飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

9月21日(火)

 呪泉郷端展示即売会3に向けていよいよ修羅場モードの飛鳥…。何とかメインとなる16ページ漫画を描き終えたものの、表紙イラストなどまだまだ描かなければならない原稿が残っている。この状態で果たして間に合うのだろうか?(汗)

 15日、この日が祝日だから、前日の14日にサンデーは発売されていたのだが、いつものペースというのもあるのであえてこの日に「犬夜叉」の感想を書くことにした…。なんちゃって、実は先週すっかり忘れて書き落としたというのが事実だったりして…。(おいおい。汗)

 いよいよ犬夜叉と鋼牙の闘いがはじまったのだが、その隙をついて一旦逃げた極楽鳥の親玉が鋼牙を襲った。右腕を噛まれた鋼牙は、強引に腕を引き抜いたが仕込んでいた四魂の玉を奪われ、深い傷を負う。

 犬夜叉は鉄砕牙の一振りで極楽鳥の親玉をしとめ、その力を示したうえで再び鋼牙と闘おうとしたが、深手を負った鋼牙はかごめに抱きかかえられていた。それを見て「抱き合ってる?」と感じる犬夜叉の感覚はちょっと苦しいものがあるが、話としてはそういう方向に持っていきたいのだろう。その辺の意図が強く感じられた。

 この犬夜叉のリアクションが出たことで、この先、あまりマジな闘いが展開される可能性は低いなと感じた。恐らくこの3人だとラブコメ路線になるだろう。マジになるとすれば、「らんま」の真之介編のようなかたちになるが、今回のシリーズはそこまで深刻なものにはならないような気がする。

 あまりにも順調に犬夜叉とかごめのラブラブ路線がきているので、ここらへんでちょっとこじらせようというのではないだろうか? 雨降って地固まる…ということかもしれない。いままでの作品とは違う路線できていたのが、ここへきて同じような展開になることにちょっと不安がないでもないのだが…。

 さて、飛鳥杏華はというと、この日も引き続き自分の漫画のトーン貼りだ。トーンの出し入れにかかる時間を節約するために、同じ種類のトーン(たとえば、キャラの服とか)を全ページ通して貼る。もとからそうしている人もいると思うが、私の場合はたいてい1ページずつ仕上げていく。効率は悪いのだが、1ページ、1ページできあがっていくことで達成感が得られるし、進捗の度合いを明確に把握できるという利点があるからだ。しかし、今回は余裕がないので、時間節約を優先した。

 とりあえず、各キャラの服と基本的な影つけを全ページ貼り終わり、あとは前日の続きからページ単位で進めて、8ページ目の途中まで終えた。結局、5連休で仕上げることはできず、かなり厳しい状況になってきた…。(汗)

 16日、この日は研修時代の同期との飲み会があった。帰りもそこそこ遅くなったし、酒も結構入っていたので、少しはトーン貼りを進めようと一旦は机に向かったのだが、ほどなくダウンしてしまった。(汗) 結局、貼れたのは3箇所程度だ…。トーン貼りが終わってもまだ作業があるし、土日で仕上げて月曜日入稿というのは、ちょっと無理になってきたようだ。

 話は前後するが、この日、帰宅途中に書店に寄った。いつも地元の書店では、単行本が発売日の2日くらい前から出ているので、「犬夜叉」の12巻を買って帰ろうと思ったのだ。が、残念ながら店頭になかった。今月はまだ店頭に出してなかったのかと思ったが、よく見ると同日発売のほかの少年サンデー作品の単行本は並んでいる。どうやら、この日店頭に並べた分はすでに売り切れてしまったらしい…。

 売り上げ総数でいくと、同じ少年サンデー作品の中では「名探偵コナン」や「烈火の炎」にかなわないというのが現状のようだ。しかし、発売直後の出足の早さは「犬夜叉」が勝っているのかもしれない。それだけ、楽しみに待っている人が多いということだろうか? それとも、単に入荷数が少ないのか…? 後者ということは、まずないと思うのだが…。

 17日、帰宅時に「犬夜叉」の12巻を買った。が、読む前にまずは漫画の方を進めなくてはならない。トーン貼りの続きに取りかかるが、結構どのトーンを使うか迷うところが出てくる。背景の効果などは、かなり試行錯誤することが多い。なるべく、同じページに同じトーンは使わないようにしないと誌面が単調になってしまう。なかなかどうして、頭をつかうのだ。

 直観的にポーンとイメージの浮かぶ右脳発達型人間ならいいのだが、私はどちらかというと理詰めの左脳発達型(というほど発達してないかもしれないが)人間なので、これで時間を食ってしまうことが多いのだ。大して売れてるわけでもない同人のくせに、トーンの種類を豊富に揃えているものだから余計迷ってしまうのかもしれない。

 もっとも、気に入ったトーンがなければ買い出しに行ってしまうたちだから、要はこだわり過ぎなのだろう。こだわるほどうまくないのにと言われそうだが、そうやってこだわってるところがたまらなく楽しくもあるのだ。読んでる人はそこまで読み取ってくれてるかわからないが、同人活動というのは突き詰めていけば自己満足の世界だ。自分自身が満足できることがまず第1だと思っている。

 そういうポリシーはポリシーでいいのだが、実際のところ作業が進まないのもじれったい。こだわりたい心と進めたい心の葛藤だ。もう少し早く着手していれば解決できた問題ではあるのだが…。(ダメなんだよなー。汗) 結局、この日は1ページしか進まず、9ページ目の途中までだった。

 18日、朝から作業だ。最近は半徹や貫徹はしないようにしているので、睡魔による集中力の低下はないのだが、当然、深夜の時間がまるつぶれだから進んでいない。夜中にこっそり、小人さんが作業をしてくれるなんてことは残念ながらないのだ。(あたりまえか…。笑)

 時間があればお宝探しにも行きたい土日だが、とてもそんな余裕はできそうになかった。トーン貼りの試行錯誤とともに、どうしても修正せずにいられない箇所も出てくる。場合によってはコマ単位で描き直しということもする。ベタを塗って、ある程度絵が完成に近づかないとおかしなところに気づかないことも多い。

 改めて見ると首が長過ぎたり、肩幅が広過ぎたり、胸のふくらみのかたちが悪かったりと気に入らないところが出てきて、時間がないとわかっていながら、がまんできなくなる。描き直して、前よりいい絵になれば、そこでまた1つ満足感が得られるわけだ。結局、私の同人活動というのは、自己満足の追求とその結果を公表して共感を得るのが目的なんだろうなと思う。

 そういう目的は目的でいいのだが、やっぱり作業が進まないのはじれったい…。結局、この日は12ページ目を貼り終えたところまでだった。(汗)

 19日、朝から黙々とトーンを貼る。この日のうちにトーン貼りを終えたかったのだが、結局1ページ半残ってしまった。もっとも、トーン貼りのあとにもネーム貼りがあるし、表紙、裏表紙、中表紙のイラストも描かなければならない。目次に、執筆者からのメッセージ、編集後記に奥付と作成しなければならないページがまるまる残っている状態では、翌日入稿など無理に決まっているから、ここでの1ページ半の計算違いなど、もうものの数ではない。全体的に1週間遅れのペースであることは大いに問題だが…。(汗)

 20日、帰宅後は、相変わらずトーン貼りの続きだ。1日でも早く終えたいけれども、そうはうまく運んでくれない…。こんなふうに書いていると、相当イライラしてストレスがたまってきているんじゃないかと思われるかもしれないが、実は充実していたりする。確かに、イライラやストレスを全く感じないわけではないのだが、そういうものと闘いながら本を作っていく過程がまた楽しいのだ。

 今はつらいけど、これができたあかつきには…なんてことを思い浮かべながら、ひとりでニヤニヤしながら描いていたりもする。端から見たら変態のように思われるかもしれないが、これが創作の楽しみだと思う。これにハマるともうやめられない。いくら年をとっても…。(笑) 結局、この日は15ページの終わりまでで終わったが…。

 21日、帰宅後すぐに最後の1ページを仕上げた。ようやくこれで漫画が(絵については)描き上がった。続いてネーム貼りだが、その前にここの更新をした。今回も1週間遅れはしかたのないところだ。完全に入稿が済んだら追いつくようにしたいと思う。ここの更新後、ネームの打ち込みとサイズ合わせだけしてこの日の作業を終えた。

 寝る前にメールを落としたついでに、いつも利用している印刷所のHPを見た。9月は閑散期だから入稿から1週間で本ができるらしい。それなら、月末までに入稿できれば大丈夫だ。これでいくらか気持ちにも余裕ができた。このペースなら、何とかなるだろう。中日の優勝確率と同じくらい確かだと思うが…。(もしもってこともあるけど…。汗)

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