まず始めは小田原ラン。このときわたしはまだ大学1年生である。サークルに入って、大学にチャリで行くようになったり、少しパーツを換えたりしたころである。しかしまだ「走りはじめたばかり」の時期であり、神奈川県の国道さえも通ったことがない道がたくさんあるような時期であった。今思えば、この小田原ランから色々なランが始まったといえる。このランから始まり、それから一人でどんどんいろんなところへ行くようになったのである。

この年の夏合宿は事故が起こったため、途中で終わってしまった。北海道から帰ってきてから、荷物もそのままほったらかしでダラダラした日々を過ごしていたが、このままじゃいかん!と思い、久しぶりにチャリで走りに行くことにした。だいたい100kmくらいで、行ったことのない道を通るようなコースを前日に考えていて、いくつかあがった候補の中からこの小田原ランに決まった。

ランはまず北海道から持ってきたままの輪行状態のチャリを組み立てることから始まった。タイヤがちゃんとはまっていなかったりするトラブルがあったりして、なんだかんだで出発は午後1時近くになった。この年の夏は異常な暑さだった。さらに出発した時間はまさに一日のうちで一番暑い時間帯!しょっぱなから暑さでめいりそうになった。

国道246は金田までは通ったことがあった。しかしそこからは初めて踏み込む領域。全ての風景が新鮮だった。とは言っても電車で行ったことのあるところもあり、その場所を通ったとき、「あ〜、あのときのあの場所じゃん!懐かし〜。この道だったんだ〜」みたいな感じで記憶のかけらがつながったような気がした。

ひたすら246を進み、善波の坂にさしかかった。この坂は詳しい地図には「善波峠」という名がついているほど峠っぽい坂である。このときはまだ坂に慣れていない時期だったので、けっこう疲れた。反対車線の歩道では地元の人らしき2人組がチャリを押していた。めちゃめちゃ暑かったが途中で何度か汗拭き休憩をとりつつ、なんとか頂上のトンネルまでたどり着いた。そしてなにげなく今上ってきた道を振り返ってみた。そこには緩やかではあるが、長くカーブを描いた坂道があった。上りきった自分をちょっとほめて、すぐ出発した。

新善波トンネルを抜けると下りで、下りきったところは秦野である。秦野と言えばサークルのある人物も有名だが、ヤビツ峠のあるところで有名である。よく名前をきく峠で、さらにきついことをしっていたので、急遽コースを変更してヤビツ峠に行こうかな〜なんて思ったりしたが、先日の集中豪雨の影響で通行止めになっていたらいやなので予定通り進むことにした。

秦野を過ぎるとアップダウンの連続。渋沢のあたりでは路側帯が狭くてすごく走りにくかった。というか、危なかった。大型トラックがバンバン通って、そのうちの1台はおれの横スレスレ5cmくらいのところを走り抜けて行った。あの時もし首を右にかしげていたら、間違いなく首が吹っ飛んでいただろう・・・。246は家からそんなに遠くないわりには山に囲まれていて、自然がいっぱいある景色なので、「ちょっと足をのばせばこんなに自然があるのかぁ」と感心した。しかし交通量は多かった。

国道255号を通って小田原へ向かっていると、「美人多し。交通注意!」という看板が目に入った。このランでは実際に小田原駅に行ったわけではない。小田原のあたりまで行って帰ってこようという予定だった。255から国道1号にぶつかると、藤沢方面に走り始めた。酒匂川に架かる酒匂橋を渡っているとき、この川さっきも渡らなかったっけ?と思った。確かに255で飯泉橋という橋で渡っていた。この酒匂橋を渡っているときに外人のスタイル抜群の女性チャリダーがおれをすごいスピードで抜かしていった。足長ぇ〜とかくだらないことを考えていたが、もうかなり疲れていたので張り合う気にもならなかった。

そのあと腹が減ったのでなんか力のはいるものが食べたいと思いながら走っていたら、そこにマックの看板が。反対車線にあったのでめんどかったが、背に腹は代えられないのでさっそくマックに入った。てりやきマックバーガーセットを注文したが、ファーストフードに一人で入るのはあまり好きじゃないので速攻食べてすぐ出た。

国道1号は中学時代に伊豆にサイクリングに行ったときに何度も通ったことがあり、久しぶりにこの道を通ったのですごく懐かしかった。この道は246に比べてだいぶ平地が多いので、ず〜っと30km/hくらいで走っていた。もちろんこれはオーバーペースだった。調子にのりすぎて無理な走り方になっていて、大磯のあたりで足がやばくなり始めた。やはりこの炎天下の下でトップギアのオーバーペースが足に大きな負担をかけてしまったのだろう。何度も足がつりそうになった。かなり疲れてきていたので、やっと藤沢についた〜とか思ったらそこは茅ヶ崎だったなんて勘違いもあった。足がいうことをきかず、かなり辛かった。

国道467は中学のころから数え切れないくらい通ったことがあるので慣れた道だったが、この日ばかりはいつもと勝手が違った。なんだかすごく道が長く感じた。そしてみそのの坂でさらに追い打ちをかけられ、もう足は限界だった。さらに出発が遅かったので日が暮れた。最後はナイトランになり、8時前に家に着いた。
コース:
大和→国道246→座間→海老名→厚木→伊勢原→秦野→松田→国道255→小田原→国道1→二宮→大磯→平塚→茅ヶ崎→藤沢→国道467→大和
走行距離 100.41 km
走行時間 4h 30m 59s
平均速度 22.3 km/h
最高速度 47.0 km/h

1999年のRUNへ