飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2000年>

12月19日(火)

 嵐の入稿から1週間…。しばし平穏な日々が戻ってきた。とはいえ、コミケ前に年に1度の部屋の整理もしなければいけないし、コミケの準備もしなければならならい。結局、そんなにゆっくり休めるわけではないんだよね。(汗)

 13日、原作「犬夜叉」だが、まだかごめは真の力と呼べるものを発揮するに至っていない。その片鱗は見せているが、「よくがんばっている。」という程度にしか見えない。犬夜叉たちもかごめが椿の呪いにどこまで耐えられるか心配しながら、何とかかごめが力尽きる前に呪いを解こうとしている。

 だからこそ、みんなが思ってもみなかった力を発揮しそうな気がしてならない。この辺の危なそうな展開はその逆転のための前フリだろう。子供なら、こういうとき本当にハラハラしながら読むんだろうけど、大人はつい定石のパターンで先を予測してしまう。しかたないけど、純粋さが足りないなと思う…。(汗)

 もっとも、それがどういうかたちで示されるのか? どこまでの力が示されるのかまでは大人にも予測がつかない。大人は大人で、どんなひらめきやテクニックで魅せてくれるかなと期待する。もちろん、予測を心地よく裏切ってくれるのも楽しみだ。自分の想像よりはるか上を行かれると、感動してしまうものである。

 1度はもう完全にダメだというところ(死の直前)までいくのではないかと思う。そこから甦り、力を発揮する…。ちょうど犬夜叉が、妖怪の血に目覚めて変化したときのように…。まったくかごめに何も起こらないまま終わるシリーズではないと思うが…。

 さて、この日は前日までの修羅場疲れで、帰宅後はすぐに寝ることにした。前日はちゃんと寝たものの、疲れは思いっきりたまっている。るみけっと準備会代表からいよいよ独自ドメインに作成した新公式HPが公開できる状態になったので、移行してくれとの依頼がきていたが、翌日対応で勘弁してもらうことにした。

 14日、いよいよ「るみけっと公式HP」を独自ドメインに移行だ。といっても、私のHP内のページをつぶして、新HPへのリンクに変えるだけの作業だが、これで管理と運営は私の手から離れることになる。新HPにおいては、サークル参加申込書のオンライン請求の担当のみだ。

 というわけで、オンライン請求フォームのページのみ私のHP内に作り、新HPから逆にリンクを張るかたちにした。外部からはいままでとHPのデザインが変わった程度にしか見えないかもしれないが…。(笑)

 15日〜16日、早速サークル参加申込書のオンライン請求が届く。こういうものはすばやく対応しないとオンラインで受け付ける意味がない。というわけで、朝までに届いたものは、その日のうちに発送することにした。これをずっと続けるのは難しいが、今回は前回より申込期間も短いし、なるべく早く対応したいと思っている。

 それはそうと、まだ「犬夜叉」の少年サンデーグラフィックを買っていなかった。発売されたのが修羅場の真っ只中だったから、とてもそれどころじゃなかったからだが、その後も少し忘れていた…。(おいおい。汗) 売り切れてしまうとまずいので、この日の帰宅途中に買おうと、1駅前で降りて書店に寄った。

 ところが、ない…。もう売り切れてしまったのか? この店だけならいいのだが…と、ちょっとあせる。翌日、神保町にでも出ればあるだろうとは思ったが、妙に落ち着かない…。こういうところは、子供と同じだ。(笑) 1駅移動して別の書店をのぞくと、1冊だけあった…。

 もっと大きな店なら、まだたくさん置いてあるだろうが、とりあえず安心したかったのだ。帰宅して中身を確認する。タイプとしては、「らんま」のメモリアルブックに近い方だった。それにしても、これまでのカラーページをすべて収録してくるとは思わなかった。これには参った…。(汗)

 連載開始からずっと雑誌のページを保存してきた身としては、ちょっと複雑である。もっとも、多くのファンにとってはありがたいことに違いない。ここまでサービスしてくれたのは過去に例があるまい。逆にカラーページの出来に非常に自信を持っているということも言えるのではないだろうか…。

 この夏から限定プレゼントされた複製原画の見開きページの生原画を見たことがあるが、本当にすばらしい出来である。あの複製原画は、残念ながら生原画の美しさを再現しきれていない。もっと鮮やかな色彩なのだ。その辺は印刷(コスト)の限界もあるのでしかたないところだが、自信を持って出せる出来であることは確かだと思う。

 一方、思ったほどアニメに関する情報はなかった。まあ、ネットオークションで設定集などを手に入れて早めに見てしたまったこともあるのだが、アニメ部分はそれほど感動という内容でもなかった。かつての「うる星」のサンデーグラフィック並にやってくれれば、思わず「おお〜っ!!」という声も出たろうが…。今後に期待しよう。

 17日、ようやく疲労もとれてきたので、運動を兼ねてショップ回りに出かけた。が、収穫はまったくなかった。結局、コミケカタログを買っただけだ。無駄な出費を極力避けたいという気持ちが働いたのだと思う。コミケもあるし、いろいろとお金の出る時期だから、これでいいのではないかな…。(笑)

 そんなわけで、ほぼ完全に見るだけに徹したのだが、まんだらけ中野店のマニア館でいきなり「犬夜叉」のサンデーグラフィックが売りに出されていたのを見て唖然とした。月曜日に発売された本がたった7日で古本になっているとは…。(汗) 私など、前日苦労してやっと手に入れたというのに…。

 まあ、いろいろな人がいるから、きっと気に入らなくて買って失敗したと後悔したのだろうと思う。私の目からは、そんな買ってすぐ後悔する本ではないと思うのだが、アニメ中心のもの(かつての「うる星」のサンデーグラフィックのような構成)を期待していた人には、あてがはずれたという気持ちが確かにあるだろう。

 その辺は中心ファン層の変化が大きく関わっていると思う。かつては、マニアックなものを好むにーちゃんたちが中心だったから、それを満足させるようなもの(データ類など)も多く見られた。が、今は小中学生の女の子たちが中心だ。カラーのかっこいい(かわいい)イラストの方がウケる。時代とともにファンも作品も変わったのだ…。

 18日、アニメ「犬夜叉」だか、雷獣兄弟との闘いの後半だ。予想どおり、飛天が満天の心臓を食うシーンは描かれず、頭にかぶりついて四魂のかけらを取り込むという行為に変えられた。まあ、いちばん無難なところでよかったと思う。最後の飛天が消滅して四魂のかけらが落ちるところなどは素晴らしい表現だと素直に感動した。

 そんな中、今回最も印象的だったと言えるのが、原作にない冒頭の満天の妄想シーンと満天の死に際のシーンだろう。これらは、非常にこの回の内容を高めるのに貢献している。が、その一方で大きな懸念材料になってしまった。前者では満天の憎めない部分を描き、後者では涙を誘うほどの兄弟愛を描いたわけだが、それによって飛天を殺した犬夜叉が悪者のように見えてしまう危険性が出てきてしまったのだ。

 それまではどうしようもない乱暴者だったけど、弟を殺されて泣き、その仇討ちのために立ち上がった兄を殺すなんてかわいそうじゃないか…。あのような涙を誘うような描き方をしてしまったがために、そんな感情が起こってしまっても不思議ではない。無用な心配かもしれないが、全体的な描き方として正しかったかどうか疑問が残ってしまうのだ。

 実際には、飛天たちは七宝の父親を含む多くの妖怪や人間を殺してきて何とも思っていないし、自分の弟が殺されたことについては「ひでぇ!」と言いながら、犬夜叉にとって大切なかごめを殺した(実際には、助かっていたが)ことはやはり何とも思っていない。要するに思いっきり身勝手な奴なのだ。それが見る側に伝わりにくくなってしまったとは言えないだろうか?

 この点は、原作でもよく考えないと気づきにくい部分だったが、原作では弟の心臓を食うという人間の目から見て異常な行為をとらせることによって飛天に対する同情をいくらかなりとも薄めることができていたように思う。しかし、あのような兄弟愛を描いてしまったアニメでは、より飛天への同情が集まってしまいかねない。

 いっそのこと、以前からチャンスがあれば満天を殺して、その妖力と四魂のかけらを奪おうと狙っていたのではないかと思わせるような描き方をした方がよかったのではないかと個人的には思っている。実は、これは原作を読んだときに私が抱いた疑念なのだが、四魂のかけらを取り込む直前に「にやっ」と笑ったりさせるだけで、充分表現できただろう。

 これはあくまで、私個人の心配の種でしかないので、「犬夜叉って悪い奴だなぁ。飛天がかわいそうじゃないか。」という声があまり多く出てこないのなら別にかまわないのだ。(少しはあってもいいと思う。) そうでないと、せっかく殺生丸と犬夜叉で妖怪と半妖の違いを匂わせるように描いたのが無駄になってしまうと思うから…。

 19日、嵐の入稿からちょうど1週間だ。ここの更新ができればやりたかったが、ちょっと原文が間に合わなかった。また土曜日更新ということにする。もっとも、土曜日は年に1度の部屋の片づけもしなければならない。1年分たまったサンデーから必要な部分だけを切り抜く作業には時間がかかる。ついつい他の作品を読んだりしてしまうので…。(汗)

 いよいよコミケに向かって臨戦態勢にも入るし、また更新が遅れ気味になるのは必至だろう。でも、一時ほど調子が悪いわけではないから、そのうち追いつくだろう。むしろ深刻なのは、コミケで飛鳥鳳凰堂の売り子を手伝ってくれる人がいないということだ。うーむ、どうしよう?(汗)

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