「タイヤ」

タイヤと言っても幅が広すぎるので今回はコンパウンドや銘柄の選び方に重点を置いて書いてみます。タイヤ選びの参考になれば・・・なるんかな?

黒くて丸けりゃ何でもよい!そんな事言っちゃいけません、車の性能を左右するのに一番と言って良い程に重要です。各タイヤメーカーのカタログを見れば一般道を走るタイヤだけでも数種類。どれを選んで良いのか?なんて方もいらっしゃいます。そんな時にアドバイスさせて頂くのが私の仕事。誰にでもハイグリップタイヤを薦める訳ではありません。

ポイントとして「車の使い方」「車の仕様や特徴」「ドライバーの技量」と大まかに分けるとします。

車の使い方は通勤しか使わないか、それともハイアベレージで走行する場面が有るか無いか。通勤しか使わなければコンフォート系のロードノイズを抑えてウエット性能の良い物。たまの走行会への参加などでも使用するならスポーティタイヤとなります。もっとハイアベレージを求めるならスポーツタイヤになります。

車の仕様や特徴も考えなくてはなりません、メーカーはブレーキやサスペンションの性能に合わせてタイヤ銘柄をちゃんと決めているのです、例えばノーマルのロードスターに極端なハイグリップタイヤを装着したとします。普通に一般道をドライブしているくらいでは減りが早かったり、ロードノイズが大きかったり、ウエット性能が落ちたりしますね、まあそれは、スピードを上げなければ良いだけです。問題はハイグリップタイヤにしたと言う理由で無闇にスピードアベレージを上げてしまう事。タイヤはある程度スリップしながら車の向きを変えたりブレーキコントロールするのです。今まで曲がれたコーナーが曲がれなくなったり、ブレーキバランスが大幅に変ったり、キャパシティオーバーでフェードやベーパーロックしたりしやすくなります。サスペンションが固ければコンフォート系タイヤではロールしないので曲がらなく危険ですし、ブレーキのストッピングパワーが強力ならペダルを触っただけでロックするという恐ろしい車になってしまいます、それなりのハイグリップタイヤが必要ですね。昔ポルシェに国産ハイグリップタイヤを装着したらリアエンジンと固いボディ、足回りが災いしてタイヤに掛かる負担が大き過ぎてヨレてグリップしない上に一瞬で磨耗したといったトラブルを見た事があります。選んだタイヤがポルシェという特徴のあるレイアウトとユーザーの使い方に全く合っていなかったのでしょうね、結局ピレリーなどのショルダーの固いシッカリとした剛性のあるタイヤの方がマッチングが良かったようです。

タイヤメーカーでもテスト&開発車両が4WDスポーツなどで行うとロードスターのような軽量FRには合わない事もあるのでスポーツタイヤでも各メーカーの考え方や性能を重視したポイントなどでも変ってきます。タイヤが変ればグリップレベルが変り、それに合わせてサスペンションの調整も必要となってしまいます、が一般的にはタイヤに合わせて車を調整するよりは車に合うタイヤを選ぶ事の方が現実的ですよね。(サーキットでタイムを詰めるような方はタイヤに合わせてブレーキバランス、サスペンションやアライメントを調整しますが)

個々のドライビングテクニックを活かすには車体に合ったバランスの良いタイヤ選びが必要となってくるのです。どれが自分にマッチしてるか拘る事で安全と楽しさが生まれてくるのです。

その前に溝の無いタイヤや空気圧調整してないタイヤは問題外に危険です。最低でも気温の変る春、夏、秋、冬くらいは点検しましょう。