NAダンパーKIT及びNAスプリングKITショコラに関するページ

 

さてさて、余りに多い「ショコラ」と「KONIダンパー」と「NB流用アッパー」に関する質問ですが、私としては同じメールの内容だとしても1通1通個別に書き上げて返信させて頂いている訳でして、1通当りの返信に30分くらい書き込む場合もあり、非常に時間を掛かる作業を夜中にしている次第であります。これは当店のHPでの説明が足りなく、混乱を招いているとも言えますのでココに良くある質問をまとめた答えを書きます。参考になればと思います。

 

まず、第一にご自分の今現状の足回りをよーく考えてください。

ストロークは足りてますか?

足りていると思っていても「底突き」している車両が非常に多く見られます、キチンとしたKITに交換して始めて「ストローク」を感じる人も少なくありません。ノーマル形状のダンパーとローダウンサスでフェンダークリアランスが30mmくらいの人は既に1G*でバンプタッチの可能性大です、止まっている状態でハンドルを切ってバンプラバーとダンパーケースの隙間が確認出来ますか?1G状態でバンプタッチしている場合は間違い無く底突きです、危険ですので対策をしましょう。

*1G状態とは車を停止して、無負荷の状態を指します。

足りていたとしても装着スプリングレートにより必要ストロークは大きく変ります、ほんの少しのギャップやGで底突きしてしまうような隙間ではやはりストローク不足となりますね。

よくある質問

Q、「ショコラにNBアッパーを使用するとショコラでー15mmでNBアッパーでー20mmのダウン量ですよね、合計35mmのダウンとなり底突き皆無で理想なのですが・・・」

A、ショコラのー15mmは考え、計算されたダウン量です、ノーマルよりもレートを高くした分、必要ストロークが短くなり、車高を下げてもストローク不足になり難い設計となっています。勘違いしている点としてNBアッパーでの20mmダウンが単純に縮みストロークに影響すると思っていない所ですね、少し前まで「NBアッパーの流用でストローク変化無く車高が落せる!」といった夢のような嘘の噂を間に受けてしまったのでしょう・・・少し考えれば判ると思いますが雑誌などの文面を鵜呑みにしてしまい影響されやすい「良い人柄」が災いしてしまったのですね(笑)NAアッパーからNBアッパーに変更すると一般的なKITとして何が変るのかというと「アッパーシートの位置が20mm上がります」アッパーシートが高くなるとその分ダンパーロッドはケースに沈み込みますので単純に縮みストロークが20mm減って伸びストロークが20mm伸びてしまうのです。

注*NAからNBアッパーで厳密に寸法を取ると3mmくらいストロークアップするみたいですが・・・

判り易く話すと車両装着状態にて1G状態でのダンパーストロークが伸び50mm縮み50mmと仮定します。外から見た目にはダンパーロッドが50mm見える状態(仮定ですのでバンプラバーは無視)でケースの中に50mmロッドが沈んでます。アッパーシートが20mm上に高くなると基本的にスプリングは1G荷重ではレートか車重の変更が無い限り潰れしろは変りませんのでロアシートからアッパーシートの高さに変更は無く、結果ロッドのみが20mmケースに潜ってしまうのです。よって伸び70mm縮み30mmのストロークバランスとなります。この状態が悪いとは言えません、セッティングの一部としてのバランスであれば問題ありませんが、一般的なロードスターのローダウンスプリングは30mmくらい下がりますよね、NBアッパーと合わせて50mmロッドが潜ってしまう場合は少なくありません、縮みストロークが殆どありません、伸びストロークだけしまうのでブレーキングでフロントの沈み込みが無く、ブレーキロックしやすくなり、コーナーリングではアウト側の底突きによりイン側のダンパーがその分伸びてしまいロール量も予想よりかなり大き目になります。

質問に戻るとショコラの4.5kレートで35mm以上のダウンは縮みストローク不足になりやすいのでショコラの設計から大きく外れます。

Q、「車高が30mmくらいのダウンが希望なのですがショコラとKONIのCリングを下げて使用しようと考えてます、どれくらいCリングを下げれば30mmダウンになりますか?」

A、ハッキリ言ってわかりません、柔らかいレートのスプリングは車重の違いで車高が大きく左右されます、憶測で数値を出すしかないですからね。元々のショコラの設計した経緯から話さなくてはならなくなりますね。始めからCリングを調整してしまってはショコラ本来の目的とも離れ、性能を活かせないままとなってしまいます。とりあえず本来の設定で使用して頂き、そこから調整数値を出し、加工して問題のないような幅で調整して頂きたいと思います。

Q、「NAノーマルスプリングとダンパーでNBアッパーを使用して車高を下げたいのですが・・・」

A、なかなか渋い選択ですね、NBアッパーを使用してNA特有のブルブル感を減少させるのが狙いなのでしょう、答えは「悪くないでしょう」と言えます、が、注意しなくてはいけないのはNBアッパーの使用で20mm縮みストロークが減少しています、柔らかいノーマルスプリングの使用ではやはりロール量は大きく、攻め込んだ時Nストローク不足になる可能性はあります。出来ましたら当店の17mmスペーサー等を挟んでノーマルの車高に戻す事でノーマル車高となりますので乗り心地のみ改善出来るかもしれませんね。裏技的な組み合わせとしてNBのバンプラバーとダストブーツの使用で若干のストロークも稼げます。

そこで、NBバンプラバー&ダストブーツのススメ。

NAのバンプラバーはゴムのダストブーツ一体物、これは非常に合理的な方法だと思いますがゴムで出来たダストブーツは大変切れやすくダンパーの寿命を著しく落す引きがねになっています。バンプラバーもゴム製で初期タッチから固く、挙動変化が大きくなりやすいのです。変ってNBバンプラバーは柔らかいウレタン製、しかもフロントとリアの硬さが違います、これはフロントが重い事もありますがブレーキング時の強力な減速Gでも絶えられるような硬さとも言えます。リアは柔らかいウレタンを使用していますので加速時などの沈み込み時のバンプタッチを柔らかくして突然なテールスライドを起こし難くなっています。ダストブーツもナイロン系素材を使用(多分)している為に大変丈夫で長い期間高価なダンパーを保護してくれる事でしょう。百害あって一利無し(言い過ぎか?)のNAバンプラバーとはオサラバしてせっかくの新品ダンパーには是非NBバンプラバーセットを組み込んであげてください。

 

車高調kitに関する系。

プリロードゼロの怪・・・「プリロードゼロで組みたいのですが・・・」とよく言われるのですが、一体何処からその言葉を聞いてきたのでしょうか?プリロードの意味を全く理解していないのに数値を指定されても一生セッティングは出ないでしょう(笑)そもそも何故?そうしたいのでしょうか?全く理解に苦しみます・・・本来は「良い足」を築き上げようと調べているうちに「プリロードゼロ」という言葉がでてきたのでしょうね。ノーマル車は何故あんなに長いバネを縮めて短いダンパーに組んであるのでしょう?と言う事を考えてください、レートが低いと1Gでの沈み込みも大きくなります、ダンパーロッドを1Gで中立位置に持っていくにはアレだけのプリロードを掛けないとノーマルのレートでは車高が下がり過ぎるのです。硬いバネは1Gでの沈み込みが小さくなるので硬ければどんどんとプリロードは減っていきます。ダンパーストロークを考えると一線超えたレートからマイナスプリロード(遊ぶ状態)になります。柔らかいバネでプリロードを減らしてもストロークバランスが狂いますし、硬過ぎるバネでプリロードゼロを目指してもストロークバランスが狂います、極端に言うと縮み10伸び0のストローク(底突きの逆)になってしまい大変乗り心地も悪く、とても攻める事なんて出来ません。「何キロのレートでどれくらいのプリロード?」とも言われますがそれも個々の車重に大きく左右されますしダンパーストロークにも大きく左右されますのでお答えできない事もよくあります。それよりもセッティングとしてあえてプリロードを強くしたり減らしたりするので他人の数値を真似ても自分には合うかどうか不明ですよね、一時の基準として聞く分には構いませんが。車高調などのデーターは自分の車で長い時間掛けて築きあげる物です、弄ってナンボの世界なのです。触った分だけ経験値が自分だけのデータとして残るのです。

 

非常に長くなりましたが少しでも参考になればと思います、全く内容が理解出来なければもっと勉強して調べるてください、当店に直接来店して頂ければ説明しますけど・・・(私の時間があれば)一番判り易いのは模型やラジコンカーなど動かして見れるような物を手にして考えるのが良いかと・・・非常に奥深い足回りは文章で説明しても難しいかもしれませんね。