表紙 「左高信の直球曲球」
 左高信 著
 カバーデザイン 東京図鑑
 カバー印刷 真生印刷(株)
 徳間文庫
 ISBN4-19-891157-6 \571(税別)

 おなじみサタカの鋭いツッコミが楽しめる本、今回は1995年あたり。どうも一度読んだ文章が多いなあ、と思ったら、前に読んだ"タレント文化人100人斬り"とカブってるところが多くってなんか損した気分(^^;)。

 なんていうか、まことにもって正論で、口を挟む余地なんかないのですけれども、それでもなんかなー、たしかに痛快なんだけど、こう続くとそれはそれで食傷してしまって………ってのはワガママが過ぎるか。

 直球勝負の罵倒、その相手はどう見ても罵倒されるに足るだけの連中なのは確かですし、こうして常に忘れることなく悪とニセモノを告発しつづける左高さんの姿勢は高く評価しなければならないのですけれども、それでもなあ、ちょっとこの、左高さんの本から感じるモノが妙にぎすぎすした、余裕のないモノばかりなのが気になるんだよなあ。本書では、左高さんのお好きな何人かの歌人の紹介をするパートもあって、こちらのほうではよほどゆったりとした左高さんの人間像が(かすかに)浮かんでくるだけに、"もうちょっと余裕をもてばいいのに"なんて感じてしまうのは余計なお世話ってモノなんでしょうか。

 気のせいか、左高さん自身の文章にも、このところ少々自意識が強めに出ているように感じ、これも気になります。ちょっとこのシリーズ、読むのがシンドくなってきた感じもありますねぇ。


99/8/15


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