Weekly Report


Last Week

2001/05/20)オークス

やはりテイエムオーシャンには2400mは長かったのか。大事に乗りすぎたとは言わないが、直線の坂下からの瞬発力勝負で、ローズバド・レディパステルに置いていかれたのは、決め手というよりも距離の限界ではなかったか。マイルなら間違いなく抜け出していたはずだから。決して騎手は責められないだろう。それにしてもローズバドは惜しかったが、これがオークスなのだろう。3歳牝馬が2400mを走って、坂上で抜け出して粘りきるというのは非常に難しい。勝ったレディパステルのデザーモは絶妙のタイミングで追い出した。計ったように差し切った。オークスでは往々にしてこういうケースがよくある。テイエムオーシャンも2000mまでならもつだろうから、秋の再戦が楽しみである。


This Week

2001/05/27)日本ダービー

アグネスタキオンの戦線離脱がこんなにもダービーを寂しくさせてしまうものか。ジャングルポケットのファンの私にとっては、破るべきライバルがいなくなったことで、半ば拍子抜けがしないでもない。強いものに立ち向かうからこそ面白いのである。馬券的にも。しかし陣営にとっては、札幌3歳Sを勝った時点からローテーションを決定し、ダービーを勝つ為に仕上げてきた。ライバル云々の問題ではないのである。万全の態勢が整った。

クロフネはどうか。武は距離に対する不安を否定していない。NHKマイルCでのレース振りにも、ダービーを意識したものが見受けられる。しかしクロフネ、他馬よりも少ない心拍数と一完歩の大きさで、スタミナの不安を打ち消してくれるだろう。武は直線の坂上で間違いなくジャングルポケットより早く抜け出すに違いない。さあ来いといった感じでハナに立った時、ジャングルポケットとの一騎打ちになる。


ダービーベストレース

ダービーとなると、やはりトウショウボーイが負けたレースが思い出される。若い池上が、逃げの手に出なければならない状況に追い込まれ、勝負師加賀に出し抜けを食らった1976年のダービーである。デビュー4戦目の皐月賞で、あれ程キャリアのことを云々したマスコミが、ダービーでは一切キャリア不足を指摘しなかった。それでも5戦目である。私は心配だった。しかし絶対に勝ってくれると。四角を回ったところで、一瞬の隙をつかれてクライムカイザーに交わされたが、そこからは差は開かなかった。ダービーの重さを始めて感じたレースだった。一晩中ふさぎ込んでいたのを覚えている。

デビューから追いかけていたはずのタケホープなのに、ハイセイコーに引き込まれてしまった嫌な思い出もある。タケホープに申し訳ない気持ちで一杯になったものである。1973年のことである。

そして、やはり凄いレースということになれば、やはりシンボリルドルフとナリタブライアンのレースだろう。シンボリルドルフは荒れた馬場の三角で、岡部の手が激しく動いた。それでも動かない。現場で見ていた私の目にも、危ないと映ったものである。しかしシンボリルドルフは、まるでダービーを勝つにはこう乗るんだと言わんばかりに、直線に入ってから爆発した。騎手は名馬に育てられると言うが、岡部本人が言っているように、この馬によって現在の岡部がいると言っても過言ではない。

ナリタブライアンの勝ち方こそ、怪物そのもののレースだった。持ち込み馬がダービーに出られなかった時代、マルゼンスキーの中野渡は大外でいい、他馬に迷惑をかけないから出させて欲しいと訴えた。ナリタブライアンの勝ち方は、まさしくそれであった。ダービーの勝ち方としては、最も衝撃的だったのが2頭の三冠馬だったということである。そう言えば、ミスターシービーのダービーも、一コーナーで最後方からの大まくりだった。三冠馬になるには、ダービーでの勝ち方に凄さが必要なのかもしれない。返す返すも今年のアグネスタキオンのリタイアが惜しまれる。凄さを見せ付けて欲しかった。

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