飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<2000年>

2月22日(火)

 るみけっとまであと2ヶ月、しかしサークル参加者としての準備は一向に進まない飛鳥…。少なくとも頼まれた原稿だけは仕上げねばならない。ようやくペンをとってはみたが…。(汗)

 16日、「犬夜叉」だが、思わず「そっちへ来たか!」と声を上げてしまった。地念児の話で、力ずくで自分の居場所を確保してきた過去の犬夜叉の姿をあえて描こうとしなかったのは、大分人間的になってきたヒーロー・犬夜叉のイメージを壊さないためかと思っていたのだが、もしかしたらこの妖怪への逆行をいずれ描くときのために見せないでおいたのかもしれないと感じてしまった。

 犬夜叉の中に流れる妖怪の血が目覚めるとき、犬夜叉は変化し、桁外れな力を発揮する。鉄砕牙など必要ないくらいに…。しかし、それとともに人間らしい心も失ってしまう。殺戮を楽しんでいるかのようだ。この姿は決してかごめが望む姿ではないはずだ。

 この妖怪への逆行が起こったことで、少なからず犬夜叉とかごめの関係は変わってくることになるだろう。より強い敵を倒すためには妖怪の血が必要だ。しかし、妖怪化したときの犬夜叉はもはやかごめが知っている犬夜叉ではない。この方向に動き出したことで、決着はまだまだ先ということになりそうだ。

 また、犬夜叉が妖怪の血を目覚めさせたのは、この先、天生牙を使いこなしていくことになる殺生丸との対比という面でも面白い。この2人の立場が逆転したらいままでにない面白味が出てくるのだが、そこまではさすがにいかないか…。(笑)

 さて、この日はまたしても飲んで帰ることになった。ほんとに突発で決まることが多いから大変だ。バンドの練習が中止になったこともあって、断る理由がない。前の職場と違って人数が少ないから、つきあいはより大切にしないとやっていけない。この辺はサラリーマンの悲しい宿命だ。(汗)

 かなり酒が入ったので、帰宅後はさっさと寝てしまった。オークションの方もだんだん根性が萎えてきた感がある。そうでないと本気で破産してしまうから、ちょうどいいのかも…。(笑)

 17日、2週間前の健康診断の結果説明を受けるために、虎ノ門の方にある診療所に立ち寄った。結果はまずまず良好だ。悪いのは、ここのところオークション病にむしばまれている脳味噌だけだろう。おかげで懐もかなり痛むが…。(笑)

 それだけなら自業自得で済むのだが、肝心なことを忘れてしまっていた。(汗) ビッグコミック・オリジナルの読み切り新作「日帰りの夢」の予告が載った号を買うのをすっかり忘れていたのだ。うーむ、不覚もいいところだ。この日の帰りにあわてて探したが、次号発売の2日前ではさすがに返品されたあとだった。(汗)

 このままではどんどんダメな人間になってしまう。(まだ、ダメになってないつもりかい? 笑) もっとも、私のグッズ集めは裏資料館(いずれはギャラクターグッズ資料室として一般公開)の拡充という目的を兼ねている。要は、見せたいのだ。一人占めするのではなく、見せることで共有したいのだ…。

 結局は持ち物自慢と見られてしまうかもしれないが、裏資料館の期間限定公開中、掲示板に「見ているだけで幸せだった。」という書き込みもあった。私の狙いはそこにある。もちろん、それはインターネット上でなくてもいい。それらを展示するイベントがあってもいいだろう。

 今、たまたま博物館に勤務していることも影響しているのだが、夢のまた夢として高橋留美子記念館の設立なんてことも空想してみたくなる。何人かの強者コレクターが集まればモノはかなり揃うだろうが、いったい誰が建てるのかな…?(笑)

 18日、仕事が忙しい日だった。帰ってからはもう何もする気力が起こらない…。一時的に休むつもりでベッドに寝ころがったら、そのまま少し寝てしまった。すぐに気づいたけれど、そのくらい疲れていたのだ。(汗) そろそろ頼まれた原稿だけでも手がけないとまずい時期だが、こう疲れてしまうと話にならない。

 とりあえず帰宅途中に買った「犬夜叉」の14巻を読んで気分を盛り上げてから、ノートにラフ・イメージを描いてみた。まあ悪くはない。当初は左うしろ30度から狙った女らんまのヌードイラストを描きたかったのだが、本の主宰者に難色を示されてしまったのでしばらく構図に悩んでいたのだ。が、ようやくこれで構図が決まった。問題はこれが手描きカラーイラストだという点だが…。(汗)

 19日、寝坊をするつもりがつい早く目覚めてしまった。イラストに取りかからねばという気持ちもあったが、まずはビッグコミック・オリジナル掲載の新作「日帰りの夢」を読むのが先決だ。というわけで、朝飯前に近くのコンビニで買ってまず一読した。

 うーむ、いつもながらこのシリーズにはズーンと来るものがある。扉絵のあおり文句や柱の言葉が非常に重く響いてくるのだ。「思い出の数は、今の私にとってどれだけ重要ですか。」、「人は過去を少しずつ忘れる。だから、今を生きていける。」、これらはいつまでも過去の作品を最高のものとして賛美し、そこから動こうとしない人にはきつい言葉となりうる。

 これは、「うる星やつら」完結から約1年後の「そろそろみんな夢から醒めてもいい頃…」発言やそれに続く「夢の終わり」、「1ポンドの福音 〜小羊どもの夢のあと」といった作品にも見られた一貫した流れでもある。そして、今度のタイトルもまた「日帰りの夢」だ。

 主人公の東雲氏の年齢がまた微妙である。中学3年のときのクラス会に対して25年ぶりと言ってるのだから40歳なのだろう。これは私などのるーみっくファンの上限年齢層と同じ年代である。しかも25年前と言えば、高橋先生自身が漫画を描きはじめた頃でもある。

 そうしたものが頭にあるから、比較的淡々としたストーリー展開にもかかわらず何度も読み返さずにはいられなくなる。これは解説を書くのが難しい作品だ…。最後になぜ東雲氏は1人で食べるつもりだった駅弁の押し寿司を3人で食べたのか…。そこも重要なポイントだろう。

 というわけで、この作品を読んでしまったことで自分の原稿どころではなくなってしまった。ついつい読み返したくなって落ち着いて描けないのだ。代わりに、めぞん一刻・初出掲載時資料室のための扉絵の取り込み作業を進めた。

 もう随分と長いことストップしたままになっているのは、ひとえにこの扉絵の取り込みが大変だからである。よりきれいに取り込むために、スピリッツを丁寧にバラして取り込んではまたもとに戻すという作業をしていたのだが、さすがにこれがつらくなってきた。そんなところへネットオークションで「めぞん」の扉絵の切り抜きが出品されたものだから飛びついて落としたのだ。

 これが手に入ったおかげでスピリッツをバラさずに済むようになったのは大きい。この日は11話分を取り込んだ。取り込み終わったあとは売却先が決まっているのだが、かなり美品なのでちょっと手離すのが惜しくなってきてしまった。さて、どうしようか…?(笑)

 20日、出勤だ。いつも休日出勤のときはあまり仕事がないから楽なのだが、この日は金曜日のやり残しが結構あった。翌週の出張のことがあるから進めておきたいこともいくつかあったし、割と忙しくなってしまった。

 そんなわけで、帰宅後はちょっとのんびりしてしまった。金曜日にラフ・イメージを描いたイラストは手つかずのままだ。自分の本が落ちる分には自業自得だからいいが、他人様の本の裏表紙となると責任は重い。重いから慎重にもなるし、腰も重くなる…。(やる気がないわけではないのだが…。汗)

 21日、前日の代休だ。ここへきてようやくペンを持つ気になった。まずは午前中に下描きを終えた。まずまずの出来だが、ちょっと位置が悪かった。もう少し絵を左上に寄せたかったので、上から原稿用紙を貼ってトレスした。

 午後からはトレスした方にペン入れをした。まずは1枚仕上げたのだが、どうも1部納得がいかないところが出てきてしまった。そこでペン入れしたものの上にまた紙を貼り、再度トレスしてペン入れにかかった。ところが、これも途中で失敗してしまった。

 手描きのカラーイラストはホワイト修正ができない。失敗は即描き直しだ。そこがつらい…。「REAL LOVE」シリーズで表紙にCGを使っているのも、その辺の影響が大きい。もっとも、それでも手描きの方が遥かに早いのだが…。(笑)

 22日、帰宅後はここの更新作業だが、原文書きに時間がかかって他の更新がままならなかった。高橋留美子漫画作品一覧に「日帰りの夢」も追加しなければならないが、ちょっとすぐにまとまった解説は書けそうにない。もっとじっくり読み込まなくては…。

 今の職場に変わってから、昼休みの自由時間が短くなってしまったことが大きい。もっとも、毎日まめに書いていれば更新日になってこんなにあわてることはないのだが、うーむ…。(汗)

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