飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

11月16日(火)

 風邪はまだ尾を引いている。いまひとつるーみっく的な盛り上がりに欠ける1週間となった。そんな中、コミックマーケット57の当選通知が届く…。今年の冬コミはどうしたものか? まだ何も準備してなかったりして…。(汗)

 10日、「犬夜叉」だが、相変わらず高橋先生はわざと読者の予想を二転三転させるようにストーリーを展開してきている。これは「犬夜叉」になってからの大きな特徴と言えるだろう。前回、ヒヒの毛皮をかぶった奈落が傀儡であることが明らかになったことで、再び神楽が奈落自身である可能性が出てきたのだが、今回はさらに読者を惑わすような展開を示してきた。

 まず、神楽がかごめの矢を恐れていない点が重要だ。かつて、かごめの矢で体を吹き飛ばされた奈落はかごめの力を、矢を非常に恐れていたはずだ。神楽が奈落本人なら、あんなに余裕のある応対はできないだろう。風を操る技を会得しているから矢を受けない自信はあるとしても、ほとんど警戒している様子もない。これを見るかぎり、神楽が奈落本人である可能性は極めて低くなった。

 ところがそのあとで、犬夜叉が神楽から奈落と同じ臭いがすると指摘した。神楽もそれを肯定する発言をする。ここで再び読者は、やはり神楽は奈落自身なのかと思わされる…。この辺は実にニクイ演出だ。そう思わせたということは、恐らくその逆なのだろう。素直でない私は、それでかえって神楽が奈落本人ではないと感じたわけだが…。(笑)

 ここで浮上してくるのが、神楽が奈落の娘であるという説だ。すでにもっと早い時点からそういう説を唱えていた人もいるが、私としては慎重に見つめてきた。奈落も50年生きてるんだから、あのくらいの娘がいてもおかしくはない。ただ、そうなると神楽の母親は何者なのかという疑問がつい出てきてしまう。どんな女なのか、興味深いし…。(笑)

 もっとも、奈落自体もともと何匹もの妖怪が寄せ集まって生まれた半妖だ。となれば、自らの体を分けることも可能なのではないかという考えもできてくる。奈落と同じ臭いというのが何を意味するのか、その辺が微妙だ。娘だった場合、同じ臭いと言いきれるかどうかというところに、いまひとつ神楽が奈落の娘だという説に乗れない部分が残されている。次回、果たしてその辺の謎か解かれるのだろうか? 期待して待つとしよう。

 さて、この日の帰宅後は出張疲れを癒すことに専念した。仕事の方はそれなりにこなせたが、やっぱり疲れている。特に背中に疲れがたまっているので、リスや福間ミサ(リス時代は「ミサ」とカタカナだった。)のソロライブのテープを聴きながらベッドに寝ころがっていた。やっぱり好きなものは体になじむ。るーみっく作品に触れているときもそうだし、気の合う仲間といるときもリラックスできる。これがいちばんだ。(笑)

 11日、平成11年11月11日と1が並んだ日なので、朝から駅では記念乗車券を売っていた。結構並んでいる…。余裕があればのぞいていきたいところだが、なかなかそうもいかない。記念乗車券を集める趣味もないし、その辺は結構淡白だ。これが、高橋先生の絵でも絡んでると、遅刻してでも並んでしまいそうだが…。(こらこら…。汗)

 帰宅後は、結局前日の続きとなってしまった。風邪もまだ治りきっていない。熱とのどの痛みはおさまったが、咳が出てしかたがないのだ。バレーボールのW杯もつい観てしまう。もともとバレーボール好きだから、日本が勝っても負けても、個々のプレーや展開を観るのが楽しみなのだ。しかし、日本だけでなく、どのチームもかつてほど攻撃が多彩ではない。結構決まったパターンでしか攻めてこない。その辺はちょっと不満が残ってしまうのだが…。

 12日、翌日から1泊2日で職場の旅行なので、帰宅後はその準備に追われた。まあ、だいたい毎年パターンは決まっているのだが、それだけについ準備の方もギリギリになるまで放ったらかしになってしまう。妙に緊張感のない出発前夜だ…。(笑) ただし、睡眠だけは充分にとっておかねば…。夜の麻雀に備えて…。(笑) というわけで、いつもより早めに床についた。

 13日、旅行へ出発だ。例によって、バスが走り出すともう酒盛りだ。この辺は一刻館の連中のノリと同じだ。毎年、1人は旅館に着く前にアブナイ状態になってしまうのがいたりする。(笑) あまり酒が強い方でない私は、いかにして車中で飲みすぎないようにするかが問題だ。宿に着けば、ひと風呂浴びてすぐまた宴会なのだし、そのあとは麻雀もある。勝たなくてもいいが、大負けだけはちょっと避けたいし…。(笑)

 その辺は今年もなんとか無難にこなせた。天候にも恵まれて、途中の白樺湖でのパターゴルフ大会もそれなりに楽しめた。といっても、ゴルフなんてまともにやったことはない。せいぜい2、3回、打ちっぱなしの練習場でドライバー握ってカッ飛ばし、ストレス発散させたことがある程度だ。パットなんて細かいことはやったことがない。(笑) それでも、そんなにひどい結果にはならず、私がそれほど足を引っ張らなかったせいか、私のいるチームが優勝した。

 宿に着いてひと風呂浴びたら、夕食を兼ねた宴会だ。今年のコンパニオンは結構若い娘が多かったが、どうも私はコンパニオンとかホステスとかお仕事で相手をしてくれる女性とお酒を飲むのが苦手だ。もともと、得意分野以外のこととなると口下手になってしまう私だから、こういう席では浮いてしまう。他の人たちが喜んでるんだから、コンパニオンを呼ぶのはやめてくれとも言えないし、とりあえず適当に時間がすぎるのを待つしかない。こういう奴は珍しいのかもしれないが…。(苦笑)

 宴会後はまずサッカー五輪予選の後半を見て、しばらく休息…。やがて麻雀がはじまった。旅行では毎回このパターンだ。早く寝られれば寝られたでそれに越したことはないが、麻雀で徹夜する覚悟も最初からしていたから特に苦になることはない。問題は翌朝になってからだが…。(笑) 結局、半荘10回くらいやって、かなり浮き沈みの激しい展開だったが、最終的には+20くらいで終わったようだ。午前5時半までやって、ちゃんと集計をする元気が残ってなかったので、誰がいちばん勝ったのかは不明だが…。(笑)

 14日、2時間足らずの睡眠で2日目の行動だ。当然、バスの中は貴重な睡眠スペース。せっかく蓼科まで来たのに、ほとんど紅葉を眺めることもなかった。結局、温泉と宴会とコンパニオンと麻雀があればどこでもいいってことなんだな…。(そんなこと言うと、幹事に怒られるかもしれないが…。汗)

 2日目のメインは手打ちそばの体験道場だ。4人1組でそば粉を練るところから、伸ばして、切って、ゆでるところまで全部やる。当然、自分たちか打ったそばは自分たちの昼食となるから、失敗は許されない…。(笑) もっとも、ちゃんとおばちゃんが指導してくれるから、かなり太くて不揃いのそばになるのを我慢すれば、結構うまいそばができる。こういう企画はなかなか気がきいているが、できれば元気なときにやりたかった。(汗)

 さて、渋滞も多少あったが、ほぼ予定どおり16時半頃には東京に到着した。解散後、まっすぐ帰るにはちょっと時間があったので、中野の方へ足をのばした。中野といえば、やっぱりあのお店だ。(笑) 先週、熱を出して行けなかったので、つい…。(睡眠不足はどこへ行ったんだろうね? 笑)

 まずは確認してみたかったのだが、この前のすだれは見事に売れていた。やっぱり買う人っているもんなんだなーと妙に感心してしまう。そればかりか、「めぞん」の吊り広告ポスターやタペストリーの類も軒並み売れていた。うーむ、私がここで書いたから買いにいった人がいたのかな? まあ、多少高くても欲しいという人の手に渡るのなら、それはそれでいいと思う。

 この日は、4Fのマニア館で「らんま1/2 メモリアルブック」が売れるのも目撃したし、るーみっくグッズを求める人がやはり増えてきているのかもしれないなと感じた。ちょっとうれしくもあり、ライバルが増えてちょっと深刻でもある…。(笑) そんなことを言いつつ、ここでお宝のある場所をばらしてしまってるのだから、人がいいにもほどがある。本気でライバルに勝つつもりなら、自分の漁場は教えるべきじゃないんだろうけど…。(笑)

 結局、収穫はあまりなかった。以前より大分値が下がった「らんま」のテレカとテレパルのおまけの「うる星」のクリップ、それと「らんま」のペーパーディッシュ(紙のお皿)くらいだ。ペーパーディッシュはプレゼントに回ることになるだろう。これらがどこにあったかは内緒にしておこうか…。(どっちみち、お店にはもうないんだから内緒にしても意味ないが…。笑)

 15日、うまいこと休暇がとれたので、旅行疲れを癒すのにあてた。といっても、たまっていた発送物の荷造りと発送もしなければならなかったし、そんなにゆっくり休めたわけではない。荷造りをしながら、そういえばそろそろコミケの当落通知が届く頃だなと思い出した。1階に降りて窓から郵便受けをのぞいてみると、水色のラベルが貼られた封筒が目に入った。

 これで6回連続の当選だ。そうとわかったらあわてなかった。そのまま通知を取りにも行かず、再び2階で荷造りを続けた。その間に盗まれたりしたら、えらいことだったが…。(笑)

 今度の冬コミは例年と違って12月24日から26日までの3日間だ。これまで3日間開催の夏は常にるーみっくは3日目だったのだが、今度の冬コミからは2日目となった。申し込み時のジャンルコードもそういえば以前と変わっていたし、これからは夏もずっと2日目になるのかもしれない。これは、女性同人や女性ファンが増えたことが影響しているのではないかと思う。

 これまでの3日目というのは、要するに男性向け創作(18禁)と一緒の日ということだった。これは恐らく、男性向け創作(18禁)のいわゆるロリ系が、そもそも「うる星」のラムをターゲットとして生まれたという歴史的背景があるからだろう。17歳でロリというと、近年の感覚ではちょっと変に感じるかもしれないが、当時はそう位置づけられたのだ。その後、「うる星」キャラから「らんま」キャラへと引き継がれ、1992年夏に「セーラームーン」が大ブレイクするまで、高橋留美子系は男性向け創作(18禁)の中心ジャンルでもあったのだ。

 もちろん、そういうサークルばかりだったわけではない。健全派のサークルもたくさんあったし、るーみっくキャラを使った18禁本やその発行サークルを強烈に批判する人たちもいた。しかし、コミケのジャンルとしては高橋留美子系として1まとめにされたり、場所が分かれても同じ日のほぼ隣接するブロックに位置するようなかたちが続いてきている。

 ところが、ここへきて状況が大きく変わってきた。いまや高橋留美子系は売り手も買い手も女性の占める割合の高いジャンルとなってきたのだ。男性向け創作(18禁)付近のスケベ心と殺気と脂汗の入り混じった異様な雰囲気は、女性が入っていくには相当勇気のいる空間を形成している。その近所に高橋留美子系があるのは、もはや正しいかたちとは言えないだろう。今回の日程移動は、そういう意味からすると正しい変更と言えるのかもしれない。男性向け創作(18禁)にも興味のある人には残念な変更かもしれないが…。(笑)

 16日、帰宅後はここの更新作業だ。大したできごとはなかったのだが、結構「気まぐれモノローグ」の原文に時間がかかってしまった。他には日曜日の帰りに仕入れてきた「らんま」のテレカを裏・高橋留美子*ぷち資料館に加えたり、既刊同人誌の在庫部数を更新する程度がいいところだった。

 そして気がつけば、冬コミまでもう1ヶ月余り…。今回は最初からコピー本で臨むつもりでいる。いつもの「落としてごめんなさい本」でなく、まともなコピー本を作りたいものだ。何か、まともなコピー本の作り方を忘れてしまったような気もするが…。(笑)

メニューに戻る