飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

6月19日(火)

 新刊の表紙CGの作成に取りかかった飛鳥…。しかし、ちょっと手の込んだものを考え過ぎたかもしれない。入稿まで3週間…。過去、表だけで1ヶ月かかっていたCGを、表裏合わせて3週間で仕上げられるのか?(何か、無理のような気がするが…。汗)

 13日、原作「犬夜叉」だが、奈落の狙いは殺生丸を自らの体の一部に取り込むことだった。体の組み替えが自由にできる奈落なら、より強いパーツを組み込もうとするのは当然のことだ。強い結界を張る力を得て、犬夜叉たちは当分自分に近づけないという目算があったのだろう。その間に一気に力をつけて、決定的な差をつけようと思ったに違いない。

 ところが、すでに犬夜叉は強い結界を斬る力を身につけていて、奈落の結界を斬り裂いて、その場に乱入して来ようとしている。ここへきてようやく、意外と簡単に犬夜叉が結界を斬る力を身につけてしまった理由がわかった。奈落にとって計算外の事態を招くための伏線だったのだ。やはり、高橋先生はさすがである。私の読みなど、遥かに超えて先を見据えている。

 犬夜叉が間に合えば、奈落は殺生丸と犬夜叉の兄弟を相手にする状況になってしまう。この状況は、奈落にとってかなりやばいはずだ。これまでの経緯からみて、殺生丸と犬夜叉が協力して奈落を倒しにかかるということはないと思うから、その辺が奈落にとってはいい逃げ道になるのかもしれない。りんという人質もいるし…。

 さて、この日は表紙CG原画の下描きを続ける。当初の表紙イラストは、犬夜叉とかごめをメインに置き、左側にフィルムのコマをデザインして、その中に主要キャラを入れるというものだった。が、これだと非常に時間がかかる。それに、フィルムのコマの中の絵は、小さくて描きにくい…。これはもう変更するしかない。せいぜい、犬夜叉とかごめの他にもう1キャラだ。となると、やはり桔梗だろう…。

 ということで、急遽、絵柄を変更したが、これが功を奏して表紙の下描きは何とか完了した。続いて裏だが、やはり絵柄を変えた。当初は弥勒と珊瑚の予定だったのだが、描き慣れたキャラで、あまり色数を使わないで済みそうなキャラにしようとの打算が働いた結果、逆髪の結羅になった。大小2態の結羅を描いて、こちらも比較的楽に下描きが上がった。

 14日、前日描き終えたイラストにペンを入れる。この段階でちょっと迷った。全体を1枚イラストとして取り込んで作業をするのと、「犬夜叉&かごめ」と「桔梗」、「小さい全身像の結羅」と「アップの結羅」を別々の画像にして仕上げ、あとで合成するのと、どちらがやりやすいだろうかと…。

 結局は後者を選択し、それぞれをトレスして、分けてペン入れを行った。この選択が吉と出るか、凶と出るか微妙なところだが、自分で決めたことだから、とにかくその方向でがんばってみることにした。

 15日、原画を取り込んでCGの作成にとりかかる。まずは、桔梗の画線修正だ。全部で4枚の画線修正がどのくらいで終えられるかが、全体の日程に大きくかかわってくる。できるだけ早く終わらせたいが、そう簡単にいくかどうか…?(汗)

 結局、この日は桔梗の目の部分程度までがやっとだった。うーむ、やっぱり時間がかかるな。タブレットを買っておかなかったことを後悔するが、今から買おうにも金がない…。結局は、オークションでの散財がいちばんいけないということになってくるわけだが…。(汗)

 16日、表紙CGの画線修正は、桔梗の髪、顔の輪郭まで進んだ。が、こんなペースでは、裏のCGまで7月7日までに仕上げるのは不可能だ。表の桔梗の画線修正だけでも、翌日までかかりそうなのに、裏までとなったら、塗りに入れるのは早くても月末だ。

 まったくの手抜きになってしまうことはしたくない。アイデアを駆使して、手間をかけずに済んで、なおかつ面白い狙いになる絵柄を考え直してみる。と、1つのアイデアが浮かんだ。インパクトが大事なので、どういうアイデアかは発行されるまで内緒だが、結構、笑えるものになるかもしれない。(笑)

 17日、何とか桔梗の画線修正を終える。小さい方の絵でこれだけかかっているのだから、大きい方のかごめと犬夜叉の絵は倍近くかかるだろう。2キャラだし…。そうなると、やはり塗りに入れるのは月末近くになる。7月7日の入稿はかなり厳しい…。やや質は落ちるが、14日締め切りのカラーに切り替えるのが現実的かもしれない。

 しかし、表紙の作成が7日以降まで及ぶようだと、今度は本文の作成がきつくなる。本文入稿は7月25日が正規、割増料金でギリキリまで延ばしても7月末日だ。残り半月程度で、本編レビューの残り20回分、まだ手つかずのスタッフ&声優リストなど数コーナーを仕上げるのはかなり困難だ。

 第26話までというカバー範囲を狭めれば、いくらか楽にはなるが、そうなるとすでに作成した本文の書きなおしやグラフの作り直しなどが発生する。表紙をCGでなく、手描き1色にすればさらに楽になるが、それでは出したい本とはかなり違ってきてしまう。とりあえず、当初計画のまま、ギリギリまではがんばってみるつもりだが…。

 18日、表紙CGは、かごめの画線修正にかかる。顔の部分まで何とか終えた。平日にしてはがんばった方だ。アニメ「犬夜叉」は、ビデオに録画したままで見ている余裕がない。終盤部は、帰宅してから食事をしながらちょっとだけ観られたが、観たと言える部類には入らない程度だった。

 アニメ「犬夜叉」の本を作ってる人間がこういうことでは、本来いけないと思うのだが、それが命取りになって間に合わなかったらと思うと、余裕がないのである。(汗) とりあえずビデオは、翌朝の朝食のときに観ることにしたが…。

 19日、朝食時にアニメ「犬夜叉」をビデオで観た。地念児の話だ。個人的にはタタリモッケの話と並んで、本筋には直接関係のない話ながら、名作の1つだと評価している話が原作なだけに、気になる回だったが、作品としての出来はよかったと思う。ただ、作画面でやや不満の残る部分もあった。前半部の自転車で地念児の畑へ向かうときのかごめの絵などだ。

 ラストもやや中途半端な気がする。花びらがはらはら散っているのに、遠ざかるかごめの絵は動いていないのだ。両方動かすか、両方止めるかしないと、ちょっとアンバランスである。絵を止めた状態で、水彩画タッチの絵にオーバーラップするというオーソドックスな手法の方が、かえってよかったのではないかと思う。特に新しい試みには見えないし…。

 それを除けば、いい話に仕上がってると思う。どうしても戦闘シーンの欠かせない作品だけに、やり玉にあげられることも多い「犬夜叉」だが、こういう作品もあるのだということをしっかり見てもらえれば、大分印象も変わると思うのだが…。

 さて、表紙CGの方は、かごめの制服の胸元が完了した。平日にできる範囲なんて、そんなもんだ。次の土曜日、月曜日は出勤だし、日程的には非常に苦しい…。しかも、日曜日には第14回次世代ワールドホピーフェアに行かなければ、限定グッズが買えない。本当は土曜日に行きたかったのだが、出勤日ではしかたがない。春にやったばかりなのだから、何もこんな時期に開かなくてもいいのに…。(汗)

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