飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

7月3日(火)

 ただでさえギリギリの表紙CG制作…。予想はしていたものの、やはり上司の人事異動があって、その事務と歓送迎会で帰宅が遅くなる日が増える。ここまで遅れてしまったことがそもそもの失敗なのだが、ますます苦しくなってくる。最後の決断をどこでするか…? できれば、したくないけど…。(汗)

 6月27日、原作「犬夜叉」だが、やはり奈落は琥珀とりんを使って逃げる算段をしていた。想像できないことではなかったが、琥珀にりんを殺させようというわけだ。りんを救う気がないように言っていた殺生丸も、本当にりんの身に危険が及ぶとなったら見過ごせはしない。そのあたりもしっかり奈落は読んでいる。こういういやらしさは奈落の持ち味だろう。あまり大物というイメージはわかないのだが、いやらしい(スケベという意味でなく)ことをしてくる奴だ。

 琥珀がりんを殺せば、犬夜叉たちと殺生丸の溝はさらに深まるし、殺生丸は当然、琥珀を許しはしないだろう。犬夜叉の兄が珊瑚の弟を殺せば、犬夜叉と珊瑚の間にも亀裂が生じるかもしれない。実際に考えてるのは高橋先生だから、実はいやらしいことを考えてくるのは高橋先生自身なのだが、いやらしいキャラを作るとき、こんな人がいたら嫌だなと思いながら作るそうだから、こういう策略も、こんなことになったら嫌だなと思いながら考えたのだろう。

 殺生丸はりんが殺される前に琥珀のもとに行き着いたし、犬夜叉たちも琥珀が殺される前に行き着けるだろう。2人が殺されることはないと思うが、その隙に奈落は安全な場所へと逃げ込むだろう。なかなか本当に追い詰めるのが難しい相手だ。

 さて、この日は7月1日付けの人事異動で上司が2人異動になったので、送別会となった。館長はだいたい毎年変わるし、その次の上司も4年目だから予想はしていたのだが、実際にこうして時間を食われてしまうのはつらい。そうなる前に済ましておきたいところだったが、どうも万事遅れ気味になってしまう。計画どおりに実行するのが下手なのか、計画を立てるのが下手なのか…? いずれにしても、下手なんだな。(苦笑)

 28日、前夜、帰宅してから少しでも表紙CGを進めようと努力はしてみたのだが、酒が入っていては天使の輪のような細かい描画はうまくいかない。失敗して何度もやり直し、結局は全然進まないという状況で、あきらめて寝てしまった。この日は何とか前髪部分の天使の輪を描き終えたが、1日遅れたことには変わりがない。

 あと2日で今月も終わってしまう。来月早々には、新しい上司の歓迎会もしなければならない。事務的にも今度は遠方からの異動なので、赴任旅費の計算など面倒な仕事が多い。飲み会でなくても、しばらくは帰宅が遅くなりそうだ。(汗)

 29日、表紙CGは、桔梗の髪の天使の輪を描く作業が続く。向かって右半分まで描き終わった。何とか翌日には完成させたいところだ。それでも、残り約2週間でかごめと犬夜叉を塗らねばならない。1キャラにやはり1週間はかかりそうだし、本当にギリギリだ。何か突発的な事態が発生したら、もうアウトだろう。

 いちばん嫌なのは、表紙の入稿は間に合ったけど、本文が間に合わないという事態だ。印刷所は、コミケ合わせの作業が終われば夏休みに入ってしまって、再開はしばらく後だ。その間も嫌だし、同じ間に合わないのなら、表紙は質の高いエクセレント4色カラーにしておきたい。質の落ちる方で入稿して印刷が始まってしまったら、もう戻せはしないから、バカを見ることになってしまう。間に合わないなら、表紙入稿前に断念しなければならないが…。

 30日、桔梗の絵は何とか完成。髪の天使の輪の左半分に続いて、最後に残った瞳の中を仕上げた。続いて、かごめに入ったが、この日は顔と首から胸元、腕など肌の部分だけで精一杯だった。休日でこの程度の進捗というのは、ちょっと痛い。ここのところ、ずっと集中してやってきているし、かなり目も疲れていて痛い…。(どっちも痛いぞ。苦笑)

 背景の作成と合成も視野に入れておかねばならないので、小さい画像を作って、イメージ作りの試行はしているのだが、なかなか思い描いたようないい色合いが出せない。できるだけ、ファンタジックな感じにしたいのだが、私の感性では無理な注文かもしれないな…。(汗)

 7月1日、出勤だ。帰宅後、表紙CGにかかるが、かごめの制服の緑の部分(肩から胸元にかけて)を手がけたものの、そこを塗り切るところまでいかなかった。思いのほか、時間を食っている。何とか5日までにかごめの絵を塗り終えたい。今のところ、何とかなりそうではあるのだが、疲れがたまってきているから油断はできない。

 近年は、休日の午後に極度の睡魔に襲われて、夕方まで寝ないとつらい状況になることもしばしばだ。そこでの3、4時間のロスも、積み重なればかなり痛くなる。もう若くない自分の体がうらめしい…。

 2日、本来なら前日の代休なのだが、人事異動で何かと面倒な仕事が多いので、代休をずらして出勤した。思ったとおり、この日に休んだら大変だったなと感じるほど仕事が多く、帰宅も少し遅くなった。

 帰宅後、表紙CGはかごめの制服の緑の部分の続きだ。ようやく胸元まで塗り終えた。続いて、同じ緑のスカートの部分に入る。今回、かごめの制服は半袖の夏服にした。原作でもわずかしか登場していないのだが、夏に出す本だからと意識してみたのだ。そういう面でも、何とか夏コミに間に合わせたい。

 また、夏ということを意識して緑色も明るい色にした。これが冬まで延びてしまうと、ちょっと間抜けになってしまう。まあ、どうせ冬にも残りを売るのは確かなのだが、やっぱりね…。(汗)

 さて、アニメ「犬夜叉」だが、奈落の幻影殺に続いて桔梗がかごめから四魂のかけらを奪って奈落に与える話だ。かなり変更されている点が多い。その中で、四魂のかけらを奪われたあと、かごめが少しだけ幻影殺にかかって犬夜叉と桔梗がキスしてるところを見たというのは、なかなかいい変更だったと思う。

 だが、四魂のかけらを持っているから幻影殺にかからないというのは、弥勒も持っているのだから完全に矛盾してしまっている。以前、戦国時代と現代の行き来も四魂のかけらのせいにしてしまったから、予告編でもわざとらしい言い訳をしなければならなくなってしまった。何でも四魂のかけらのせいにしない方がいいと思うのだが…。

 そして、何よりもよくないと感じた変更が、桔梗の一連の行動だ。原作では、奈落がかごめを殺すべく地割れを起こしたのだが、アニメでは桔梗が矢を放って地割れを作っている。犬夜叉が到着したあとの態度も妙に高飛車でいやらしい…。あの描き方にはちょっと納得がいかない。

 子供向け単純化の影響だろうか? あれだと、あくまでいいのはかごめの方で、桔梗は悪い女というふうに子供の目に映るだろう。そんな悪い女を何で犬夜叉はかばうんだろうと混乱しないだろうか? 本当に桔梗がかごめを殺そうとしたのかどうかわからない状態にしておかないと、また後々、矛盾が出てきてしまいかねないのだが…。

 この部分の変更に納得がいかないせいもあってか、あまりいい出来とは感じられなかった。変更すること自体は悪いこととは思わないが、これはないんじゃないかという気持ちが強い。このあとの原作の流れからすると、あまり桔梗を悪い女に見せてしまうのは、得策ではないはずなのだが…。

 3日、この日はまた飲み会が入ってしまった。当然、帰宅も遅くなったし、酒が入っているので細かい作業ができない。平日は大して進まないとはいえ、まったくできないというのはつらい。何とかかごめのスカートまで塗り終えたかったのだが…。

 さて、いよいよ新刊制作も大詰めが近づいてきた。来週には結論を出さねばならないだろう。表紙の入稿を終えて、このまま新刊発行に向けて突き進むのか、本文作成の見通しを考えて苦渋の選択をするか…。非常に微妙な線ではあるのだが…。(汗)

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