飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

11月23日(火)

 どうもすべてに渡ってやる気が起きない。起きても長続きせず、すぐに沈静化してしまう。精神的にたるみ切って、張りを取り戻すのが難しくなっているのか? いくら引っ張ってみてもしわが伸びないのと同じで、このたるみを戻すのは今のままでは困難なように思えてくる。何か強烈な刺激が欲しいのだが…。(汗)

 17日、「犬夜叉」だけがここのところ新鮮な刺激となっている。今回もまたやってくれた。高橋先生は先を読ませないように伏線を2転3転させながら読者を引き込んでいく。「うる星」のとき、笑いをとるパターンを予測させないように苦心したという話は有名だが、「犬夜叉」ではそれをシリアスな謎に応用していると言えるだろうか。ギャグの場合は常識はずれの「そんなのありか?」というはずし方ができるが、シリアスな謎の場合はそれ相応の裏づけが必要で、それだけ高度な技を要求されるわけだ。

 それはともかく、今回は何といっても神楽のちち…じゃなくて、背中の蜘蛛だろう。奈落と同じ鬼蜘蛛のやけどの跡だ。これが出てきたことでまた神楽が奈落本人である可能性が示唆されたことになる。しかしその一方で、かごめの「あたしたちと初めて闘うみたいだったわ。」という指摘が否定として働く。それじゃ、「あんた、奈落の何なのさ!?」というとこで終わったわけだが、あの背中の蜘蛛を繰り返し見ているうちにふと浮かんできたものがあった。

 犬夜叉が指摘した奈落と同じ臭い。そしてまた奈落と同じ背中の鬼蜘蛛のやけどの跡…。しかし、かごめの矢を恐れず、初めて闘うようだったという印象を残している点…。これらから考えて神楽は奈落と同じ体であり、かつ別人なのではないかと…。要するに50年前、鬼蜘蛛をつなぎに数多くの妖怪が集まって生まれたのは必ずしも奈落1人ではなかったのではないかということだ。

 神楽と奈落はともにあのとき、同じ鬼蜘蛛と妖怪たちから生まれた双子なのではないだろうか? 1体として生まれず、2体に分かれて生まれてしまったがために完全な妖怪となりえず、半妖となってしまったとも考えられる。そして、初めからこの2人が同時に生まれていたとすれば、これまで引っかかっていた謎か一気に解けるのだ。

 以前から、50年前に犬夜叉になりすまして桔梗を襲った犯人と桔梗になりすまして犬夜叉を襲った犯人が同じ奈落だというのには疑問を持っていた。というのは、奈落が狼野干をけしかけたとき、変化の途中で自分では動けないと言っていたからだ。ここから、奈落の変化が完了するには一定の時間が必要なことがわかる。あの言葉が事実ならという条件つきだが、奈落が犬夜叉の姿から桔梗の姿に早変わりするのは困難で、そこに大きな矛盾を感じていた。

 だが、同じ体と変化の能力を持つ神楽が最初から奈落とともに存在していたとすれば、犬夜叉になりすまして桔梗を襲ったのが奈落で、桔梗になりすまして犬夜叉を襲ったのが神楽だったと仮定することができ、その謎は一気に解決することになるのだ。

 しかし、そうだとすると神楽は50年前に犬夜叉とすでに対面していたことになる。かごめの「初めて闘うみだい…」という指摘とは合致しなくなるわけだ。そこがこの説の弱いところだが、50年前、神楽は犬夜叉を一方的に矢で襲っただけで、直接闘わなかったという見方もできる。前回の神楽の「そう… あんた生きてたの。」という言葉が、暗に「50年前に死んだと思ったのに…。」という意味を含んでいる可能性もないとは言えないのだが…。

 さて、この日の帰宅後は上の説が浮かんだことでちょっと興奮状態がおさまらなかった。はずれている可能性も高いが、自分としては久々にいいポイントを突けたなという気持ちが強くて、このことを書かずにはいられなかった。犬夜叉MLに送るべく一気にメールを書いたのだが、それが終わるとまた沈静化してしまった。せっかくやる気が少し起こったと思ったのに、はかない命だった。(汗)

 18日、何とか前日の盛り上がりを取り戻そうと、こんどは同じネタを一刻会MLの方に送ってみようと思った。一刻会の方は無茶苦茶な冗談をやってもよかろうと思ったので、ありえないような妙なこじつけ的説も一緒に加えてやろうと狙ってみたのだ。一応、それなりに書けたのだが、書き終わったところでまた沈静化してしまい、送信しないまま寝てしまった。(これは、いよいよ病気かもしれないな…。汗)

 19日、帰宅後はバレーボールのW杯をまず観たのだが、あまりの完敗ぶりに気分が沈んでしまった。このままでは日本男子は1勝もできないのではないかという気にさえなってしまう。ここいちばんに弱いチームの体質は、人が入れ替わってもあまり改善されていないようだ。サッカーの五輪代表のような若くて才能のある人材がバレーボールにも欲しい。

 何も今のメンバーに能力がないとは言わないが、層が薄いという点は指摘せねばならないだろう。いくら最長身だといっても、32才になった大竹に頼らねばならないのは淋し過ぎる。故障者が出たにしてもだ…。サッカーのように根底の人材育成から進めて選手層を厚くしていく必要があるだろう。そのためにはVリーグを完全プロ化して有能な選手が高額の年俸を得られるようにすることも大切だ。かつては格下だった国が軒並み強くなったのは、イタリアのプロリーグ「セリエA」の影響が大きいことを無視してはならないと思う。

 20日、どうも精神的低迷は解消されない。お宝探しで掘り出し物でも見つかればという期待をこめて出かける。まあ、そうでなくともほとんど毎週出かけているが…。(笑) もしかしたら福間未紗のCDも早めに出ている店があるかもしれないから、そっちもついでに回るつもりで神保町行きをやめて中野から回ることにした。が、いきなり中野駅でミソがついてしまった。(汗)

 駅はいつものようにそこそこ混雑していた。改札を出て、私は中野サンモールに向かうべく右に曲がろうとした。自分の右側には若い女性が歩いていたが、そのままの流れで歩けば私は女性の後ろを抜けて曲がれるはずだった。ところがその女性は自分のバッグの中をのぞきこむと急に立ち止まってしまったのだ。当然の結果としてドスンと衝突だ…。

 まあ、そんなことは混雑した場所ではよくあることだし、女性の方があやまらなくてもお互いさまという気持ちで済ますつもりだった。で、女性が立ち止まったのなら、前を通過しようと1歩前を横切ろうとしたのだが、今度は女性が急に歩き出したため、またぶつかってしまった。これもよくあることだ。大したことではないと思った。ところが、その女性は「ちょっとぉ!」とまるですべてこちらが悪いかのように声を上げたのだ。

 ちょっと待て、バッグの中をのぞき込んでよそ見していた上に、急に立ち止まり、また急に歩きだしたあんたが悪いんじゃないのか? 車同士の衝突だったら、わき見運転、急停車、急発進…、すべてそちらの過失の方が大きいはずだぞ。ここで私がひとこと言い返すと事が大きくなって無用の時間を浪費することになるから無視して歩を進めたが、むかむかした気分はおさまらない。その女性に限らず、お互いさま精神に欠ける行動をとったり、余計なひとことを言ったりする自己中人間がときどきいるから困る。

 前日、職場の同僚が係長と話しているのを横で聞いていたのだが、子供連れの若い女性が座っていた中年男性に席を詰めてくれと言ったことから始まったらしい。聞いた話だからどういう状況だったか詳しくはわからないが、詰めるに詰められない状況だったのかもしれない。しばらくたってから、しかたなく男性は渋々立って席を譲ったのだが、ここでその女性が「立つならさっさと立ちなさいよ。」と聞こえるように言ったらしいのだ。当然、中年男性は腹を立てる。求められた以上のことをしてやって何で怒られにゃならんのだと…。

 と、その女性も反撃する。「こんな中年男に負けてなんかいられないわ!」と…。これもちょっと待てだ。トラブルを拡大するような余計なひとことを言ったのはあんたじゃないのか? しかも、そのあとの言葉は差別発言だ。セクハラだぞ…。これが若くてかっこいい男の子だったらどうだったと言うんだ? せめて黙って座っていれば何も起こらなかったはずだ。さらに、心ではそう思っていても、かたちだけでも「どうもすいません。」と言っておけば、渋々立った男性の方も「まあいいか。」という気持ちになる。

 「ああいうことは思っていても言っちゃいけませんねえ。」という弥勒のセリフは、こういうところにもピッタリあてはまる。もっとも、そう言う自分にとっても他人事ではない。いつもはそう心がけていても、そのときの気分でつい事を荒立てることをしてしまうことがある。とりあえず、この日はトラブルを拡大させるようなことを言い返さずには済んだが…。

 さてお宝探しだが、中野ではあまり収穫がなかった。最後に2FのDEEP館に寄ったが、めぼしいものは見つからなかった。ふと、高橋留美子コーナーの向かい側に目を転じるとポスターの1枚うしろに何やら衣類がハンガーにかけられてぶら下がってるのが目に入った。スタジャンだ…。それだけでもおもしろいと思って何だろうとモノを確認してみたら、少年サンデー創刊30周年記念のスタジャンだった。胸には玄馬パンダだ。こいつはおもしろいなと思って買っておいた。

 当然使用済みだろうが、クリーニングはしてあるようだ。Lサイズだが、ちょっと小さくも感じる。新品ならコレクションにしようと思ったのだが中古品だし、自分で着る気にはならないし(笑)、欲しがる人がいるかもしれないからプレゼントに回すことにした。続いて渋谷に出て、吊り広告ポスターや原作絵の市販ポスターを何点か仕入れた。市販品だが、いままであまり出回っていないものだったのでつい…。(笑)

 帰宅後は吊り広告ポスターを裏・高橋留美子*ぷち資料館に加える作業をした。こうやってその場ではそこそこ盛り上がれるのだが、どうもそこで途切れてしまう。あとが続かないのだ。自分では意識してなかったし、意識したくもなかったのだが、これもある意味で「老い」というものなのだろうか? だんだん、まあいいやという気持ちになることが多くなってしまってる。このままボケてしまいたくはないのだが…。(汗)

 21日、あまり気乗りはしなかったのだが、一刻会の「そると」14号の編集に参加すべく日野に出向いた。このまま家にこもっているとどんどん腐ってしまうと思ったので、編集メンバーに会うことで少しは気持ちを盛り上げようと思ったのだ。しかし、全然人が来ていない…。すでに編集作業も残り少ないからそんなに人手がいるわけでもないのだが、ちょっと淋しすぎる。最終的には会長と私だけだ。

 会長は、何とかあと8ページ追加したいという意向を持っていたが、じゃあ誰が何をやるんだというところで詰まっていた。周りを見回しても私しかいない…。結局、私が出て行かざるをえなくなった。好調なときなら別にいいのだが、ここのところ絶不調の自分が出て行かなければならないところに淋しさを感じる。役目を負うことからは引退したはずだったのに…。

 その場では原稿を書けないので、編集会はさっさと終わってしまった。時間が若干あったので帰りに福間未紗のCDを買って帰った。帰宅後はCDを聴きながら原稿の草案を練ってみる。だいたいイメージはできたが、問題はどうやって8ページ持たせるかだ。まあ、こうやってまた役目を負うことでどん底から脱出できるかもしれないし、いい方に考えるようにしよう。

 22日、午後から外部セミナーに参加するため、渋谷に外出した。夕方、セミナーが終わって職場に連絡を入れる。何事もなければそのまま帰宅許可をもらい、渋谷ならあそこしかないというお店に向かうつもりだった。(まったく、土曜日に行ったばかりだというのに…。笑) しかし、そう甘くはなかった。プログラムにトラブルが出たので戻ってくれと言われて職場に戻った。まあ、お宝探しできるのも本業で給料もらってるからなんだし、それはしかたがない。

 トラブルの原因をさっと調べて、チョチョイのチョイとプログラムを直して、パパーっとテストをして、ホホイのホイと運用プログラムと差し替えた。実際、簡単な直しだったし…。言っておくが、プログラムミスではないぞ。設計時の業務要件に入ってなかった事例が出たから起こった不具合だ。その辺はちょっぴり自己弁護しておきたい。

 帰宅後は、またついバレーボールを観てしまった。熱戦だったが、日本男子はやっぱりここいちばんという大事なところで踏ん張りきれない。土壇場になったときに頼れるカリスマ的アタッカーがいないのがつらいところだ。こいつで負けたらしかたないんだと本当にみんなが納得できるような実力的裏づけを持ったアタッカーが相手チームにはいる。その差がああいうところで出てくるように思えてならない。

 TV観戦のあとは原稿の方に取りかかるつもりだったのだが、強烈な睡魔に襲われてしまった。こういうときは無理して書いても、また結局書き直しになることが多い。さっさとあきらめてメールの返事の方を書いた。通販の申し込みもあったし…。結局、そんなこんなで寝るのが遅くなったのだが…。(汗)

 23日、祝日なので午前中にここの原文をほぼ書き、午後から吉祥寺に出かけた。福間未紗のインストアライブを観るためだ。インストアライブを見るのは、2年3ヶ月ぶりになる。が、考えてみたら吉祥寺で降りるのは1992年9月のリスのライブ以来だ。何やら妙な因縁を感じてしまう。そういえば、福間宇宙四部作完結編と銘打ったこんどのCDの正規発売日である11月22日は、7年前にリスが解散した日でもある。

 ライブの会場は吉祥寺PARCOの8階にあるWAVE吉祥寺だ。15時半過ぎに到着すると打ち込み音やキーボード、マイクの音量設定などを行っていた。とりあえず、10月末からメール交換をしている福間ファンとその仲間を探す。間もなく発見できたのだが、どうも話しかけるきっかけがつかめず、しばらくすぐ後ろにいた。そこへ、彼らの知り合いがもう1人到着して挨拶を交わし合ったので、そのタイミングを見計らって自ら名乗った。

 そこから先はもうすんなり仲間入りだ。るーみっくファン同士のときもこんなものなので、こういう入り方には慣れている面がある。もっとも、私の想像を超えるような強烈な個性派ばかりだったら、さすがに入り込めなかったかもしれないが…。(笑)

 インストアライブは予定より若干遅れてスタートした。結構な人数が集まった。福間未紗はニューアルバムから5曲を歌ったが、うち2曲がリス時代からの曲だった。ライブの冒頭ではギターのストラップをケースの中に忘れてきたり、ストラップをつける際に誤ってシールドを抜いてしまったりと昔と変わらないボケぶりを見せてくれた。つい、心がホッと微笑んでしまう。

 ライブ後のサイン会を経て、今日会った仲間と喫茶店でしばらく話しをした。まあ、なかなか濃い連中が揃ったものだ。そのうちの1人は、やはりリス時代からのファンで、どうも見覚えがあると思っていたのだが、むこうも同じことを思っていたらしい。当時はお客が少なかったし…。(汗)

 そのあとの予定が何もなければお酒でも飲んで遅くなるところだが、この日の深夜に福間未紗が文化放送のラジオ番組に生出演するというので、みんな自粛して早めに帰宅の途についた。

 帰宅してからはここの更新の続きだ。今回は結局ここと裏・高橋留美子*ぷち資料館だけになってしまった。とにあえず、インストアライブに行ったことで福間未紗関係も1つの達成感を得たことだし、ここからはちょっとるーみっくの方を盛り上げて、うまいこと二股に励むとしよう。(おいおい、こらこら…。汗)

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