Weekly Report


Last Week

2001/05/13)京王杯SC

スティンガーが万全の態勢で安田記念を向かえる。昨年のような衝撃的な追い込みではなかったが、彼女らしい切れを見せてくれた。左回りだとこんなにスムーズに走るものなのか。大混戦の安田記念に向けて、また一頭主役が復活した感じである。ブラックホークは絶好調のようであったが、やはり1ハロン長かったか。変わり身という点では、アグネスデジタルに期待をしたいのだが。トゥザヴィクトリーは宝塚記念か帝王賞に向かうということで残念ではあるが、ジョウテンブレーヴに安藤勝が決まったことで、トロットスターとフェアリーキングプローンを加えてもの凄い安田記念になりそうである。


This Week

2001/05/20)オークス

テイエムオーシャンの阪神3歳牝馬Sを見た時、あんなにクビが高い走法でこれから大丈夫かと思った。しかし能力が違った。桜花賞の走りを見る限り、他馬とは開きがありすぎるようにも思える。しかし、オークスである。桜花賞とは別路線とは言わないが、あくまでも2400mを乗り切るスタミナを重視する限り、あっと驚く馬が出てきてもおかしくない。ファーストサイヤーランキング1位のダンスインザダークの娘達が活気付いてきた。ムーンライトタンゴの追い込みはまさしく府中向き。オイワケヒカリまでフローラSを勝ってしまった。やはり父がダービーで無念の涙を呑んだ府中での激走を期待したい。

そして例年のように忘れな草賞の勝ち馬をチェックしていて驚いた。アスクコマンダー。なんとシャダイカグラの孫ではないか。というよりも、エイブルカグラの仔だった。母は札幌の新馬で武が乗って大差のレコード勝ち。その後ターフには戻ってこなかった。そして幸四郎騎乗で我々の前に登場した。母の果たせなかったクラシックの夢、そして祖母がゴール直前で差されたオークス制覇に向けて、思いっきり走ってきてもらいたい。


オークスベストレース

オークスの思い出となると、やはり嶋田功を語らずにはいられない。私が始めてテレビで見たオークスが、若き岡部騎乗のカネヒムロが勝ったレースだった。一番人気の嶋田功騎乗のナスノカオリが惨敗したレースであった。1971年のことである。そして、それから3年間のオークス連覇が始まるのである。流感で7月に延期された翌年は、タケフブキで大本命タカイホーマを差し切った。その直後にデビューしたのが弟タケホープとナスノカオリの妹ナスノチグサだった。タケフブキのファンだった私は、自ずとタケホープのことは追いかけるようになり、ナスノチグサは嶋田功だということで、同じく追いかけることになる。そしてご存知のように、翌年のハイセイコーブームの中での大逆転劇。前週にナスノチグサでオークスを連覇した余勢もあったのだろう。こうなると、府中の2400mに嶋田功が乗れば勝てるという方程式みたいなものができた。翌年は9番人気のトウコウエルザで岡部を差し切った。その後のテイタニヤ・テンモンと、人気になったオークスでは完勝だった。

しかし、レースとしてのベスト3を挙げるとすれば、テスコガビー・エアグルーヴ・メジロドーベルということになろうか。テスコガビーは桜花賞の圧勝から大本命ではあったが、トライアルを叩いて敗れたことで、距離への不安が取り沙汰されていた。同じく菅原騎乗で2冠を狙っていたカブラヤオーがNHK杯を圧勝してダービーを向かえていたのとは正反対であった。高校3年の私であったが、友達には楽に勝つのは絶対にテスコガビーだと宣言していた。同じ逃げ馬ではあったが、距離への融通性は彼女の方があったように思えたし、何より能力が図抜けていると判断したからだ。案の定というか、逃げを打ったわけではなかったが、こんなに楽に勝っていいのかと思う程の圧勝で、溜飲を下げたのを覚えている。エアグルーヴの勝利は、これ程嬉しかったオークスもなかったからだろう。熱発で桜花賞を回避し、不安ばかりがつのっていた。2歳時のいちょうSを見た時の衝撃が忘れられず、数ある騎乗依頼馬の中から武が選んでくれたことが嬉しかった。そして凄かったのが、直線入り口でノースサンデーが外に拠れてきたが、それを予測して尚外の進路を選んだこと。以前ノースサンデーに騎乗して癖を知っていたから警戒していたと言うから驚いた。メジロドーベルのレースは、何よりも吉田豊が自信満々に乗っていたこと。一番人気がキョウエイマーチであったことが不思議なくらい、あの時のメジロドーベルと吉田豊のコンビは堂々としていた。四角までのどっしりとした構えは、長い直線を控えたこともあるが、どう乗っても勝てるといった自信にみなぎっていたように思う。口向きの悪い彼女がゴール前で真っ直ぐに走っていなかったが、それでも抑える程の圧勝で、オークス史上でも有数の強い勝ち方だったと思う。以前の比べて、オークスの勝ち馬が古馬になっても活躍している。ベガはダービー馬の母親にもなった。エアグルーヴとメジロドーベルの仔達の対決が見られる日も近いだろう。

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