飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2000年>

4月25日(火)

 「犬夜叉」のアニメ化が決定! そして、るみけっと1は何とか無事に終了した。結構人が来てくれてにぎわっていたようだが、自分のスペースが忙しくてほとんどイベント全体を見渡すことができなかった。やっぱり、主催サイドの人間がサークル参加しててはいけないんだなぁ…。(汗)

 19日、「犬夜叉」だが、鋼牙と第4の妖怪・獣郎丸の闘いが始まった。が、危険を感じた鋼牙は早々に逃げ出す。この辺が犬夜叉と対照的だ。勝てない闘いに無理をしない鋼牙を卑怯者と見る人もいるだろうが、生き残っていくためには賢い選択ともいえる。相手の強さをしっかりと認め、引き際をわきまえることも大切なことだ。

 しかし、犬夜叉にはそんな器用なマネはできないだろう。猪突猛進、引くことのできない性格だ。だからこそ危険である。常に勝利か死かの選択を迫られることになる。その不器用さがまた主人公としてはいいのかもしれないが…。(笑)

 鋼牙が逃げたことによって、獣郎丸は犬夜叉たち一行と遭遇することになった。そして奈落は、鋼牙のときにははずさなかった鎖と轡をはずした。口からドロっと怪しげなよだれをたらす獣郎丸…。やはり知性はあまり感じられない。顔は美形だが…。

 ここでポイントになるのが、鋼牙のときには解かなかった封印を犬夜叉相手には解いたという点だ。1つは犬夜叉の方が力が上と見たためという考え方がある。しかし、どうだろう? ここまでの2人の闘いを見ていると、それほどの実力差は感じられない。

 犬夜叉には鉄砕牙と妖怪化という最終兵器があるから、その分、本気で殺し合えば勝利を得る可能性は高いだろうが、奈落がつけた差はむしろ本気で殺しにかかったか否かの差ではないかと思う。目標はあくまで犬夜叉で、鋼牙はその途中でたまたま出会ったにすぎない。ついでに遊んでみせただけなのだろう。

 それに対して本気で犬夜叉を殺しにかかった奈落…。獣郎丸と犬夜叉の闘いがどのように展開されるのか興味深い。不気味な獣郎丸の真の力と技とはどんなものなのだろう? 当然、苦戦は必至だと思うが…。

 さて、この日の少年サンデーで「犬夜叉」のアニメ化が正式に発表された。といっても、今秋からということだけで、あとは高橋先生のコメントがあるだけだ。とりあえず第1報をこの号に間に合わせたという気がしてならない。もしかして、るみけっと直前に間に合わせてくれたのだろうか?(笑)

 るみけっとに限らず、この号は東京国際ブックフェアや劇団☆新感線の東京公演初日の直前でもある。いろいろな意味で絶妙のタイミングだったと言えるだろう。おかげで、るみけっとも盛り上がるネタができた。ありがたいことだ…。

 20日、4月も下旬にさしかかり、いよいよるみけっと3日前だ。こんな準備状況でいいんだろうかという不安が頭をよぎる。が、そればかりでそれじゃ何をしたらいいのかという具体的なことが出てこない。気ばかりあせっているという状態だ。

 イベントそのものは一刻会で経験を積んでいるが、今回は規模が違う。初対面の人も山ほど来るのだ。一刻会のノリが通用するとはかぎらない。そうはいっても、それ以外のノリをそう簡単に作り出せるものではないが…。

 それと当日、飛鳥鳳凰堂のブースでやることについてもまだ完全には固まっていない。構想としては、ミニプレゼント抽選会というのが浮かんでいるのだが、具体的にどうやってプレゼントするか決めていなかった。自分自身の新刊が出せなかったから、せめて来た人に遊んでもらいたいなと…。何かいいアイデアはないものか…?

 21日、いよいよ劇団☆新感線の「犬夜叉」東京公演初日だ。オークションで何とかチケットを手に入れたので、もう昼間からそわそわしている。劇団☆新感線の実力と芝居の傾向はかつての「花の紅天狗」である程度把握していたから不安はなく、期待のみが膨らんでいた。

 ほぼ開場時刻に到着し、まずは席に荷物を置く。3階席だが、東京グローブ座ということろは日本には珍しいオペラハウス型の劇場だ。角度はきついが、3階でもステージには意外なほど近いのである。位置はほぼ正面で3階の1番前だから、手すりにもたれかかれば非常によく見える。

 開演前に1階ロビーの販売スペースに戻り、パンフとシナリオを購入した。売っていたのはこの2品と劇団☆新感線の過去の芝居のビデオ数作、それと「犬夜叉」の単行本1〜14巻だけだった。期待していたテレカやポスターはなかった。

 開演前の劇場内に流れているのはヘビメタ系のロックだ。それがだんだんと大音響になっていき、突然途切れたところで芝居がスタートした。芝居のBGMもかなりヘビーなロック調だ。メロディーラインは和風だが、なかなかこいつが心地よい。セリフが早口すぎて聞き取りにくい部分があるのは残念だが、スピード感はさすがに生の舞台ならではだ。

 かごめや弥勒の行動パターンや七宝のキャラそのものなど、原作とかなり異なっている部分もあるが、私は劇団☆新感線によってアレンジされた劇空間での設定として充分に割り切れたし、すんなりと受け入れられた。最初はかごめのノリが空回りするが、他の観客も徐々にこの世界に引き込まれていったようだ。

 佐藤アツヒロの犬夜叉は結構ハマっている。初期の荒っぽい犬夜叉のイメージだ。ちょっとガキっぽい突っ張りという感じで、引くことを知らず、突進していく性格を見事に演じている。劇団☆新感線だからギャグやパロディも満載だ。やってくれるとは思っていたが、しっかりやってくれた。こいつは期待以上かもしれない。

 チケットを4回分買ってしまって、買い手がなかなかつかなくて困っていたのだが、結果的に全部自分で使いたくなった。おかげでるみけっとに向けても気分が盛り上がってきた。この勢いをそのままもらえるといいのだが…。

 22日、るみけっと前日…。最後の準備を整える。まずは売る本をはじめとする即売会用品一式を梱包する。飛鳥鳳凰堂のミニプレゼント抽選会のやり方は小学館コミックフェアのまねと決めた。コミックフェアで随分とたまったドラえもん鉛筆とくじ引きのための箱を作るボール紙などを荷物に詰め込む。

 続いてプレゼント抽選会の投票箱とプレゼント品を紙袋に詰め込む。特にプレゼント品は忘れ物がないか入念にチェックした。1度には運び切れないので、まず17時過ぎ着を目途に1度宿に向かう。宿のフロントでスタッフの1人と落ち合った。そしてすぐにチェックインして私の部屋で軽い打ち合わせだ。

 というのも前日、彼から電話があり、当日会場で流すBGMについて打ち合わせをしたいと持ちかけられたからだ。何を隠そう、このときまで実は会場でBGMは流さないという方針になっていた。同人誌即売会の運営者がイベントの一部として音楽著作物を利用する場合、JASRACに使用料を払わねばならないのではないかとの懸念があったからだ。

 その件について彼が直接JASRACに問い合わせ、まだ具体的な徴収方法が決まっていないので、平成14年の4月までは特に問題ないとの回答を得た。そこで急遽BGMを流すことに決まったのだ。このことが準備会代表に伝わったのは、この数時間後である。まさに土俵際の大逆転で会場にBGMが流れることになったのである。

 その打ち合わせ後、ただちに家に戻り、2回目の荷物を持って再度宿に入った。そこで、飛鳥鳳凰堂コミックフェア用の抽選箱を組み立てる。他のスタッフや一刻会の面々と話もしたかったが、翌日のことを考えると夜更かしは禁物と割り切って早めに床についた。ちょっと暑くて寝苦しかったが…。

 23日、いよいよるみけっと当日。予定どおりに起床して朝食を済まし、準備会代表の車で予定どおり8時頃会場に到着した。会場の使用は8時半からだったが、もう入ってもいいと言うので早めに準備を開始した。

 いろいろと細かいところに詰め切れれてない部分があってロスも多かったが、それでも即売会スペースの設営はそれなりに予定どおり進んだ。むしろ問題だったのが私のプレゼント抽選会展示スペースだ。先に組み立ててしまうと運搬時にかさばるので、投票箱などはどうしても当日会場で組み立てなければならなかったのだか、これに意外と時間を食ってしまった。プレゼント品も当日でなければ広げられないし…(汗)

 BGMの方もつらい状況だった。前日に決行が決まったという裏事情なので、事前にオーディオ機器を借りる契約をしていない。ラジカセなどを持ち込んだが、とても会場全体に音は行き渡らない。そこはもうあきらめるしかなかった。(汗)

 さて、こうして苦戦しながらも何とか予定どおり即売会開始のアナウンスを迎えることができた。即売会が始まってしまえば、あとは経験豊富なサークルのペースで自動的に即売会は進んでいく。この辺は実にありがたいことだ。

 飛鳥鳳凰堂も自分のペースで即売会を進めた。新刊がないので本の売れ行きは期待できないから、その分、プレゼントで喜んでもらうことにした。また、その他に「らんま」の作画資料などを掲載した昔の同人誌や「らんま」と「うる星」のアニメ絵コンテ数冊を持ち込み、希望者に閲覧してもらうことにしたのだ。

 スケブ(スケッチブック)も4冊頼まれたが、身内のもの1冊を後日回しにさせてもらって、3冊を何とか時間内に描いた。もっとも、ああいう場では態勢も悪いし時間もないので、どうしてもうまく描けない。画材もちゃんとしたものがないから非常につらいし、申し訳ない。

 もし、スケブを持ち帰って後日送ることで許してもらえるなら、自宅でじっくりとカラーで描いてあげられるのに…。そう思っている作家は私だけではないようだ。もっとも、そのために女性客が男性作家に住所を教えるのはちょっとためらわれるかもしれない。難しいところだな…。

 こうして即売会の時間はあっという間に過ぎ、とうとう昼飯を食う間もなくお茶会へと突入してしまった。が、その移行までに思っていたよりずっと時間がかかってしまった。各サークルの撤収作業を邪魔しないように机の配置を変えずに移行するという計画が裏目に出た部分もあった。

 結局、15分遅れでのお茶会スタートだ。この遅れのせいでいろいろと影響が出てしまった。そもそもお茶会は乾杯から15分間はフリーな交流タイムの予定だっだのだ。しかし、スタートが15分遅れてしまったことで、最後の撤収時間を考えるとすぐにプレゼント抽選会を始めざるをえなくなってしまったのである。

 しゃべることについてせっかくイメージトレーニングしてきたのに、ほとんど無駄になってしまった。というより、時間に追われているあせりから、まず自己紹介するのをすっかり忘れてしまった。最後に気づいて付け加えたけれども…。(笑)

 プレゼント抽選会の方は予想より早く進行した。が、不在者当選ありのルールが盛り上がりに水を差したのは事実として認めざるをえないだろう。不在者当選を認めた理由は2つある。1つは抽選の際に不在者が続いてやり直しを繰り返すことになると進行が遅れるという危惧があったからだ。

 そしてもう1つは、残っていないと当選できないとなるとお茶会に残る人が増大し、会場に入り切れなくなる危険性があるからである。こちらの方はちょっと洒落にならない事態となってしまう。不在者当選ありのルールは、それを避けるための苦肉の策だったのだ。

 そんなこんなでいろいろ不備も露呈したが、一応は大きな迷惑をかけることもなく、るみけっと1は無事幕を閉じることができた。撤収作業がまた非常に手間取ってしまったが…。(汗)

 るみけっと終了後、スタッフは秋葉原で打ち上げの食事会をし、続いてカラオケで責務からの解放感にひたった。反省点だらけだが、とりあえず場の提供はできたと思う。あとはマイナスを消し、プラスを増やしていけばいい。まずは会場の広さをプラスしないといけないが…。(汗)

 24日、出勤だ。るみけっと翌日ということもあってつらいかと思ったが、思ったほどでもなかった。仕事を早めに終えて、この日は2回目の「犬夜叉」観劇だ。が、この日は前回と違ってミスが目立った。

 裏陶がセリフの途中で笑ってしまうことは前回もあったが、今回はそのあとで奈落が笑ってしまった。悪役の親玉である奈落が笑っては締まらない。こういう笑ってしまうNGというのは伝染するらしく、第2幕ではかごめが笑ってしまい、それに言葉を返そうとした犬夜叉がセリフの前に完全に「プッ」と吹いてしまった。(汗)

 こういうハプニングやアドリブシーンの違いというのは生の舞台の楽しみと言える。それを楽しめるのはリピーターの特権だ。まあ、それなりの投資はしてるわけだし…。でも、やっぱりビシッと締めるところは締めて欲しいな。

 25日、とりあえず帰宅後、遅れていた「気まぐれモノローグ」の4月11日分と18日分を加えた。それでもまだ遅れている。すぐに一刻会の全国集会があるから、その準備でまた遅れることになるだろう。

 うーむ、せめて1週間分だけでも何とかしたいところだが、そうなると集会の準備の方が徹夜になってしまうな…。(汗) 更新しなくても徹夜になるかもしれないけれど…。(笑)

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