飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

6月1日(火)

 友菱SS100、自分の本の原稿執筆、るみけっと関係と、忙しい日々が続く飛鳥…。どこまで続くかわからないが、とりあえずどれも少しずつ動き出した。夏コミの当落通知まであと2週間…。よりいっそう、がんばらないと…。(汗)

 5月26日、「犬夜叉」だが、ほぼ全編に渡って奈落の妖術・幻影殺が展開されている。前回のラストに出てきた50年前の光景は、犬夜叉の心に潜む陰の気が生み出した幻影だった。犬夜叉は桔梗、弥勒は風穴、珊瑚は琥珀と皆、いわゆるトラウマを抱えている。それが、自らの魂を食い尽くすという術だ。しかし、かごめにはこれが効かない…。ということは、かごめの心にはトラウマがないのだろうか?

 確かに、トラウマと呼べるような過去の心の傷はないのかもしれない。しかし、今後の不安というのはあるはずだ。事実、前回は犬夜叉の頭の中が桔梗のことでいっぱいであることに対して、「やっぱりくやしいかも…」と落ち込んでみせている。そういうものは引っかからないのだろうか? 桔梗に犬夜叉を奪われるというような幻影を見てもおかしくはないはずだ。

 しかし、それがかごめの魂を滅ぼすほどの痛手になるかというと、確かにそこまではいかないのかもしれないという気もしてくる。それに、本気で犬夜叉が自分でなく桔梗を選ぶ恐れがあると考えているかという点も関わってこよう。ため息をつきながらも、結構その辺は自信があるのかもしれない。(笑)

 どちらかといえば軽薄短小的な性格が、かごめを救っているかたちになっていると言えるだろうか? 過去に深く悩まず、将来を深く考えず、現在を楽しく生きる…。言ってしまえば単純な生き方だが、それがかごめに関してはいい方向に働いていると言えるのだろう。

 だが、奈落はかごめが術にかからないことに若干の驚きを示しながらも、そういうときのことは考えていたようだ。魂が壊せないのなら、肉体を壊せばいいと…。それぞれにトラウマを持つ、犬夜叉、弥勒、珊瑚は術に囚われて助けに来られない…。かごめはとってもピーチ…、じゃなくて、とってもピンチだ。(いや、マジでかごめのバンジージャンプを想像してしまった。笑)

 ポイントとなるのは、七宝と雲母が術に囚われた様子が描かれていないことだ。この空を飛べる(七宝も風船玉のような姿に化ければ、かごめ1人くらいは運べるはず)連中の活躍があれば、とりあえず地割れ転落の危機からは逃れられるだろう。が、果たしてその先がどうなるか? 楽しみはまだまだ続く…。

 さて、この日は職場のバンドの練習で帰りが遅くなった。久々の練習だ…。6月4日にバンドの50周年記念パーティーを開くので、そのための追い込みなのだ。が、私は例によって直前の2回だけで本番に臨むことになる。相変わらずいい度胸だ。(笑) しかし、ただでさえ忙しくなってきたところへ持ってきて、バンドの練習も加わり、目が回りそうだ。その割に仕事は好調だったりするが…。(笑)

 27日、帰宅途中に「専務の犬」の単行本を買った。発売日は29日だが、近所の書店はいつも少し早く出ているので、寄ってみたら案の定だった。作品自体はもう何度も雑誌で読み返しているので、特にじっくり読み返さなかった。どの作品のカラーページがそのまま収録されているかなどをざっと通して見た程度である。

 と、奥付の発行人のところに見覚えのある名前を発見した。三宅克(みやけしのぶ)…。高橋先生の初代担当であり、「うる星やつら」のしのぶのネーミングの元ネタとなった人だ。発行人ということは、かなり偉くなっているのだろう。確かに、高橋先生がデビューして20年以上になる。出世していても不思議はない。別に、自分には直接関係ないことなのだが、妙にうれしいような気分だった。(笑)

 「専務の犬」に目を通したあとは、友菱SS100の統計関係のデータ拾いをした。会報通算100号、14年あまりの歴史となると、いろいろな統計的データも出てくる。例えば、どのキャラの絵がいちばん多く描かれたかとか、誰の描いた絵がいちばん多く掲載されたかとか…。これをまた時系列に沿って並べてみると、いつ頃の時期にどんなキャラが多く描かれ、誰が活躍していたかもわかる。

 一刻会のことを知らない人にはあまり価値はないかもしれないが、長くるーみっくの同人誌関係に関わっている人なら、聞いたことのある名前が結構出てくる。一刻会にいる人、かつていた人には、結構その世界で有名な人も多いのだ。知らない人は知らない人で、かつてこういう人たちが活躍していたのだということを知ることができるわけで、悪くない本になるだろうとは思うのだ。ほとんど宣伝に等しいが…。(笑)

 28日、帰宅途中にまた書店に寄ってみた。前日、「専務の犬」の発行人が三宅克氏であったのが強く頭に残っていたので、店頭でビッグコミック・オリジナルの発行人と編集人を調べてみたのだ。発行人はやはり三宅克氏だった。一方、編集人はと見ると、鈴木総一郎となっている。「めぞん一刻」の担当さんのうちの1人ではないか!

 何と、現在のビッグコミック・オリジナルは、高橋先生の元担当の三宅氏と鈴木氏のコンビが発行人と編集人なのだ。三宅氏は、このほかにもビッグコミック、ビッグコミック・スピリッツにも発行人として記載されている。ビッグコミック・スペリオールは確認できなかったが、恐らくビッグコミック関係すべての発行人になっているのではないだろうか?

 編集人の方は雑誌ごとに違っていた。恐らく、この編集人が雑誌ごとの編集長なのだろう。となると、発行人はそれより上になる。しかも、ビッグコミック関係を総括しているとなると、相当偉い立場と考えていいだろう。いやー、何とも感慨にふけってしまう。

 さて、この日も帰宅後は友菱SS100の編集準備作業だ。前回の編集で既刊の会報「友菱」を解体して原稿を拾う作業をしたが、その中で採用原稿が1枚の紙に背中合わせになっているものが結構ある。その場合、どちらかコピーを取らねばならない…。その場でいちいち確認していたのでは作業が進まないので、自分の所有している分だけでも、コピーの必要な原稿を書き出しておくことにしたのだ。

 前回同様、編集会に来る人数はあまり期待できない。しかも、以前行ったことがある友人のバンドのライブが同じ日に重なってしまったのだ。そっちへ行きたいという者もいるだろう。行くなとは言えないから、夕方以降の戦力が落ちることも考えておかなければならない。私はこの本の責任者でもあるし、できるだけ進められるところは進めておきたいから、今回は悪いけどライブの方はパスだ。

 友菱SS100は、何としても夏コミに出したい。たとえ、自分の本を落としてもだ…。もう何年も前から考えてきた企画だし、これだけは譲りたくない。端から見れば、理解しがたいこだわりに思えるかもしれないが…。

 29日、この日は自分の本の漫画描きだ。先日描き上げた絵コンテをもとに、下描きに入る。とりあえず、この作品が16ページある。これに若干のショートギャグを加えて表紙込みで30ページいけばいいところだろうか? ちょっと淋し過ぎる気もするが、スタートがかなり遅れているという現実を無視するわけにはいかない。

 ここまできたら、もう決断しなければならない。表紙をCGで作成するのは無理だ。例年、そこにかかっている約1ヶ月を節約できれば、本編の原稿自体を増やせる可能性が高くなる。外見より中味をとりたい。表紙だけきれいで、中味が雑な本は作りたくない。前回「Yesterday and Today」の描き下ろし作品がかなり雑になってしまったことに悔いも残っている。だから、今回は表紙よりも中味をとりたいのだ。

 ただ、表紙にこだわらない本を「REAL LOVE」とは呼びたくない。また妙なこだわりと笑われるかもしれないが、表紙にごだわれない分、本当の意味のベストではないのだ。それが「REAL LOVE」であるはずがない。タイトルは、いずれまた考えようと思う。とりあえず、他にもいろいろと雑用があったため、この日の下描きは3ページに止まった。

 30日、友菱SS100の編集のため、日野へ出向く。まずは、前回の編集で解体しきれなかった既刊分を解体して原稿を拾う作業からスタートした。そうしているうちに、1人、また1人と編集メンバーが集まってくる。前回よりは集まってくれた…。

 続いてコピー担当を1人決め、何号かずつ同じ紙に背中合わせになってしまっている原稿のコピーに行ってもらった。その間に他の号の採用原稿のうち、イラストなどまるまる1ページをそのまま使う原稿を優先して版下用紙に貼り込む作業を残りのメンバーにしてもらった。

 いわゆる、自転車操業的な流れで、あまりいいやり方とは言えないのだが、コピーが全部とれるのを待ってから作業するのでは、それまでの時間がもったいないと思ったのだ。結果としてちょっと失敗したところもあったが、比較的うまく回転し、この日だけで70ページ以上を貼り込んだ。これだけできれば上出来だ。

 編集は19時過ぎには終わり、食事をしながら今度はるみけっとの話し合いをした。先週、代表から示された基本的な構想をたたき台にして、いろいろと意見交換をした。だが、会場の広さと机の大きさの実測ができていないため、委託スペースを含めた机の並べ方などはイメージがつかめず、話がまとまらない。結局、今週中に会場を見学させてもらい、実測してくることにした。

 会場費からサークル参加費のおおよその金額をはじいてみたり、カタログ(パンフ)のサイズや装丁などについても意見を交換した。これらは、いずれ最新情報やアンケート第2弾としてまとめたいと思っている。とりあえず、夏コミでサークル関係者を中心に来年春の開催を広報し、会場と日程が確定したところで申込み受け付けへと移行することになるだろう。

 そこでポイントとなってきたのが、この秋の呪泉郷端展示即売会3である。どうやら、10月10日(日)に前回と同じ豊島区民センターで開く予定だということだけは決まったらしい。昨年好評だっただけに、今回もサークルや買い手が集まってくることが予想される。この場を広報に利用しない手はない。

 るみけっと準備会の母体をなす一刻会は、例年この日に「高橋留美子バースデー集会」というイベントを開催しているのだが、今回は来年にるみけっとを控えている。来年から10月10日を祝日でなくすというるーみっくファンにとっては不埒とも言える法律ができてしまったので、今年は10日開催にこだわりたい面もあるのだが、るみけっとを成功させたいのであれば割り切る必要があるだろう。

 結局、集会は即売会後からの1泊2日にするか、11日のみにするかのいずれかにし、10日の日中は呪泉郷端展示即売会3に参加するということになった。

 31日、帰宅後、チャットで原稿を依頼した2人に正式な原稿依頼のメールを書いていると、名古屋の一刻会会員からまた電話がかかってきた。とりあえず、前日のるみけっとに関する話し合いの結果が知りたかったようで、一通り報告した。とにかく、夏コミまでは対外的に大きな進展はない。前日の話し合いのようなレベルのことを詰めていって、内部的な方向性をきっちり固めておく時期だろうと思う。

 その内部的な話し合いが少し進展したことで、彼も若干安堵したようだった。これからもできるかぎり、友菱SS100の編集後に話し合いを持っていくべきだろう。会場と日程が確定したら一気に動けるように地固めをしておきたいところだ。まあ、そううまくはいかないだろうが…。

 6月1日、ここの更新作業だ。今回は間に合わないが、そろそろるみけっとのアンケートも第1弾を終了して、第2弾に移行したいと思う。ある程度こちらで固まった事柄について意見を問うというかたちになるだろう。そのときには、また協力してもらえるとうれしいのだが…。

 さて、コミケの当落発表も2週間後に迫ってきて、いよいよ修羅場の季節本番だ。今回当選すれば5連勝…。そうなれば、ますます新刊を出さなければならなくなる。まったく、やりたいことが多過ぎて困ったものだ…。飛鳥杏華はどこまで欲張りなんだろう?(笑)

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