飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

5月22日(火)

 新刊本の資料収集もほぼ終わり、いよいよ具体的な原稿作成に入っていく。集めた素材をどう料理するか? 味付け次第で面白い本にもなれば、つまらない本にもなる。評論本、資料本と言うと、難しくて堅苦しいイメージがある。それをどう払拭するかだが…。

 16日、原作「犬夜叉」だが、闘いに進展はあまり見られない。紫織を斬らずに結界(大獄丸)を斬るのは難しい。紫織に自分だけ守れと叫んだ犬夜叉だが、紫織には結界の守る対象範囲を自由に変化させることはできないらしい。この手詰まりの局面をどう打開させるかが作者の腕の見せどころである。

 私などは、単純に鉄砕牙と天生牙の両方があればなどと考えてしまう。鉄砕牙で紫織ごと斬って、天生牙で紫織だけ生き返らせれば解決できる。しかし、それでも一度、幼い少女を斬り殺すことになる。それは、人の道にはずれた行為だ。そんなことで解決していい問題ではない。

 私が「犬夜叉」の同人漫画ネタとして温めていたものに、鉄砕牙と天生牙が1つになった究極の剣というのがある。つまり、ひと振りで倒すべき者100人をなぎ払い、守るべき者100人を守り、甦らせる剣である。そんな剣があれば、紫織を一旦殺すこともなく、ひと振りで解決できるだろう。

 将来的に鉄砕牙と天生牙が融合して1本の剣になるという可能性はないとは言えまい。しかし、今回のシリーズでは殺生丸も出てきていないし、そんな簡単に2本の剣を1本にしてしまえるわけがない。私がこんなところで書いたら、なおさらネタとして使わないように思える。(笑)

 ここはやはり、紫織の真の力の覚醒だろうか? 半妖だからって、妖怪や人間に劣るわけではないという紫織の母親の言葉がずっと引っかかっているのだ。大獄丸は紫織の力を所詮半妖の力とあなどっているかもしれない。半妖の割りにはしっかりやっておると思っている程度だとしたら、それが命取りになることもありうるが…。

 さて、この日は帰宅後にここの更新をと思っていたのだが、飲み会が入ってかなり飲んでしまったので、結局何もできずにすぐ寝てしまった。原文も全然できていなかったので、酔ってなくても更新できなかったろうけど…。(おいおい。汗)

 17日、特にこれといったこともなく過ごしてしまう。帰宅後も特別何もせず、TVを見て、風呂に入って、寝ただけだ。新刊本のページレイアウトについて、考えてみないでもなかったが、まだ漠然としすぎていて具体的なものが見えてこない。引用画像を収集して、並べてみないことには…。その収集がまた大変なのだが…。(汗)

 18日、帰宅後、アニメ「犬夜叉」の第25、26話を改めて見直す。新刊本の収録対象として予定していたのは第20話までだったのだが、どうも話の切れが悪い。どこがいいかと考え直していくと、26話が切れ目としてベストという結論に達した。

 たった6話分と思うかもしれないが、各コーナーのカバー範囲が6話ずつ増えるというのは結構大きな負担増だ。特に引用画像の容量がばかにならない。どっちにしろ、記憶メディアを大量購入してこなければならないのだが、その量がさらに増えることになる。金が足りないかも…。(汗)

 19日、第26話分まで一気に資料収集を終えた。といっても、引用画像はまだこれからだ。また第1話からアニメを見直して、必要なシーンの画像をキャプチャーし、加工しなければならない。必ずしも使う画像ばかりではない。候補として多めに作成しておかねば、あとが面倒になる。

 かつて、一刻会の「そると11号」で経験した作業だが、あのときはただのリストで、レイアウトも最初からイメージができていたから、その分楽だった。今度は原稿書きとレイアウトを考えながら大きさを変えたりしなければならない。結構厳しい日程になりそうだ。(汗)

 試しにOPだけ画像をキャプチャーしてみる。使うかもしれないシーンを全部採ったら、60枚にもなってしまった。OPだけでこれでは先が思いやられるな…。(汗) 原稿をすべて書き終えてから必要部分のみキャプチャーするようにすれば、いろいろと助かるのだが…。

 20日、出勤だ。前日、OPの画像をキャプチャーしてみて、改めて感じたことがあって、ちょっとOPについてツッコミを入れるような原稿を書いてみる気になった。個々のシーンを見ていくと、結構突っ込めるのだ。ということで、昼休みから原稿を書きはじめ、帰宅後にほぼ書き上げた。

 続いておおまかなレイアウトを考えてみたのだが、どうも縦書きだとうまく収まらない。各話の内容について書くページはすでに縦書きで進めているし、余裕があればショートギャグの漫画も入れたいので、本は右綴じと考えている。右綴じで横書きのページが続くと、ちょっと読みにくくなるのだが、しかたあるまい。

 この日は結局、そこまでで終わってしまった。OPについてツッコミを入れるなら、やはりEDについても入れなければバランスが悪いと思うし、EDについても画像の取り込みをし、文章を書いてから実際のレイアウトにかかることにした。

 21日、アニメ「犬夜叉」だ。ニセ水神との闘いの話だが、原作でもいちばん一行のコンビネーションが発揮されたエピソードなので、アニメとしてもノリ的には非常に作りやすかったのではないかと思う。アニメでもそのノリはしっかりと出してくれている。まとめる関係からか、いくつかの小さなギャグが省略されてたのが、個人的には残念だが…。

 例えば、冒頭で弥勒が珊瑚の足をなでまわしたときの、「あのスケベ野郎、やっぱり狙ってやがったのか。」という犬夜叉のセリフや、すでにお面をとっている末吉に対する、かごめの「…もうお面とっていいのよ。」というセリフなど、結構おいしいセリフが抜かれている。

 前者はやはり、子供向けということを意識して、弥勒のスケベをなるべくソフトなものにしようした結果だろう。「狙ってる」という言葉を使うと、ちょっと露骨すぎると考えたのかもしれない。後者は、末吉の顔という人の容貌(外見)に関わるセリフだ。末吉の顔は、丸に点々だけのお面と見分けがつかないと言ってるわけだから、差別やいじめにつながる危険があると判断して抜いたのかもしれない。

 本当にそこまで気にしてのことだとすれば、個人的には考えすぎだと思うが、子供は何かと真似したがるものだ。そういう意味では、弥勒のセクハラもあまり露骨にやらせるのはまずいということになる。純粋に作品としての出来を考えると、そういうことを考えすぎて面白い部分が抜かれてしまうのは残念だが、子供を持つ親の気持ちになったら、確かにしかたない面はあるのだ。

 例えば、自分に小学生の子供(男の子)がいたとしよう。学校や公園などでクラスメイトや近所の親子らと対面しているときに、自分の子がいきなり女の子のおしりをなでまわしたり、露骨な言葉を真似て言ったりしたら、親として非常に恥ずかしい思いをすることになる。それが明らかにTV番組の影響であるならば、そういう番組は見せたくなくなる…。

 自分も好きだから自分の子供に見せたいと思っていても、そういうことがたび重なったらどうだろう? 子供の立場にいるときには、そんなの大したことないじゃないかと思えても、自分が子供を持ったときのことを考えると、考えが変わってくるものだ。

 それだけ意識して作っていても、放送番組向上協議会の青少年委員会に「子どもによくない影響を与えるのではないか?」との指摘が寄せられ、「遊戯王」、「ワンピース」とともに審議にかけられたのだから、作る側としてはやや過敏になってもしかたない部分がある。

 近年、青少年が事件を起こすと、すぐに漫画やアニメの影響に結びつける風潮があることが大きいが、その疑いをかけられないために作り手は、強い影響を与えない作りを心がけるしかない。結局、青少年たち自身の振る舞いが番組の表現に規制を与えるきっかけを作ってしまっているということになる。そんなことを気にせず、自由に作品が作れる平穏な世の中を作ることがまず必要だということなのだろう。

 話を作品の感想に戻すが、犬夜叉がやたらと珊瑚にきつく接しているのが気になる。あとで弥勒がフォローを入れているが、そこまできつく当たるシーンを描く必要があるのかがちょっと疑問だ。まだ本当に信頼し合ってるわけではない。いきなりそこまで親密にはなれないということを表現しているのかもしれないが、もう少し単純に進めてもいいのではないかと思う。

 だが、戦闘でのコンビネーションは原作を上回るものがあった。珊瑚が犬夜叉にニセ水神の頭に向かって投げ、その勢いを利用して犬夜叉が鉄砕牙で一気にニセ水神を斬るシーンは迫力があって、最大の見せ場だったと言えるだろう。こういうアクションは、表現緩和によって物足りなくなった部分を充分に補ってくれるものになる。これからも大いに期待したい。

 さて、この日はEDの画像取り込みとツッコミ原稿の原文書きをした。OPに比べれば、書くポイントが絞れていたので、取り込む画像も少なくて済んだ。あまりやたらに取り込むと、メディアを買い足さねばならない。買い出しに出る時間も馬鹿にならないので、その辺はうまくやりくりしていかねば…。

 22日、本作りの方が忙しくなってきたので、ここの原文が全然できていない。また今回も更新はお預けとなった。来週にはコミケの当落が判明するはずだ。ジャンルを移って3回目…。これまで1勝1敗だが、今度はどうなるか? うーむ、順番からいくと落ちかも…。(汗)

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