飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

10月5日(火)

 入稿が終わり、呪泉郷端展示即売会3まであと1週間…。緊張から解放され、一気に集中力が低下していく中で、プレゼント用の色紙を描かなければならない。手描きカラーが苦手な飛鳥は、この局面をどう乗り切るか…?(汗)

 9月29日、「犬夜叉」だが、前回に続いてのラブコメ路線がいよいよ本格化してきた。まあ、先週も書いたとおり、次の大きな(あるいは重い)シリーズの前の戦士たちの休息、嵐の前の静けさというところだろう。それにしても北条くん、あっさり下級生に乗り換えるとは…。でも、彼自身の幸せを考えたら、その方がいいのかもしれない。(笑)

 そのことでかごめに問いただす友達二人…。この二人は、以前からちょっとおいしいキャラだなと思っていて、自分のパロディ漫画にも登場させたりしたのだが、今回もいい味出してくれている。友達思いの面と興味本位の面、特に後者がちらつくところがいかにも人間くさくて好きだ。自分の秘密は知られたくないけど、他人の秘密は知りたいものだったりする。私個人としては、髪の短い方の娘が好みだが…。(こらこら…。笑)

 一方、戦国時代の方で興味を持って見つめているのが、珊瑚と七宝だ。弥勒は男と女のことに関しては経験豊富(?)なので、時が解決するのを待つ姿勢だ。注目されてる犬夜叉だが、みんなが見てると見栄を張って迎えにいかないところや、迎えに行きながら何もせずに帰ってきたりするところは乱馬とかなり性格が似ていると思う。いや、ある意味であたるも似たようなものだろう。高橋先生のヒーローキャラの典型的性格と言えるのかもしれない。

 重い展開や激しい闘いのシーンが続くと、つい彼らの年頃を忘れてしまいがちだが、実際にはああいうことで悩んだり、ドキドキしたりする年頃なんだなと再認識できる。決して聖人やスーパーな存在になりきらないところにるーみっくキャラの魅力があるのだ。昔から、金持ちのいい男に思わぬ弱点があったりね…。(笑) それはともかく、この痴話げんかはどのようにして終息に向かうのだろう? 何か、それどころでない事件でも起こるのだろうか?

 さて、前日に新刊の入稿を終えて一段落だ。呪泉郷端展示即売会3に向けては、プレゼント用の色紙を描かなければならないが、まだ日がある。それよりも一刻会会報の原稿だと思い、帰宅後、パソコンに向かった。

 だが、どうもよくない。どうしてもスタッフを退いたことなど、暗い方向に話がいってしまう。あまりそういうことは会報の誌面に出したくないのだが、書き出すとそっちへそっちへと行ってしまうのだ。何度も書き直すが、いいネタが出てこない。人間、使命感みたいなものに追い立てられなくなると、どうもダメになってしまうらしい。こういうのを「なまる」と言うのだろうか。どんどんこういう生活に慣れていってしまうのが怖い…。(汗)

 30日、前日に続いて一刻会の原稿に向かうが、やっぱりダメだった。早々にあきらめて、色紙の絵柄を考えることにした。昨年は、絵自体もイマイチだったし、色鉛筆で見栄えもしなかった。かすみおねーさんを描いたのも影響したかもしれない。私の色紙を欲しがってくれたのは4人しかいなかった。それが悔しくて、昨年の冬コミでCOPICを買い込んだのだが、年賀状の絵を描いて以来、放ったらかしだった。(おいおい…。汗)

 カラーの練習をしてないから不安はあるが、失敗したらしたで何とかごまかそう。(笑) 問題は絵柄だ。やはり好きなキャラほど描きやすい。とはいっても、前回と同じでは芸がないし、キャラの選択が希望者の意に添わなかった可能性もあると思うので、今年は変えることにした。最近の即売会は、やはり女性が多い。それを考えると、やっぱりかっこいい男性キャラにした方が欲しがってもらえるだろう。ちょっと打算的だが…。(汗)

 10月1日、引き続き色紙の絵柄を考える。キャラは決まったが、どんなアングルがいいか、どんなポーズがいいかいろいろと考えてみる。参考に単行本を取り出してかっこいいポーズを拾ってみるが、そのうちつい読みふけってしまう…。いかんいかん、こんなことをしていては…と思うのだが、まだ日があると思うと気が緩んですぐにまた脱線してしまうのだ。ダメになったなー。(って、もとからこうだったけど…。笑)

 とりあえず、鉛筆描きで裸婦…じゃなくて、ラフ画を2、3枚描いてみた。実際、ちょっと脱線して裸婦(らんまちゃんの裸にエプロン姿)も描いてしまったが…。(笑) それは置いといて、一応候補を絞った。あとはカラーの練習だが、それは翌日回しということにして寝た。(ああ、根性が萎えてる…。汗)

 2日、前日に描いたラフ画に色を塗って、カラーの練習をするはずだったのだが、その前に次週に備えて持っていく本の整理をしようと、在庫の詰まってるはずの箱を開けた。が、出てきたのは夏コミで買った本ばかり…。そういえば夏コミのあと、すぐに読みたい1部の本を除いて買ったものをすべてこの箱に入れて持ち帰り、そのままになっていた。(汗)

 まあ、今年は例年になくいろいろとあったからしかたない面もあるのだが、せっかく他の同人作家ががんばって作った本を放ったらかしてしまうとは、何とも申し訳ない…。申し訳ないので、その場で全部読んでしまった。(笑) というわけで、カラーの練習は夜になってしまったが、他の作家の作品に目を通しておくことも大切だ。ネタがかぶってないか心配だし、他の作家のがんばりを見ることで次への意欲がかきたてられる。

 それにしても、随分と若くて新しい人たちが増えてきたように思う。若いうちからいいものを見慣れてるせいか、最近の新人には最初からかなりいいレベルに達している人も多い。そんな中で、自分の存在意義はどこにあるのだろうとふと思ったりする。絵の質では、いずれあっさりと若手たちに抜かれていくだろう。この若い連中の中に混じって、果たして同人として生き続けていけるのだろうかと…。

 しかし、現在のるーみっく系同人には、長くて(といっても、同人誌では十数ページから長いうちに入るのだが)ストーリーや構成のきっちりした漫画を描く人は、残念ながら数えるほどしかいない…。私は、少なくとも自分自身ではそういう漫画が描ける存在だと思っている。その辺が、自分の存在意義なのかなと思う。ベタで鬼畜なショートギャグも相変わらず好きだが、これからは他の人には描けないようなものを描いていきたいとも思う。

 3日、一刻会会報の編集会に顔を出すために日野へ向かう。が、先月同様、ちょっと寄り道したりする。途中に中野があるのだからしかたあるまい…。もっとも、その前に渋谷に寄っているので、確信犯であることはバレバレだが…。(笑) それなりに収穫もあるし、プレゼントグッズの買い出しにもなって、結果的には役立つこともあるのだからまあよいではないか…、と勝手に自己完結したりして…。(笑)

 さて、中野の2階にあるまんだらけギャラリーで高橋先生の色紙を発見した。絵柄は女らんま、主線は黒、ピンクで髪と服と目の中が塗られている。サインはグリーンだ。主線は結構ラフなタッチだが、一応、下描きをしている。色の塗りはそこそこ丁寧だから、プレゼント品か何かだろう。過去のサンデーを調べればわかるかもしれない。値段は32万円…。次回目録掲載予定らしい。

 以前の自分なら手描きで色つきだし、欲しいと思ったかもしれないが、今はそれほどでもない。もともと他人がもらったサインを買うことに抵抗を持っていたし、この春、絵こそ印刷だが、自分自身が高橋先生に目の前でサインしてもらったから、あえて買ってまでとは思わないのだ。金銭的価値は、この手描きの女らんまの方が高いだろうが、私にとっては目の前で自分のために書いてもらった色紙の方がずっと価値が高いのだ。もっとも、これが原画となると、また話が変わってくるが…。(笑)

 そうした寄り道を経て、遅れて編集会場に着いてみると人の集まりが悪い…。スタッフは引退した私だが、この状況では手伝わねばなるまい。人手が足りていれば編集作業はせず、会長と「るみけっと」のことを話し合おうと思っていたのだが、会長も用事で不在だったし、久々に編集作業を手伝った。編集が終わる頃に会長が遅れて到着し、編集後、ファミレスで食事をしながら「るみけっと」について話し合った。

 「るみけっと」は4月23日(日)、東京・御茶ノ水の損保会館5Fでの開催が決定した。会場が取れたことで、告知とスタッフの正式募集が必要になってくる。一応、夏コミのときに一刻会のブースにチラシを置いたが、話によるとあまり積極的に配布していなかったようだ。これではまずい…。るーみっく系サークルとファンが集まる呪泉郷端展示即売会3では、もっと積極的な告知をしなければいけないと思ったのだ。

 まだ、細部まで決められる段階ではないが、さしあたって10日から積極的な広報とスタッフ募集をはじめること、冬コミではサークル参加申し込み書の配布を行うこと、年明けあたりにスタッフの顔合わせの集まりを持つことなど漠然としたスケジュールを確認した。個人的な都合もあったが、5月以来放ったらかしになっていたここの情報もそれに合わせて更新することにした。いずれは、専用掲示板も設置しようかと計画しているが…。(あまり大風呂敷広げない方がいいかな? 笑)

 4日、帰宅後、色紙に下描きをする。しかし、当初予定していた絵柄ではうまく描けない。何度も描き直してるうちに、色紙の表面が毛羽立ってきてしまった。あまり気に入らない絵だが、これ以上の描き直しは不可能と考え、とりあえずそのままペン入れまでしてみた。

 こんなこともあろうかと色紙は2枚買っておいたから、この絵で練習をして、もう1枚をプレゼントに出せばいいだろう。この1枚目も、色を塗った結果がよければ、当日、欲しいという人にあげてしまってもいいと思う。あくまで、出来がよければの話だが…。

 5日、帰宅するとコミックマーケット57の受認通知が届いていた。一応、無事に申し込みは受け付けられたようだ。そして、ここの更新作業だ。「気まぐれモノローグ」も2週間分書くことができ、ようやく追いついた。「るみけっと」のページも更新したかったが、ちょっと時間が足りなかったので、とりあえず日程と会場決定の告知だけに止まった。

 さて、いよいよ呪泉郷端展示即売会3だ。その前に新刊もできてくる。小さな即売会だから数は売れないだろうが、少しでも多くのるーみっくファンと顔を合わせたい。私にとってはそれがいちばん楽しい時だから…。

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