだろう。もう、飛鳥杏華なんて名前にアドバンテージなどはない。(もともと全然ないという説もあるが…。苦笑) このままでは、増大したサークルの中に埋もれて消えてしまう。ここでコピー誌すら落としてしまったら、本当に洒落にならない。落とさないまでも、いい加減なものでは見捨てられてしまう…。

 早速、コピー誌の内容の再検討に入る。「らんま」のフィルムネタ4ページはいい。結構、濃い内容だと思うし…。ベタなパロディ漫画も直前のコピー誌で10ページもあれば、がんばってる方と言えるだろう。それに、本来の新刊を落とした経緯説明と編集後記を加えて本文16ページ(表紙込みで20ページ)の予定だったのだが、それだけではどうにも物足りない…。今回のコピー誌は何なのかと考えたら、あくまで本来の新刊の準備号だ。となったら、本来の新刊の予告を抜くわけにはいくまい。

 ただ、本来の新刊の内容を明らかにするのには、ちょっと抵抗があった。やはり、同人誌は初めて見たときのインパクトというのが重要だと思うからだ。初めて見たときにどういう反応をしてくれるか、そのリアクションを見るのが楽しみの1つでもある。それに内容の一部を公開すると、似たような本を先に作られてしまう危険性もある。漫画ならコピー誌であろうが、オフセット誌であろうが、先に出たもののマネをしようという作家は出て来ないだろう。しかし、資料本となると話は別である…。

 しかし、そうも言ってられなくなった。本来の新刊が出たときに見向きもされなくなってしまっては意味がない。少しでも意識しておいてもらった方がいい。そのためには、内容の一部を公開して、少しなりともアピールしておくことが必要だ。もう4ページ追加し、第1話分のできあがってる原稿を再編集して載せることにした。そして、表紙には色上質110kgを使用していかにもコピー誌という感じに見えないようにすることにした。さらに、価格は100円だ。絶対足が出る…。しかし、これだけ多くのサークルが、本がある中で手にとってもらうには、安くしなくては無理だ。

 儲けなんてこの際どうでもいい。基本は、自分が作ったものを評価してもらいたいという気持ちだ。そのための尺度として印刷代に見合った値段をつけて売ることはするが、全部売れて赤字でも一向にかまわない。その姿勢は以前からずっと変わっていない。だから、偉いとか言ってもらいたいわけではない。本物のプロならば、収益にもこだわる。それで飯を食っているのだから…。でも、プロになれなかった私が今しているのは、あくまで漫画家ごっこでしかない。酒好きや喫煙者が酒やたばこに費やすお金、車好きが車に費やすお金を考えたら、大した損害ではない。充分、趣味の範囲だし…。(笑)

 そんなわけで、再び意欲が沸き上がり、とりあえず本来の新刊用の原稿の再編集作業をこの日のうちに終えた。何ともいろいろあって、長い1日になった。ここの文章もかなり長くなってしまったが…。(汗)

 29日、漫画の下描き残り5ページを夕方までに終え、夕方から表紙絵の下描きに3時間を費やし、夜から早速ペン入れにかかった。私にしては、結構なペースである。前日の遅れは充分取り戻せたと言えるだろう。ペン入れは、インクの乾きを待つ関係で2〜3ページを並行してやったため、仕上がったページはなかったが、表紙を入れて11ページある中で3ページに7割程度ペンが入った。翌日からはペン入れが終わったページからベタも並行して進むだろう。充分に間に合う…。もっともこの先、何が起こるかわからないが…。(汗)

 30日、代休なので引き続き漫画のペン入れを1日中行う。何とかベタ完了が3ページ、ベタやりかけが2ページ、ペン入れやりかけが1ページという状態まで進んだが、ちょっと思ったよりはペースが伸びなかった。また、15時頃から強烈な睡魔に襲われ、3時間ばかり寝ずにいられない状態に陥ったのが響いている。もう、脳味噌が受け付けてくれないといった状態だ。無理して抵抗しても、集中力を欠いて修正箇所がかえって増えてしまう。そうやって、抵抗しきれなくなってきたこと自体、年くった証拠なんだろうなぁ…。(苦笑)

 さて、アニメ「犬夜叉」だが、鋼牙登場シリーズの続きだ。七宝が鋼牙に化けてかごめとともに逃げようとするところはなかなか面白い。それがバレて、こんどはかごめが七宝だけでも逃がそうとするところも…。あとは原作に近い展開だったが、ラストのかごめの「バカーっ!」の連発は妙にパワーがあってよかった。何でも、この回のアフレコで山口勝平が「鋼牙」を「良牙」と呼んでしまうNGを出したらしい。かなり初期にも「かごめ」を「あかね」と呼んでしまうNGを出したことがあり、やるんじゃないかとは思っていたのだが、本当にやってしまうとは…。そういう事実があるだけに、あの「バカーっ!」には実感がこもっているのかもしれない。(笑)

 31日、新しい上司が来て1ヶ月…。いろいろな引き継ぎなどもようやく一段落したのでご苦労さん会ということになり、帰宅が遅くなった。酒も入っているので漫画の方はやめて、「らんま」のフィルムネタの原稿にとりかかった。こっちの方も進めておかないと間に合わなくなる。まず、フィルムを画像に取り込む作業をするが、透過性のものなので、きれいにスキャンできない。うーむ、フィルムスキャナーを買う金はないし、家庭向けではフィルムをカットしないとスキャンできない。しかも、通常は35ミリ対応だろう。16ミリフィルムを切らずにスキャンするには業務用しかない。

 業務用じゃいくらかかるかわからないし、重さも400kgくらいある。そんなもの部屋に入れたら、いよいよ床が抜けてしまうぞ。(汗) ということで、ネットオークションをのぞくと、16ミリフィルム用のビデオコンバータが26万円(定価58万円)で売りに出ていた。26万円か…。昨年の春までなら、定価でも即金で買えたのにな…。みんなオークションが悪いんじゃ!(あ、オークションにハマった私が悪いのか…。汗)

 そんなわけで、フィルムのスキャンに悪戦苦闘しただけで、この日は終わってしまった。まあ、何とか使えそうな画像は作れたが、元が小さいからあまり拡大するとぼやけてしまう。ビデオ化できれば、もっと大きな画像にできるのだが…。こんなことになるとは、昨年の春には思ってなかったからなぁ…。(苦笑)

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