飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

6月26日(火)

 表紙入稿の締め切りが迫る。しかし、一向にCGの制作は進まない。7月7日入稿を断念して、14日に賭けるのか? それで、本文は間に合うのか? いよいよ厳しい状況になってきた。(汗)

 20日、原作「犬夜叉」だが、犬夜叉の乱入によって、奈落は目的を阻まれた。一方、奈落が殺生丸を取り込むべく斬らせた肉片によって、殺生丸は鉄砕牙の剣圧から守られたかたちになった。成長する前の風の傷で瀕死の重傷を負った殺生丸だから、今の風の傷をまともに食らったら、命はないだろう。この辺は、実にうまく計算してある。

 犬夜叉の予想外に早い成長は、周到な奈落にとってもやはり大きな誤算だった。かなり追いつめられた状況だが、人質のりんとそれを見張る琥珀がやはり奈落にとって局面打開のポイントとなるだろう。周到な奈落のことだ。もしものときの逃げ道は、ちゃんと考えているに違いない。

 琥珀とりんのもとには、かごめたちがいる。周囲を妖怪が取り巻いてはいるが、あの程度の妖怪なら、弥勒、珊瑚、雲母で蹴散らせるだろう。となると、琥珀とりんをどう使ってくるかだ。とりあえず、次回を待つとしよう。

 さて、表紙CG作成のための悪戦苦闘がこの日も続く…。画線修正は、ようやくかごめの部分を終えた。裏の方をちょっとしたアイデアで切り抜けることにしたので、何とか日曜日からは塗りに入れるかもしれない。、

 しかし、塗り終えても背景やロゴの作成もある。それらをバランスよく合成するにも時間がかかる。裏だって、アイデアを働かせるとはいえ、時間が全然かからないわけではないのだ。決して見通しは明るくない。(汗)

 21日、表紙CGは、犬夜叉の画線修正にかかる。顔の部分を何とか仕上げた。これでも画線修正自体は、過去に比べればかなり速いペースで進んではいるのだが、本文の執筆に苦しんだ分、スタートが遅れたのが痛い。本文もまだまだ4/5も残っているし、できると思う方がどうかしているのかもしれない。それでも最後まであきらめたくない。

 実際、この夏に出せないとかなり痛いのだ。冬までには話数も進むし、どんどん時季遅れの本になってしまう。グスグスしている間に、同じような本を出されてしまう危険性もある。今のところ、こういう本を作るようなサークルはなさそうだが、アニメの影響は絶大だ。どういうサークルが出てくるかわからない。それでも、やると決めたからにはやり通すつもりだが…。

 22日、表紙CGは、できれば犬夜叉の画線修正をすべて終えたかったのだが、鉄砕牙の柄の部分に手間取って、残念ながら終えることができなかった。どんどん思惑が狂ってくる。やはり、7月14日入稿の方が現実的路線だ。ちょっと悔しいが、カラーのグレードダウンもやむをえまい。(汗)

 23日、出勤だ。休みなら、早朝から幕張メッセに行って、第14回次世代ワールドホビーフェアに参加して、限定グッズを手に入れたかったのだが、しかたあるまい。今回の目玉は限定50個のプリマグラフィー(複製原画)のリトグラフだ。結構いい値段だが、初日で一気に売り切れてしまうだろう。

 半分ずつ出す可能性もないわけではないが、売る方としては売れ残ると困るから、初日に売れるだけ売ってしまうのが普通だと思う。そんなわけで、初日に行けないことがわかった時点で、もう覚悟を決めていたのだが、ちょっと気になって昼過ぎにちょっとオークションをのぞいてみた。と、もう売りに出されている…。(汗)

 何なんだ、こいつは? 最初から転売目的で買ったのか…。転売がすべていかんとは言わない。オークションに出ているものは、ほとんど全部といっていいくらい転売品であるわけだし、自分もそれを買ってきているのだから、転売そのものを非難できる立場ではない。しかし、最初からそれを目的に限定品を買う奴がいるというのは、ちょっと悲しい…。

 地方在住だったり、都合でイベントに行けない人もいるから、そういう人のために買いつけて出品してやってるんだと言う奴もいるだろう。だったら、定価で即落札できるように設定すべきであろう。交通費の一部を上乗せするくらいならまだわからないでもないが、最初から2倍、3倍の値段をつけてるようなのは、利ざや稼ぎ以外の何物でもなかろう。

 それでも、イベント開催中に売り切れてしまう心配がないものならまだいい。当日、会場に行った人なら、手に入れることができるのだし、行けなかった人にはありがたい面も確かにあるし…。しかし、数量が希少ですぐに売り切れてしまう限定品でそれはやめてもらいたい。宝物にするつもりで早朝から並んで、そいつが買わなければ買えたのに、わずかの差で買えなかったファンがかわいそうだ。

 2年前のサイン会のときも同じだった。半年もたたないうちにサイン色紙が売りに出されて、高橋先生も憤慨したという噂を聞いている。もう二度とサイン会はしたくないという気持ちになっても当然だと思う。そんな簡単に手離す奴は転売屋であって、ファンではなかろう。そういう者のために、ファンが悲しい目に遭うのでは割に合わない。

 そんな出品に入札するのは、転売屋を喜ばすだけだから、本当ならファンが一致団結して入札を拒否するのがいいのだろうが、残念ながら欲しい人はやっぱり欲しいわけだ。その気持ちもまた、わからないでもない。いっそのこと、悪い評価をもらうのを覚悟で落札して相手の素性を確かめ、文句を言ってやろうかという気にもなってくるが…。

 夜までに、プリマグラフィーの出品は3件になった。3人は泣いたファンがいることになる。この日は、そんなことでモヤモヤしていたので、表紙CGの制作も進まなかった。言い訳と言われれば、確かにそのとおりかもしれないが、どうにも割り切れない気持ちでいっぱいだったのは、確かである。

 24日、平日と同様に早く起床して、少しでも表紙CGの作業を進めてから幕張メッセに向かう。プリマグラフィーはもう売り切れだろうし、雨模様だったが、せめてその他のグッズを手に入れておこうということで、開場時刻に合わせて出発し、昼には帰ってきて表紙CGの続きをするという予定をそのとおりに実行した。

 帰宅後、表紙CGはいよいよ桔梗の絵のペイントに入った。この日は顔の部分だけで精一杯だったが、桔梗の方は巫女の装束だし、塗らなくていい部分も多い。いくらかは楽だろう。問題は髪の天使の輪だと思うが、少なくとも桔梗の絵は週末前に終わらせておきたい。7月14日入稿に切り替えたとはいえ、1日でも早く入稿して本文に割ける時間を増やせた方がいいわけだし…。

 25日、表紙CGは、桔梗の着物のペイントにかかった。巫女の装束は色が単純だから、予想したとおり平日でもそこそこ進んだが、影つけの範囲が広いので、全部を終えることはできなかった。並行して背景の具体的なイメージも試作してみる。が、範囲が広いので加工に時間がかかる。ハードやソフトを更新しておけばよかったと後悔するが、後の祭である。先立つものもないし…。(汗)

 アニメ「犬夜叉」だが、奈落がかごめの矢で吹き飛ばされた体を再生させるため、蠱毒を作っている山に犬夜叉と桔梗が紛れ込む話だ。が、やはり作画的に不満の残る絵が結構あった。だんだん、そういうことが多くなってきているような気がする。まあ、毎回サンライズの精鋭スタッフが作画を担当するわけにもいかないから、ある程度の低下はしかたないのだが、気になるほどの崩れは、できるだけ少なくしてもらいたいのが観る側の心情である。

 絵の動きという点でも、止め絵が多くなってきたように思う。犬夜叉が蠱毒を斬りつけるシーンなど、鉄砕牙を振る過程の絵が省略されてしまっている。売り物になるはずのアクションシーンがこうなってしまったのでは、たとえ実態は外注であっても、サンライズの看板が泣くように思えてならない。この回は、残念ながらあまり目を見張るようなシーンもなかったし…。あえて挙げれば、裸の奈落くらいか。(笑)

 26日、表紙CGは、桔梗の着物部分を完了。いよいよ問題の髪に入る。この日はベースになる緑系の黒をベタ塗りしただけだが、これに緑系で髪のつや(天使の輪)を描いていく。アニメや原作では、あまりこの配色は使われないが、私はこの色合いが好きだ。私の特徴と言えるだろう。かごめと桔梗で色を変えるという手もあるが、他の色があまり好きになれないので、同じにしてしまうつもりだ。それが、私の絵ということで…。

 というわけで、いよいよ新刊制作も大詰めに近くなってきたわけだが、依然として見通しは明るくない。だんだん無理が蓄積して、体調的にも危なくなってきている。何とか、7月10日までには表紙を仕上げたいところだが…。(汗)

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