NOSシステムを実戦で使ってみる!

&筑波決戦2004NOS戦記

2004、10、15日筑波サーキット2000にてロードスターだけの走行会が行われた。毎年25台くらいのロードスター好きが集まって行われている走行会で私も1回目より参加させて頂き今回で6回目の参加となる。そもそもプラベートでロードスターが好きな連中が集まって開催される走行会として続けられてるって事は素晴らしい。毎年参加者に大きな変更は無く自然に団結力とモラルが生まれて集結した結果、年に一度の筑波決戦を開催する事が出来るのだろう。

私を含めショップオーナーなど自動車業界に携る人達も多くいるがコノ日ばかりは一般プライベーターとしての顔で走るのだ、レギュレーションなどは無いが、個人の「一生懸命に働いた御金で作った車」か「自らの手で汚れながら造った車」である事くらいか、何名か居たショップ関係者も全て自らの手で作ったエンジンと車体で自分がドライブするという所があえていうなら条件かな?何にしろプライベートな理由で作った車なのは間違い無い。

今年も全国?から参加者が集まり長岡勢も3台のエントリー、最強プライベーター御馴染「Fire Roadster」の炎氏と人間も軽いが車も軽い870kgのNA6を駈ける茶太郎と私のスチャラカ3人組みである。炎氏はバラして2年越しのエンジンを病気で入院してリハビリを理由に会社を休み組上げて決戦2週間前に出来たBPボアアップLジェトロ4連仕様である。血圧は低いらしいが油圧はしっかりと掛かっている。

茶太郎は私の隠し持っていた81パイの中古シリンダーを使用してトヲタAE111の5バルブピストンを組み合わせノーマルヘッドで回すというプライベーターの王道(横道?)とも言える仕様を決戦1週間前に鈴鹿にF1を見ている間に私が載せ換えたという「とりあえず間に合わせボアアップ仕様」である。B6とは思えないトルクとマルハモータースFカムで普通のエンジンのフィーリングだが軽量な車体との組み合わせは面白い。中古のシリンダーはアクセルオフで燃焼室にも油圧が掛かっているらしい。

去年の決戦で私のファインチューンエンジンではストレートでかなりの遅れが発覚していた、エンジンを作ろうとも考えていたが時間が全く作れずに・・・

其処で私は1ヶ月前に急遽手配したパーツがコレ。

ナイトラス オキサイド システム!

通称NOSシステムの導入である・・・

スポーツコンパクト系の車両には今では常識的アイテムであるがサーキットなどで実戦に使用している所はまだ少ない、ガレージハンドレッドワンなどのデモ車はMOTEC制御の「ドライ噴射」で確実なコントロールで恐ろしいパワーを搾り出すらしいが今回私がやろうとしている制御はお手軽と言われている「ウエット噴射」である、ガソリンとNOSをMIXしてスロットル上流で噴霧させるというとってもデンジャラスで曖昧なファジー制御なのだ。販売しているAVOから簡単な説明書が付属してきたが全体の流れの説明のみで理解するのに少し時間が掛かる。目につく言葉は「吸い込み過ぎると死にます」「事故などでバルブが飛ぶと当って死にます」などと書いてある注意書きがやたら目に付く・・・・

 

死ぬんだ・・・

 

死ぬんだ・・・

 

死ぬんだ・・・

 

。。。。

 

へぇ〜・・・・

 

悩んだ末しばらく放置していたが決戦4日前より装着決定!

サーキット走っている時点で危険は付き物だし、危険の度合が少し大きくなったってダケだし・・・ブレーキパット交換だって、足回り交換だって危険を誘発する可能性がある訳で。実績のあるKITを正しく?使うなら問題は無いハズである。と、考える。

私の車はフリーダムの4スロ仕様、エンジンはNBノーマルのヘッドチューンのみカムは272の264だけである、4スロなのでNOSを噴霧するノズルは必然的に4本必要で、NOSの量はシングルスロットルの4倍となり単純に噴けばそれだけパワーが出るらしい、当然使用量は増える。ウルトラマンでいうと3分で勝負をつけて宇宙に帰らなくてはならないが1分弱で勝負をつけなくてはならない、その分凄いパワーがあるので弱っちい怪獣ならパンチ1発でKO!と理解して良い。あーなんて判りやすい説明。

赤がフュエルラインで青がNOSライン

一本のノズルにガソリンとNOSの入り口が一箇所ずつあり、4スロではガソリン用とNOS用の2個のディストリビューター(簡単なBOX)から4本のノズルに分配する、手前のガソリンとNOSのライン上にソレノイドバルブがあり、スイッチONでバルブが開き噴霧するようになる。とっても機械的な成り行き制御だ、インジェクションのフューエルラインに割り込ませるのでガソリン圧は一定なのに対してNOSボンベは温度や内容量に対して圧力が一定ではないのだ、つまりNOSタンクが満タンで温度が高ければガソリンは薄くなるし、NOSが減ってきたり使用しているとタンク温度が下がり圧力が下がってきた時はガソリンが濃くなるのである。想像しただけで恐ろしいので今回はタンク用のヒーターも装着、少しでも内圧を一定にするよう努力するである。

当然ソレノイドに電気を落さなければNOSとガソリンは噴霧されない、スロットル上流にノズルが付いているって事はアクセルオフやハーフスロットルなどでMIXされた高圧ガスが噴霧されると噴き返しによりとっても危険なので全開の時だけスイッチングされるように全開スイッチをつける。

これでスロットルバルブが全開の時だけ噴霧されるようになる、KITにはあとメインのスイッチだけが付属されるのだが、低回転全開時に噴霧されてしまうとエンジンが欲する量以上には燃焼室に入らないのでやはり噴き返しが考えられ、やっぱり危険だし無駄なガスの使用は極力抑えたい所なので一定回転以上で噴霧するように回転制御も加えたい、其処で。

判り難いが赤い物体の下にNBエンジンの可変吸気インテークをコントロールする為に以前に電子頭脳を持った方に製作して頂いた設定回転数でスイッチするコントローラーを装着、これで4500回転以上で100回転刻みでソレノイドの開くタイミングを調整出来るようになる、NOS、ガソリンのソレノイドは合計2個あり結構な電圧が掛かる為に解体車から外したリレーを噛ませてみる。これで全開時の5100回転に設定したのでソレ以下の回転では噴霧しない、そこで筑波決戦2日前に始めて始動する、試乗は某峠。NOSの効果は抜群だったがアクセルの僅かな踏み直しやアクセルオフ後に再度アクセルを踏むと若干息付きを起こす、アクセルオフ直後にスイッチが切れてソレノイドが閉じるがソレノイドからノズル先端までのパイプに残った残留分がバルブに溜まる事が考えられる・・・・コレではサーキットの立ち上がりでロスするじゃないの。急遽手押しボタンを装着する事に、ホームセンターにゲーム用と掛かれた押しやすそうな大きいスイッチを購入して間につけた。これでアクセル全開の5100回転以上で尚且つ手元のスイッチを押した時だけ作動するのだ、ブレーキ手前のアクセルオフよりも早く手を離せば息ツキは無くなる。本当は押した時に映画のワイルドスピードような「カシュッン!!」とかカッコイイサウンドも欲しかったのだが・・・・決して「へぇ〜」とは鳴らない。

オーディオ下に並んだ怪しいスイッチ群、左からヒータースイッチ、NOSメインスイッチ、押しボタンスイッチとなり下に回転コントローラーが収まる。300wのヒーターもリレーを噛ませての制御なので合計すると恐ろしい配線の数となってしまった。赤いボタンを押す仕草は何年も前に読んだ「よろしくメカドック!」で出てきて私の心を掴んだ夢のボタン。一押しで夢の世界に飛べるボタンである。ボタンとタンクの中身には男のロマンが一杯詰まっているのだ!

 

コレで完成!

完成したのは筑波決戦出発前夜、サーキット全開走行時にボタンを押す余裕があるかの不安と他様々な不安を抱えて出発する事になった、NOSの圧に左右されてしまう不完全とも言えるガソリン量の制御ではあるがフリーダムの空燃比連動機能を使うと例え濃くなったり薄くなったとしてもちゃんとメインインジェクターで調整してくれる、なんて便利な機能なんでしょう。フリーダム空燃比制御+NOSシステムは結構有効かも。

地元でNOSを充填出来る所を開拓する時間がなくて遠回りではあるが埼玉のガレージハンドレッドワンにて充填済みタンクを借りに足を運ぶ、メカの角凸氏とNOSとは関係無い会話で時間を過した後そこに居たガレージベリーの方に連れられてベリーさんの工場にお邪魔したりと結局22時過ぎまで遊んでから筑波に向かったのでした・・・小1時間駈けて筑波サーキット前のモナーク(素泊まり3150円)に到着、そこに居たのは片道900kmをロードスターに乗ってやってきたworksサンが!来るとは聞いていたけど本当に来たのね(笑)明日は朝早いけど2時過ぎまで楽しい一時、私の学習機能も働いてビールは1L未満の消費量で筑波決戦参戦で始めての二日酔い無しである!走行会当日は昨日降った雨がサーキット路面に残るが朝から晴天、合計3セットの走行なので1本目は様子を見ながら走り2本目にタイムを狙う、3本目は気温も上がりタイムも狙えないのでバトルに勤しむという例年のスケジュールを目標にスタート。

所が1年ぶりの筑波でウエット路面は非常に怖い!1本目は様子をみる所かビビッターが効いてスリッピーな路面でブレーキングポイントすら掴めない、コース一杯が使えない・・・NOSは確実に加速してくれ問題ないのだがタイムを狙うには私が問題なのかも知れない。2本目は完全ドライの好条件でスタート、NOSは裏ストレートで離される車を抜く事が出来るくらいにパワーが出ている、面白いくらいに加速する。が、タイムが出ていなかった。明らかに私がブレーキングを詰められていない事とコースを使いきれていない事が原因である。若干2ヘアでオーバーステア特性がキツイので急遽リアを3mmダウン、引きずりやすいように伸び減衰も落としてみる。この時で4番時計で3本目がスタート、足とブレーキはかなり良くセットできたようだ、NB2ブレーキに移植して試作でR800NB2用を1セット製作したものを使用するがかなりの好結果である、奥で安定したブレーキコントロールが出来る。重いのが難点だけどね。足はイニTの13kプリマイナス5mmの最強から4分の1戻しでリアが10kヘルパー付きで半回転戻しで車体は水平より僅かに前傾である。非常に車体は良くなった、皆とも素晴らしいバトルモードで楽しめ大満足!でも、タイムは出ていないが・・・

何故?

それは・・・

 

 

 

2本目ですでにNOSを使い切ったから・・・

去年のコンマ1秒遅れの7秒2で今年の決戦は幕を閉じたのだ。

(実は2本目で、すでに幕は閉じていたのかも・・・)

ま、タイムは余り関係なく考えているので良い、とっても楽しめた時間を過せた事に感謝である、こんなに素晴らしい走行会は他に無いかも知れない、みんなが笑顔で解散する時は毎年少し寂しいがきっと来年も逢えると思えば次回に繋がるのだ。最高に楽しいメンバーと最高に楽しいバトルが出来た、ロードスターの楽しさってこうやって継続されていくのだろうね。しかし恐ろしくレベルの高いロードスターの走行会であった。

 

帰りの高速で凄い眠気に襲われて一人サービスエリアで仮眠した。

残ったNOS(笑気ガスとして麻酔効果がある)が漏れたんじゃないよなぁ・・・・

 

 

 

きっと疲れていたんだろう・・・そう思いたい。

 

 

 

今回私の趣味の時間を楽しくしてくれた方々に感謝します。

Special Thanks

おやぢレーシング

ガレージハンドレッドワン

ガレージベリー

アライブ石井自動車

JOYFAST

worksサン他遊んで頂いた方々・・・・