Last
Week
(2001/04/29)天皇賞春、ドバイミレニアム、アグネスタキオン |
テイエムオペラオーを止めることのできる馬は出現しないのだろうか。またしても、メイショウドトウもナリタトップロードも彼の前に完敗であった。そして、今でも倒せるのではないかと言われているアグネスタキオンまでが浅屈腱炎でリタイアとは。世代間の頂上対決こそが、究極の競馬の楽しみである。これは過去の記憶の馬達をも巻き込んだ、我々ファンの永遠の夢なのだが。オペラオーとタキオン、この対決こそが今年最大の楽しみだった。2世代離れた馬にそれを求めることこそ、中間世代の弱さの裏返しなのだが。それでも、倒せるかもしれないと誰もが夢見る一戦だったはず。ジャパンカップをどれ程楽しみにしていたことか。おそらく2頭の対決はないであろう。また一つ、我々の夢が増えた訳である。 そして、何度やっても勝てないメイショウドトウと、菊花賞以降完敗続きのナリタトップロード。どうしたことか。テイエムオペラオーの状態は決して100%ではなかったはず。雨を言い分けにしても良いのか。午後から降り続いた雨は、発表では良馬場ではあったが、確実に重下手のナリタトップロードやエアシャカールのフットワークを乱したようである。確かに多少の雨は苦にしないテイエムオペラオーにとっては、ライバルに差をつけるには十分過ぎる恵みの雨だったのだろう。GTを勝つには運も必要だ。2000mの皐月賞と秋の天皇賞も馬場は荒れていた。しかし、名馬はどんな状況でも勝たねばならないし、勝ってこそ名馬である。ナリタトップロードにしてみれば名馬云々よりも、絶好の馬場で決着を着けることだけが目的だっただろうが。それにしても、エアダブリンの岡部が菊花賞時に、ちょっとした出負けが致命的だったと言っていた。3000mもあるのに、スタートが肝心なのである。そういう意味では、今回のテイエムオペラオーの完璧なスタートは、勝つべくして勝ったということか。対してメイショウドトウの陣営は、同じようにスタートを失敗したことで、好位を取れなかったことが敗因だと明言している。最も勝ちたい気持ちが強かったのがテイエムオペラオー陣営だったのかもしれない。それにしても、アグネスタキオンの挑戦を受けなくては現役最強と呼ばれない風潮があること自体、かわいそうな気もするが。完調時のグラスワンター・スペシャルウィークに勝っていないことや、いつも2着が同じ馬という、ある意味では不運な面もあると思う。それ以上に、アグネスタキオンに対する期待が強いということなのだろう。彼ならテイエムオペラオーをやっつけてくれるだろうという思いだったはずである。返す返すも残念でならない。 そして、衝撃的なニュースが駆け巡った。ドバイミレニアムが亡くなったと。せん痛の為、2度の手術を行い、経過見ていたらしいが、回復の見込みがなく3回目の手術後に安楽死の処置となったらしい。食べた牧草に毒物が混入していたという話であるが、殿下の至宝を狙った何者かの犯行という噂まであるらしい。モンジューとの対決も夢と消え、そして命までも絶つとは。数十頭に種付けは終わっているということであり、遺児達の活躍を期待するしかない。ドバイワールドCでの衝撃は、冗談でなくセクレタリアート以来のものであり、私の中では間違いなく最強の一頭だった。 |
This
Week
(2001/05/06)NHKマイルC、京都新聞杯 |
アグネスタキオンの戦線離脱で、人気的にはダービーは大混戦となるであろう。今年から外国産馬に門戸が開放され、それにちなんで命名されたというクロフネ。ラジオたんぱ杯まではダービー候補の一番手だった。しかし、軽々と交わしていったがアグネスタキオンとジャングルポケットだった。毎日杯で復活したクロフネであるが、武が戻って来られるということで、NHKマイルCからダービーを狙うという路線を選択した。本来なら青葉賞で確勝を期して進むのがベストだったが。中2週の間隔で、しかも府中のマイルを使うという選択がどう出るか。GTの格に拘って、肝心のダービーに万全で臨めないようでは寂しいのであるが。青葉賞勝ちのルゼルと、京都新聞杯から外国産馬が勝ち上がってくれば、ダービーの出走候補になるが、クロフネも2着なら賞金的には出走可能になる。武よどう乗る。府中のマイルは中距離のスタミナが要求される。クロフネにとっては絶好の舞台とも言える。余裕の勝ち方でダービーに臨むことができるか。ネイティヴハートに脚元をすくわれるようじゃ、ダービーもおぼつかない。 青葉賞同様に今年からGUになった京都新聞杯であるが、昨年のアグネスフライトの勝利に価値があった。当然関西にもダービートライアルのGUは必要であり、来年からはせめて外回りの2200mに戻してもらいたい。皐月賞トライアルではないのだから。 |