飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2001年>

1月2日(火)

 いよいよ冬コミに突入…。だが、新刊とはいえ再録本だったこともあって「REAL MEMORIES」は飛鳥鳳凰堂の初売り最低記録を作ってしまう。一方、知り合いのところはびっくりするほど客が来たと言う。売り子が男性だとよくないのかも…。客層の変化の波をもろにかぶってしまった部分もあるようだ…。(汗)

 12月27日、ほぼコミケへの出発準備も整い、あとは名古屋から届く本を待つのみとなった。さて、原作「犬夜叉」だが、椿のシリーズが終わった。かごめは呪い返しで椿を倒す。かつて桔梗が椿を倒したときと同じだった。が、かごめの力の発露はこれだけに止まった。あまり早く最強にしてしまうと先が持たないからだろう。おいしいところは小出しにしてくるな…。(笑)

 もっとも、今回のシリーズでかごめの潜在能力が非常に大きいということは示されたと思う。それは桔梗の最後の言葉に表れている。自分に勝てなかった椿がかごめに勝てるはずがない。これは、かごめの潜在能力が自分より大きいことを桔梗自身が察知しているということを意味している。

 ということは、完全に覚醒したかごめに桔梗は勝てないということを桔梗自身察知していることになる。以前、桔梗がかごめから四魂のかけらを奪ったときに言った「この世に在るのはひとりだけでいい…」という言葉を私は「この世に残るのはかごめで、自分は奈落と刺し違えて消える。」という意味ではないかと書いたことがあるが、やはりその路線かなと匂わせるものがある。

 それにしても、高橋先生はこのように伏線を敷くのが好きだなとつくづく思う。伏線だらけでよくわからんと言う人もいるが、私などはその伏線を読み取るのが好きだ。結構、そうやって大人も楽しませてくれているように思う。伏線を敷くというのは、あとにいい構想が出来上がったからだろう。期待してそのときを待つとしよう。

 28日、一旦仕事から帰宅して最後の準備を整える。名古屋から本も届き、最終的な梱包をして19時半には自宅を発った。宿に着くとまだ2人くらいしかチェックインしていない。とりあえずその2人と食事に出かけて21時過ぎに戻った。と、ようやくちょろちょろと人が集まってくる。が、以前と比べると大分寂しくなった…。

 この宿泊会の今後やるみけっとのことなどについて若干議論を交わす。が、翌日のこともあるのであまり夜更かしはせず、午前0時半頃には床についた。暖房が効きすぎて部屋が暑かったが、比較的よく眠れた。私はよく眠れたのだが、同室の相棒はほとんど眠れなかったらしい。どうしてかなぁ? もしかして、私が先に寝たから(騒音で)…?(笑)

 29日、コミケ本番だ。早朝5時半に一刻会会長の車で東京ビッグサイトへ向かう。7時の開場時間を待って入場し、設営をする。タイミングを見てるみけっと2のサークル参加申込書を配ることになっていたのだが、どうも他のるーみっくサークルの到着が遅い。実際、何サークルか遅刻してきた。何か交通機関に事故でもあったのかな?

 そんなわけで、配布は各サークルが揃うのをギリギリまで待って行った。あとは一刻会と飛鳥鳳凰堂に分けてブースに置き、希望者に持っていってもらうようにする。売る本が少ないので、飛鳥鳳凰堂の準備はすぐにできてしまって一般開場まで手持ち無沙汰だった。こんなことではいけないんだけどね…。(汗)

 さて、10時に一般入場がスタート。例によって、るーみっくはあまり人が来ない。来るのは昼からだ。今回もそのとおりで、展開としては例年と変わらなかったが、飛鳥鳳凰堂の本はあまり売れなかった。(合計で100冊以上売れて、あまり売れなかったなんて言うのは贅沢だろうか? 汗)

 まともな新刊を出してないのだから、その辺は素直に反省するしかないのだが、必ずしもそれだけじゃないように思える。今回、私個人としてはアニメ「犬夜叉」の影響でもっと増えるかと思っていたお客が思ったほど増えてないなという印象だった。ところが、知り合いのサークルからはものすごく増えてて驚いたという声を聞いた。

 場所的な有利、不利もあるのかもしれない。あまり飛鳥鳳凰堂のある島の通路にお客が多く来たようには思えなかった。その知り合いのサークルは別の島である。また、売り子に女性がいるかいないかも影響しているように思えてならない。というのも、ここしばらく不振だった一刻会の売り上げがかなりよくなっているのを目の当たりにしたからだ。

 ここ数年、内容的に以前のような濃い考察などがなくなってきて、かつての常連客が離れたという感もあったし、変わってきた割には漫画もほとんどなく、文字がまだまだ多い本なので最近の若い人たちからも敬遠されがちなのかなとずっと思ってきた。ところが、売れなかったそれらの本がきれいに売り切れてしまったのだ。

 もちろん、持参した数も少ないのだが、軒並み売り切れるというのはここしばらくなかったことだ。そこでこれまでとの違いを考えてみると、ここ数年はずっと売り子が男性だったのが、今回は女性がメインになっているという点がどうも大きいように思えてきた。

 外周沿いの島の角という場所的有利もあったのだが、以前にもそういう位置であまり売れなかったことがある。最近は女性客が多いから、やはり女性のいるサークルの方が手を出しやすいのかもしれない。逆に男性客が減っている感もあるし、その辺が私のところの不振に結びついてるのかな?(多分にこじつけ…。笑)

 だからといって女性客に媚びた作品を描こうとは思わない。無理して作風を変えたら、私が私でなくなる。私には私の持ち味があるはずだ。ただ、男性が売り子をしていることで買ってもらえないのだとしたら、ちょっと考えてみたくもなる。次回は女性の売り子を頼んで置いてみたらどうなるか? できたら試してみたいところだ。(あてはないけど…。汗)

 でも実際のところ、女性客にまったくウケていないわけでもない。最後までじっくり読みながら、ところどころで結構ウケてて、「うまいね。」なんて言ってくれてる女性グループもいくつかあったのだ。が、そういう人たちにかぎって、読むだけ読んで買わずに行ってしまう。これは何なんだろう…?(汗)

 儲けは別にどうでもいいのだが、お金を出して買う価値があると判断してくれることに「評価された」という喜びを見出してきたのだが、このリアクションはどう解釈していいのかわからない。評価しながら買わない…。単にお金がないのかもしれないが、だったら少し悩む素振りくらい見せて欲しいなとか思ってしまう。読み終えると、実にあっさりと本を置いて行ってしまうのだ。

 彼女らはその場にその漫画の作者がいるとは思っていないのだろうか? いたら立ち読みだけして帰るなんて失礼かもしれないとか考えないのだろうか? 内容を見て好みに合わず、「ごめんなさい。」という感じで軽く会釈して本を置く人がよくいるが、その人たちはちゃんとそういうことを考えてくれてるんだなと思う。気持ちが伝わってくる…。

 気にしない作家もいるかもしれないが、私と同様に気にする作家もいるだろう。強要することはできないが、作家サイドとしては「本を買う」という行為の意味をもう少し買い手サイドの人にわかってもらいたいなと思う。買いもしないのに「ファンです!」とか「スケブ(スケッチブック)描いてください。」とか言われたら、頭に「ぴきっ」とくる作家もいるはずだよ。

 さて、16時に1日目は閉幕し、撤収作業をして一足遅れで一刻会の打ち上げ宴会へと向かう。当初は1人で向かう予定だったのだが、飛び入り参加の表明があったので、2人で新橋の居酒屋に向かうことになった。おかげで混んでいるゆりかもめの車内でも退屈せずに済んだ。空が適度に暗くなり、青海付近の観覧車の電飾がアニメ「犬夜叉」のEDそのままに変わるのも楽しんだ。

 しかし、かごめちゃんはあんな雪の夜になぜゆりかもめに乗っているのだろう? 進行方向からすると国際展示場に向かっているのだ。もしかしてかごめちゃん、冬コミの徹夜組?(なんてね…。笑) そんなことや最近の原作「犬夜叉」のことなどを話していたら、あっと言う間に新橋に着いてしまった。売れ行き不振などのモヤモヤもおかげで忘れられた。

 新橋でちょっと迷ったので、少し到着がおくれたが乾杯には何とか間に合った。今回は一刻会会長夫妻の話がどうしても肴になってしまう。今回のコミケでおめでたが確認され、計算が合わないの何のと「めぞん」ネタと絡めて盛り上がったりする。本人たち不在の場で話題にするのも何だが、おめでたいことだから勘弁してもらうとしよう。(笑)

 ただ、そうなると必ず「飛鳥さんはどうなの?」という話になってくる。それはいちばん避けたい話題だ。(汗) いままでは周りが誰も結婚しなかったから余裕で構えてられたのだが、会長に続いて来年7月という会員も出てきてだんだん肩身が狭くなってくる。相手がいないのだからどうにもならんのだが、ある意味で積極的に求めなかったというのも事実だ。

 結婚してもこういう活動を続けたいと思ったら、パンピーとの結婚はもう無理だろう。見合いの話もないことはなかったが、オタク趣味の持ち主であることをちゃんと伝えてから話を持ってきてくれと言ったら、話がこなくなった。(汗) 別にかまわない。見合いの席で猫をかぶって、あとで「こんなはずじゃなかった。」と言われるのがいちばん嫌だ。

 最初から悪いところも全部さらけ出してつきあわないと生涯をともにすることは難しいと思う。もっとも、私は今のオタク趣味が悪いところだとは全然思っていないが…。(オークションでの散財は悪いと思ってるけど…。笑) そんなわけだから、理想はコミケで一緒に売り子ができる人というのを常々口にしてきた。今もそれは変わらない…。 

 そんなわがままなこと言ってるから、なかなか相手が見つからないわけだ。というかある意味、それを口実にして逃げてるところもあるかな? この活動は私の生き甲斐だから、結婚したり交際したりすることでそれができなくなるのが怖くて…。別に、このまま逃げ切ろうなんて思ってるわけじゃない。この活動をわかってくれる人がいればね…。

 結局、あまりそのことで突っ込まれることはなかったので、非常に楽しい宴会だった。(笑) でも、逆にそういう人ができたら、自分から話したくてしかたなくなるだろうね。性格的に…。究極の理想は、やっぱ高橋留美子先生だな。そんなの無理に決まってるけどさ…。(笑)

 30日、コミケ2日目だが、サークル入場するわけではないので、のんびり起きて11時半過ぎに東京ビッグサイトに着いた。もう、その頃にはすんなりと入れたので、とりあえず東5ホールから東6ホールをなめるようにして回った。突発で「犬夜叉」の本を出してるところがあればと思ったのだが、そのあたりには全然なかった。

 できれば全館くまなく回りたかったのだが、東京ビッグサイトは広い…。(汗) とても回りきれるものではない。14時頃にはとっととあきらめて、前日買えなかったトーンを買い、西の企業ブースに足を運んだ。今回のコミケでは、小学館ブースで「犬夜叉」の限定テレカが販売されているのだ。

 それは前日、人に頼んで買ってきてもらったのだが、買ったときにおまけにもらえる壁紙集のCD−ROMが欲しかったので、この日もわざわざ足を運んだのだ。2日目のこの時間でも「犬夜叉」のテレカは余裕で買えた。多分、欲しがる人がいるだろうと思い、3枚買って目的のCD−ROMをもらった。(でも、「犬夜叉」の壁紙は入ってなかった…。涙)

 そのまま西2ホールの知り合いのブースに立ち寄り、東4ホールに戻ってやはり知り合いのところを2、3箇所訪ねた。結局そのままコミケ終了までいたのだが、ブースの責任者がトイレに行くから代わりに売り子しててくれと言われ、20世紀最後のコミケの終幕をブースに座って迎えることになった。運命(さだめ)かな…?(笑)

 31日、宿をチェックアウトしたのち、宿泊仲間数人で新橋へ出て軽く(?)昼食をとってから解散した。まんだらけにでも寄ろうかと思ったが、前日歩き回って疲れているし、懐具合も寂しくなってきたのでそのまま帰宅した。帰宅後は留守中に録画しておいた番組を観て、のんびりと過ごした。

 多分、年明けの瞬間にチャットでカウントダウンとかしている人たちが多いだろうと思ったが、特に参加しなかった。実に静かな21世紀の幕開けであった。(単に、チャットに入り遅れただけだったりして…。笑)

 1月1日、のんびり起きてきてのんびり過ごした。元旦早々宿から送った荷物(本)やオークションで買った商品が届いたりしてびっくりしたが、適当にテレビを観たりしてのほほんとしていた。ちょっと風邪をひいたらしく、のどが痛かったのでおとなしくしていたというのもあるのだが…。

 2日、のどの痛みは前日よりひどくなっている。うーむ、正月早々風邪に悩まされるとはついてない。とりあえず箱根駅伝(往路)を観て、おとなしくしている。ここ数年、大したことはしてないが、例年にも増してつまらない正月になってしまった。普段は逃げてるくせに、こういうときは彼女でもいればなと思ってしまう。(何とも身勝手だな…。笑)

 そんなわけで、HPの更新はしなかった。もっとも、風邪でなくとも原文書きが間に合わなかったと思う。4月まではるみけっと2の準備でこんな調子が続くと思うが、それ以降、ここも大改造したいと思っている。HPを開設してそろそろ4年になる。今ではるーみっく関係のサイトも多くなった。

 コミュニケーション面では、他のサイトが充分に役割を果たしているから、今更そっち方面の開拓をしてもしかたなかろう。よそと同じことをやっても面白味に欠ける。私のところの売りといったら、やはり資料館だろう。資料館をメインにして、その中に飛鳥杏華のHPがあるというかたちにしようかと思う。

 構想ばかり先走ってもしかたないので、まずはるみけっと2の準備が先だ。そちらもスタッフ不足でるーみっく資料室(古同人誌ライブラリーなど)の開催が難しくなってきているのだが、何とか規模を縮小してもやりたいと思っている。それをやれないのなら、私が実行を買って出た意味がなくなるし…。

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