飛鳥杏華の気まぐれモノローグ
<2001年>
7月24日(火)
コピー誌の絵コンテでドツボにはまっていた飛鳥。ネットオークションでも惨敗し、気分転換に久々のお宝探しへ…。と、とんでもないゴミと遭遇! この週は、それにかかりきりになる。コピー誌は、どうなってしまうのだろう?(汗)
18日、原作「犬夜叉」だが、気配を消した奈落の行方に注目が集まる。奈落を追い詰めながら逃がしたことで、鋼牙に思いっきりバカにされる犬夜叉…。確かに、あそこで殺生丸とうまく連携できていれば、致命傷を与えることも可能だったかもしれない。もっとも、殺生丸がりんを、犬夜叉が琥珀を見殺しにできればの話だが…。
そして、奈落が捨てた城跡から毛と口だけの妙な化け物が出てきて犬夜叉一行と鋼牙に襲いかかってくる。思いっきりハンパもんの化け物だ。多分、逃げるにあたって奈落から切り捨てられた不要部分だろう。あまり頭もよさそうではない。(これで頭よかったら、それはそれで面白いけど…。笑)
残りかすみたいなもんだろうから、そんなに手こずるような奴ではないと思う。むしろ、この先の奈落の動向の伏線になる奴と見ていいかもしれない。髪の毛が捨てられていたということは、奈落は今、坊主になっている可能性があるということだ。次に怪しい僧侶が出てきたら、要チェックだぞ。(おいおい、ほんとかよ? 笑)
さて、この日はもう翌日夜のネットオークションを前にして、動向をチェックするだけだ。やはり、人間版犬夜叉のテレカは人気がある。早い段階からどんどん争って値が上がっていく。半妖版犬夜叉もそれに次ぐ勢いだ。意外と上がらないのが弥勒のテレカだが、これも最後にはかなりいくだろう。楽観はできない。
殺生丸のテレカはすでに持っているからいいとして、いちばん低い価格で落とせそうなのが七宝のテレカだ。最後に1枚に絞るとしたらこれだろう。もちろん、他も狙ってはみるが、それぞれの終了時刻がきわめて近いから、あまり数多く狙いすぎるとすべて逃すことになる。安全策を最初からとるか、チャレンジしてみるか、その辺は最後の楽しみだが…。
19日、いよいよ狙ったオークションの終了日がやってきた。この日の日中からすでに犬夜叉の絵柄のテレカは人間、半妖とも4万を超えてしまっている。これはもう、パスするのが現実的だろう。最大16万まで戦えないわけではないのだが、全部落として16万ならともかく、1枚で16万は嫌すぎる。
とりあえず、最終目標の七宝のテレカにそこそこの金額を入れてトップに立っておいて、他のテレカは状況を見ながら、行けそうだったら入札する。ダメなら、七宝のテレカに増額して安全策に切り替えるという作戦を立て、帰宅した。(こらこら、仕事中に何やっとるんじゃ? 笑)
ところが、終了間際にアクセスしてみると、犬夜叉の絵柄の2枚は何と12万8千円まで高騰している。両方とも同じ人だ。おいおい、マジかよ?(汗) これはもう洒落にならない。予定どおり、七宝のテレカに入札をして、犬夜叉に続く狙いの弥勒のテレカにも入札にいく。
犬夜叉の絵柄に25万6千円つぎ込んだ人は、それまで他のテレカには入札してなかったし、2枚でそこまで出費したら、さすがに他までは手を出せないだろうとたかをくくっていたのだが、終了間際になったら弥勒のテレカにも来た。これのためによほど金をため込んだらしい。それとも、無人くんかな…?(借り過ぎて、無残くんにならなきゃいいが…。汗)
ちょっと未練があって10万までは争ったが、さすがにそれ以上は戦えない。無理して落札したら、後が大変だ。ここで引き、七宝に賭けることにした。が、その人は七宝のテレカにもやってきた。全部10万以上を覚悟してたらしい。ボーナスまるはたきだな、きっと…。当然、殺生丸の方にも入札していて、これは他よりは安めに終わったが、全部で50万近い金額で独り占めした。
オークションである以上、金持ちにはかなわない。ネットの場合、システムの異常や操作ミスなどによって金持ちが時間内に入札できない可能性もあるが、普通にいけば金に糸目をつけない奴にはどうしたってかなわないのだ。これは事実として受け入れるしかない。相場を無視しているとか、文句を言いたい人の気持ちもわかるが、そういう値段でも買いたいのだから、止めようがなかろう。
むしろ、こういうときは、これで高騰を招くライバルが1人減ったと喜ぶべきだろう。それが1つしかないものなら喜べないが、今後も出品される可能性があるのなら、負け続けることでどんどんより安く落札できる可能性が出てくるわけである。そのうち、50万近くもかけたのがバカらしく思えるような値段で落札されるときが来ると思う。そうポジティブに考えねば…。でも、やっぱ悔しいな…。(おいおい。汗)
20日、大出費をせずに済んでよかったという気持ちもあったが、1つも取れなかったことへの焦燥感も大きく、気分が乗らない1日となってしまった。当然、トツボ状態打開の起爆剤になどなるはずがない。余計に沈んでしまった。テレカとは別に入札していた、この夏の小学館コミックフェアの販促用タペストリーも高値更新されてしまったし…。(汗)
このモヤモヤを解決するには、翌日、お宝探しにいくしかないと思った。テレカショップに同じテレカがもっと安く出ているかもしれないし、まんだらけでタペストリーが相場価格で売られているかもしれない。何もかもオークションに頼るより、そっちの方が安く済むことも多い。モノがなくても、歩くことで運動になるし、気分転換にいいだろう。何も収穫がなかったら…?(考えるのやめとこ…。汗)
21日、昼過ぎからお宝探しに出かける。狙いは中野だ…。まんだらけもテレカショップもある。まずはまんだらけ…。置いてそうな店をすべて見て回ったが、残念ながら目的のタペストリーは出ていなかった。他に目ぼしいものも見つからない。最近はやっぱり、まんだらけよりオークションに出しちゃう人が多いんだろうか。まあ、その方が儲かるだろうしな…。
あとはテレカだが、テレカショップへ行く前に、一応、掘り出し物を求めてまんだらけ各店をチェックして回った。商品は何もガラスのショーケースや陳列棚の上に並んでいるものばかりではない。足元の買い物カゴや段ボール箱の中の雑多なグッズの中にも埋もれているものがあるのだ。掘り出し物をあさるなら、ここをまめにチェックするのが鉄則…。と、とんでもないゴミと遭遇したのである!
それはまさにゴミ同然の扱いだった。足元の段ボール箱の中に日活ロマンポルノ(まだアダルトビデオがなかった時代の18禁映画)のスチール写真などと一緒に無造作に放り込まれていた半分つぶれたような箱の中にあったのである。1箱あたりそれなりの値段がつけられていたが、そんなところに放り込まれていたということは、店の方でもあまり売れないだろうと考えていたに違いあるまい。が、箱の側面には消えかかった赤マジックで確かに「らんま1/2」と書かれている。
何じゃこりゃあああっ!?(by松田優作) 私のお宝センサーが敏感に反応した。(はずれることも多いセンサーだが…。笑) 値札には、「らんま1/2 カットフィルム」と書いてある。カットフィルムというと、よくKACでプレゼントされたフィルムしおりのようなものだろうか? まあ、それでもその箱(全部で6個)にいっぱい詰まっているなら、イベントのプレゼント品に使える。買っても損はないが、その手のものなら、6箱全部買う必要もない。
幸い、ビニールの帯がかかっているだけで、箱は密封されていない。中味を確かめてみると、巻き状態になった16ミリフィルムが何巻か入っている。以前、やはりこの店で手に入れた初号(スタッフ向け試写用)とおぼしきフィルムのように1話1本にまとまったものではないが、巻いてあるのだからフィルムしおりではない。これは、制作途中でカットされたフィルムに違いない。あまりあてにならない私のお宝センサーが、そういう解答を出した。そうなったら、全部買いである。
このあと、カードショップでも当初の予定とは違うものだったが、いい収穫があった。しかし、そんなことはどうでもいい。一刻も早く、このフィルムの内容を調べてみなければおさまらなかった。帰宅して箱を開けてみると半分の3箱から制作発注票というスタジオ・ディーンの伝票(カーボン複写)の束が出てきた。状況から見て編集作業の依頼伝票だろうが、その記述からこれらのフィルムが「らんま1/2」(熱闘編ではない)の第1話から第5話あたりのものであることが推定できた。
その伝票の納入日付を見れば、どのあたりフィルムがいつ頃仕上がったかがわかるわけだが、結構、切羽詰まっている。放送の2週間前というのが非常に多い。放送開始後、特に格闘ペアスケート編3話分が飛ばされたあたりから制作が厳しくなっているであろうことは容易に予測できたが、スタートからこういう状況だったのだろうか?(汗) うーむ、当時を知る貴重な資料だ…。
さて、肝心のフィルムの方だが、最初に調べた箱は主に第2話から第4話のポジフィルムだった。が、ここで思わぬ苦戦を強いられることになる。巻きのフィルムは、てっきり1本の長いフィルムだと思い込んでいたのだが、カットしたフィルムを束にしてグルグル巻きにしたものだった。まさにゴミである。しかも、その状態で12年も放置されていたため、フィルム同士が貼りついてしまっていて、無理にはがすと映像がはがれて(他方にこびりついて)しまう状態だった。
とりあえず、その箱のものはそのまま慎重にはがしてみたが、やはりどうしても映像がはがれてしまうものが出てきてしまう。転売目的なら、えらい損害だ。でも、私の場合は研究目的だから、何が映っているのかわからなくてはお話にならない。多少の犠牲はやむをえまい。しかし、このままでは犠牲が大きすぎる。次の箱からは策を考えねばなるまい。策といっても、水につけるくらいしか思いつかないが…。(汗)
22日、出勤だ。前日のフィルムのことが気がかりで仕事にならない。(何か、いつも仕事になってないような気もするが…。汗) コピー誌の方も、フィルムにかかりきりになってしまってはどんどん遅れてしまう。しかし、1度気になり出すと、それが片づかないかぎり別のものへ切り替えがきかないのが、私の性格だ。ここは、ある程度結果がでるまでやってみるしかあるまい。
帰宅後、2つめの箱を開けてみる。こちらは第1話のポジフィルムだった。最初に手にしてフィルムは、何と女らんまとあかねが風呂場で裸の鉢合わせをしたシーンだった。うーむ、何かついてるような気がする。(笑) フィルムしおりでこのシーンのものを持っている人がどれくらいいるだろうかと考えると、やっぱり結構レアだよなという気になってくる。この箱のフィルムの引きはがしは、翌日、時間をかけてすることにした。
23日、朝からフィルムの引きはがし作業に入る。風呂場で水を張ったポリバケツに巻き状態のフィルムをつけ込む。もし、音声が入っていた場合、水につけることで音声が損なわれてしまうのではないかという懸念も大いにあったが、映像が確認できないこととどちらが損失かと考えた末、音声はあきらめることにした。もっとも、編集段階のNGフィルムなのだから、もともと音声が入っていない可能性の方が高いだろうという考えもあった。
水につけたおがけで、一昨日よりずっとはがしやすくなったが、それでも頑固なやつもあって、映像がはがれてしまったものがいくらか出てしまった。12年という歳月の重みだ。あの頃生まれた子供がもう小学校6年生になって、ファンになったりしてるわけだし…。元の持ち主が、早い段階でフィルムを1本ずつ分離して保管していてくれたらよかったのにと思うが、こんなものを保管しててくれたこと自体、感謝しなければいけないのかもしれない。
はがしたフィルムはその場でつるして干す。そのついでに内容も確認してみる。複数カットがすでに編集され、つながれていたものもあるが、多くはシーンの頭にカットナンバーのサインボードが入ったままの状態でカットされている。中にはシーンの終わりに「NG」サインが撮影されているものもある。こうして見ていくと、同じシーンで結構撮影ミスによるNGが出ていることがわかる。それとも、「らんま1/2」の第1話が例外的に多いのだろうか?(汗)
フィルムが乾いたところで、部屋に持ち帰り、第1話放送時の録画ビデオ(LDでないところが、ちょっとマニアックかも…。笑)との比較、分類にかかった。これは結構根気のいる作業だ。カットナンバーから、どのあたりのシーンかを推定してビデオの頭出しをするだけでも大変だし、実際に放送されたものと違う部分があれば発見だ。慎重にならざるをえない。1人では気が遠くなりそうだ…。(汗)
こうして比較、分類した結果、第1話の放送に使用されなかった映像がいくつか出てきた。ゴミ扱いの保管がされていた中で、丁寧にプラスチックの軸に巻かれ、白いリード部分に「らんま1/2 OP」と書かれていたフィルムからは、無地のライトグリーンの背景の中で、青い帽子をかぶった女らんまが、格闘の構えから笑顔で右手を上げたポーズに変わり、そのままフェイドアウトしている映像が出てきた。これは、少なくともTV放送では使われていないはずだ。
続いて、Bパートの冒頭部の別バージョンが見つかる。叫ぶあかねのアップからカメラが引いていく映像だ。さらに、変身体質になった事情を説明する際、一旦、池にたたき込まれて変身した状態からもとに戻るために乱馬と玄馬が一緒に風呂に入っている映像も出てきた。その他にも2つほど放送では使われなかった映像が見つかり、うち1つは早雲の服が白になっているというちょっと珍しいNGだった。
一昨日の箱より分量が多かったこの箱でこの程度しか見つからないのだから、残りの箱からお宝に値する未放送映像が出てくる可能性は低いだろう。しかし、それでも内容を確認する楽しみがある。全部を確認するまでにはまだまだ時間がかかるが、ここまでの部分だけでも報告したくなった。そうだ、これだよ! コピー誌にいいネタができたではないか! ゴミ同然の扱いだったものが、思わぬ起爆剤になったようだ。
さて、アニメ「犬夜叉」だが、犬夜叉と鋼牙の闘い、そして鋼牙がかごめをさらう話だ。鋼牙のスピード感は、原作と同じような旋風の描写で表現することが多いようだ。実際の動きでもうすこし見せてくれるとうれしいのだが、セルの枚数がかさむから難しいだろうか? 犬夜叉との闘いでも、本当に速いというところが見てみたい。今回の注目点はそこだったので、アニメの感想もそれだけだ。うーむ、フィルムの方に気持ちがいっているので、よく観てなかったりして…。(汗)
24日、「らんま」のフィルムのことをコピー誌に載せることが決まったら、一気に漫画のネタの方も解決した。原作のベタなパロディだが、新刊を落としたネタと妙にシンクロしてしまう部分が見つかったので、その部分の台詞や背景などを変えてパロってみようと思う。あと2週間余りしか残っていないけど、間に合う…かな?(ははははっ。汗)