飛鳥杏華の気まぐれモノローグ

<1999年>

3月16日(火)

 サンシャインクリエイション3に参加したが、やはり売れない…。飛鳥鳳凰堂の本が前回より売れた分、個人的には明るい気分なのだが、依然として事態は厳しいようだ。(汗)

 10日、「犬夜叉」だが、新たな展開への突入だ。前回、あそこまでやられたのだから、さすがに奈落もすぐには動けまい。一方、珊瑚と雲母の容体が回復するまで犬夜叉たち一行も動きがとれない。ストーリーの展開としては谷間となる部分に、別の視点を持ち込んできた。犬夜叉と同じ半妖の登場だ。

 ここで犬夜叉が他の半妖の生きざまを見ることは、最終的に犬夜叉自身がどういう道を選択するかに何らかの影響を与えることになるだろう。妖怪になるか、人間になるか、はたまた半妖のまま生きていくのか…? 必ずしも、結論に結びつくものとはかぎらない。むしろ、余計に迷わせるエピソードとなるかもしれない。

 村人からは妖怪と同じ扱いをされ、何かあればすぐに疑われる。妖怪からは、見下されて生きていかねばならない半妖という立場…。いまのところ、その悲哀が前面に描かれそうな気配だ。村人の身勝手な態度も何やらポイントになりそうである。人間が無事なら、妖怪同士の戦いでどっちが死のうがかまわないという態度をあからさまに示す村人たち…。そのあたりに物語カギが潜んでいるのかもしれない。もちろん、村の娘のはらわたを食った犯妖(笑)のことも気になるが…。

 さて、帰宅後はめぞん一刻・原作初出掲載時資料室の方にとりかかる。とりあえず、2話分を仕上げた。これでまあ、次回の更新では最低限のものは出せる。長いこと待たせてしまっている人たちには、物足りないかもしれないが、スピリッツコミックス第6集分が完成するまで待たされるよりはマシだろう。まとめて見るのも時間がかかるし…。

 11日、この日も帰宅後、資料室の方を手がける。やるとなったら集中してやる方なので、結局そうなってしまう。頭では、夏の同人誌のための漫画の構想なども練っているのだが、少し前から考えていた「犬夜叉」ネタとどうも今回のシリーズが似たようなものになりそうで、いやな予感がしているのだ。描きはじめてしまうと直すのがつらいので、もう少し今回のシリーズを見てから考えるとしよう。もし本当に似た展開になったら…、どうしようかな…?(汗)

 資料室の方は3話目を仕上げ、4話目の途中まで進んだ。書くことが多い回と少ない回のギャップが激しい…。書くことがない回は、非常に心苦しい。何か見つけたいのだが、ないものはないのだ。タイトルロゴ入りの扉絵が見られるだけでもいいんだろうか? うーむ、割り切らなきゃやっていけないのは確かなのだが…。

 12日、「めぞん一刻総集編」第6集の発売が3月上旬と聞いていたので、そろそろかなと思ってここのところ書店をのぞいているのだが、まだ発売されていないようだ。もしかして、地元の書店がたまたま入れてないだけなんだろうか? それも否定できないので、翌日、久々にお宝探しを兼ねて神保町にでも行ってみようと考えた。そういえば、昨年末のノートパソコン購入からちょっと金欠になってしまって、今年はまだ1回もお宝探しに出ていなかった。先日の同人誌「桃源郷」が今年初めての買い物だったのだ。

 帰宅後は資料室の方をまた進め、5話分まで仕上がった。ここまで「草野球スタンドクロス」(フルカラー)と「Don’t フォロー ミー」(2色)しかカラーの回がないが、この先が目白押しとなる。スピリッツコミックス第6集収録作品は、非常にカラーの回が多かったのだということにいまさらながら気づかされた。時期としては、1983年だ。ちょうどあの「桃源郷」のイラストを描いた頃なのである。この年の半ばには、東久留米市から練馬区の方へ引っ越しもしていることを考えると、公私共に忙しい中で非常に精力的に腕をふるった年だったということが言えよう。

 また、この日の夜にちょっと頭を悩ませるメールが届いた。詳しい内容は、はっきりと決着がついてから報告したいと思うので今は差し控えておくが、決して悪い話ではない。ただ、悩んで(迷って)しまう内容なのだ…。そのせいもあって、この日の夜はあまりよく眠れなかった。本当に決して悪い話ではないのだが…。(笑)

 13日、10時頃に家を出て、お宝探し午前の部に出発した。といっても、まんだらけは正午オープンなので、まずは池袋の東急ハンズに寄った。通販に使う雨よけ包装用のポリ袋が底をついてしまっていたのだ。以前は近所のコンビニでも売っていたのだが、最近はゴミ袋しか売っていなくて、なかなか手に入らなかったのだ。そこはさすがに東急ハンズ、ちょっと売り場を見つけるのに苦労したが、しっかり手に入った。

 東急ハンズで適度に時間をつぶし、正午過ぎにまんだらけ中野店へ…。今回はほとんど収穫がなかった。2FのDEEP館で持っていない「めぞん」の吊り広告用ポスターを見つけたのだが、ちょっと痛みがひどかったのと、表までセロテープで補修してあり、そこがしっかり黄ばんでしまっていたのが気に入らなくて、悩んだ末に断念した。あまり出回ってるのを見たことがない絵柄だったので、本当に迷ったのだが…。

 一旦帰宅して昼食をとり、14時過ぎから午後の部に出発した。まずはまんだらけ渋谷店だ。入るなりターゲット・オン! 「らんま」のタペストリーを発見した。「らんま」ではいちばん古い1987年夏の小学館コミックフェアの非売品だ。まだ等身が高く、おさげも長い絵柄である。パイプが1本欠落していたが、別に転売目的ではないし、常時部屋に飾っておくわけでもないので、私にとっては一向に問題がなかった。

 そのほか、1992年夏の小学館コミックフェアの「らんま」うちわや「うる星」2色カラーの回が収録されている週刊少年サンデーを3冊、自分用としてGETした。あとは、プレゼントやイベントの賞品用にアニメ絵のものを少々買い込んだ。続いて神保町の中野書店に出たが、ここでは収穫がなかった。まるっきりないわけでもなかったが、金欠なので引き締めが肝心ということでこらえたのだ。(我ながらよくこらえたと思う。笑) だが、今回の主目的であった「めぞん一刻総集編」第6集はやはり売ってなかった。もう、中旬なのだが…。(汗)

 帰宅後は収穫の品々の確認をしたのち、前日の悩みのメールの返事を書いた。とりあえずは、第1段階だ。最終的な決着はもう少し先になるだろう。翌日のサンシャインクリエイションのための準備をして寝たが、やはりあまりよくは眠れなかった。(しばらく、続くかも…。汗)

 14日、サンシャインクリエイション3当日だ。前回のバレンタインプレゼントコミケの結果があまりにも悪かったので、あまり気乗りのしない参加であった。予定どおりに売り子の相棒と池袋で待ち合わせ、10時前には会場に到着した。早速準備をしていると、元一刻会員であるM&M氏とバッタリ顔を合わせた。彼に言われて、通路を隔てた向かい側のホールにやはり元一刻会員である樋上いたるさんがブースを構えていることを知った。

 彼女が一刻会を退会したのはほんの1年か1年半前のことだから、挨拶がてら本を買いにいこうかなどと軽く考えていたのだが、隣りのサークルの人たちの会話を聞いてギョっとした。樋上さんはすでにその手のゲームファンの人たちにとってはスターだったのだ。(汗)

 樋上さんがゲームキャラのデザインや原画描きのプロになっていることは知っていたし、一刻会のゲーム好きの若手会員から結構人気が出てるという話も聞いていたのだが、自分ではその手のゲーム(いわゆるギャルゲーという奴)は全然やらないし、当然そっちのジャンルの動向も全然知らなかったから、まさかそこまで人気が出ているものとは失礼ながら思っていなかった。

 決して彼女の実力を軽視したり、過少評価していたわけではない。競争が激しい業界だし、実力があっても必ずしも人気を得られるわけではないだろうし、ほんの1年前まで同じ一刻会の会報に原稿を並べて非常に身近な存在と感じていた人が、そこまで翔け上っていようとは正直言って想像していなかったのである。

 結局、樋上いたるさんのところはこの日いちばんの行列となり、相棒に購入を頼んだのだが、時すでに遅く樋上さんの本を手に入れることはできなかった。(残念だが、しかたあるまい。汗)

 一方、我々のブースはというと、みじめなものだった。覚悟はしていたし、前回より厳しいのではないかという思いがあった分、売れた冊数の合計は同じだったが、幾分気分的には明るいものがあった。もっとも、前回に比べて自分の本が多く売れたからというせこい理由が多分にあることは、恐らく間違いないのだが…。(笑)

 ここ2回の既存即売会参加で感じたことは、確かにコミケに比べて売れないことは事実だが、それでも足を止めてくれる人はそこそこいるし、買わないにしても熱心に中味を確認する人もいるということだ。その人たちにとって、自分が興味を持っているジャンルの本があったこと自体は、意味があるに違いない。あとはこちらが買ってもらえるような本作りをするかどうかにかかってくる。少なくとも、出ることがまったくの無意味ということはなかったと思う。

 15日、一刻会の若手会員から樋上いたるさんのメールアドレスとHPのURLを知らされた。友菱SS100の企画のひとつとして、元会員も含め、会報「友菱」で活躍してくれた方々からの100号到達に寄せたメッセージを掲載するというものがあり、その原稿依頼をするために前から頼んで調べてもらっていたのだ。

 当然、友菱SS100には樋上さんの原稿も含まれている。樋上さんの人気を知るまではそれほど気にもしていなかったのだが、知ってしまった今となっては非常に依頼しにくくなってしまった。あくまで結果とはいえ、樋上さんのネームバリューを利用することになってしまいかねないからだ。著名人のネームバリューで本が売れるのでは、必ずしも本に対する正しい評価にはならない。まだそれはいいとしても、売るためにかつてのコネを利用したと思われるのは心外だ。

 そういう意味では近年、アニメ脚本家として「魔法少女プリティーサミー」や「大運動会」などを手がけ、高い人気と評価を得ている倉田英之氏も同様だ。たまたまかつて高橋留美子ファンをしていて、一刻会に籍を置いていた人が有名になっただけだと割り切ればいいのだろうが…。(汗)

 ならば、黙っていればよかったじゃないかとも言える。ここで書いてしまったら、宣伝したも同様だ。(ポリポリ…。汗) しかし、何というか…、自分が高橋先生の描いた原稿に関するマニアックな情報を求めているのと同様に、倉田氏や樋上さんのファンの中にもそういう人がいるかもしれないと考えると、ついさり気なく情報を提供してあげたくなってしまうのだ。(笑) この辺は、先程の本作りに対するこだわりとは裏腹なのだが…。(汗)

 まあ、たまたまそっちも好きな人でここをのぞいた人だけが知りうる情報だ。即売会でそういう売り方をしなければ、さほど影響はあるまい。そうに違いない! そう思うことにしよう。(実際、影響ないと思うのだが…。笑)

 16日、めぞんの資料室は6話分まで仕上がった。とりあえず、ここまで公開だ。この続きが結構大変だし、いろいろと優先しなければならないことも増えてきたので、来週すぐというわけにはいかないかもしれないが、この時期にできればスピリッツコミックス第6集分までは仕上げておきたいと思う。

 さて、次の月曜日(22日)は、少年サンデー系中心の即売会、PROJECT S2だ。同じ会場の隣りでは少年ジャンプ系中心イベントもやっているらしい。規模がずっと小さいので、どれだけ人が来てくれるか不安もあるが、少なくとも少年サンデーの読者が来るのだから、少しは期待してみたい。

 鏡あかりさんもどうやら回復したようで、4月からは委託を引き受けることになるだろう。さらに、西島きょうこさんの本も預かることが決まった。ちょっと机の上がにぎやかになりすぎて置き場所に困るのだが、選択肢が増えることで来てくれる人が増えればと思う。欲を言えば、一刻会の本がもう少し売れてくれるといいのだが…。(汗)

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