飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

4月10日(火)

 るみけっと2が終了して1週間…。のんびりと余韻に浸っている暇もない。るみけっと2開催間際の準備のために早めに帰宅していたツケが回ってきて、本業の方が超多忙に…。決算に監査に年度計画、わかってはいたのだが、綱渡りが続いてしまう…。懐具合の方も綱渡りが続くなぁ…。(汗)

 4日、原作「犬夜叉」だが、無双と犬夜叉の第2戦が始まる。その前に、無双の口から奈落誕生時の鬼蜘蛛の記憶が語られた。今回の重要ポイントはここだろう。鬼蜘蛛が妖怪たちに食われ、奈落が誕生したとき、鬼蜘蛛の意識はなくなったものと考えるのが普通だが、実はまだ意識(人格)が残っていたという事実が語られたわけだ。

 桔梗を襲ったときの記憶もしっかりある。が、意識(人格)はあったものの思いどおりには動けなかったようだ。思いどおりに動いていたら、桔梗を襲ってそのまま***していたに違いあるまい。鬼蜘蛛はそれを望んでいたのだし、犬夜叉の姿を借りていたことで桔梗の方も抵抗しない可能性があった。

 そうなっていたら、ドラマとしては深みを増していただろうと以前からずっと言ってきているのだが、そうしてしまうとドロドロとして大人のドラマになってしまうので、やめたのだろう。思うように動けなかったというのは、その辺の矛盾解消のためのフォローと言える。

 そして間もなく、鬼蜘蛛の意識(人格)は消えろと言われて奈落の体の中で眠りにつくことになる。つまり、もともと奈落の体には奈落と鬼蜘蛛の人格が同居していたということだ。そして、奈落はあえてその鬼蜘蛛の人格を分離した。もちろん、肉体も分離しているわけだが、人格を分離したことにも意味があるのだろうか?

 桔梗に対する弱点である部分は、肉体よりも精神(人格)の部分であると見ることもできる。桔梗に惚れているのは、あくまで鬼蜘蛛の人格とも考えられるし…。しかし、こんなことで簡単に弱点を克服できてしまったら、作品の底が浅くなってしまう気がしてならない。そう簡単ではないと思うが…。

 さて、この日は4が合わさって幸せの日とかいう話だが、大して幸せとも感じなかった。乱馬じゃないが、「おれって幸せだったのか?」と問いかけたくなる。でも案外、何事もないことが幸せだったりする。そういうのは不幸に襲われてみると実感できるだろう。そういう意味では幸せな日だったのかも…。(笑)

 5日、3月中旬からいろいろとあって、ちょっと本業の方がおろそかになっていたツケが一気に回ってきた。年度が明ければ、当然、前年度の決算があり、経理監査があり、新年度計画や予算資料の作成があるわけだ。わかってはいたのだが、3月中はどうにも手につかなかった。同人活動と同じで、締め切りに追われないとダメなのかな?(汗)

 もっとも、決算書類を作成しようにも取引銀行から年度末の残高証明書等の書類ができてこないと先に進めない。申請は遅れていないはずだが、この日になってもまだ連絡がない。監査の前日までには書類を揃えないとまずいのだが…。(私があせっても、銀行員にゃ伝わらないけど…。汗)

 その上、この日は今年度から新たに採用された学芸員の歓迎会もあったので、残業するわけにもいかなかった。おまけに二次会まで参加してしまったし…。(若い女性が3人いたもんで、つい…。汗)

 6日、ようやく銀行から証明書類ができたとの連絡があり、受け取ってきて決算書類の作成に取りかかれた。とはいうものの、休日が挟まるし、実際にはあまり時間がない。当然、帰宅が遅くなった。

 7日、るみけっと後、最初の休日なので、しっかり朝寝坊した。実際、前日までの仕事で疲れていた。早めに片づけなければならない問題もあったのだが、ちょっと壁にぶつかってしまって先に進めなくなってしまったので、とりあえず夏コミ用新刊本作成のための作業をした。

 といっても、漫画の準備ではない。どうも、あまり漫画を描こうという気が湧いてこないのだ。ネタはあるし、それらをいずれ作品化したいと思っている。ここ1年間、まともな創作活動ができずに、創作意欲がたまっていたのだが、るみけっと2が終わったら、スーっとみんな抜けてしまった。(おいおい。汗)

 絵コンテに向かおうと思っても、具体的な構図やコマ割りが全然見えてこない。こういうときに無理しても、苦し紛れの間に合わせ的な構図、コマ割りになってしまうことが多い。調子がいいときは、自然にコレと思う構図やコマ割りが浮かんでくるものだ。すべてのページについてではないが…。

 というわけで、るみけっと2合わせで作ろうとして断念した本の資料集めを1日中やった。こちらも、文章原稿自体は好不調に左右されるが、資料あつめにはそれほど波がない。不調のときは、地道に進められることをやっておくにかぎる。そのうち何とかなるだろう…。ならなかったら、笑ってごまかそう。(笑)

 8日、出勤だ。休日は電話も少ないし、上司から命じられる仕事もないから、たまっている仕事を片づけるにはもってこいなのだが、この日はお客さん絡みで突発の仕事ができてしまって、結局、ほとんどたまっている仕事に着手できなかった。うーむ、計算が狂ってしまった。代休明けが苦しくなってしまうな…。(汗)

 帰宅後は、前日の続きを少し進めた。結構面倒な作業なのだが、やり始めると、ついもう少しやっておこうかなんて気になってしまう。面倒だから、余計に少しでも進めておきたいという心理が働くのかもしれない。まあ、途中でやめたくなるよりはずっといい傾向だ。無理しない程度にがんばっておこう。

 9日、代休だ。この日もほぼ1日、新刊本のための資料集めをして過ごした。そして、19時からは「犬夜叉スペシャル」である。あくまで2話分を続けて放送するだけだから、質的にはそんなに期待していなかった。これが本当にスペシャルな質になれば大したものなのだが、出来としてはやはり普通だった。

 単純にOPとEDを含めて2話流すのでなく、つなげたかたちにしたのは(当然ではあるが)よかった。ただ、1時間枠での放送だからスペシャルと呼ばれるだけであって、作画や効果などに特別な見どころはなかったように思う。スペシャルなら、スペシャルなストーリーが欲しいところだったが、珊瑚が登場して犬夜叉一行のメンバーが出揃い、奈落との力関係に一定の均衡状態が形作られるまでは、オリジナルストーリーはやはり難しかろう。

 だからこそ、珊瑚登場までのストーリー展開を急いできたのだと思う。初代OPからフルメンバーを登場させたのも、そこまで一気にいくぞという方針が最初からあったのだろう。それはともかく、ストーリーが前のシリーズの途中から次のシリーズの途中までというのは、残念ながらスペシャルとしてはいかにも中途半端だ。もう少しTV局の番組編成とアニメの制作進行を合わせておくべきだったのではないだろうか?

 スペシャルと銘打つならば、後の単発再放送も考えて、単一シリーズの発端から完結まででまとめるべきだったと思う。個人的には、これまでがやや急ぎすぎの感があるから、少し進行を遅らせて、狼野干のシリーズでまとめるのがよかったのではないかと思っている。かごめの犬夜叉に対する気持ちが明確になるターニングポイントでもあるし…。

 そうまとめることで、現代から戦国時代の戻ったかごめに犬夜叉が「かごめにそばにいて欲しい…。」と言う原作の名シーンをカットせず、ラストの盛り上がりに持ってくることができたはずだ。アニメはアニメで、何もすべて原作どおりになぞる必要はないと思う。なぞるだけなら、逆にアニメ制作者の能力を疑ってしまう。しかし、ポイントとなる原作の名シーンは押さえて欲しいと思う。

 原作から読んでいる視聴者にとっては、原作の名シーンをアニメがどう表現してくれるかも大きな注目点である。思い入れの深いシーンが雑に描かれたり、カットされたりすれば盛り上がれなくなるのは当然だろう。いかにアニメ独自のものを目指す姿勢があるとしても、視聴者をがっかりさせることが頻発すれば、いずれそっぽを向かれてしまう危険性がある。

 もし、カットしたり、さらっと流した原作の名シーンをアニメ制作者が重要と考えていなかったとしたら、今度はアニメ制作者の作品読解能力を疑いたくなってくる。が、ここまで見てきたかぎりでは、シリーズ構成との兼ね合いで切られているという感が強い。今回の例も、次回に反動がくるため、この段階でかごめと犬夜叉のラブラブ関係を確定的に見せたくなかったという意図があるように思える。

 ただ、今回カットされた犬夜叉の「かごめにそばにいて欲しい…。」は、後に鋼牙とのことで喧嘩して現代に戻ったかごめが戻ってきたときに言った「そばにいてあげるわよ。」としっかり呼応しているだけに残念だ。上記のような意図があって、しかも放送の区切りが今回のようになった場合、カットした方がつながりがよくなるのは確かで、局所的に見れば正解と言えるのだが…。

 さて、内容についてだが、冒頭の現代のシーンがいい。原作でもそうだが、なんとなくホッとする。今回のヒットは、草太のリアクション(拡大解釈)だろう。いまどきの子供は、あんなにあわてたりはしないと思うが…。(勝手な言いふらしは、当然あるだろうな。笑)

 そのほかに目を引いたのは、奈落の発した瘴気の広がりの表現だ。あの効果はなかなかダイナミックでよかった。ああいうのはやはり原作では表現できない部分だし、アニメ化のメリットを感じるシーンである。これからも、こういう部分には力を入れて欲しいと思う。

 後半では、晴海と桔梗に関する各シーンが期待に応えてくれていた。技術的には特に目新しいものはなかったが、期待どおりにやってくれると見ていて気持ちがいい。全体的に晴海と桔梗の登場部分は渋くてなかなかよかったように思う。もちろん、小夜ちゃんもかわいくてよかったが…。(笑)

 新しいEDだが、殺生丸にスポットを当ててくるとは意外だった。が、逆にそれが新鮮でいい。途中にその回のシーンを数カット挟み込むのは最近の傾向としてお約束のようなものだが、毎回細かく変わるとそれなりに興味をそそられる。竜骨精が封印されている場所を殺生丸が訪れるシーンなどもなかなかおいしい。結構、魅せてくれた。

 10日、やっぱり代休明けの仕事はきつかった。翌日の監査に間に合わせるために思いっきり残業だ。何とか間に合ったが、かなり疲れた…。帰宅後は、当然のようにダウンだ。ここの原文も全然書いてないし、とても更新できる状態ではない。また、たまってしまうが、月末になればいくらか落ち着くだろう。

 もっとも、そうなるとすぐにGWでまた遅れる要因が増えてくる。そのあとは、原稿書きで忙しくなるし、結局、年中遅れてしまうんだな…。(笑) 今年は、ここもリニューアルしたいところなのだが…。

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