Last
Week
(2001/05/27)日本ダービー |
今年もダービーだけは現場で見届けたいと、仲間と出かけた。7時前には東門に陣取った私であるが、京王線の調布駅あたりから降り始めた雨は強さを増し、栄えあるダービーを台無しにしかねない状況になった。いわゆるダービーウェザーと呼ばれるように、五月晴れで行われることが多く、私の記憶でもレースで雨が降っていたのはミホノブルボンの時だけだった。せめてレースまでには止んで欲しいという願いが叶い、重馬場ではあったがすばらしいダービーになる予感はあった。クロフネにとっては、パンパン馬場での時計勝負に持ち込みたかっただろうが。 返し馬に出てきた優駿達は、我々がいるゴール前1ハロンの2階席最前列の前を通る時にはだいたいが落ち着いていた。ジャングルポケットを除いては。彼の気性がそうさせるのか、それとも強さを誇示する為なのか、くびをのけぞるようなポーズで返し馬に入っていった。馬場はかなり悪い。そしてスタート。ダービーのスタートをこれほど目の前で見るのも初めてだと思う。出遅れもなく、テイエムサウスポーが引っ張るハイペースでレースは進んだ。ジャングルポケットはいつの間にか内にポジションを置き、クロフネは予定通りなのかやや後方待機。レースは三角でボーンキングがクロフネを交わして行ったところから動き出した。ジャングルポケットはじっとしている。そして四角を回って我々の前に彼らが現れた。 以前書いたように、二角までの折り合いがダービーのポイントだと思ったが、ジャングルポケットはダービーを勝つべくして勝ったというような位置取りで、直線では大外から一気に差し切った。ビデオで見てみると、四角では急激に内から外に持ち出しており、進路がなかったら、と心配させられるポジションだった。それにしても馬が強かった。勝ち方としては歴代の、少なくとも私が見てきた31頭のダービー馬の中では5本の指に入るような勝ち方だった。アグネスタキオンがいなかったのが残念でならない。彼がいたらレースはどのように流れていたのか。しかしそれは言うまい。出走できることが、まずは第一関門。すばらしいダービーだった。 クロフネの敗因は何なのか。距離か、馬場か、それともローテーションか。少なくとも、マイルを使っての中2週というのは普通ではなかったか。ましてや栗東との往復である。外国産馬をダービーに出走させることの難しさを初年度に味わうことになった。今年は朝日杯での出走権取りに外国産馬が殺到するのか。それとも皐月賞が開放されれば、そこでの権利取りが王道になるのか。いずれにしても、ようやく我が国のダービーも開国への第一歩を踏み出したということだろう。 |
This
Week
(2001/06/03)安田記念 |
ジョウテンブレーヴが満を持して登場する。2歳の府中3歳S前の調教で際立つものがあり、それ以来追いかけているが、中距離での切れ味勝負が持ち味になってきたようだ。府中のマイルはベストなのではないだろうか。それにしても、メンバーは揃った。トロットスターもマイルなら我慢できるだろう。スティンガーも今年は余力がありそうだ。アグネスデジタルもひと叩きして、間違いなく良化している。そしてフェアリーキングプローンがやってきた。ドバイの後も地元で楽勝してきている。あっさり勝たれても仕方ない。 |
安田記念ベストレース
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GTとして確立された1984年以来、我が国を代表するマイラーを生み出してきた安田記念。ニホンピロウィナーの為に行われたようなレース体系の改革であった。この年の春は出走できなかったが、安田記念に勝ったハッピープログレスをマイルCSで封じ込め、2年連続で最優秀スプリンターに輝いた。そして翌年の安田記念に満を持して登場してきた。この馬の為の安田記念というようなレースで、王者の風格さえ漂う勝ち方だった。この馬こそ、海外に討って出るべきだという評論家もいたし、私もヨーロッパのマイルを走る彼の姿を夢見たものである。 しかしレースでの凄さという点では、やはりオグリキャップとノースフライト。特にオグリキャップの場合、有馬記念を勝ってはいたが、安田記念の勝ち方こそがオグリのレースだった。まるで馬が違うように見えた。ニュージーランドTの勝ち方といい、マイルでの走りこそが彼の本当の姿だったのではないか。それほど凄いレースだった。ノースフライトの時は、スキーパラダイスやセイエダティがいたので、到底勝てるものではないと思っていた。しかし、秋には必ずGTをと思っていたので、単勝だけ持って見ていたのだが。いかにも牝馬の切れ味というレース振りで圧勝する姿を見た時、幸せな気分になったのを今でも覚えている。ほかにも、ダイイチルビーやヤマニンゼファー、そしてタイキシャトルの凄さなど、GTになって生まれ変わったと言ってもいいレースの代表だろう。 |